日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

そうか。。論語教育を全くしなくなったのか。。

2013-12-09 | 中国コンテンツ
私はなぜ「中国」を捨てたのか (WAC BUNKO)
クリエーター情報なし
ワック


 石平さんと言えば、反中言動が多い元中国人という事なのですけど、この彼の半生の経験を見ていると、それはそれとして中国の問題が指摘されているなぁ。。

 毛沢東崇拝の時代から文革の半生への時代へ。

 80年代に学生時代を送った人。40代から50代はじめくらいまでが対象になるのでしょうか。中国の民主化を目指した学生運動を行い、天安門事件という挫折を味わった。日本の団塊世代とちょっと共通する反面、その終わりはあまりにも悲劇的で、元の体制を考えても比較対象にはならない経験をされているのですね。日本でいえば昭和の初年度生まれ、天皇崇拝から敗戦を経験した世代には共通点があるのかもしれません。

 で、今のお金持ちは、政府役人関係を除くとまずはこの世代かそれ以降。。

 そういや日本の戦前生まれ世代は典型的エコノミックアニマルと言われた世代ですね。段階あたりから休みも多くなり、労働者の権利も重視され、、まぁ今に至るかと。経済面をとらえると何となく納得。

 石平さんの子供時代の財産として、文革中でありながら、隠れて祖父が彼に論語を教えたことが書かれています。そして日本の論語学についての敬慕の念も。そして、文革により孔子の教えが完全に否定されてしまったが、論語にこそ本来中国の持っている美徳があったはずだと。

 で、妻に聞くと、今論語とかは確かに高校生以降に勉強するもので、いわば日本でいう古文の様な位置づけのようです。


 日本では子供と一緒に読む論語、という本が出ていますね。知人がわざわざ送ってくれました。まぁ私の名前も娘の名前も論語からきているので、自分も勉強しなきゃいけないんですけど。。

 さて。。

 論語教育が消えたことにより中国人が今の様に拝金主義で、モラルのない人間になってしまったと知者は書く。。嫌。比較的親日の中国人で知的水準の高い方は、ほぼ共通して言うのです。もともと中国には道徳感があり、それが共産党政権、特に文革により崩壊したと。それまではそんなにひどいことはなかったんだと。


 私見では、中国人って昔からそんなものが無いから論語のような教え=ある意味宗教で人を抑える必要があったんじゃないかと。。そう思っているので。うーんと聞き流しています。

 一方思うのは、中国の社会は士太夫というものが存在していました。

 地方を旅行してみると気付くのですが、大体どこにも日本の感覚では凄いと思う豪邸があります。そうじゃなくてお蒋介石の清家とかもまぁ立派ですし、毛沢東の家も小さくはないようですね。多分、日本同様各地方に名士という存在があり、それが地主層だったのだろうと思います。でその階層以上になると儒学の教えもしっかりなされており、一定の教養と道徳を身に着けていた人がいたのでしょう。

 そういう意味では、昔ながらの旧家という存在が共産党により一掃され、知識人の地位が落とされ、一方農民から上った人たちは儒学を否定するので、社会的地位や富の大きさにかかわらず、ただの拝金主義の人だらけになったという事なのでしょうか。

 最近知ったのですけど、中国の家庭って、日本でやるような読み聞かせをするという習慣があまりないようですね。幼稚園の勉強、塾、英語やピアノ、なんか実用や教養に該当する教育ばかりして、人間としての在り方とかは教わる機会のまま大人になってしまっているのかな。。

 もしそうなら、もっと悪くなるよねきっと。。
  







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする