室井佑月「大人ってなんだ?」
https://dot.asahi.com/wa/2018061300007.html?page=1
ちょっと狂おしく考えるならば、人は大方善も為せば悪も為す、つまりは善悪と言うのは、人類的には必ずついて回る、抜けきれない因縁の中で彷徨する代物で、これをどう評価するかにあたっては、結局、決して定らない相対的な基準に拠って徒に振り回されるだけであろう。今や司法までもヒラメ化しそれ自体国民基準になってない。ここでは悪は決して裁かれない可能性があるわけだ。だが、個人の問題に戻るなら、善悪ではなく正義か悪かの判断に委ねられる。そして正義という観点からは、人は悪を決してあいまいに許したりはしないのである。正義のやぼったさを度外視し、空気や雰囲気を切って捨てるなら、正義は必ず最後の砦になる。