消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

消防の雑学 その4 すべり棒

2011-07-06 22:23:00 | 消防の雑学
前回の当番は2件、思いっきり真夜中に出場したために寝不足。

そのまま非番で研修に行きましたが、強烈な睡魔との大合戦。肝心の内容は半分ほど覚えておらず、メモを取った紙を読み返しても意味不明。もらった資料から思い出そうとする始末。

薄暗い中での講義は思いっきりしんどかったです。

前にいた消防署では夜中に出場するのがある意味普通、なので身体もそれに慣れていましたが、今は夜中にあると珍しい。

環境が生活リズムも変えて行くもんですね…。


さて、本日のお話は消防の雑学第4弾。

ブログを休止する前に第3弾までは書いていたのですが、しばらくぶりに第4弾をここで記事にしてみたいと思います。


新年度が始まって、近所の小学生が授業の一環で消防署見学に来ます。

小学生からは消防の仕事や、火事が無い時はどんなことをするんですか?のような質問や、消防車に積んである資機材の使い方とかを聞いてくるのですが、引率の先生方はまた違う視点があります。

署内を一通り見て回り、ここが車庫で、ここが事務所で、ここが食堂の仮眠室の…と言う感じで説明をしていくわけですが、そこで意外と聞かれるのが、


『すべり棒』

の存在です。


ここの消防署にはすべり棒ってないんですね~と引率の先生が言います。もしかしたらこの記事をご覧になっている方も、消防署にはすべり棒があって、出場の時にはすべり棒で下に降りて車庫へ…と言うイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

質問の回答で返事を返すわけですが、今はすべり棒って無いんですよ、と。

ここで大概びっくりされるわけです。見学に来た消防署に限らず、私の勤める消防においてすべり棒がある消防署は存在しないし、おそらく全国の消防署でもある所はほとんど無いのでは…と思います。移転のためにもう取り壊してしまいましたが、昔使っていたすべり棒の跡があった消防署だったら私の消防にもありました。


前述しましたが、消防署にあると思われている『すべり棒』は、今の時代にはありません。

事務所での待機中、食事、仮眠中でも指令がかかれば出場していくわけですが、そんな時は普通に階段を降りて車庫へと向かうわけです。

理由は、すべり棒でも階段でも時間は変わらないこと。(いつだか放送されていたトリビアの泉と言う番組でもやっていた覚えがあります)

そして、階段であれば何人かまとめて降りれること、すべり棒に比べれば安全であること。

仮にすべり棒があったとします。すべり棒の手前で下りて行くわけですが、なんせ一人ずつしか降りれないため順番を待ちます。

下に滑り降りて、よし到着!なんてやっている間に上から別の隊員が降りてきて踏まれるなんてことも考えられます。効率が悪いと言う感じですね。


夜の仮眠中に指令が鳴った時、ガバッと起きてすべり棒を降りて車庫に向かう。

映画とかもそうでしたし、昔はそんなことがあったかもしれませんが、今は普通にドア開けて車庫へ向かってます。うちの署は仮眠室が1階にありますしね



明日は仕事です。

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イメージが (白熊)
2011-07-06 23:13:10
まだすべり棒のイメージが残っているんですね実は白熊5月5日に始めて消防署見学に行きました。都内にあるハイパーレスキューなんですが今まで消防署見学した事が無かった私には貴重な体験が出来たと思ってます
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Unknown (めだかちゃん)
2011-07-07 00:46:39
あたしも小学校の消防署見学でのぼり棒があったのを覚えています!
以前から施設自体変わってないのでもしかしたらあるかもしれません。
又は取ってしまったかもしれませんね。



研修って言うのはどこでするものなのですか?


もう1つ、査察できたときに『火気厳禁』の文字が薄くなってると指摘されました。あれって白いマジックとかで上から描いてもいいものなんですか?専用の文字テープとかがあるんですか?

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お疲れさまです (はちみつ)
2011-07-07 01:07:57
ウチの旦那の消防署にはのぼり棒があるそうです。

やはり実際には使わないそうです。
現に着地で捻挫した人がいたそうです。

階段の方が安全確実からだそうですね。

私事ですが、妊娠生活も残りわずかになりました。
出産の兆候も現れたので出産のカウントダウンが始まりました。妊娠が終わってしまうと思うと寂しい気がしますが、無事に元気な赤ちゃんを産んできます。

ムサシパパは立ち会い出産でしたよね?
出産現場に立ち会ってどうでしたか?

