キャリアカー用のハンディタイプ送信機(荷台可動・ウインチ操作の4ボタン)修理依頼があった。
送信機、受信機共に、電源をONにするとLEDは点灯するが、操作しても全然動作しないという内容。
届いて調査するが、送信機の電波が出ていない。
(以前2機種ほど修理対応したものの周波数は316~320MHz付近だったので、250~320MHzをスペアナで探したが出ていない)
富士通製MB1509というPLL用のICが使われており、クロックは10.24MHzの水晶が実装されている。(写真はシールドケースを外してある)
PLLが動作してなくてもVCOは発振しているはずだが、これが見つからない(発振波形が観測されない)。
ボタンの操作に応じて、シリアルの信号は出ている。
2階建ての構造で、送信部と信号処理部に分かれているが、直付けポストで半田付けされているので、ピンヘッダとソケットに交換して調査しやすい様にした。
これは、修理不能ということで、たまたまヤフオクで見つけた「業務用無線遠隔制御システム」なる送受信ユニットを見つけたので、これでどうかと、依頼者に相談したら、落札して直送してもらうので、接続コネクタ部分の改造をお願いしたいということだった。(後述する)
届く間に、先日、他機種でうまくいった315MHzモジュールに置き換え出来ないか、信号の出どころを探して接続してみた。
すると、正常に通信が出来、動作する様になった。送信側か受信側で論理を反転する必要が有り、今回は受信側に、トランジスタを入れ反転させた。
【予備機の改造】
「業務用無線遠隔制御システム」が届いたので、内部を見てみた。
送信機は信号が4ボタンで、その他にON/OFFがある。
受信機に電源(AC/DC12~24V可能)を印可して動作を確認してみると、ON/OFFボタンにより受信機の電源がON/OFFになる。
OFFの状態では、信号のボタンを押しても動作しない様になっている。
ONの状態で操作すると、それに応じた、リレー脇のLEDが点灯し、リレー(12V用)接点がONになる。
周波数は説明書に433.92MHzと書いてあるが、スペアナで見ると、少し低い周波数を示す。
アンテナ線はビニール被覆銅線をクルクル巻いてローディング?してモールドの突起内に差し込んである。
FRG401の接続ケーブルがそのまま使える様に、以前入手してあったコネクタを実装することにした。
幸い、何とか受信器内に実装スペースが有りそうなので、ケーブル出力部のモールドをカットして、コネクタが出る切り込みを入れた。
アンテナも、現状のが使いたいというので、同じ様にケースに穴を開けてBNCコネクタを取り付けた。(周波数帯が異なるので、マッチングはしないが、内蔵アンテナよりは良いだろう)
配線は基板上にナイロンコネクタ(2Pと6P)が有るが、線を引こうとしたら簡単にコンタクトから抜けてしまった。やはり中華製のいい加減なところか。仕方が無いので半田接続する。
屋外で使用するわけでは無いが、一応隙間はプラ板で塞いだりして、シリコン接着剤で固定した。