沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩98 近代化

2010年06月23日 16時44分07秒 | 政治論
  竹内好「中国の近代化と日本の近代化」(だったか)で竹内は近代化の比較を行い眠れる獅子だった中国と封建鎖国の日本とでその前近代の内実は同等だったが欧米列国に泰平の夢を破られると一方は急激な欧化により瞬く間に近代的軍事国家に変貌し一方は驚きふためいてああでもないこうでもない喧々諤々しながら徐々に重い腰を上げようやく近代への脱皮に着手する 日本はわずかな期間に一気に近代化を成し遂げ中国は抵抗した もちろんそれは欧米への抵抗であり自己の運命に対する怒りである 欧米の近代化は必然的自己発展であり東洋の近代化は欧米の侵攻によって強制された この強制に対して中国は抵抗し日本は猿真似した 一方を劣等生の近代化とすれば一方は優等生の近代化である というのだ 明治維新は支配階級の下級武士から始まり最後は藩閥政府と化す 自由民権運動は弾圧された 近代化は官僚目線で進められた 欧米に追いつき追い越せというスローガンは国民意思にはないものだ まして帝国憲法には天皇絶対制が謳われている 国軍は天皇の軍隊であり兵隊は赤子とされ忠君愛国が基本精神だった つまり近代化が非近代的精神に牛耳られ異常な方向へ舵を切る このときこの国を指導した優等生たちは国民乖離の実態には気づくこともなく破滅の一途を辿った