2006年1月7日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日はカフェ・デ・アリアに第4回ギターを楽しむ会に行ってきました。
明日のワンコイン・コンサートに出演される人も出てましたよ。皆さん緊張しながらも、その緊張を楽しみながら演奏されていましたよ。やはりいいものですね。人前でギターを弾いて楽しむ会と言うのは。明日は『ワンコインコンサート』もありますし、15日は『弾こまい会』もあります。どんどんこう言う会が増えると良いですね。今日は『万年青年トリオ』(工藤氏、川久保氏、朝倉氏)の演奏も聴いてきました。流石に年季が入っていますね。仕事があったのでその後失礼して来たので最後まで聞けませんでしたが・・・。皆さんは明日のワンコインにも来て下さいね。
さて、それでは最近ある人から励ましのメールも戴いたりして乗ってきている内生蔵さんのお話です。

<あれも聴きたい、これも聴きたい>掘り出し物CD編・第4話

皆さんはアントニオ・ルイス・ピポーという作曲家は知っていますよねえ。
そう、あのナルシソ・イエペスのために「唄と舞曲第1番」を書いたのをきっかけに、3人のギタリストに捧げられた「エスタンシアス」や、スペインの作曲家であり指揮者でもあるエンリケ・フランコに献呈した「ギターと管弦楽のためのタブラス」など、何曲かのギターを中心にした作品を残した作曲家でありまする。

 私がルイス・ピポーなる作曲家の曲を生まれて初めて聴いたのは、1966年か67年、確か大学へ入ったばかりのころ、イエペスの来日に合わせて、来日記念盤としてキングレコードより発売された「イエペスの芸術」というレコードに入っていた「舞曲第1番」でしたなあ。(録音は1960年東京のキングレコードのスタジオ。勿論イエペスもまだ6弦ギターを使用していたころです)

 若い私にとっては、なんとまあ、ものすごおかっこえがった。その時苦労して楽譜を手に入れ、イエペスの付けたその指使い(運指)の新鮮さにも感動、感動、また感動。 その後の自分の考え方にもえらく影響し、「要するに今までの常識に捕われっっとたらあかん、何でもありじゃあ!」と目を開かされた曲でもありましたなあ。(しかしそのイエペスの来日記念盤の解説には「若い作曲家」として故小原安正先生が紹介しておられたのですが、よく調べてみると1997年に既にお亡くなりになっとりました。時代を感じてしまう今日この頃だすなあ)

 しかしこのルイス・ピポーが実は本職はピアニストであったということを知っている人は、作曲家としてのピポーを知っている人よりはちょこっと少ねえんではねえべか?
 アントニオ・ルイス・ピポーは1934年スペインのグラナダに生まれ、若かりしころはフランスに出てかの有名な名ピアニスト「アルフレッド・コルトー」に学んで、私は知らんかったけれども、1976年には一度ピアニストとして日本にもお越しになっているようだすなあ。なかなか詩情豊かな演奏を聴かせてくれたということですが、このジャケットのCDは、そのルイス・ピポーの演奏したお国もの、アルベニスのピアノの小品を集めたCDなんだすなあ。

 そしてこの中年のなかなかハンサムな紳士が、当のアントニオ・ルイス・ピポーさんであります。しかしアルベニスといっても有名な「イベリア」や「スペイン組曲」、「スペインの歌」など超有名曲はひとっつも入っとりゃせんところが、ルイス・ピポーのルイス・ピポーたる所以のような気がしちまう。

 かの有名なピアニスト「ミケランジェリ」や、最近の若手では「ジャンルカ・カシオーリ」などというなんだか「菓子折り」のような名前のピアニスト、それに「グレン・グールド」なんかもそんな気がするけども、わざわざちょっとマイナーな曲を選んで「僕が弾くとこうなっちゃうもんね。」とか言いたげなところが見受けられる。

 どうも才気溢れる人は、他人と違うことをやりたがるっちゅうか、よく言えば他の人が見つけられなかった音楽の魅力を見出し、それを表現してくれるっちゅうか、そこらが私ら音楽ファンとしては、普段聴けない音楽に触れることができてありがたいんだけんどね。

 とにかくこのCDもいうなればアルベニスのファームっちゅうか、二軍っちゅうか。こんなこと言ったらアルベニスさんから怒られっちまうかも知れんけど、なんかバックグラウンドに流れてきたらとてもいいなあ、と思えないこともないかなという気がしないでもないかなという曲ばかり。とにかく今まで聴いたことのない曲が6曲。

 でも私たちとしては「アルベニスのおっちゃん、大好き!」ですし、「ルイス・ピポーのおじ様、素敵!」なのでありますから、君たち一度はミューズへ出かけていって、山下のおっちゃんに「お願い!ピポーのおじ様のCD聴かせて」とお願いするように。いいですね。
                         内生蔵 幹


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