消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

そうかもしれないけど

2009-11-16 20:24:40 | 救急隊の本音
前回の当番は7件。真夜中に2件出場したため寝不足でした。

どうもここ数当直、夜中に必ず出場しているような気がします。

夜中に何もなくて朝まで寝れたと言うのはしばらく前のような覚えがあります。


さて、新型・季節性問わずですが、インフルエンザの流行り出す季節です。

もう数ヶ月前から報道されているとおり、新型のインフルエンザが猛威をふるっている状況。私の住む街にも、知人や身内にも感染者が出ています。

それに伴って救急要請も増えてくるわけですが、今日は『救急車で行く必要あるの?』と言う事案を書きます。


20代女性、発熱、倦怠感と関節の痛み。

先日新型インフルエンザの予防接種を受けたところ、発熱したとの内容でした。


まれに予防接種を打ったところ、予防するどころかインフルエンザにかかってしまうと言う方もおられます。

この事案も、また発熱か…なんて思いながら現場到着。

傷病者はベッド上に横たわっており、意識清明で歩行も可能。バイタル測定の結果も体温が38℃台と確かに高めですが、他は異常なし。

布の担架でストレッチャーに乗せようとしたところ、歩けるから良いですとの事。結局歩いて救急車まで乗ってきました。


車内でさらに詳しくお話を聞かせてもらったのですが、現在妊娠中とのこと。

そして出た言葉が、

『妊婦は重症になりやすいって言うから…』

でした。


確かにそう報道されてはいます。現に亡くなっている方もいます。

だけど、例年流行する季節性のインフルエンザでも毎年亡くなっている方はいる。

新型インフルエンザだけが特別なわけではないのです。


お話もはっきりできて、自分の足で歩いて救急車に乗り。同居している家族は病院わかったら車で追いかけます、と。


それって(今)救急車で行かなきゃダメですか?

お父さんお母さん、あなた方が後から追いかけるその車で病院に連れていくことはできませんか?

自宅でゆっくり療養して、病院の開いている時間に自分で行くことを考えなかった?


お話もはっきりできて自分の足で歩ける人を病院まで送り届けるタクシーじゃない!生命の危機が迫ってたり、自分たちではどうしようもできない人が使う車なんだ!


いつもはため息が出ることが先なのですが、この時ばかりは怒りの方が先に出ました。

搬送先の病院でもドクターに、あなた妊婦さんなんだから薬使えないし、病院来ても何もやることないし、家で安静にしてた方が良いんだよとおっしゃってました。

ドクターも半ば呆れ顔だったのが印象的でした。

そりゃそうだよね、二次当番病院は忙しくて寝る暇もないのに、今来なくても良いような軽症患者ばっかりだったら呆れたり怒ったりするのも無理はないよね。


同居している家族誰一人、傷病者本人も含めて誰もマスクしてませんでした。

インフルエンザにかかるなと言う方が難しいですが、せめて予防策や人にうつさないようにする努力ぐらいはできるはず。マスクするなり何かしらの行動をするべきだと思いますね。


あまりにもグッタリしていて意識もおかしいとかなら分かりますが、ただ高熱で体がだるいだけとの理由で呼ばれることもたくさん。

例に挙げた理由で救急車呼ばれたら正直キリがありません。

救急車の存在意義を改めて知ってもらい、少しでも不適切な利用を減ることを望みます。



明日は仕事です。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れさまです (潤子)
2009-11-16 22:15:41
これから暮れになり…お正月になれば
更に救急要請が増えちゃうかも…ですね。

お疲れさまです。
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立場上、言いにくいでしょうが (走快エイト)
2009-11-16 22:49:16
私だったら、愚痴のひとつでも相手に言うか、明らかに不快であると態度に出してしまうかもしれません。我慢を通すなんて、ムサシさんは流石プロですね。

どうか、ブログでストレスを発散して、本番では我慢し続け、相手に上げ足を取られないように気を付けて下さいね。私は勤務中に、何度も話し方で失敗した経験がありますので。
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殿様ですね (きゅう)
2009-11-16 23:36:06
私は救急外来で看護師をしています。救急車の不適切利用やコンビニ受診…ひとえに「モラルの低下」ですね。殿様意識、お客様は神様です意識がはびこっているとしか思えないですね。「時間外診療の特別料金&救急車の有料化」もそろそろ本格的に考えてもいいかもですね。お疲れ様です。お互いに疲弊しないようにしましょうね。
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お疲れさまです (太郎)
2009-11-17 01:18:36
お疲れさまです。
いきなりですがムサシさんいくつか質問させてもらっていいですか?

公務員試験に合格するのはかなり難しかったと思いますが予備校などに通われたりしましたか?

