相模原障害者等大量殺傷事件は、その詳細を知らないし知る気もないが、殺人者の言動からこの男の行為がこの国の沖縄対応に酷似している印象には慄然とせざるを得ない。沖縄タイムスはこの犯行をヘイトクライムだと指摘している。
ヘイトクライム(英: hate crime、憎悪犯罪[1])とは、人種、民族、宗教、性的指向などに係る特定の属性を有する個人や集団に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる暴行等の犯罪行為を指す(ウィキペデアから)
ヒトラーナチスは、ヨーロッパ中のユダヤ人の他にロマ(ジプシー)、障害者、同性愛者、ソ連軍捕虜、ポーランド人にも迫害を加えた。これの基本的な考え方は反共主義、精神病罹患者や劣弱障害者排除、ユダヤ人憎悪、ゲルマン純血種保存、第三帝国建立基調としての遺伝子的優越性の誇示、などがあげられる。
支離滅裂な殺人者の言動から漏れ聞く「安楽死」「ヒトラーが降りてきた「税金費消の軽減化」障碍者への日常的な差別発言などは、沖縄から眺めると辺野古や高江市民闘争に加えられるネトウヨによるヘイトスピーチと重なる。国家の言うことを聞いていればいいんだ、金さえもらえればいいんだろう?、とか、あるいは安倍晋三自ら独裁的に処断する行為の数々、県知事訪問を玄関払いする不遜さ、など、どれもこうした排他主義者と同列の次元に属するものだ。その「本性」が現れるとあのような(高江のような)恣意的な、暴力的な狂気が炸裂する。
彼らは現代のどちらかと言えば軽薄と呼ぶべき階層に属し、一体に学業的学究的な方面に疎く、流行や平俗な情報知識にのみ足場を置く傾向にある。彼ら自身がそうした情報の発信者となることも稀ではない。ナチスやヒトラーが大衆の心理に通暁してたのはまさに彼ら自身が大衆的だったからで、それは大衆迎合主義から次第に統制的になり、やがて秘密警察的恐怖政治に、最終的には大衆から完全に離反する狂気の殺人者に変貌する。この行動パターンの流れは安倍晋三に予感的に想像されると筆者は思う。彼は、この国が琉球処分(あるいは島津侵攻)以来増殖してきた琉球差別の最も下等で卑劣な質において軽々しく常識化常態化し、極めてご都合主義的に沖縄を「与しやすし」と踏んだのだ。安逸を望む以外さしたる意見もない凡庸な中程度の人間が、途轍もなく重要な、不相応なポストに置かれたとき繰り広げる異常で異様な行為の数々こそ、安倍晋三の政権に顕著な沖縄施策、あるいは安保法制であった。彼の高江辺野古攻撃は尋常ではない。そのことをはっきりと見据えておかねばならない。しかしこの異常さは、殺戮者たちには自明の効率的手法という意味にしかない。彼らは少しも世界の批判(国連人権委の勧告等悉く斥けている)を意に介さない。多分アメリカが後ろ盾、とでも思っているのだろう。碌なものじゃない。(つづく)