日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

フォックスコムが20万人の雇用を減らす

2011-03-10 | 中国企業の動向
 自殺者がたくさん出て問題になった富士康、Foxcomですが、シンセンから製造拠点の一部の移管を進めているのですけど、シンセンは縮小するんですね。10人以上も社員が連続して自殺したので話題になった企業ですが、シンセン向上に45万人も社員がいるってことで、そう考えると10人の自殺が多いかどうか疑問にも思ったものです。

 シンセンは、今後研究開発や試作、物流、内販に向けた事業構造にし、社員数は30-35万人にするとの事。

 なんと、この会社中国人の雇用数が100万人にも達するそうです。そして、成都に産業基地を設立したほか、河南省の鄭州に30万人の雇用を生み出すとの事。


 桁が違いますね。。


 あ、このFoxcomってアイフォン作っているんですが、同じ敷地内の別な建物でアイフォンの偽物作っていたって複数から最近耳にしました。仕入れ業者が同じで(部品とかおんなじだから)、それで解っちゃったそうです。最初日本の方から教えてもらったのですが。先日香港人から聞いたので、多分事実なんでしょうね。

 えげつないなぁ。。
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BYD失速。早い中国

2010-09-22 | 中国企業の動向
経済観察報記者 廖傑華/李保華/寧莉

日経ビジネスに転載されている記事なのですけど、BYDって言う会社は、バフェッとが投資して、将来はトヨタのライバルになるだろう。とか昨年当り言われていた中国の自動車会社なんですが、既に課題が出てきたようですね。

・電池から自動車に参入した新興メーカー、中国のBYDの勢いに急ブレーキがかかった。販売網拡大のための無理なリベート政策がたたり、ディーラーの脱退が相次いでいる。4~6月期は大幅な減益を記録し、資金繰りの悪化も懸念されている。

・湖南省長沙市の湘府路に面したBYDの専売ディーラーは、年余り掲げていたBYDの看板を正式に下ろし、競合相手である吉利汽車の販売店として新装オープンした。今年4月以降、全国各地でBYD加盟ディーラーが脱退している。

・BYDの、2010年1~6月期の半期決算では、純利益は1~3月期の17億400万元(約213億円)から4~6月期は7億1700万元(約89億6000万円)へと大幅に縮小した。

・悪い決算とディーラーの脱退問題から、投資銀行のアナリストはBYDへの評価を見直し、ゴールドマン・サックスは最新の投資判断で「売り」を推奨した。

・BYDの人気車F3では、ディーラーには1台当たり4000元(約5万円)の粗利に加え、毎月の販売目標を達成した場合のリベートが1000元(約1万2500円)、さらに四半期ごと、年度ごと、広告支援など複数のリベートが約束された。目論見通りなら、1台当たり7000~8000元(約8万7500~10万円)の利益が得られるはずだった。このほか、BYDは各ディーラーの出店費用を3年間で360万元(約 4500万円)補助するとしていた。しかし現実には、ディーラーの粗利は加盟店同士の値引き合戦の原資に消え、利益を確保するにはリベートに頼るしかなかったが、その目標は非現実的で、実際には達成不能なものだった。

・新興メーカーのBYDは、過去4年間で販売網を急拡大し、全国の店舗数は1000店を超える。その多くが過剰在庫と資金繰りに苦しんでいる。

・BYDの3大事業の中で、自動車事業は利益率が最も高い。上半期の決算によれば、電池事業とEMS(電子機器の受託製造サービス)事業の営業利益率はそれぞれ8.1%と7.5%だったが、自動車を含むその他事業は14.9%だ。ゆえに自動車事業の不振は会社の業績全体を悪化させる。

・過去数年、BYDは流動比率が1を割り込む状況が続いており、今年6月30日時点の銀行借入金は64億6800万元(約808億円)と、1年前の36億4500万元(約455億円)の2倍近くに膨らんでいる。BYDの周亜琳・財務担当シニアマネジャーによれば、同社の手元には現金が19億元(約237億円)しかなく、「債務返済のプレッシャーは非常に大きい」という。

