ハカランダとオーダーメイドについて - ミューズの日記
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モモさんとMURAKAMIさんのご質問にお答えいたします。

1.ハカランダにもいろんなグレードがあります。同じグレードならハカランダの方がローズウッドより高いのですが、グレードによってはハカランダよりローズの方が高い場合があります。尤も現在は通常のルートでハカランダを入手する事は不可能ですが・・・。生産数量も多く、長年製作を続けているブランドギターですと昔入手したハカランダで備蓄されている中からグレードの落ちるものを低価格のギターに使用しています。しかし、昔は使わなかった様なグレードのものも現在は使わざるを得ない状況になってきています。
ただし、グレードは違っても木の特性はありますのでローズよりハカランダのほうが一般的にはクリアな音がします。私が先日言った「ハカランダ神話」にやや誤解があるかも知れませんが、私の意味するハカランダ神話とは、ある意味「間違ったハカランダ神話」と言う意味です。「高級ギターはハカランダ」「ローズよりハカランダのほうが良い」と言う勘違いです。銘器でもローズを使っているものは沢山あります。
また木の価格は製作家が決めているのではなく木材市場で決定されます。従って同程度のグレードの材でも購入する時期、年度によって変わります。現在は年々高くなっています。だからモモさんも言われるように価格だけで良し悪しは決まりませんし、自分に合ったものを決める事が出来ないんですね。

2.オーダーメイドについては迷いがありますよね。MURAKAMIさんが言われる様に現品を確認して購入するのが一番安全です。しかし、特注品を頼みたいときもありますね。ネックの形状やら、弦長やら、名前を彫って欲しいやら・・・。それ以外には現品確認して購入するのが確実です。よく聞く話に「注文して作ってもらったらちょっと思っていたのと違って・・・。」と言うのがあります。
ご質問にある『同じ製作家のもと、同じ価格で作られたギターには音質の差はどれぐらいあるのでしょうか?出荷の際は、音質の点で何か基準を作っているのでしょうか?』と言うのにはいろんなケースがあります。製作家もいろいろ試行錯誤していますので、ある人のギターを見て気に入ったのでその製作家に注文したら違うタイプのギターが来たと言う話もあります。また常に改良を加えている事が多いので昨年のギターと今年のギターでは鳴りが違ったりもします。注文する時には正確にタイプや製作番号などを指定して注文する必要があります。同じタイプで同じ設計で作られた場合は、習熟した製作家ならそれ程の差は生じない筈です。しかし、年数が経過しているものと新作とでは同じ作りでも違ってきます。違いの原因は材料の違い、塗料の違い、製作時期の気候の違い、経年変化などが上げられます。同じグレードの材でも全く同じ材は存在しませんし、気候的には湿気が少ない時期の方がベターです。
また音質の点で出荷の際の基準と言うものはありません。音質と言うものは数値化できないものですし、基準を設定するのは不可能ですね。余程出来具合が悪く、製作家が出荷したくないものが出来た場合は作り直しするかも知れませんが、それは安定した品質の楽器を作る力がない事を意味します。


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コメント
 
 
 
お返事、ありがとうございました (MURAKAMI)
2007-10-31 21:44:25
こんにちは。
早速、ご回答いただきありがとうございます。
自分で質問しておいて何ですが、ちょっと無粋な質問だったかなーと。
でも、漠然と「たぶん、こういうことなんだろうなー」と思ってたところを、スマートに解説して頂けて嬉しく思います。
ゆくゆくは自分だけのオリジナルギターに目がいくときが来るかもしれません。そのときはまた、いろいろ教えてくださいね。
 
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