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紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ、秋苗の準備

2017-09-06 16:13:18 | ムラサキの栽培

 「秋苗の発根、発芽、育苗」
ムラサキの昨年の残り種を発芽させて、秋苗を準備する。今年のムラサキの栽培は苗不足でスタートが遅れているので残して置いた昨年の種を使う。
 今年栽培中のムラサキの種から発芽出来る事は、昨年の「思わぬ出来事」から承知していたのだが、まだその種を使う事が出来ない。種の発芽力は期間が経過すると落ちてしまうので、昨年の残り種を処分のつもりで発芽させる事にした。



苗床を使う事にする。慣例のパック内発根は、気温が高すぎて種の腐敗の進行が心配されるので避けた。
苗床の用土として適、不適の実験も兼ねる事にする。ちょっとした思い付きであったが、歴然とした発芽結果を見て驚いている。市販の培養土、ココピート混入培土は発芽なし、不適となった。


赤玉土は最適の結果を得る。初めてのムラサキの発芽を経験している用土で原点に戻る事になる。同じ条件の種でも発芽日に差が有り、発芽力の差があり種としての期限が窺える。

黒土の使用は初めてである。発芽は最も早く、既に本葉が出始める。赤玉土を越す結果であったが苗床用土としては、しまり過ぎで根の生育はやや抑えられている。育苗用土としての使用を検討する事になる。


それぞれを対比してみる。これだけ根が長くなってしまうと育苗ポットへ移す作業も厄介になってくる。


双葉で6.5cm 、長い根である。(爪楊枝は6.5cm)本葉が出て、根が複数になっている右の曲尺際の苗が良い苗の根と見ているがどうであろうか。傾向としては、長く1本伸びる根が多い。

急遽、発根して発芽の兆しの苗をポットに移植する事にする。

この状態で、育苗用ポットへ移植するのが最適である。作業も簡単、根にも負担を掛けない。

翌日、生育が進み種の殻を落とし葉を広げる苗も出てくる。

育苗ポットには赤玉土、黒土、ピートモスを配合した培養土を入れる。既に本葉が2枚出ている。最も早い発芽苗はこの日で9日目である。今後、暖地ではないので秋苗は室内で育苗を続ける事になる。冬期生育した葉が枯れても、春には新芽が出てくる。来春露地に定植する場合、春先に発芽する苗より太く丈夫で枯れる心配がない。

     「ひともとが ふかぶかながく ゆえありや」


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紫根エキス(秘法)

2017-08-29 19:19:54 | ムラサキの栽培
「ムラサキの自家栽培は染料と薬用を期しての栽培である」
染料としての魅力で栽培を始めたが、薬用として一般的に有名になったのを聞き及んで、シコンエキスを作って使ってみた。作り方はネットで調べて、煮出す事で作れる事を知る。
薬用土瓶を購入して、数ヶ月置きに少量作っては使用している。

当初、エキスと言う印象とは見栄えの違う物が出来た。それでも原因不明のカユミ等にはとても効果があった。
足の脛などの小さなカユミは、知らず知らずの内に何度も掻き重ねて大きくなって困っていた。

エキスと言う言葉には透明性の響きがあるが、収穫して乾燥させた紫根からは透明なエキスを抽出できない。
もし、シコンエキスとして紫色を想像しているならば、それは色素として別の物を添加してあると考えて良いであろう。素人が自家用に作るシコンエキスでは黒味を帯びた液体となる。染料としてのシコニンの酸化作用と思われる。その後、現在では一案を講じて、黒味のないシコンエキスを作って愛用している。