⇒BYDって日本でも中国株関連ではしられている会社じゃないでしょうか?電気自動車の開発が非常に注目されていた企業ですよね。小型セダンを30万円くらいで販売しており、実は宅急便屋の子の友達が買ったのでちょっとだけ運転した事あるんです。ほぼ新車なのにクラッチのつながりが悪く、ドアの開閉時の音がなんか軽くて、とりあえず車としての用は成すのですけど、幾ら安くても買う気はしないものでした。

 まぁ、今後本当に画期的な電池とか開発するかもしれないので一概には言えないですけど、国美電気とか、中国の上場企業は誰がどうもてはやそうが、色々問題抱えているので怖いですよ。

 BYDは同じ日の日経ビジネスの記事で、農地を不法に自動車工場に転用しており、中央政府が今月中にそれに対するペナルティを課すとか書いています。
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中国企業もベトナムへ

2010-09-04 | 中国企業の動向
 この春から日本企業を含む企業で賃上げストライキが起きていますが、中国政府の政策でも今後人件費の高騰を促進するからでしょう、低コスト生産を求めて中国に着た日本企業も、中国以外の国や中国国内でも西部への向上移転を検討していたり、既にすすめている企業が結構見られます。

 そうしたら、なんと中国企業まではベトナムに移転をしだしたと。。

 China Dailyの記事ですが
 中国企業が東南アジアへの進出拠点、及び低コストを求めてベトナムへの投資を加速していると、ベトナムの行政が伝えたそうです。

 江蘇省のアパレル企業の幾つかが、中国の地方政府の最低賃金上昇を踏まえ、工場を東南アジアに移転している。

 ベトナム政府の計画投資省傘下の外資投資委員会副委員長によれば、中国からの投資は個々数ヶ月継続して上昇しているという。7月待つ段階で中国企業は743のプロジェクトに投資しており、総投資額は31億ドル(3千億円)になった。地域的にもベトナムの63の県のうち53に進出している。

 バンコックや上海に比べると、ハノイの様なベトナムの都市の最低賃金は低い。平均労働コストも中国の半分程度に過ぎない。平均して未熟練工の賃金は100ドル(1万円程度)だ。それに中国の幾つかの地域では労働者不足が発生しており、中国企業や地方政府はさらに昇給しようとしており、全ての省で最低賃金を引き上げた。

 この様な人件費の上昇により、中国企業もベトナムのようなより賃金の安い国への進出を目指している。

 一方で、中国で事業を行っている多国籍企業は、中国の巨大な市場が魅力的なことからもベトナムに工場を移転する事は無いだろうと、中国科学技術省の高官は語った。

 中国ベトナムの貿易量は、今年2.5兆円に成る見込みであり、上半期で1.2兆円に達した。之は昨年比で49.5%も増加しているが、今年1月の両国間の自由貿易協定の締結が貢献している。

⇒如何でしょうか?
 欧米企業が日本企業より中国市場においてはかなり先を歩んでいますし、欧米企業の給与の高さは昔から言われています。唯、中国に進出している欧米企業とは、実は大企業が圧倒的に多いのです。低コストを求める場合、欧米企業にとって生産拠点は中国よりも地理的に近い南米とかもあるからだと思います。

 一方日本企業は、確かに大企業も沢山出ていますが、生産という点ではその下請けクラス、販売系は多くはありませんが中小企業もその地理的近さと文化の類似性からかなり中国に進出しています。海外進出は中国が初めてという企業も多く、それが日系企業の苦戦をもたらしているという面も否めないでしょう。

 生産拠点として中国に進出した日本企業。中国政府の促進策もあり、中国の内陸部への工場移転を考えている企業も多いでしょう。既に具体的に計画を進めている企業もかなりあるはずです。

 でも、東南アジア市場を狙うなら今ならベトナムじゃなく、マレ-シアかタイではないだろうか。やはりベトナム進出は低コストの追及がメインのはず。なぜそこに中国企業が中国政府の誘導する内陸ではなくベトナムへ進出するのか?

