JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

現代の基本問題について語っている。 加藤周一氏

2014年07月31日 | Weblog

 インターネットで偶然、加藤周一さんの、ブックレットが20012年に発行されていることを知り、さっそく購入読みました。岩波ブックレット500円。
 以前読んだ、「ひとりでいいんです」講談社で、凡人会という少数の勉強会のような集まりでの発言集で抜けていた部分とのことです。
 2000年12月の発言とのこと。
○チェルノブイリの原発事故について「日本の政府や原発推進の科学者は・・・日本の原発は絶対安全だと豪語していた・・・・科学技術に「絶対」はないんですよ」
○戦後世代の戦争責任について。 直接の戦争責任はない「戦争を生み出した文化に対して、もし完全に無関心な態度をとるか、あるいは、積極的に賛成の態度をとるのであれば、それな戦後責任につながる」と横井久美子さんの「沈黙は共犯」という行動を思い浮かべました。
○中学生から校庭に「ヒロシマの灯」のモニュメントをつくった有名人のメッセージを頼まれて、加藤周一さんは断った。なぜなんだろうと疑問に思いました。
 加藤さんは「原爆を廃止したいのは大賛成だが、世界平和を非常に望むのは困難だ」と返事を書いた。と話しています。
 加藤周一さんにメッセージをたのんだ中学生もすごいと思いましたが、加藤さんが一人の人間としてまっすぐな対応に、自分はどうかと考えさせられました。
 メッセージを断ったと言っていますが、もっと本質的な返事を書かれているんです。
○参加者の元全共闘世代で機動隊とやり合ったという参加者の質問に「動機の純粋性、反権力・反体制のエネルギーを機動隊にぶつける。・・・・生き甲斐があれば何をなってもいいというものではないと思うんですよ。」と結果的にデモ一般の規制する口実を与えるでしょう。」と語っています。
 そこで、再度、「加藤さんの場合、どのように政治に対して発言し、社会的責任を果たしたえおられるのでしょうか」と切り込んでいます。
 加藤さんは「新聞に書くとか本を出すこと」などと答えています。
○最後に、「凡人会みたいな小さなグループ、・・・個人でもいいのですが、・・・・・ゆるやかにつながるにはどうしたらいいか。横のつんがりを持つにはどうしたらいいか。・・・・それは、皆さんが考えることじゃないでしょうか」と述べています。
 加藤さんは、ことの真実を知るには、その主体になるのではなく、周辺にいることだとしていました。
 しかし、ここで、運動体・主体が必要だと提起されています。
 九条の会の呼びかけ人として、運動に加わったのは、2004年でした。
 この本もそうですが、加藤周一さんの話は、物事の筋道・道理が実に鮮明で、納得できるものです。これは、六三ページ短いですが、ためになりました。

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