製薬専門メーカーでは、シコンエキスの抽出方法も当然異なると思われる故、比較は出来ない。


種明かしは、簡単な事である。紫根の表面は染料となるシコニンがある。それをカットして白味の根の内部のみを取り出すのである。太い根でないと、此の作業は出来ない。

2年物の紫を収穫する。3本立ちの生育で、高温、多雨の中収穫が急がれた。
3本立ちは秋苗からの栽培でないと有り得ない。




株元は1.5cm を越えているので、切って内部を確認する。エキス用の部位を切り出す事が出来そうである。


2cm 程の長さにカットしていく。外皮が黒ずんでいるのは収穫時期が遅れたためである。種の収穫も期待していた故で、根には高温、多湿でぎりぎりの収穫時期であった。


太めの根の表皮を削り落として、白味の紫根を切り出す。
カットした表面の皮は染料部位と一緒にして選別する。



紫根カット、選別を終える。赤みのある根が今春から生育した根で黒くなっている根は昨年からの根である。ケースに入れた白い根の部位は紫根エキス用である。その削りくずと細い根が染料となる。ともに冷凍庫で保存する。


この紫根は長いが太さが0.5cm 程で染料としては申し分ない。1.0cm 以上の太さがないと透明エキス用の部位を切り出す事は無理である。


秋苗から育てていくと翌年には太い株が期待出来るが、収穫時期を間違えると期待の紫根の収穫が台無しとなるので要注意だ。
シコンエキスに月桃エキスを添加すると効能は倍加する。沖縄では月桃(げっとう)と呼び、白い花の咲くその大きな葉を煎じて「うがい薬」として殺菌効果のある家庭薬で密かに知られている。

   「ひそかにも つくりしくすり よにあかし」



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紫根収穫2017.8.24

2017-08-25 16:19:20 | ムラサキの栽培
 「2年目の日本ムラサキ、紫根収穫」
筒型栽培で2年目を迎えた日本ムラサキ、葉が黄ばみ始め種を採取する様になる。このままにして置いても生育は当てにならない。雨が多く、高温である。紫根の傷みの方が気にる。雨の日の晴れ間を見て紫根収穫となった。


昨年、生育不十分で花を着ける事が出来なかった株である。収穫できずに厳しい冬を越した。今春、いち早く芽を出して生育を始め期待が膨らんだ。分枝も多く出て安心して見ていたが大事な事を忘れて、その生育を見ていただけであった。冬を越した褒美を添える事に、思い至らなかったのである。


筒型栽培では生育に必要な用土が限られている。根は養分を求めて横に張り出す事が出来ない。追肥を施す事など全く脳裏をかすめなかった。前年度の未成熟な筒内にはそれなりの肥料があるとばかり思い込んでいた。肥料不足が紫根の生育を抑えた様である。
手前の1本は心配した通り、高温と多雨によりすっかり腐敗してしまった。



細根の多さは、生育の養分を求めるサインの様にも見えるのは思い過ごしだろうか。畑で畝を建てて栽培すれば、根は自由に養分を求めて這い太る事が出来たのではと思う。畝を外れて根が伸びて、収穫時に切ってしまう事がたびたびあった。
太く黒ずんでいる根は昨年の根の生育で、赤く細目の根が今年新たに生育した紫根である。




肥料不足で期待したサイズには程遠い紫根収穫であった。不順な天候もこの時期の収穫を急かされた。しかし、染料としての紫根は太さを必要としていない事を考えると、この細目の紫根は申し分ないサイズでもある。極細の根さえ赤みを持っていれば染料としては多いに役立つのである。



ちなみに、サイズを計測して見た。45cmは筒の高さと同じである。スケールの目盛りで筒の高さに満たない紫根が手前に2本ある。1本は短い割に株元が太く黒い紫根がある。これは筒での栽培ではなく、庭先露地で春先芽を出して茎は3本立ちで生育した株である。太い箇所は1.5cmもある。庭先で他の草花と花を楽しんだのだが、紫根を掘り出してみた。掘り出しは大変かと躊躇していたが、ついに意を決してスコップを入れてみた。その割には苦労無く掘り出す事が出来た。黒味が強いが処によっては強い赤みも有り、太い株元に興味をもった。


  「しこんほり かくもてがるに つつひらき」
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ムラサキの栽培と肥料

