2007年10月25日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今回次の様なご質問を頂きましたのでそれに対してお答えいたします。
質問『楽器に張ってある弦はみんな同じものですか?楽器と弦の相性もあると聞いたことがありますが。また楽器と弦の相性ってどのように判断したらいいのでしょうか?』

先ず、楽器に張ってある弦はみな違います。製作家が自分が一番よいと思う弦を出荷するときに張ってます。しかし、その弦がそのギターと一番相性が良いかどうかは分かりません。製作家の多くは精度の良さや張りの強さなどで選んでいる場合が多いですね。時にはその楽器の売り(例えば大きな音)を協調するのに適した弦を選ぶ場合もあります。また、お店の人によって考え方、好みも違いますので張り替える弦もまちまちになります。

では楽器と弦の相性をどの様に判断するかですが、これはなかなか難しい問題です。解り易いお話をします。硬い音で張りの強い楽器に張りの強い弦を張るとますます硬く、張りが強くなりますし、まろやかな音で張りの弱い楽器に張りの弱い弦を張ると少し頼りない音になりますね。立上りがよくてパンと鳴る楽器には少々張りの強い弦を張るとその特徴である鳴りが協調されていいでしょうね。しかし、この楽器と弦の相性と言うのは誰が決めるかと言うと弾く人が決めるんですね。好みによって相性判断も違ってきます。

例えばグラナダの製作家でアントニオ・マリン・モンテーロ、ホセ・マリン、パコ・サンチャゴ・マリンなどマリン一族はカーボン弦を張ってきます。しかもドイツ製の弦で日本では販売されていません。これは立上りがよく、音が金属的にはなりますが、歯切れがよく大きな音がします。彼らはギターの売りをこの立上りの良さ、歯切れの良さと鳴りにしているからそのカーボン弦を張ってくるのでしょう。これを好む人もいますが、普通のナイロン弦の方が落ち着いていて好きだと言う人も居ます。これは好き好きですね。弾く人の好みです。

従って、よく質問される事に『一番のお薦めの弦はどれですか?』と言うのがありますが、いつもこう答えています。『いろいろ違う弦を試してみて自分でこれが一番合うなと思う弦を見つけてください』と。




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