日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国で日本ブランドは“排斥”される?

2009-07-02 | 中国経済関連
 「こうして日本ブランドは“排斥”される」という記事が日経ビジネスに掲載されていますが、一体どういう意図で記者は書かれたのでしょうかね。。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090624/198435/?P=1
記事を一部抜粋します。全体に変に嘆き節でかかれていますが。。

・日系大手家電メーカーの営業担当部長は、量販店での販売は、出店費用、イベントなどの販促費用、販売員の人件費負担に加え、「協力金」と称する訳の分からない支払いもあるため、儲からないと嘆く。

・そもそも、売り場のスペースを確保するのが一苦労だ。量販店の担当者への接待やつけ届けは欠かせない。そのうえ、代金回収の条件もメーカーにとって厳しい。仕入れ代金が支払われるのは早くて3カ月後で、遅い時には半年後になる。

・しかし、家電製品の売り上げのほぼ半分が量販店ルートであるのも現実である。儲からなくても、売り上げを伸ばしてブランド名を浸透させるために、このルートは無視できない。

・今年政府が実施した、農村に家電をという政策は政府指定メーカー製品にお限られ日系ではパナソニックのみ。他の外資でもLGだけ。対象は高級品ではない。

・ハイアールのトップが「国会議員」であり、その他大メーカーの社長も政治的地位にある。よってさまざまな面で中国国内メーカーが優位に有る。

・コネとカネは、営業にとっては「車の両輪」だ。コネを作り、それを維持するのにはカネがかかる。しかもそのカネには領収書が出ない。営業マンが顧客に払うコミッションは販売金額の2~5%が相場だと言われる。

・代理店を使う場合、グレーな「コネ、カネ」には直接触れないように運営できるが、ざっくり言って、最低10%程度、代理店の粗利を保証してあげないと引き受けてはくれない。

・内陸市場の規模は、約2億世帯と言われる。ここで普及率が1%うえがるだけで200万台もの巨大な需要が生まれる計算だ。日本企業はそのうち1割でも取れればいいと考えるべきだと思う。品質をサービスにこだわり続ける姿勢を曲げてはいけない。内陸にも高級品を買える金持ちはいるのである。

・単純な価格勝負による内陸市場の攻略は、安物量産品の海にのみ込まれるだけだ。また、現地メーカーとの全面戦争は、想像を超える熾烈なものになる。営業マンの引き抜き、競争相手に対するネガティブキャンペーン、行政への密告など、なんでもありだ。一般的な日本企業がこれに耐えられるとは思えない。

・友人である清華大学の教授がこんなことを言っていた。「中国にとって、日本は『10%』なんです」。清華大学に留学する日本人学生の比率は全体の10%だ。企業がスポンサーとなる冠講座も、寄付金額の比率で見ればそうなるという。そういえば、ルームエアコンのシェアも日本ブランド全体で10%あるかないかだ。

・まず、上澄みである「市場の10%」をとことん追求していく。このセグメントの中でなら、ある程度の利益を守れるので、販売投資の原資も捻出できる。現地メーカーとの血みどろの競争も回避しやすくなるだろう。日系企業が中国で勝ち残る戦略のキーワードの1つが「10%」ではないかと思う。

⇒中国の国内向けの政策で、日本企業のどれだけが本気で自分らに風邪が向いたと考えたのでしょうか?其処までお馬鹿さんとは思えないのですけど。どの国だって自国が危機の時には自国を優先しますよね。日米経済戦争とその経緯を見れば当然かなと。日本の一部の企業はそういう環境にもまれながら今に至っています。

 中国にとって日本は10%って、どういう根拠で紹介しているのか知りませんが、日本にとっても中国を市場として捉えるのであれば世界の売上の10%とすれば良いだけですよね。お互いにお互いがワンオブゼムで当然のはずです。

 記事中上記に転載したものは、自分の経験の範囲で事実と思う部分です。記者が単純に10%としていますが、沿岸部では10-20%、内陸部では1-5%というのが対象顧客になるのではないでしょうか。そして、内陸部も程度次第ですが実際にものを販売する拠点を自社でやるか代理店でやるか。今なら後者かな。

 代理店の手数料が10%って、家電の場合はこんなに安いのですかね?代理店に何処まで何をやらせるか次第じゃないでしょうか。

国会議員。。建設業のオーナー達、東急の五島さん、西武の堤さん、日本にもそういう業界はありますよね。

 何故、コカコーラ、P&G、J&Jは大陸で成功しているのでしょうか?日本の強みである家電分野では中国にも有力企業があるからでしょうね。でも、上海人見てると日本メーカーの製品は好きですよ。日本や日本人は嫌いでも。

 結局この記事は、中国のマスを狙うな、上位を狙え、という示唆なんでしょうね。当然と思います。時々馬鹿な中国がらみの人が農村部を対象にすると13億人になるとかいいますけど、皆さん騙されないように。

 でも、そういうアイデアをまともに受ける馬鹿な経営者は確かにいらっしゃいます。

 この国の市場でどれだけのシェアを獲得するか?各企業によって異なるでしょうけど、日本企業はマックス10-20%以下のシェア獲得で我慢した方が安全だと思います。今年に入って、大きなシェアを持つJ&J、Coca-cola,Googleとたて続きにアメリカ企業がたたかれています。これが日系だと、痛い目にあうんだろうと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする