2006年6月のブログ記事一覧(3ページ目)-ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



最近私はギターとピアノの二重奏を見直しています。

そのきっかけとなったのは2月にミューズサロンで行われた『藤井敬吾&藤井由美 ギターとピアノの夕べ』でした。従来の私のギターとピアノについてのイメージはギターコンチェルト等のオーケストラ部分をピアノバージョンにしたものでした。つまりギターソロに対するピアノ伴奏と言う形式ですね。しかし、実際には古典時代にはギターとピアノが対等に扱われた二重奏(デュオ)の曲が沢山書かれていたのですね。カルリのギターとピアノの全集CDが8枚組で出ているのをご存知でしょうか?

藤井敬吾さんはご本人が作曲家でもありギタリストでもあることと奥様がピアニストであるがためにギターとピアノの自作品もあれば、多くの編曲も手掛けています。ご本人がHPで次の様にも述べています。一部抜粋させていただきます。

『ギター・ピアノ二重奏のレパートリーは(特に古典では)決して少なくありません。更にそのほとんどが演奏会用を意識して書かれたと思われますので力作が目白押しと言っても良いでしょう。』

『ウェーバー、フンメル、ディアベリ、など古典期の大家がピアノとギターによる二重奏曲を数多く残しています。また、フンメル、ディアベリ、モシェレス達は友人でギターの名手であったM.ジュリアーニと演奏するために、F.カルリはピアニストの息子と演奏するために、ロマン派のギターのヴィルトーゾ、J.K.メルツは優れたピアニストであった愛妻の為にピアノ・ギターの二重奏曲を書いています。M.C.テデスコはA.セゴヴィアとグラナドス門下のピアニストであった婦人の結婚を祝して美しい「幻想曲」を書いています。』

『私自身オリジナルの曲のほかに数十曲の編曲を1~3本のギターとピアノの為に書きましたが今は更にその可能性の大きさを感じています。』

更に詳しくお読みになりたい方は藤井先生の下記HPアドレスでご覧ください。
http://www.h3.dion.ne.jp/~keigo777/

私も今、竹内永和さんと下森佳津美のCD『妖精のロンド』を聴きながらこのブログを書いています。とても美しく心が和みます。
6月24日(土)にはこの竹内さんと下森さんのコンサートをミューズサロンで行います。皆さんもこのコンサートで是非新しい発見してみてください。
絶対お勧めのコンサートです。

山下 高博




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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 音符は文字、楽譜は文学

 皆さん、ギターを練習する時、どんなふうにやっとりますか?
 なんでこんなことを言いますかってえと、どうも皆さん、初見があんまし得意ではないように見受けられるのが、ちょっと気になっておるからであります。音符っちゅうのは文字とおんなじでありまして、皆さん本を読むとき、何回も何回も下読みしないと声を出して読めねえなんてことはねえでげしょ?もちろん、知らない漢字が出てきたら、そこでちょっと止まって考えたり、あるいは辞書でも持ってきて調べると思うんですが、普通に読めるところは特別下読みしておかなくたって読めると思うんでごぜえます。

 ところが、ひとたびギターを弾くっちゅうことになると、なしてあんなに初見がきかねえのでごぜえますかねえ。それは考げえてみるってえと、おそらくいつも楽譜とギターの指板上のポジションを対比させて練習をなさっていねえんではねえかと思われるんでごぜえますですよ。たとえば指の動きを覚えたら、あとはもうあまり楽譜を見ねえで毎日練習されとるんだろうと思うのでごぜえます。
たしかに自分の前に楽譜を置いては練習するんでしょうが、目はほとんど楽譜を見ておらんのでごぜえましょうなあ。つまり指が動きを覚えたら、後はもうほとんど楽譜を見ねえっちゅうような、そんな練習をなさっとるんだと思うんでごぜえますよ。そういう練習をずっと続けておりますってえと、10年経っても、初めて見た楽譜はまったくの初心者みてえに、ほとんど弾けねえことになっちまうんでごぜえますよ。

 ましてやギターの場合は、右指の指定もあるもんですから、もう頭がゴチャゴチャになっちまって、とてもじゃねえが初めて見る楽譜なんざ、はなっから弾けっこねえと思っちまっとるんでしょうなあ。だとしたら、そりゃあ大きな了見違げえってもんでごぜえます。それに、そういう人に限って、楽譜の覚え間違えに気づかずに弾いておられることも多いのは、当ったり前といやあ当ったり前だと思うんでごぜえますねえ。とにかく前にも言ったように、音符は文字とおんなじなんでごぜえます。初めての本を読むのとおんなじように、初めての曲もそれなりに弾けんといけません。そうじゃないと、ひとつの曲を仕上げるのに、まず覚えることから始めんとあかんことになるし、第一ほかの楽器と合わせるなんてこたあ大変なことになっちまうでげすよ。

