2006年4月4日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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この3日間ブログをサボってしまいました。
4月1日には福田進一さんのサロンコンサート、2日はマスタークラスととっても充実した2日間を過ごし、ついつい飲み会にうつつを抜かし、やれ1時までだの4時までだのとブログを書くにはチト遅すぎる時間になってしまったのでお休みさせていただきました。今日もさあ、書こうかと思ったらもう10時を過ぎているではないですか。お腹の虫が泣いております。福田さんのコンサートとマスタークラスについてはまた明日に延期させていただきますです。

そこで内生蔵さんに登場していただきます。
では、内生蔵さん、よろしくお願いします。

<あれも聴きたい、これも聴きたい> アリリオ・ディアス編
 
若い皆さんは、アリリオ・ディアスというギタリストをご存知でしょうか。
 「知っとるにきまっとるでねえか」とおっしゃる、人間を長く営んでおられるお方は、こんな時はちょっとあっち向いててね。
 アリリオ・ディアスは、南米のベネズエラで1923年にお生まれですから、今年でもはや83歳におなりです。(まだ亡くなったとは聞いておりませんので)
 このアリリオ・ディアスおじさん。写真のように、どっかの田舎のおっさんみたいな、ローカルなお姿をされとります。(失礼)

 たしか私が大学に入学したばかりのころに一度だけ来日され、名古屋では愛知文化講堂でリサイタルをもよおされましたが、その時私はというと・・・・をもよおし、会場に着くなりトイレに駆け込んだのを覚えとります。(またまた失礼)
 以前私は、どうも暑い国の音楽の方に共感を覚えてしまう、というようなことを書きましたが、当時そんな暑い国の音楽、特に南米の音楽を、初めて我々に紹介してくれたのが、このアリリオ・ディアスのおっちゃんでした。
 それまでは、ギター音楽といえば「スペイン」という感じで、ベネズエラやパラグァイなどにギターの音楽があることなど、ついぞ知りませなんだ。
バリオスなんぞも初めて聴いたのはディアスのおっちゃんだったなあ。
パラグァイ舞曲なんぞ、ぞくぞく、わくわくしちまった。
そしてラウロ。こりゃあ衝撃でしたなあ。
 なんという素敵なメロディ。なんというかっこいいリズム、ムフッ♥てなもんで、一遍でとりこになっちまった。
 今ではそのリサイタルに演奏された曲がどんな曲だったのか、ほとんど記憶しとりませんが、とにかく「上手い!」と思ったことは確か。
 とにかく「これがプロの演奏っちゅうもんじゃい」と、本物のレベルの高さを思い知らされた演奏会だったことを覚えとります。

 その後アリリオ・ディアスおじさんのレコードが発売されるのを楽しみにして、新しいレコードが発売されるたびに大喜びで買い求めましたが、この写真のLPだけは、発売されたと思ったら、ちょっと油断しておるすきにレコード屋さんの店頭から消えてなくなり、ごく数年前にやっと中古でこれを見つけ、初恋の人に再会したような気持ちで、ジャケットを手にしたものです。
 ディアスおじさんは、やはりベネズエラ出身だけあって、南米ものに関しては他の追従を許しまへんえ。
 何を弾いてもろても、テクニックは申し分あらしまへんが、特にバリオスやラウロ、ソーホといった、まさに南米の音楽を弾かせたら天下一品どす。
 リズム、スピード、アクセント、音色、どれをとってもろても、どなたはんにも真似でけしまへん、なんともええムードを醸し出します。(なんかしらん急に京都弁になってしもたがな)

 そしてもうひとつ、ディアスおじさんの演奏で初めてその魅力を知ったんが、エドアルド(E)とレヒーノ(R)の、両サインス・デ・ラ・マーサの作品でした。
 今回のこのレコードにも、1曲ですがレヒーノのペテネーラという曲が入っとりますが、ギターという楽器を知り尽くした手法で書かれておりながらも変に通俗的にならず、不思議な魅力を備えた曲で、ディアスおじさんは、それをまさに才気あふれる表現で演奏されとります。
 ディアスおじさんの弾くこの両サインス・デ・ラ・マーサの作品は、そのほかのレコードに何曲か残っておりまするが、いまだにそれらを越えるものは無いんではにゃあかと、おいちゃんは考えておりまする。

 ディアスおじさんは、セゴヴィアに習う前は、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサに習っておったそうなので、まさに恩師からの直伝なんでしょうなあ。
 最後にこのレコードの収録曲をご紹介。
①G.サンス パバーナ、エスパニョレータ、マリサーパロス、カナリオス
②F.ソル 魔笛の主題による変奏曲
③F.ソル ロンド OP.22より
④R.サインス・デ・ラ・マーサ ペテネーラ
⑤M.リョベート 3つのカタロニア民謡 アメリアの遺言、盗賊の歌、聖母と御子
⑥F.モンポウ  カンシオン
⑦A.ラウロ  6つのベネズエラ舞曲
    エル・マラビーノ、エル・トトゥモ・デ・グァレーナス、ベネズエラワルツ
    カローラ、アンゴストゥーラ、マリア・ルイサ
⑧J,G.クレスポ  ノルテーニャ
⑨M.ポンセ  メキシコ風スケルツォ(スケルツィーノ・メヒカーノ)
⑩A.バリオス  アイレ・デ・サンバ、パラグァイ舞曲、クエカ

当時、ラウロの曲が一挙に6曲も入ったレコードなんてありゃあせんかったし、バリオスの曲がとっても珍しかったんよ。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)

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