えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

あぐねる

2010年03月22日 | 雑記
3月は不安な月です。
一年としては始まったばかりなのに、一年に終わりが二回もあるせいか、
その終わりのひとつだからなのか、芽吹く花もいっこうに嬉しくならず、
かえって散りかけのその頃に新しい年の訪れを感じるのは皮肉な喜びだと思います。

歩いた靴先に当たった、つぼみのついた桜の枝が重そうに膨らんでいるのを拾うと、
赤茶色のがくからぷっくりふくらんだ若草色のつぼみの奥に埋まる桜色が見え隠れ
します。どうということはないのですが、昨日の突風に吹かれたあと、朝のしばらくだけ
まっさおな空を見上げることなしに落ちてしまったつぼみが寂しくなり生けておきました。

ふくれにふくれたつぼみの開くきっかけは、つぼみがよくわかっているはずなのに、
わかっていることを聞き取れないままおろおろして取る「とりあえず」の好意は、
往々にしてまちがっていることが多いものです。

:過ごしたけれど描ききれないものもの

・美しき挑発 レンピッカ展 「ピンクの服を着たコゼット」
・長谷川等伯展 「松林屏風図」
・日本民藝館 「編み・組みの手技」
・柳宗悦 「妙好人論集」
・浦澤直樹 「Pluto」
・美の巨人たち ヴィルヘルム・ハンマースホイ
コメント
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