 色々な考えはあるでしょうが、今の中国の賃上げ政策の背景には貧富の格差の大きさがあります。都市部でも上位と下位の差、企業内では幹部と工員の格差、そして都市部と地方の格差。最低賃金の上昇はその工員達の給与を上げて格差を是正することにあります。でも内陸部も発展すれば今度は沿岸部と内陸部の格差も是正されるはずです。日本で東京都沖縄では30%程度の格差はあるはずですが、やはり同じく荷で同じ仕事をするならその格差の限界は50%程度じゃないでしょうか?

 と成ると、今内陸部に移転しても同じことでしょう。もちろんベトナムも経済が発展すれば同じですけど。何より最近個人的に思うのは、一人っ子で甘やかされすぎた中国人若年層よりも、ベトナムの若いこの方がワ-カ-としては柔軟で真面目じゃないかという気がするのですが如何でしょう?中国も田舎に行けばまだましでしょうけど。

 ベトナムは知らないのでなんともいえませんが。中国の若者を見ていると人件費の安さより、よくいわれるようにもっと真面目で素直な人種なら、ベトナムの方が生産拠点としては優れている気がします。中国人の若い人は、優れた才能も育ってきている反面。平均したら質は落ちているのではないだろうか。国のプロパガンダの影響もあり妙に傲慢に成っているのも鼻につきますし、昔の日本もそうだったのかもしれませんが、外国人の私にとりお金稼ぎ以外には魅力の無い国にどんどんなっているように感じます。
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4000円チケットの中国格安エアがJALスッチーを囲い込み!?

2010-09-01 | 中国企業の動向
4000円チケットの中国格安エアがJALスッチーを囲い込み!?


●契約を守らない カネを払わない トラブルも多い

 茨城―上海便の一部を片道4000円で販売すると発表して話題の超格安航空会社「春秋航空」が、JALの乗務員の受け入れを検討していることが分かった。

 JALは10年度中に約1万6000人の削減を予定している。パイロットは826人、客室乗務員は1877人が対象だ。そこで、仕事にあぶれる乗務員を大量に採用し、日本線のサービスを充実させようというのだ。

 中国メディアによれば、春秋航空は「採用人数は多ければ多いほどいい」と太っ腹で、第1陣としてパイロット30人ほどを予定している。

 気になるのは、給与などの待遇面。なにしろ春秋航空は、徹底したコストカットで超低価格を実現し、成長してきた航空会社だ。安さを追求するあまり、飛行機の「立ち乗り席」なんて仰天プランをブチ上げたこともある。

「給与について、春秋航空側は『希望に応じたい』と言っていました。さすがにパイロットはJAL時代と同水準というわけにはいかないでしょうが、1000万円くらいは出す気があるようでした。客室乗務員には、300万円程度は保証するでしょう。JALとの話し合いも始まっているようです」(航空関係者)

 春秋航空は、04年の設立からわずか数年で中国の格安航空最大手に躍進。こんなイケイケの会社に拾ってもらえたら、JALスッチーにとっても悪くない話だと思うが……。

「中国企業にありがちな話ですが、契約を守らないとか、カネを払わないという苦情をよく耳にします。旅行代理店が1500万円を踏み倒されそうになるなど、トラブルが多い。契約を打ち切った業者も少なくありません」(旅行業界関係者)

 それでも、潰れそうなJALに残るよりはマシ?