 そったらことねえようにするためにゃあ、どういった練習をしなきゃあなんねえかっちゅうと、とにかくいつも楽譜を見ながら弾くようにしねえとあかんっちゅうことでごぜえます。見ながらったって、ぼーっと眺めとるだけではいけません。(「見る」と「視る」の違い)一音符一音符、ちゃんと頭で認識した上で、自分の指に指令を出して押えていくっちゅうことを繰り返しやらんとあかんのでごぜえます。この最初の音は何弦の何フレット、そのポジションを左のどの指で押える。そして次の音も同じように、何弦の何フレットを何の指で押える、というように、ひとつひとつの音符ごとに目と頭を総動員しながら練習をするのが大切なんでごぜえます。

 カレンダーを見た時、1の次にゃあ2がくる。2の次にゃあ3がくると決まっとるもんだから、だれもカレンダーの日にちを順に読んでも、ちゃんと目で認識しねえまま読んじまうのとおんなじで、楽譜も一度覚えちまうと(覚えた気になっちまうと)、次はここ、その次はここと、指の動いていく順番を追って弾いていくだけで、音符の認識がどっかいっちまっとるんではないかと推察するんでごぜえます。
一遍自分の弾いとる曲を、五線紙に書けるかどうか、やってみたらええと思うのでごぜえますが、意外と書けねえ人が多いんじゃごぜえませんか?ギターの演奏を聴いとる人からみたら、まさか自分の弾いとる曲の楽譜を書けねえなんて、思ってもみねえことでごぜえますですよ。

 つまり、初見のきかねえ人の共通点は、楽譜に書いてある音符のひとつひとつに対する脳の認識がちゃんとできてねえっちゅうこってごぜえますです。
 音符を目で見た時、「あっ、この辺かな?」っちゅうくれえの認識なんでござんしょう。要するに動体視力の訓練が足らんのでごぜえますよ。動体視力っつうても、音符が動くわけじゃねえが、曲が進んで行くから、相対的には音符が動いているのとおんなじことになるんでごぜえますです。動いているものをひとつひとつちゃんと認識できるように訓練をしねえと、いつかも言ったように、10年やっても100を切れねえ下手なゴルファーみてえなもんで、曲を仕上げるのに、えれえ時間と労力が必要になることになっちまうんでごぜえますよ。
 
 おそらく皆さんは、人前でギターを弾く時は、普通楽譜を見ねえで弾くもんだから、楽譜は見ねえでも弾けるようにしとかんとあかんとお考えなんでしょうが、そこがそもそもまちげえのもとなんでごぜえます。
 おんなじように、よく自分の指を見ねえでも弾けんとあかんと思っとるお方がおるけども、どうしてそんなことを考げえるのか、了見違げえもはなはだしい。わけがわからんのでごぜえます。剣の達人が、目をつむっても相手を切れるとしたって、目をつむってチャンバラするやつぁいないのとおんなじで、ちゃんと見て弾けば良いのでごぜえますよ。これからは、ちゃんと目を開けて、楽譜と自分の手を見ながら弾くっちゅう癖をつけるようにしておくんなさい。
そして、初めて見た楽譜でも、それなりに弾けるくれえの実力を身に付けておくことが大切でごぜえますよ。


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はじめまして!伊藤兼冶と申します。

6月17日(土)にミューズにてコンサートを行います。

今回は、東京で活躍中のギタリスト服部文厚さんとのジョイントコンサートです。

二人は師匠の鎌田慶昭先生の元で出会いました。それ以来数々のコンサートを共に行ってきましたが二人だけでのコンサートは今回が初めてです。どうぞご期待下さい!

さて、今回のプログラム内容ですが前半一曲目に「プレリュード・フーガ・アレグロ」(伊藤)、続いて二曲目に「リュート組曲第4番」(服部)を演奏します。それぞれの個性によるバッハを楽しんで頂けたら幸いです。

そして後半にはデュオもあります。16世紀の作品から「A Toy」「Merry Mood」の2曲、そしてソルの「幻想曲op54」を演奏します。

他にもソロでは皆さんご存知の「イエスタデイ」「オーバーザレインボー」「愛の賛歌」などなど・・様々な曲を演奏します♪ どうぞお楽しみ下さい!

当日のご来場お待ち致しております!

