えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

本感想

2008年08月20日 | 読書
村上春樹:『東京奇譚集』 新潮社

初春樹です。
食わず春樹でした。
佐々木マキの挿画にはいつも惹かれてましたけど。
どうも、きざっぽくて苦手なのです。
ただ、一冊くらいは読まなくてはならないか、と思い、
図書館で一つ借りました。
これは短編集なので、イヤならばその話を読めばやめられる、
と思い選んだのです。

「東京」の抜けた『奇譚草紙』(夢枕獏 文芸春秋)と
同じように、まず作家の周辺で起きた実話をかき、
その後に創作をおく、という流れです。
『草紙』は掌編ですが『東京~』はそこそこボリュームのある
短編集でした。

初春樹。どきどき。

ああ、思ったとおりだった。

技術があって、才能があって、冷静な視点を持つとんでもない
作家だと言うことはよくわかりました。

ただきざっぽくて、かっこうよすぎて、そこがどうにも、
性にあわなくて。

これは単に読み手のモンダイでしょう。
読んでる最中はさっぱり読めました。後は残りません。

――――

池波正太郎:『新しいもの古いもの』 講談社

池波正太郎が、演劇のパンフレットやいろいろな雑誌に書いた
コラム集の一つです。

これ、タイトルは誰がつけたのでしょう。
ちらりと見て非常に違和感を覚えました。
似合わない。

なんだか、『新しいもの古いもの』とくると、どちらかの立場を
擁護するようで、どちらかを批判しているようで、それは
池波正太郎の書き方とは違うと思うのです。
『ル・パスタン』とか『夜明けのブランデー』、
『食卓の情景』『散歩の時何か食べたくなって』『男の作法』
とかと比べると、
語感の違いかな。

池波正太郎は、その時点での新しいもの、新しい状況(高度成長期)
に対してわりに批判的な言が多いけれども、変にそれに対して
卑屈になったり、温故知新を押し付けたりはしない点が読みいいの
だと思います。
このタイトルだと、ちょっと誤解されそうな……

内容も先に挙げた随筆集に比べると、文章の熱も薄くて
あまり面白くは読めませんでした。
「編集者からこういう企画を出されて~」みたいな
書き出しで始まるものがあったのも、うーん、でした。
コメント
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