2007年10月18日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日は入門者用のギターの選び方についてお話します。
ギターは2~3万円からある訳ですが、私は5~6万円以上のギターをお薦めしています。理由は簡単でこの価格帯からようやく音がしっかり出て初心者の方にも弾き易いからです。初心者にとって何が一番重要かと言うと弾き易いと言う事です。では弾き易いということは何かと言うと①鳴る、②押さえ易いではないでしょうか。初心者は楽器を鳴らすタッチがまだ出来ていませんし、左手も上手に押さえるコツを身に付いていません。従って押さえ易く、鳴らし易い楽器を使わないとなかなか上達も難しいですし、場合によっては挫折もしやすくなります。

また、品質と言う点も重要です。しっかりしたメーカー品でないと安かろう悪かろうの楽器になってしまいます。有名メーカー品であればちゃんとした品質管理の下に部品ひとつひとつの材料の吟味から乾燥も充分してありますから安心です。強度の弱い材や乾燥不十分の材を使うとネックの反りやボディーの膨らみ変形が起こり演奏不可能になります。

先日も言いましたが、材のグレードで価格は決定されます。これは数万円から30万円までのメーカー品でも同じです。例えば2~3万円のギターの方が圧倒的に生産数量は多いです。材料の長期備蓄計画も大変です。従ってヤマハの様な信頼できるメーカーは材料の長期備蓄計画を実施して、自然乾燥、人口乾燥、工場内の湿度管理もきちっと実施しているので安心ですが、不誠実なメーカーの楽器には故障が多いです。何故かと言うと、不十分な乾燥のまま材料在庫の回転を速くして運転資金削減をしようとしたり、グレードの低い材でコスト削減しようとするからです。そんなギターを買うと後で後悔する事になります。

現在日本製の最低価格は6万円です。コダイラ、アランフェス、松岡などがその代表ですが、コダイラと同じ工場で生産しているエコールと言う楽器が素晴らしい出来栄えです。コダイラの鳴りを維持しながらも音がしっかりしていて全体の響きがこのクラスで最高です。また、中国製ですがアリアのA50と言う楽器が5万円クラスとしてお薦めできます。バランスよく鳴ります。

また表板は松か杉かと言いますと、一般的には10万円クラスまでは杉をお薦めします。松は松脂もあり杉に比べて硬いためこのクラスでは鳴らしにくい(鳴る楽器を作り難い)です。手工ギター(30万円以上)で使う松に比べてこのクラスに使う材はグレードも落ちますし、乾燥のために寝かす期間も短くなります。そうなると断然杉の方が鳴りやすいギターを作りやすいんです。だから殆どのメーカーが10万円までは杉が多いですよ。タッチがまだ出来ていない人は鳴り易い楽器の方が弾き易いですからね。

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