旦那には立ち会ってもらいたい気はあるんですけど分娩中のものすごい形相を見られると思うと気が乗らなくて。

ちなみにビデオ撮影はしましたか?

質問ばかりで申し訳ないです。

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初めまして! (まなっぺ)
2011-07-08 16:08:57
以前から 拝見させてもらってましたが 初めてコメントさせてもらぃます。

救急は 大変ですね。でもやりがいのある仕事ですよね! 応援しています。
さて…私事ですが、今付き合ってる彼が先月から専科教育で救急科で消防学校に入りまして、勉強しています。 なかなか連絡が取れず、話を聞くと学科がとても 覚えることが多くて 大変と言っていました… 私は あまりよく知らないのですが、実際はやはり大変なのでしょうか? 教えてください!

ちなみに彼は今年で二年目で今はポンプ隊として働いています。
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白熊さんへ (ムサシ)
2011-07-08 22:31:03
ちょうど昨日の勤務においても、また別の小学校の児童が消防署見学に来ました。今回はすべり棒についての質問はでませんでした。

一部の幼稚園や保育園で消防署見学をすることがありますが、大抵その時は車庫前で話を済ますことがほとんど。消防署の中に入るのは大体小学校の授業の一環でと言うぐらいかな?あとは中学生の職業体験の中で一部の学生が来るぐらい。

事務所の受付のところまでは比較的来る方はいらっしゃいますが、中の生活スペースのところは知られざるところですね
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めだかちゃんさんへ (ムサシ)
2011-07-08 22:43:29
確か私も、小学生の頃に消防署見学に行った覚えがなんとなくですが記憶にあります。

今思えばそこは本署ではなく分署でしたが、救助工作車以外の車両があるところでしたので、色々車両を見て回ったような覚えがあります。(当時は赤いのは消防車で白いのは救急車ぐらいにしか思ってませんでしたが

その時は将来の夢なんて全く考えておらず、まさか今消防職員として働いてるなんて思いもしませんでした。


研修は大学病院で行ったり、どこかのホールなどで行ったりします。医師会主催だったり、病院主催だったり色々と。開催案内が文書で消防署に届きます。

職務命令で行く場合もありますが、大抵は自主参加。非番や休日を利用していくことがほとんど。記事の冒頭に書いた研修も、非番で行ってきたものです。


『火気厳禁』とは、危険物を貯蔵されている施設があるということでしょうか。文字が薄くなると言うことから、看板の劣化が考えられます。

見えるようになれば自分達で手を加えていいものなのか、それとも業者に依頼するものなのか。危険物のその看板はどうだったかはちょっと分かりません、すみません。

その点はやはり指導を担当した消防署の方にお尋ねになられてみては良いかと思います。立ち入り検査(査察)に行った際、立ち入り検査を行った旨の書類が渡されていると思います。そこに問い合わせの際の電話番号等が記載されていると思いますので、まずは一度お問い合わせをしてみてくださいませ。
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はちみつさんへ (ムサシ)
2011-07-08 23:07:03
いよいよ出産ですね。

妊娠が分かってから悪阻もあったり、お腹が大きくなったりと急激な変化があった約10ヶ月間。それも終わりに近づくとやはり寂しさを感じるものなのですね。

男である私には一生体験できないもの。苦労も辛さもあったかと思いますが、反面、ちょっとうらやましいかなと言うのも正直なところ。過去2回の嫁の妊娠生活をみてきて、感じたことでもあります。


我が家の2度の出産の機会、いずれもタイミングよく立ち会うことができました。

上の子の時は当直勤務中の真夜中に陣痛が10分間隔となり、こりゃ立ち会いは厳しいかな…と思っていたのですが、そこからちっとも進まずで私も勤務が終わり、無事に立ち会えました。

下の子の時には、できれば上の子も一緒に立ち会わせたい。(兄弟の立ち会いも可でした)

皆で産まれてくる赤ちゃんを迎えるんだと言う希望がありましたが、上の子も当時まだ1歳。真夜中とかだったらやっぱり厳しいかなと思いましたが、産まれたのはちょうどお昼時。希望どおり家族皆で立ち会うことができました。

