![]() | 人種戦争――レイス・ウォー――太平洋戦争 もう一つの真実 |
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祥伝社 |
たまたま本屋で見かけて買いました。にこたまの蔦谷さんですね。
本そのものに関しては、聊か冗長に過ぎる面もあり、もう少しページを減らした方がよいとは思いますが、日本の近代史に興味がある人には一見の価値があるとは想います。正直に言うと、知らないことがたくさんありました。そして、その知らないことがどこまで事実なのだろうと疑いを持つ反面、要は歴史は商社の作るもの。敗者の歴史は抹殺される。その視点で見ると考えさせられます。
かなり前の方に、米軍が日本人捕虜に対して行った残虐な行為、沖縄で少女をレイプして殺したのか、殺して輪姦したのか、そういう事例も挙げられています。僕らの受けた教育の中では、東条の軍人勅語にそのまま従って捕虜にならずに自決した。日本軍の宣伝により民間人も自決を迫られた〔サイパンや沖縄〕と、とにかく日本軍、特に陸軍の無茶振りを聞いていますが、この本見てると米軍に対する嫌悪感がますます募るでしょう。
第一章の題が、「純潔の白人以外は人にあらず」とありますが、これは普通に考えればそうだったでしょう。今でもまだその名残は見えると想います。是は実はアジア人では日本人しか気がつかないとも想います。
東京裁判で捕虜に対する残虐行為なども裁かれていますし、アジアのB級、C級戦犯に関する懲罰裁判でも事例は幾つもあります。この辺は、まぁそんなものだろう程度にしか思っていなかったのですが、著者によると日本軍は意図的に行ったとしています。そしてそれは、植民化された現地の人たちに、それまで絶対的権力者だった白人が僕らと代わらない人間であることを示す為だった。そして、現地の人たちの白人に対する意識が変わり、日本の敗戦後では有ったが、アジア諸国の独立に繋がっていったと解釈されています。
又、香港においては、中国を侵略していたにもかかわらず、中国人も日本側についた人が多かった。アメリカの黒人も日本側に意識がむいていたなど色々な国の有色人種の日本側にメンタリティを置いていたことが指摘されています。彼によると蒋介石ですらも。。
敗戦後に英軍の捕虜になった会田さんの書かれた、確かアーロン収容所でしたっけ?彼の前でイギリス人が平気でセックスをする。要は日本人なんか去るとしか思っていないから羞恥心の起きる対照ですらなかった。
まぁ東南アジア各国における植民地政策とか滅茶苦茶でしたから、そりゃーそうだよなと想います。またなんとアヘンって太平洋戦争の間まで中国に湯繻子していたんですね。。
著者は当然ながら黒人の大学教授。白人からこういう本が出ることは今でもないのでしょう。
この本見ると思うんです。なんで蒋介石の国民党とどこかで妥協できなかったのかって。米英が国民党を助けたのは単に同情だけじゃなくって中国市場にかかる権益確保の方が大きかったはずなんですよね。実質的には中国の大半は、準植民地とされていたわけですから。蒋介石事態もそれを認識した上で、近年の共産党と同様人口の多さと市場規模を餌に彼らを対日戦に巻き込んだ。まぁ、結局漁夫の利を得た共産党が政権とって、中国関連はみんな負け犬になったわけですが。。そういう意味では中国人民にとっては共産党政権が最も良かったとも言えるのでしょう。国民党だと経済的には欧米企業しか発展しなかったかもしれませんから。
この白人と有色人種の関係は、まだまだ続くのでしょうね。
共産党が政権をとる限り不可能なのですが、日本と中国はどっかで仲良くできないですかね。今後インドがどうなるか次第ですが、白人対有色人種という構図になった時、対抗できるのは日中しかないと想うんです。あ、半島は余りにも自国の歴史を省みないのでどうでも良いです。あそこは日本じゃなければロシアか中国のもの。どうやっても独立することはありえなく、恐らく一番ましな国に併合されて、それでも文句を言う。彼らはまず何でああなってしまったのか、ああならないためにはどうすべきだったかを冷静に考えないと国家として進歩しないでしょう。まぁ中国の支配下で入るのが彼らには一番なじみがあって居心地が良いのかもしれませんし、国民党政権ならそれでもいいのじゃないのかな。