2017-08-07 17:34:02 | ムラサキの栽培
「日本ムラサキの栽培と肥料の考察」
日本ムラサキは野生の植物である。野生の植物を育てる事が最前提として脳裏にあった。
大きな紫根を育てる事など全く、考えてもいなかった。
腐葉土が生育には欠かせない事は承知していた。
しかし、初めての栽培は鉢での栽培であった。ポットの用土は培養土、赤玉土、鹿沼土、腐葉土の混合である。
清楚な姿に純白な花は、これが日本ムラサキかと感慨は一入であった。



昨年の晩秋、近くに在住の染織家のTさんからムラサキを育てたいと電話連絡が入った。勿論、糸を染めて織りたいとのことである。紫根染めの期待は大きい様子であった。
種の採取時期だったので枝ごと持って行って、発芽方法から苗の育て方などを一通り説明して帰った。
その後 発芽段階、ポットでの育苗と順調な栽培に足も遠くなった。
数ヶ月振りに訪れると驚くべき生育状況であった。





自宅室内に鉢栽培のムラサキがある。
昨年遅くまで枯れる事がなかった2年目のムラサキである。

5月連休中に一度、根の様子見ている。鉢で余り大きくなっても困ると思い、赤玉土を入れ替えただけで、その後の生育状況を見る事にしていた。
作物を育てる場合ほぼ水と肥料を訊ねられる。ただ不思議なことに自分も栽培していながら、肥料については腐葉土のみで、何らかの検討もして来なかった。
それなりの生育結果を得ていたので、それで良しとしていた訳である。



赤玉土のみで、生育状況は覚束ない。追肥と言っても鉢栽培ではどうしたら良いのか⁇
2年目の生育なので遅々たる生育状況に狼狽気味となる。
液体肥料を思い付いた‼️





数ヶ月間遅々とした生育状況にあったムラサキは、急速な変貌を遂げつつある。
葉を食する訳ではない❣️追肥は無駄事であった‼️

「としおいて 💬くさをそだてつ 💬 としをはみ 」
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日本ムラサキ、忘れてた苗床

2017-07-02 14:53:53 | ムラサキの栽培
「春先に使用の苗床から発芽あり」
室内温室で使っていた苗床は庭先に放置されたままになっていた。いや敢えて放置して置いた。予定の発芽を得られず、発芽セットを替えたのである。種は回収出来ず捨てたに等しかった。ただし1つの目論見を密かに抱いての事でもあった。
それはまた、かつての経験の再検証でもあった。

早春の発芽期から既に3ヶ月を経て今、梅雨時となった。寒暖を繰り返して平均気温も20℃前後となる。
空梅雨か放置された苗床はカラカラに乾燥している。期待の雨が無いので容器の発泡スチロールに水を入れ満杯とする。
10日もすると水分は飛んで良き湿気状態となる。


7月に入る。本降りの大雨予報であるが、これはもう避ける事にする。既に目論見通りの発芽を確認していたからである。


苗床の両片隅に幾つかの発芽が見える。


12個を確認する。


これはもう双葉がかなりの大きさである。


殻付きの状態は発芽後3日目程であろうか。


早く掘り出さないと大きな穴を作ってしまう。根の先端を傷めないように掘り出す。長い根である。根が長くなる要因についての、心当たりはあるのだが、まだ検証出来ていない。

育苗ポットに入れて、生育状況を見守ることになる。このポットの用土に根が長くならないで、しっかりした根に生育するかの検証要因を潜ませてある。

秋苗の検討を始めた矢先であった。この春先の苗床から秋苗の発芽を考えても見なかった。昨年の秋苗に種が着き始めたが、まだ実入りの種子採取には早過ぎである。秋苗の種子は秋苗が生育した翌年にと考えていた。春苗は春苗から秋苗は秋苗から、それぞれ種を採取すれば良いサイクルかと思ってるのだが。

「つゆそらに▫️▫️おもいもよらぬ▫️▫️あきのなえ」

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