JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

「小さな抵抗殺戮を拒んだ日本兵」渡部良三著の紹介記事

2011年11月25日 | Weblog
 今日の「赤旗」朝の風欄は、歌集紹介です、殺害事実と著者の信念が私に迫ります。

 歌集『小さな抵抗殺戮を拒んだ日本兵』が岩波現代文庫からだされた。著者の渡部良三は、1944年学徒出陣で中国の部隊に配属された。
 教育訓練の日々をおくっていたある朝食の時。上等兵が「今日は教官殿の御配慮によりパロ(中国共産党第八路軍)の捕虜を殺させてやる」といった。
兵たちはしばし沈黙したという。著者は5人の捕虜を前に、キリスト者として殺害を拒否、ひどいリンチをうける。本書はその戦場の実際を短歌にし、戦後ひそかに持ち帰った。
 「捕虜を殺し肝玉もてとう一言に飯はむ兵の箸音止みぬ」 「深ぶかと胸に刺されし剣の痛み八路はうめかず身を屈げて耐ゆ」虐殺をこばむ戦友がだれもいないことに怒りをもつ著者。
 そして命令拒否。 
「新兵ひとり刺突拒めば戦友らみな息をのみたり吐くものもあり」「『捕虜殺すは天皇の命令』の大音声眼するどき教官は立つ」『捕虜ひとり殺せぬ奴に何ができる』むなぐら掴むののしり激し」
 捕虜の拷問、住民虐殺など目撃することになる著者は最後にこう詠んだ。
 「強いられし傷み残れど侵略をなしたる民族のひとりぞわれは」
戦争を美化する動きが急な中、忘れてはいけない言葉だ。(聳)

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