日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国のパラサイトシングル

2009-07-10 | 中国の社会・文化・歴史等
 「中国 スネかじり族の急増はやがて大きな社会問題に」という記事がサーチナに掲載されていました。現実に上海では周りにたくさんいるのですけど、豊かな上海だけかと思ったら中国全土の問題なんですね。

 中国では近年、「コウ老族」(スネかじり族)という言葉が象徴するように、大人になっても、ひいては結婚しても、親に頼り続け、場合によって親を徹底的に搾取するような人が急増している。中国老齢科学研究センターが公表したデータによると、中国では65%の家庭にスネかじり族がいること、約30%の成人者が高齢者によって扶養されている。状況はかなり深刻だ。

 日本では、「パラサイト」(寄生虫)にしても、「スネかじり族」にしても、あくまでも独身者に限り、しかも親と同居している。もっと重要なことは、その関係の成り立ちはほとんど親の自由意思が介在しているのだ。つまり、親もそのように望んでおり、親が自分の子を手放したくないといった部分がかなり強い。

 しかし、中国では
 中国のスネかじり族は独身者もいれば、既婚者、なかには自分も親になっている者もいる。親と別居していても、親に頼り、親を搾取する。親の意思を無視する、または親の弱みにつけ込んでまで経済的援助をしてもらっている。往々にして親に我慢の限界を超えさせてしまい、親から裁判に訴えられることになる。

  いま、中国のいたるところで、親が子どもを相手に訴訟を起こすケースが急増している。その内容は大抵二つ。一つは、子どもが親を扶養する責任をちゃんと果たしていないもの、もう一つは、子どもが親に頼りすぎで、親を搾取しているとのことだ。

 都市部では1980年代からすねかじり族の問題が顕著にり、1992年1月の「中国高齢者扶養システム研究」によれば、上海市で60歳以上の高齢者を対象に調査の結果、調査対象1911人のうち、子どもを持つ高齢者は1887人(都市住民1092人、農村住民795人)いる。高齢者の多くは子どもから経済的援助を受けている。しかし一方、都市高齢者1092人のうち、なんと444人(40.7%)が子どもに対して経済的援助を行っている。農村高齢者にはこんなケースが少ないが、それにしても、795人のうち、子どもを援助しているのが99人(12.5%)。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0705&f=column_0705_001.shtml

 1992年といえば、今から17年前ですね。当時20代の人は今は40代になっている事でしょう。そして、今の20代を見ていると、結婚まで親元同居は当たり前。結婚後も夫婦の各両親の家で育児、食事は当たり前。酷い場合は結婚後も夫婦夫々が親元に住む。こういう事例は嫁の友人関係でも、かっての部下達でもごく当たり前の自称として見られます。

 1990年代後半以降、上海が豊かに成ったからこういった問題が生じているんどあと思っていましたが、1992年の時点で既にこんな状況だったのですね。一人っ子政策は1979年から始まっていますので、その後状況は遥かに悪化しているでしょう。1992年時点で上海市の農村部では12%という事ですが、今は上海周辺の農村部も豊かになっていますので、その比率は高くなっているはずです。
 
 さて、国の発展は企業と同じくやはり人材が最も重要な要素でしょう。日本は戦前の教育と技術レベルを基盤にして、戦後奇跡的な発展を遂げました。中国は日本よりは資源的には恵まれていますし、人口が10倍いますので、天才的な頭脳を持つ人材は日本よりは多く生まれるでしょう。

 でも、2050年には世界一の経済大国になるとか、21世紀は中国の時代だ、とか今中国をもてはやすその根拠は実は全く無いんですよね。技術力やモラルの低さもそうですが、こういう教育を受けた人たちに何ができるのでしょうね?

 
コメント
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