2005年10月20日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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ルベン・ロペスと言う名前をご存知ですか?
彼はマドリッドの製作家マルセリーノ・ロペスの息子さんです。今年の3月に自宅を訪問してきました。最初はいくら呼び鈴を鳴らしても応答がなく半分諦めかけながらもしつこく鳴らし続けました。折角来たんだからと諦めきれずに5分は門の前で鳴らしていたでしょうか。そうしたら白髪の老紳士が出てきました。ホッとして挨拶すると気持ちよく中に通してくれました。それがお父上のマルセリーノさんでした。どうも電話をしていたので応答出来なかったそうなんです。

マルセリーノ・ロペスは製作歴55年と言うマドリッドの重要なギター製作家の一人で、マルセロ・バルベロの楽器に触発を受けサントス・エルナンデスの未亡人に製作技法を学んだ人です。彼はギター製作のみならず、ヴァイオリン、チェロやリュート、ヴィエラ等の古楽器の製作や修復をも手掛けていて、楽器の収集家としても素晴らしいコレクションを持っています。家中が博物館の様に楽器が飾ってありました。

お話を聞いていると、彼はエルナンデス・イ・アグアドの晩年の楽器製作を手伝っていたそうです。従ってその技法を知る後継者としてアグアドモデルを製作する唯一の製作家としても知られているんですね。でも今風のボリュームのある楽器ではなく少し地味な印象かも知れません。試奏させていただきましたが、確かにあまり鳴る楽器ではなかったです。しかし、風合いがありました。

そしてそろそろ失礼しようかとしてた時に、息子さんのルベン・ロペスさんが帰宅されました。そこでマルセリーノさんはもう一度我々を家の中に招き入れてルベンさんに紹介してくれ、もう一度写真を取り直しました。添付写真の真ん中がルベンさん、右がマルセリーノさんです。印象は非常に知的な紳士と言う感じでした。

そして先日彼の楽器を1本見たのですが、あまり鳴りが良くないので気にも留めなかったのですが、今回見た楽器は全然違ってバランスよく鳴るんです。父親譲りの上品さを保ちながらふくよかな音色で弾いていて気持ちのよい楽器です。しかも、まだお値段が上がっていなく105万円と非常に手頃なのもうれしいですね。昨日入荷しましたので一度試奏してみてください。

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