2007年7月のブログ記事一覧(4ページ目)-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 音について 第1回

 今回はいつもと少し趣向を変えて「音」についてお話しようと思っております。少しだけ理屈っぽいお話になりますが、我慢して聞いてください。

物体が振動するとその周囲の空気に疎・密が生まれ、それが連続的に空気中を伝わって私達の耳に入って鼓膜を振動させたとき、それを音と感じるのですが、この空気の疎・密を1秒間に440回繰り返すと、皆さんよくご存知の「A」の音、ギターでいうと1弦の第5フレットの音、つまり「周波数が440Hz(ヘルツ)の音」になります。

それでは音は空気中をどれくらいの速さで伝わるかというと、1秒間に約340メートルといわれています。時速に直すと340m×3600sec.(秒)で時速1224キロということになり、新幹線の4倍以上の速さになります。結構速いようですが、人間は伝わってくる音の方向を、右と左の耳に到達する時間差で感じ取っているのですから、音に対するセンサーとしての人間の耳の性能は結構優れているといえます。さらにコンサートホールなんかでは、演奏者の演奏する音がホールの壁や天井などにさまざまに反射し、無数の時間差でもって私達の耳に入ってきますが、私達はそれらを総合的に聴いてひとつの「響き」として感じ取っています。そしてこの無数の方向から来る時間差をもった「反響音」は、私達がいつも耳にする全ての音の中に随分大きな比率で含まれています。自分の部屋でギターを練習している時耳に入ってくる音にも、楽器から聞える直接音に加えて壁や天井、床などから反射してくる音が大きな割合で含まれています。人と話しているときも、相手の口から出る直接音だけでなく、あらゆる方向からの反響音成分を沢山含んだ音を聞いていることになります。しかも今自分の周りにはいつもあらゆる音があふれていて反響音のことだけを意識することはあまりありませんが、しいて言えば広い野原のようなところでは音を反射するものが極端に少ないので、いつもより大きな声を出さないとお互いに相手の声が聴き取り難く、後で喉が枯れてしまうことがありますよね。これが音をテストするときに使用する無響室ともなるともっと大変です。そこでは耳に入ってくる音にまったく反響音が含まれないわけですから、他人の話している声や自分の口から出る声が、いつもとまったく違って聞えます。これを一度経験すると、私達が普段いかに多くの反響音成分を含んだ音を聞いているのかがよく分かります。

というところで、今回は「音」というものについてえらく大雑把なお話をいたしましたが、次回はコンサートなどにおける「音」というものについて、もう少し突っ込んだお話をするつもりです。


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一昨日ご紹介した「ギターを再開して良かった!」のご本人から、練習段階から演奏会当日の状況、心境、心の葛藤、意気込み、そして感動がつぶさに伝わってくる文章を頂きました。ミューズのモットーである「心豊かに、人生に潤いと感動を」の正に感動ストーリーに当たります。ミューズでは11月に教室の秋の大発表会を東文化小劇場で行いますが、スタッフと参加者が感動を共に出来るものにしようね、と社内で話し合ったところでした。そこでご本人にブログでの公開のお許しをいただきましたのでここにご紹介させていただきます。皆さんもひとつでも多くの感動を味わってください。そしてよろしければ感動ストーリーをお寄せ下さい。

演奏会終わる
 7月1日(日)私が所属するクラシックギターサークル「ろくげん」の発表演奏会が終わりました。今はほどよい満足感に浸っているところです。演奏自体は、ミスが多く、もう二つだったなあとは思いますが、あれが精一杯だったし、今の私の実力そのものです。最後の1週間は毎日、できる限りブーレとドーブルを繰り返して練習しました。延べ80回くらいは弾いたと思います。弾いても弾いても納得した演奏ができず、日は過ぎていき、なんだかこわくなって当日を迎えてしまいました。もう途中で止まってもいい、ブチッとやっても言い、とにかく最後までこれまで練習してきたことをより多く出そうと開き直った気持ちでした。午前中のリハーサルでもミス無く弾き通すことはできませんでした。昼休みはみんな外へ食べに出かけましたが、私は一人会場に残り、ステージで2回繰り返して練習しました。空腹感は全くありませんでした。もうここまでやったんだから、あとは野となれ大和撫子(?)の心境です。

 14:00,いよいよ開演です。知り合いの人たちには、聞いてほしいような聞いてほしくないような気持ちがあり、「聴きに来ないでほしい」と笑って伝えました。しかし、13:00の会場前後から、次々と知っている人がやってきました。びっくりしたのは愛知県の高浜から実家の親戚が3人来ました。「伊勢神宮に行ったついでだ」と言っていましたが、どちらがついでなのかよくわかりません。高速をとばしてきたから、2時間ちょっとしかかからないようです。
 第1部は2重奏、3重奏、ギターとフルートの競演です。私は2重奏の2番目で、「黒いオルフェ」と「放課後の音楽室」を弾きました。相方の初めてのステージなので、簡単な曲にしました。結構落ち着いて言い演奏ができたのではないかと思います。