下の子の出産のときは上の子を抱っこしながらでしたので嫁の汗を拭いたり水分補給をさせたりと言うのが難しかったですが、初めての立ち会いの時は汗を拭く、水分補給をさせる、声をかけるぐらい。あとは実況してたかな、頭が見えてきた!とか(笑)

振り返ればもう少しまともな励ましをすれば良かったかなと思っていますが、立ち会えたことは本当に良かったなと思っています。私が帰ってくるまで産まれるのを待っててくれた息子たちにも感謝ですね


ちなみにビデオ撮影は、出産時はNGでした。と言うのも、ビデオ撮るぐらいなら奥さんの手でも握って励ましてあげなさいと言うのが先生の方針。それはそれで納得でした。

出産後に羊水の吸引や身長体重の検査をして、そのまま分娩室で1時間ほどカンガルーケア。その時になったらビデオ撮影はOKでした。


嫁に言わせれば確かに出産は大変なもの。それこそ自分の命をかけて新たな命を産むと言っても過言ではないぐらいです。

痛みもあるし苦しいし、正直表情なんて気にしている余裕なんて無いかもしれませんが、そんなことでドン引きするような旦那様ではないと思いますよ(^^)


はちみつさんにとっても、また、旦那様にとってもぜひ、立ち会いされることをオススメします。

無事に元気な赤ちゃんが産まれてきてくれることを心より願っています、頑張って!
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まなっぺさんへ (ムサシ)
2011-07-08 23:26:54
初めまして、コメントありがとうございます。

おそらく救急隊員の資格を取りに行かれているのでしょうか。250時間だったかな、確か。

実技訓練も行いますが、大半は大学病院の先生など外部から講師をお招きしての座学。小中学校で習った解剖生理学をより深く、またそこからどんな原因で病態が進みどんな症状を起こし…など、まだ現場配属もままならない時期に私も行きましたので、正直何を言ってるのかチンプンカンプンだったのを覚えています。

資格を取る=行える処置が増えると言うことになります。実技訓練でも行いますが、やはり実際の現場で生身の人間にやるのとはわけが違うなと言うのが今実際に救急現場に出て思ったことですね。


3ヶ月ぐらいで戻ってくるのかな?学校にいる間はまた缶詰状態ですが、早く終わって戻って来られると良いですね
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こんばんは (通りすがり)
2011-07-10 03:22:17
いきなりすみません。今日マンションで火災報知器が鳴りました。幸い、火事ではなかったのですが、原因は同じ階の迷惑な女らしいです。 部屋の間取りは1Kで台所にスポット式感知器、もうひとつの部屋に差動式感知器が付いています。この迷惑な女は部屋で何をしていた可能性が考えられますか?
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通りすがりさんへ (ムサシ)
2011-07-11 21:31:11
コメントありがとうございます。

まず初めに、このコメントが原因を確定するものではないと言うことを申し上げておきます。と言いますのも、当時その居住者の方が何をやっていたかは当の本人と、調査をした消防職員(消防車は来たのでしょうか?)もしくは大家さんぐらいしか分からないと思います。


話を少し変えまして、火災の原因で多いものを挙げてみます。

放火、タバコ、鍋の空炊き、トラッキング現象…などが例として挙げられます。放火は読んで字のごとく火を放つこと。タバコ関連のものとしては、寝タバコや灰皿で消したつもりのものが実は消えてなくて発火。吸殻をごみ箱に捨てたが、実は消えていなかったためごみ箱から出火するケースもあります。

鍋の空炊きも意外に多いもの。鍋の中身が燃えただけで済むことも多いですが、気づくのが遅れるとガスコンロ等まで延焼する可能性もあります。

トラッキング現象とは、長時間差しっぱなしになっているコンセントに埃が溜まり、湿気を含んで発火する現象です。


冒頭に書いたように、原因は当事者と調査に入った者ぐらいしか知る由はありません。感知器が発報するぐらいですから、何かしらの理由により煙が充満し、感知器がそれを感知したのでしょう。

あと火災ではありませんが、バルサンとかでも発報するケースがあります。火災指令で出場したが、実はバルサンを炊きその煙を感知しちゃって発報した、またはドアの隙間から煙が出ているとの隣人や通行人からの通報により火災出場したこともありました。
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