2005年10月18日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日はギターのサイド&バックに使われる最高級材として知られるハカランダについてお話します。
ハカランダとは"Jacaranda"と書きますが、"Brazilian Rosewood"のスペイン語名・ポルトガル名です。しかもバイア州のローズウッドの事を言います。日本の桜の様に時期が来ると花が一斉に咲き乱れます。写真のように花の色は紫色でハカランダ並木はそれはもう美しいものです。しかし、現在はワシントン条約により輸出入が禁止されていますので、条約発効前に伐採されたもののみがギターに使われていると言う貴重材と言うのが本当の所です。しかし、現実には世の中いろんな裏道はあるもので、スペインの木材屋が結構ハカランダを仕入れては日本にも流していました。でもそのスペインも当局の取締りが厳しくなり、2年前に木材屋やギター工房に役人の査察が入り、ハカランダに封印をして使用を禁止すると言う事態が起きました。従って年々値が上がり近い将来ハカランダがギターに使われることがなくなるかも知れません。

ハカランダは非常に硬い木なので音が良く跳ね返り華やかで艶やかな音が特徴です。また、茶褐色の不規則な模様がとても美しく人を魅了します。しかし、年々希少材になっているためいろんな代替材が使われるようになってきています。その代表がホンジュラス・ローズウッドで別名をニュー・ハカランダと言われます。これは見た目にも似ている所から誰が言い出したか分かりませんが、最高級材の名前・ハカランダを使いたかったんでしょう。重量はやや重めで、カラッとしたアタックの強いサウンドが特徴です。

また、ハカランダの入手が困難になった現在、インドで採取されるイーストインディアン・ローズウッドが最も優れたなサイド/バック材になってきています。深い低音と艶やかな高音が特徴です。概ね真っ直ぐで規則的な美しい木目でハカランダの様な不規則な美しさはありません。しかしこのローズウッドも最近は政府の伐採制限などの影響で高騰し、入手が困難になってきています。
そこで最近はマダガスカル・ローズウッドやアフリカン・ローズウッドがハカランダに近い材として、その代替材として注目されて来ています。

しかし、世界的に見てもギターに使われるこれらの木材の量は家具の事を考えると比較にならないほど少ないのに、いい木材が少なくなり、値が上がっていくのですから残念ですね。10年後、20年後には現在使われている木材と同じグレードの木材を使うのは難しくなっているんでしょうね。又はどんどんギターの価格も高くなって行くんでしょうね。皆さん、早めにいいギターを買ったほうがいいかも知れませんよ。


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