2006年1月13日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 掘り出し物CD ギター伴奏編

今日久しぶりにシューベルトの歌曲、「美しき水車屋の娘」を全曲通して聴いた。
しかもギターの伴奏で。水車屋っつうても水車を売っとるんじゃねえから間違えないように。演奏はテノールがなんと世界的テノール歌手、ペーター・シュライアー。ギターはというとオーストリアの名ギタリスト、コンラッド・ラゴスニック。
ギター伴奏でこの曲を演奏するにあたっての恐らく最高の組み合わせと思われます。何といってもペーター・シュライアーが「美しき水車屋の娘」を歌うことについて異論を挟む方がこの世におるとは考えられん。私が思うにこれ以上の歌手はそうそうおらんはず。従ってどこからも文句は出てこんはずだわね。
ギターもスペインものを弾かせたらなーんかもの足らんラゴスニックじゃが、シューベルトときた日にゃあお手の物。むしろこれも適材適所、これ以上は考えられんギタリストじゃろうなあ。

ピアノの伴奏に比べれば少しゆっくりとしたテンポで曲が進んでいく。なんとまあ、あとからあとから美しい旋律が出てくることか。どの曲がええかって決められんくりゃあええ旋律がいっぱい。(ほんとのこと)8曲目の「朝の挨拶」なんかええなあ。(うっとり)いやいや18曲目の「枯れた花」もええヨオ。なんのなんの、やっぱり最後20曲目の「小川の子守唄」がしんみりしてわしは一番!
いろいろなご意見が聞こえてきそうですが、いずれにしてもこの曲集、美しい旋律のオンパレード、百貨店、バーゲンセール(じゃないか。失礼)

シューベルトは貧しく、ピアノの代わりにギターを使って作曲をしておった、という話をどっかで聞いたか読んだことがあるけども、それがほんとかどうか分からりゃせんが、今日聴いたCD、やっぱりギターを19世紀ギターの、あの駅弁の箱に弦をはって弾いた時の様な、何だか「ペナペナ」した底の浅い音で弾いて欲しいような気がしてきた。その方が「こんなええかげんな楽器のギターでも、こんな素晴しい音楽が表現できまっせ」というような、シューベルトの意気込み見たいなもんが出ていいような気がしてきた。むしろそんな素朴なギターの音で伴奏してもらった方が、歌の芸術性というか精神性というか、純粋な若者の淡いまた激しい恋心を表現するのには効果的のような気がしてきた。
ラゴスニックのギターは当然現代の楽器なので、伴奏の音がえらい格調高すぎるような気がしてきた。伴奏がえりゃあ主張し過ぎとるような気がしてきて、わしゃあ段々腹立ってきた。(言い過ぎかあ)

このCDの録音は1982年なので、23年も前だ。今にしてみりゃあやはり19世紀ギターの素朴な伴奏で聴きてゃあもんだわなあ。でも「やっぱりシューベルトはええなあ」という感覚は自分の若い時には感じなかったところをみると、やっぱりおいちゃんも年かなあ。
このCDは勿論、ミューズ音楽館でどうぞ。
私とおんなしような年のおいちゃんがかけてくれますよ。
内生蔵 幹


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