2007年6月4日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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昨日の日曜日には松尾俊介さんのソロリサイタルがミューズサロンで行われました。その前日の土曜日は浜松ギター鑑賞友の会で演奏されましたので、私も浜松に行きましたが、二日間ともそれは素晴らしい演奏を披露してくれました。

福田進一さんがプロデュースしているVarieシリーズの第1弾のCDに抜擢されたのもうなづける演奏でした。そのCDのライナーノートで福田さんも言っていますが、『技巧ではなく音楽で聴き手を圧倒する』と言う表現が正にぴったりの演奏でした。このCDを聴いた時から、『かっこいいな』と思わせる素晴らしい演奏に、今回の生演奏を聴けるのをそれは楽しみにしていました。難しいフレーズも全くストレス無く弾きこなす技巧はもとより、時代の音楽様式を踏まえながら、ルネッサンス、バロック音楽と現代音楽を弾く分ける見識、その上で彼の音楽、歌心がぐんぐんと迫ってくる演奏でした。
ピアニッシモもそれは美しい音色で歌い、フォルティッシもつぶれることなく汚れることなく歌います。ダイナミックレンジの広い演奏を聞かせてくれました。
彼曰く『ミューズサロンは響きが良いのでピアニッシモで演奏できます。これ程小さな音で歌えたのは初めてで気持ち良かったです。』

プログラムは下記の通りでした。

J.ダウランド    「涙のパヴァーヌ」
  
J.S.バッハ     「前奏曲、フーガ、アレグロ」 
            変ホ長調 BWV.998
M.M.ポンセ     「イ短調組曲」
       1. 前奏曲
       2. アルマンド
      3. サラバンド
       4. ガヴォット
       5. ジーグ
L.ブローウェル    「悲歌~武満徹の思い出に」
          「高原の踊り」
          「タラントス」
          「キューバの子守唄」
            
R.ディアンス    「トリアエラ」
         1. ライト・モチーフ (ブラジルのタケミツ) 
           2. ブラック・ホーン (スペインがジャズに出会うとき)
           3. クラウン・ダウン (サーカスのジスモンティ)

彼は今年誕生日を迎えると28歳。音楽家としても、人としてもまだこれからの人と言えますが、若くしてその人柄がとっても感じいいんです。一言で言うと『好青年』。演奏だけでなく彼の人間性にも魅力を感じました。京都出身なので京都弁が随所に出るのですが、それがまた柔らかく、彼の物腰の柔らかさや謙虚さにぴったし来るんです。
皆さんも次回演奏を聴く機会があったら是非聴いてみてください。またCDも聴いていない人は是非聴いてください。絶対お薦めです。






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