今日の「赤旗」朝の風欄は、歌集紹介です、殺害事実と著者の信念が私に迫ります。
歌集『小さな抵抗殺戮を拒んだ日本兵』が岩波現代文庫からだされた。著者の渡部良三は、1944年学徒出陣で中国の部隊に配属された。
教育訓練の日々をおくっていたある朝食の時。上等兵が「今日は教官殿の御配慮によりパロ(中国共産党第八路軍)の捕虜を殺させてやる」といった。
兵たちはしばし沈黙したという。著者は5人の捕虜を前に、キリスト者として殺害を拒否、ひどいリンチをうける。本書はその戦場の実際を短歌にし、戦後ひそかに持ち帰った。
「捕虜を殺し肝玉もてとう一言に飯はむ兵の箸音止みぬ」 「深ぶかと胸に刺されし剣の痛み八路はうめかず身を屈げて耐ゆ」虐殺をこばむ戦友がだれもいないことに怒りをもつ著者。
そして命令拒否。
「新兵ひとり刺突拒めば戦友らみな息をのみたり吐くものもあり」「『捕虜殺すは天皇の命令』の大音声眼するどき教官は立つ」『捕虜ひとり殺せぬ奴に何ができる』むなぐら掴むののしり激し」
捕虜の拷問、住民虐殺など目撃することになる著者は最後にこう詠んだ。
「強いられし傷み残れど侵略をなしたる民族のひとりぞわれは」
戦争を美化する動きが急な中、忘れてはいけない言葉だ。(聳)
歌集『小さな抵抗殺戮を拒んだ日本兵』が岩波現代文庫からだされた。著者の渡部良三は、1944年学徒出陣で中国の部隊に配属された。
教育訓練の日々をおくっていたある朝食の時。上等兵が「今日は教官殿の御配慮によりパロ(中国共産党第八路軍)の捕虜を殺させてやる」といった。
兵たちはしばし沈黙したという。著者は5人の捕虜を前に、キリスト者として殺害を拒否、ひどいリンチをうける。本書はその戦場の実際を短歌にし、戦後ひそかに持ち帰った。
「捕虜を殺し肝玉もてとう一言に飯はむ兵の箸音止みぬ」 「深ぶかと胸に刺されし剣の痛み八路はうめかず身を屈げて耐ゆ」虐殺をこばむ戦友がだれもいないことに怒りをもつ著者。
そして命令拒否。
「新兵ひとり刺突拒めば戦友らみな息をのみたり吐くものもあり」「『捕虜殺すは天皇の命令』の大音声眼するどき教官は立つ」『捕虜ひとり殺せぬ奴に何ができる』むなぐら掴むののしり激し」
捕虜の拷問、住民虐殺など目撃することになる著者は最後にこう詠んだ。
「強いられし傷み残れど侵略をなしたる民族のひとりぞわれは」
戦争を美化する動きが急な中、忘れてはいけない言葉だ。(聳)
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