消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

骨髄バンク、ドナー体験記3 確認検査

2006-11-20 21:57:00 | 骨髄バンク

前回の記事から少し間が空いてしまいました。

今回は確認検査のときのお話です。


この日指定された病院は、私の住んでいるところから電車で1時間弱の場所にある県立のがんセンター。

この場所で改めてドナーになるまでの過程と、手術の方法についての説明が行われ、そして提供する意思の確認。

提供する意思に変わりが無いと、その後さらに詳しくHLAの型を調べるために採血をします。


その結果次第で最終的なドナーになるかもしれないし、ここでコーディネート終了となるかもしれないし。

この日はあくまでも説明と検査だけの日でした。



病院の入り口でコーディネーターと待ち合わせ。骨髄バンクの封筒を持っていたのですぐに分かりました。

診察室に通されて軽く挨拶をした後、調整医師の方がお見えになりました。

この確認検査で、コーディネーターからは骨髄採取までの流れの説明。調整医師からは具体的な手術の方法についての説明がありました。


その前に骨髄と骨髄移植についての説明を。(骨髄提供者向けの説明書より抜粋)


骨髄とは、骨の中心部にある海綿状(スポンジ状)の造血組織。赤血球、白血球、血小板がここで休むことなく作られています。

骨髄は、骨髄液で満たされていて、その中には血球のもとにはる造血幹細胞が含まれています。

白血病や再生不良性貧血、免疫不全症などの病気にかかってしまうと造血幹細胞に異常が起こり、正常な血球を作れなくなってしまいます。


骨髄移植は、病気によって冒された造血幹細胞を健康なものに置き換える治療法。

ドナーから採取した骨髄液を点滴で患者さんに注入するのです。


骨髄液を採取する場所は腸骨(骨盤のこと、ズボンのベルトのちょっと下あたり)から採取します。


よく勘違いされがちなのですが、背骨から採取するわけではありません。腸骨からです。

その方法も骨を切り取るのではなく、皮膚の上から専用の針を腸骨まで刺して、注射器で吸引します。


そして手術中は全身麻酔をかけて行います。つまり完全に眠った状態。

よくあれって痛いんでしょ?と言われますが、麻酔で完全に意識をなくすのでその時の痛みは分かりません。

麻酔から覚めた後は多少の痛みはありますが・・・。またそれは追って書くことにします。


そして最後に骨髄採取や全身麻酔による事故や合併症についても説明がなされる。

確率こそ少ないものの、過去に世界で4件の死亡事故が報告されていること(骨髄バンクを介さない、血縁者間での移植で)。手術後に健康被害があった症例についてもしっかりと説明してくださいました。それを踏まえたうえでしっかり判断して欲しいと。


このような説明が約1時間ほど、骨髄採取までの流れと手術の方法についての説明が終わると改めて提供意思の確認。

しつこいぐらいに『ここで提供を辞退されても構いません』とのことを言われる。

事故の話を聞いて、また手術の方法を聞いてみて、実際怖くなって提供を断念してしまう人や家族の同意が取れない人も多いらしい。


最初のドナー候補の手紙が来て、自分なりにドナー向けの説明書を読んだりインターネットで情報を集めたり。

確認検査で言われたことも調べたこととほぼ同じ。こんなことでは動じない私は辞退することなく採血へ進む。

炎上火災の方がよっぽど怖いような・・・



採血室みたいなところへ案内されて、小さめの試験管3本ほどの血を抜きます。

この採血で今度はDNAタイピングと言う方法での精密なHLAの検査を行います。


1・血液型

2・血算(各血球の数値など)

3・肝臓や腎臓の機能検査

4・感染症の検査

も一緒に行い、この結果を踏まえて最終的なドナーになるかどうかを決定します。

この結果、健康上問題があったり、HLAが遺伝子レベルでは適合しなかったりするとそこで終了。

もしドナーが複数いるとすれば、より条件の良い人から最終的なドナーになっていきます。



過去の記事で、ドナー候補者は最大5人まで並行してコーディネートを進めることができると書きましたが、何人のドナー候補者がコーディネート進行中であるかは知らされないようです。

私は当然分かりませんが、コーディネーター、調整医師すら知らされていません。

ドナー候補者が知ってしまうとプレッシャーになってしまうだろうし、コーディネーターや調整医師が知ってしまうと、やはりドナー候補者にいらぬプレッシャーをかけてしまうかもしれないから・・・なのかな?




採血をしてくれたのはベテランの看護師さん。手際もよくあっという間に終了。

最終的な決定がされるのは約1~3ヶ月後。

帰り際に『またお会いできるといいですね』なんてコーディネーターと話しつつ、交通費をもらって(交通費はちゃんともらえる)確認検査が終わる。


最終的なドナーになるのか、ここでコーディネート終了なのか。連絡が来るまでの間、ずっと緊張した毎日を過ごしていました。


次回へ続きます。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (よっこ)
2006-11-22 10:55:12
ムサシさん、いつも楽しみに読ませていただいております!初書き込みのよっこと申\します(*^_^*)                骨髄バンク。実は私もドナーになろうと決心したのですが、3年前に甲状腺機能\亢進症になり、その治療の為、薬を飲み続けています…。そのせいで、ドナー登録できないとのコトでした(・_・;)             元気やし、甲状腺の数値も正常やのに…辛いけど、仕方ないですねぇ。                こんな私やから、ムサシさんが、ドナーとして、骨髄を提供されるコトを素晴らしく、羨ましく思うのです(*^_^*)続き、楽しみにしていますね。 長くなってごめんなさい。
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よっこさんへ (ムサシ)
2006-11-23 12:55:28
よっこさん、初めまして!コメントありがとうございます♪

骨髄バンクはドナー最優先。大丈夫だと思っていても基準が厳しいようで、健康面でやむなく断念する方も多いと聞きました。

善意で成り立つ骨髄バンクですから、ドナーに何かあって、これから先登録者が少なくなってしまうのを恐れているのでしょうね。


よっこさんも体を大切になさって下さいね。


コメント、長くなったって構いませんよ!

続きを書き次第、随時更新していきます。

またお越しくださいね(^_^)
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ドキドキ (うめ)
2006-11-23 23:01:39
はじめまして。

実は、わたしにも確認検査のおしらせが
先日届きました。

今は、問診票を返信しコーディネーターさんからの
連絡待ちです。

登録して9年目。やっときたか、という気持ちと
やはり不安な気持ちで、様々なHPなど検索していて
こちらにたどり着きました。

続きもお待ちしています。
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うめさんへ (ムサシ)
2006-11-23 23:55:45
うめさん、初めまして!


私は適合通知が登録から半年ほどで来てしまい、ただただビックリでした。

こんな早く来るものなの!?って。


不安や緊張、リスクなどもあります。ですが今だから言えることは、一生に一度あるかないかの貴重な体験だったなって思います。


続きを書き次第、更新していきますね!

またお越しください♪
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