僕は丸一年独学で勉強して今年の採用試験は不合格でした。
もちろん来年も挑戦しますが今予備校に通うか迷っています。

試験勉強についてアドバイスなどなにか教えてもらえれば幸です。

いきなり迷惑な質問してすいません

よかたたらいいんでお答えいただければうれしいです。お願いします。
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またですか・・・ (ねぶたちゃん)
2009-11-17 23:57:47
 お疲れです。ほんまに呆れる事案ですね。正直日本にはこういった人しかいないんじゃないの?っていいたくなるのが現状なんでしょうね。諸外国と比べても仕方ないのでしょうが、日本人のモラルが低すぎてあいた口がふさがりません。もう、崩壊の一途なんでしょうかね・・・人として情けない事この上ないです・・・本気で改善をしないといけないですよね・・・何かわたしにも出来ることないでしょうかね・・・
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Unknown (あこ)
2009-11-18 21:28:57
こんばんは☆
確かに救急車でなくても良い件ですね…。
今テレビCMでも救急車をタクシー替わりに呼んだり、虫が出たから等…「え?!」と耳を疑う件が実際あるというのを見た時があります。
もう一度みんなで「救急車の必要性」を考えるべきなんではないでしょうか。
心配なのは分かります。でも呼ぶ前にもう一度考えてみてほしい。そばに家族がいるならなおさら。
他に本当に必要としている人がいるかもしれないということを。
私もまた考えさせられました。
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潤子さんへ (ムサシ)
2009-11-19 21:01:30
年末年始もやはり救急要請がどっと増えてきます。

当消防の一日平均出場件数の1.5倍出場した年もありました。(その当時はまだ消防隊でしたが)

やっている病院が分からないからとの理由で呼ばれることもたくさん。休日夜間の急病診療所の存在を常々広報していますが、まだ完全に周知されていないのも事実。

消防をはじめ行政としてまだまだ努力する部分はあるにしろ、知ってて足代わりにするのもいるんです。

記事に書いたのも実はそんな感じ。だからこそ、呆れると言うより怒りの方を先に覚えたのです。


そんなガッカリすることも多々ありますが、やはり搬送後しばらくして消防署にお礼に来られたりすると嬉しいもの。

その時はこの仕事して良かったなと思いますね
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走快エイトさんへ (ムサシ)
2009-11-19 21:14:01
救急要請された以上、搬送するのが私たちの仕事。ですが、今の時間に行かなくても、何も救急車で行かなくてもと思うことはたくさんあります。

しかしながら、何でもっと早く呼ばなかったのか、もう少し早ければ…と思うこともたくさんです。

あまり適正利用についてこと細かく言ってしまうとためらう方も出てくるものと思いますので、どこまでが適正でどれが不適切で…と線引きが難しいのです。救急隊員の間でさえ、基準が違いますから。


アル中事案のような場合、語気を強めては言いませんが、酔ってると病院だって受け入れに難色を示すし現場滞在時間も長くなる。

この間にすぐ近くて生きるか死ぬかの人がいて救急車を呼んでもすぐに来ない。その間にしんでしまう可能性だって十分にあるんだと言うことは言っています。


救急に理解のあるドクターならガツンと言ってくれることもあります。ですが、本来ならば消防側も言えるようでなければいけないとも正直思っています。

今はまだ表だって言えなく、こうしてブログ等で発信していますが、いつの日かこの状況が改善されると良いなと常々思いますね。
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きゅうさんへ (ムサシ)
2009-11-19 21:55:40
コメントありがとうございます。

夜間の軽症者に対する時間外料金は一部の病院では行われているようです。その結果夜間の受診率は減少傾向にあり、目立った苦情・トラブルも発生してはいないようです。

少し前の情報ですが、今現在もその体制を続けている病院はあるようです。当市にある病院では行われていないようですが…。


やはり誰でも使えるよう、基本的には無料でと言う思いは強いのですが、このままだと崩壊してしまう。今後救急車の有料化はやむを得ないのかなとも思います。


本当に、お互い疲弊しきってしまう前に何かしらの方法でストレス解消して、頑張って行きましょう。
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太郎さんへ (ムサシ)
2009-11-19 22:15:05
お返事が遅くなりました。

進路を決める際に独学では無理であろう(学校の成績自体も良くなかったですが…)と考えましたので、専門学校に進学。

私は卒業までに無事進路が決まりましたが、やはり専門学校や予備校に通ってても結果が出ずにいた人も何人もいます。

不況の世の中やはり公務員人気は今でも高いと思われますし、倍率も高かったのです。消防も数多くの市町村を受けましたが、受かったのは今勤めている所ただ一つ。今になって思うのは運が良かったなぁと。


1次試験の教養、半数は数的関係の問題です。

計算を間違えなければ取れるもの。その分野ができるできないで点数が変わってくると思いますし、実際にそれを実感しています。なので、時間を割いてでも確実に取れるようにと私も教わりました。


社会や国語等の知識分野は広く浅く出題されます。勉強したところが出るかどうかは運ですが、知ってれば取れる問題だと思います。

後は五者択一ですので、分からずに適当にマークしたのが当たるかもしれませんが(爆)


なんて簡単に私の体験を踏まえて説明してみましたが、分かりにくかったらすみません。
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