 10分の休憩をはさんで、いよいよ第2部の独奏と全員合奏が始まりました。私は独奏の最後で6番目です。ステージの反響版の裏でじっと出番を待ちます。その時間の長く感じることといったらありません。音を出すわけにはいきませんから、練習はできません。かといって覚えているはずの楽譜が頭の中で白紙になっているような気がして、改めて楽譜を見て、音が出ないように右手のひらをギターのサウンドホールにあてて、左指を指版に確認しました。
 5番目の人の曲が終わりに近づいてきました。ギターをと足台をもって、反響版の端に移動しスタンバイしました。「ソロの最後はバッハ作曲無伴奏バイオリンパルティータ第1番ロ短調よりブーレとドーブルです。演奏しますのは、西川義則です」と言うアナウンスに促されて、ライトに照らされてステージ中央へと歩き出しました。もう何も考えたらいけない。とにかくブーレの出だしを弾くのみ。あとはきっと指が覚えていてくれるだろうとそれを信じていこう。

 観客席は薄暗くてよく見えません。それはありがたいことです。足台を調節してギターを構えて一呼吸おきました。さあ、いけっ! ところがそのブーレの5~6小節あたりで、運指を間違えてあわててしまい、音をはずしてしまいました。このまま続けようかと思ったけど、まだ初めだったので、もう一度最初から弾き直しました。あとで友人に聞いたらやり直したことに気づかなかったそうです。そんなわけないだろうと思いますが。少し調子が出てきたと思うとまた、なんだか右指がふわふわしたような状態になったりして弦をうまくはじくことができず、どうも落ち着きません。なんとか落ち着けと自分に言い聞かせながら演奏が進んでいきました。ドーブルの後半最後の繰り返しにきたときは、弾きながらやっとこれで重圧から解放されるなとほっとした気分になりました。最後はうまくまとめることができ、思い切りリタルランドをかけ、弾き終わったぞと言わんばかりのポーズをとり、右手のひらでそっと消音をして立ち上がりました。みなさんの温かい拍手が嬉しかったです。演奏自体は50%くらいのできだったでしょうか。それが今の私の実力です。でも50%も力を出せたという満足感もありますし、何とか弾き終えたという充実感もありました。ギターを持って舞台の端に向かって歩き出すと、観客の中から花束を持った大柄の若い女性が「先生!」と言って、私の方に近づいてきました。見ると彼女は、20年前、4年生で担任した教え子でした。当時10歳、今30歳。以前、私の消息をインターネットで調べた子です。その後時々メールのやりとりをしていました。ギターの演奏会のことは知らせてありましたが、まさか亀山からきてくれるなんて思っても見ませんでした。もう少しで涙をこぼすところでした。本当にありがたいことです。他にも知人、友人が結構きてくれていて、嬉しいやら恥ずかしいやら。花束も4つもいただいてし
まいました。

 ほっとした気分もありますが、もっとうまく弾けたのではないかとちょっぴり心残りもあります。しかし、今回の経験を生かして、来年6月22日(日)の演奏に向けて、早く曲を決めて、チャレンジしていきたいと思います。
2007年7月2日(月)
 西川義則


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こんにちは、渡辺なつ実です。

今、私はアルベニスのピアノ作品集のCDを聴いています。
ピアニスト、上原由記音さんのCDです。

何度も聴いていますが、本当にいいです、このCD。
一つひとつの音に丸みと芯があって、それが全体を作り上げているのです。
美しいピアノの音です。
このCDが入ってから、すごく気に入って、自分でもすぐ買ってしまいました。

そして、アルベニスのピアノ曲もいいです。何度聴いても飽きません。
特に、「ラ・ベガ」という曲が好きなのですが、この曲は17分近く、ピアノ曲としては長い曲です。でも全然長さを感じさせません。うっとりするくらい美しいメロディーでうっとりと聴いているうちに終わってしまいます。変イ短調というフラットの多い調で、神秘的で美しい曲です。

ギターでよく演奏されるセビーリャ、カタルーニャなども、ピアノでは全く違った表情を見せます。
とにかく聴いてみる価値ありの1枚です。

そして、今月14日には、このピアニスト上原由記音さんによるスペイン音楽レクチャー&レッスンがあります。
スペイン音楽のスペシャリスト・ピアニストによるレクチャー&レッスンということで、大変貴重な機会です。
ギターにも馴染みの深いスペイン音楽ですので、ぜひ皆さんお越し下さい。

お待ちしています。

それではさようなら。









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和声学あれこれ(12)転調 その3 「どうやって?」(主和音同士の転調方法)