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先日、間違って最終回(第8回)の冒頭文を第7回の最後に付けてしまい、7回で終わったかのような誤解を与えました事、お詫びいたします。今回第8回で最終回となります。(山下 高博)

7回に渡って「良い楽器」というものについていろいろお話してきましたが、一応今回で最終回をむかえます。これを機会に、ミューズ音楽館において、もっと皆さんとお話できる機会が増えればいいなと考えています。

<あれも聴きたい、これも聴きたい> 良い楽器とは。第8回

私は企業の研究所が使用する計測器や試験機といったものを扱う仕事に長年携わってきたので、何種類かのクラシックギターの音を、計測用のマイクと、音や振動の解析装置を使って周波数解析をしてみたことがあるが、何種類かの楽器を比較してみたところ、一見して高い周波数の成分(分布&パワー)に違いがあると感じられた。
しかもそれは歴然とした違いであった。(この周波数解析とか、各周波数におけるパワーといった用語については、いつか解り易くご説明したいと思っている)
しかしこれは、あくまでも出た音を解析したまでで、無響室で、周りからの反響音を排除して測定したわけではないので、正しい意味での音響解析にはなっていないが、それでもおおまかな違いは確認できたと思っている。

現在は、測定器や測定技術といったものが、一般に知られている以上に発達している。今や計測機器の技術は、人間の感知できない領域まで踏み込んで、我々のまったく知らなかった世界を見せてくれるまでに進歩している。
そういった技術をもってすれば、人間の耳で聴き取ることのできる程度の違いであれば、測定器で確認することは、そんなに難しいことではない。
ただし、そのように出た音のみを解析したのでは、楽器の良否を見分けるには不充分で、同時に弦に加えた力の量も計測、解析しなければならない。
しかも、その時の、基準となる音量や弦に加える力を、正確に同じにする必要がある。その上で、それぞれの楽器音のどのあたりの周波数に顕著な違いがあるか、またその個々の周波数のパワー(レベル)の差はどうか、ある波長からある波長までの間の「カーソル間パワー(量)」といったものがどれほど違うのか、といったことに注目してやる必要がある。

さらに言うと、音の時間経過に伴った周波数解析(周波数解析の三次元表示)や、弦に加えた力と音の時間軸領域での相関関係を解析する必要も生じてくる。
(最後に難解な専門用語が出てきて恐縮ですが、読み飛ばしてください)
つまり、「いかに弾きやすいか」、すなわち「いかに必要とする音量や音色を出し易いか」といったことを計測しなくては、良い楽器とそうでない楽器との差を見出すことはできないということだ。

運転してみれば大きな差を感じる軽四輪車とスポーツカーだが、同じ速度で走っているところを外から見ているだけでは、その差を知ることはできない。
そういったことをしっかり認識した上で正しい解析を行えば、好みに関する問題以外、それぞれの楽器の違いは解明することができるであろうし、良いと感じる楽器の条件というものを、箇条書きにして、数字で挙げることも可能であろう。
しかし、私は、やはり楽器の良し悪しを語る上で、弾き易さは全ての条件に優先すると考えている。
皆さんがギターを選ぶ上で、なんらかの参考になればよいのですが。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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昨日6月10日はミューズサロンで川瀬 寛さんによるサロンコンサートが開かれました。
川瀬さんは岐阜県山県市で真詮ギタースクールを主宰されており、2001年にクララザール(岐阜市)でリサイタルを開催、2004年からサロンコンサートを始めており、今回はその第2回目となります。1週間前の6月4日には岐阜市でもサロンコンサートを実施されていて2週続けてのコンサートで、これは結構大変な事ですよ。

彼は4月にミューズサロンで実施された福田進一マスタークラスも受講され、その熱心さが伺えます。因みに彼は1954年生まれ、今年52歳にと言う事になります。マスタークラスを受講して、サロンコンサートを企画するその心意気を大いに讃えたいですね。
世の中高年の皆さん、一生勉強、そして前向き、積極性が大事です。人前で演奏する機会を積極的に作りましょうね。

昨夜は川瀬さんの知人・友人も含め、聴衆の皆さんが彼の熱演に熱い声援と拍手を送りとてもいい雰囲気のサロンコンサートでした。最後の曲を演奏し終わると『ブラボー!』と言う声が響き、ミューズサロンが大きな拍手で包まれました。

プログラムは次の通り。
<第1部>
1.プティシシリエンネ&シンプルソング   佐藤 弘和
2.2つのソナタ              スカルラッティ
3.2つの民謡 
  ロンドンデリーの歌
  アニー・ローリー            竹内 永和編曲
4.さくらによる主題と変奏         横尾 幸弘

<第2部>
1.ペテネーラ&サパテアード        デ・ラ・マーサ
2.スペイン舞曲第5番            グラナドス
3.暁の鐘                 デ・ラ・マーサ
4.5つの前奏曲              M.D.プホール


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