転調について今まで「いつ?」—形式—、「どこへ?」—近親調と遠隔調—と説明
してきましたが、今回からいよいよ「どうやって?」—その方法—についてです。
転調には色々な方法(技術)がありますが、殆どの和声学の本ではその使用法から解説されています。しかしここではまず型によって説明いたしましょう。
転調の方法としては大別して上記のⅠからⅤの型に分類できるかと思います。
Ⅰ型・突然転調・・・・・・完全に終止した先行調の後に近親調等を続ける方法。
Ⅱ型・共通和音の利用・・・先行調と後続調の共通和音を利用する方法。
Ⅲ型・属和音等の利用・・・後続調の属和音類等を利用する方法。
Ⅳ型・変化和音の利用・・・先行調の和音の一部を半音変化させて後続調の和音と          
             する方法。
Ⅴ型・その他の方法・・・・減七・ナポリ・増六・異名同音・和声的下属和音等

 まず、今回はⅠ型の方法ですが、これが一番簡単な方法でしょう。ギター曲では
並行調(平行調とも書き、先行調と同じ調記号の調)と同主調(主音が同じ調)への転調が結構多く見受けられます。先行調(基調、原調ともいいます)が一段落して、(大抵16小節か32小節で主和音で完全終止します)次の楽節は並行調か同主調の主和音で始めます。勿論、属調でも下属調でも問題ありません。二部形式、三部形式に多用されています。
即ち、先行調が〜D+T+後続調がT+〜、要するに主和音同士の連結ですが、呼び名は突然転調するから突然転調とでも云いましょうか、私個人としてはこの名称は曖昧な為使いたくないのですが。この型にはその他にも半音上の調や三度下の調へとか色々あります。ギターの場合並行調(平行調)か同主調どちらへ転調するかは低音の開放弦の関係や弾き易さを考えると上記の表のように得意、苦手があります。表は統計的なものではなく、感覚的にみて思うだけです。この方法はギター曲には非常に多くて「禁じられた遊び」や「ラ・グリマ」「アデリータ」等結構あります。
いろいろ調べて確認しましょう。 この大きな段落の後(一旦完全終止)別の調で改めて始まる方法は突然景色や雰囲気が変わる効果がありますが、知らない内に別の調へ変わっているという方法もあります。次回はその方法について述べてみます
 
追記
転調には一時的転調と本格的転調があります。ここでは本格的転調のみを取り上げ、
一時的転調はその時に応じて説明しますが、私個人的には一時的転調は転調ではないという立場を取っています。では何かといいますと、これは装飾的和音の範疇と考えています。目的とする和音を飾る・強調する和音とみています。即ち転調をする気がないのに一時的転調と称するのは変だと思うからです。
楽譜上では一時的転調はすぐに原調に戻るから臨時記号で対応します。
本格的転調は転調が確立して大きな楽節を形成しますので、調号をつけています。

                         服部 修司


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昔ギターをやっていてまた再開する人が年々増えています。
このブログの読者の中にもそう言う人がいるのではないでしょうか?
団塊の世代からチョット下の世代が学生時代にはギター人口は凄く多かったですからね。私が大学に入った頃はギター部の部員が120名居ました。
今は若い人の楽器離れが進んでいて、名古屋の大学もギターサークルが減っています。しかもひとつのサークルの部員数が数名から20名程度と少ないんです。そして楽しむ音楽も押尾コータローやDEPAPEPEの様にアコギのかっこいいものまで幅広いですね。私の時代の様にクラシックオンリーという事はないんです。それはそれで良い事ですが、クラシックギターの名曲も知らない人が多いんです。演奏家の名前も知らないですよ。福田進一も知りません。村治佳織は知ってる様です。そう言う意味では彼女の功績は大きいですよね。話が横道にそれました。元に戻します。

一般的には学生時代ギターをやっていて、就職と同時に弾かなくなって、長い間ブランク状態。そして中高年になって時間と経済的ゆとりが出てきてまた再開する。こんな人が増えています。
今日、あるお客様からメールをいただきました。
先日演奏会に出てまずまずご自分でも満足行く出来栄えだったそうです。そして友人達に「音がきれいだった」「よく楽譜を見ないで弾けたね」「指の動きに無駄がなかった」などと褒められて嬉しかったそうです。しかし、それ以上に一番嬉しかった事が他にあったそうです。それは、昔小学校で担任した教え子が子供を連れて聴きに来てくれて、演奏が終わった時に、彼女が客席から近づいてきて花束をくれた事だそうです。思わず涙ぐんでしまったそうです。演奏会が終了してからも再会を喜びあい、楽しく会話をする事ができたそうです。「本当にギターを復活させてよかったと思う1日でした」と言うお話でした。素晴らしいお話ですよね。光景が目に浮かびます。ついつい、ブログでご紹介したくなりました。皆さんも良い想い出、経験、感動をどんどん作ってください。人生に潤いと感動を!



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