(日刊ゲンダイ2010年8月27日掲載)http://news.livedoor.com/article/detail/4975895/

中国企業に買収される日本企業が増えていますが、将来的にもこの傾向は変わらないのでしょうね。記事のJALの例は事実かどうか知りませんが、こういうことは今後も出てくるのでしょう。

 記事を紹介したのは2つ理由があり、
・日中間4千円のチケットって散々紹介されていますが、将来の目標であって当面その価格のチケットの発行はしないと上海では聞いたこと。つまり、アピールが先に立っている。

・金を払わない、契約を守らない。これはほぼ全ての中国企業に見られる傾向で、短期で合弁事業が壊れた事例などもこの点が大きく影響しているように思えます。そして、こういう日本では考えられないビジネス習慣も、中国では普通なのかなと思わされます。まぁ、だから中国企業のプレゼンスが増加しても早々変わらないかなと。

 中国企業の日本人エンジニア募集の案件って増加しているのですけど、実際に現地にいく人のケアができるのか。日本人の場合、勤務して数ヶ月で雇用契約を切るといわれたときに、中国人ほどのタフさは無いですよね。

 一方でこういう契約を守らないというのは、自分達の順応性の高さだという解釈をしているように思えるのがうざい所です、中国ル-ルなんですが、海外に行っても同じように行動するでしょうね。しばらくは。
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これも広告か?

2010-08-19 | 中国企業の動向

 一連の写真は、某休日の該当の雑誌販売スタンドのものです。お休みなのですがスタンドのガラスの枠に雑誌を並べています。

 写真が小さいと見えないかも知れませんが、シャネル、オメガ、ピアジェなどの国債ブランド品の名前が列挙されています。

 日本製品といえば、ユニクロと富士フィルムのデジカメだけ。

 雑誌に取り上げられる度合いが国債ブランド品のほうが多いと単純に考えるべきなのか、それともこれも広告で、お金を出すブランドの載っている写真をスタンドの表面に見えるようにしているのか。

 全然知りませんが、商売に長けた中国人たちですので、後者じゃないかな、と単純に思いました。まぁ、普通の人はあんまり見ないとは思いますが、これも広告手法と考えると面白いなぁと。。
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中国のサービスが悪いって?

2010-08-17 | 中国企業の動向


 よく言いますよね。確かに一般論としてはそうですが急激に変わっています。
上の写真は台湾系のパン屋さんです。ここ1-2年上海では急激に店舗を増やしており、同じ台湾の85度とここが大規模展開しているパン屋さんでは今の勝ち組です。

 さて、この店先日紹介したバスの箱に食パン入れて販売していた店なんですが、ある雨の日にパンを買って事務所に行こうとしたら、紙袋にビニールをかけてくれました。

 正直驚きと感激でした。。

 これも日本でも無いサービスですよね。パン自体の値段は日本の半額程度ですので、この袋に入っている物も20元程度(300円以下)であり、決して大口のお客さん向けのサービスじゃありません。


 この写真は、このパン屋のチケット(金券)です。中国ではスーパー、パンや、床屋、いろいろなところでこういうチケットが出回っています。

 何故か??

 そう。贈答品なのです。

 上海に関してはさすがに汚職対策が厳しく、お役人相手(役人に限らず取引相手でしょうが)は現金は渡そうとしても中々受け取りません。現金だと当然贈収賄になるんですね。ところが、こういう金券だと結構緩いらしく、交通カード(パスモみたいなもの)や、上記の券等は多くの場でやり取りされています。私もその恩恵にあずかってパン屋に行っている私大ですが、この辺は中国ビジネスとして押さえなきゃいけない分野ですね。

 さて、これは台湾企業です。

 パンやスイーツは、日本企業はまだまだ強みを持っていける分野だと個人的には思っています。でも、台湾企業のこのスピード感とサービスを見たら、正直自身がなくなりました。あくまでも一店頭ですが、日本企業では従業員教育も行き届いていないところが多く、商品が良くてもこういうサービスを提供できる会社に対抗できるかというと、かなり厳しいのじゃないかと思います。

最近感じているのですが、日本の市場は縮小する。だから海外に行く、そして中国がまずプライオリティ、そしてアジア。となるのですが。。

 中国をフィールドに台湾人、そしてここまでではないですが結構頑張っている韓国人をみると、日本人はそのまじめさと器用さを生かした

・商品作りと研究開発
・製造管理、品質管理

 のみが行き残り、おそらくそれ以外のアジアマーケティングの分野では全滅するのじゃないだろうか。まぁ、行ってみればかっての台湾のようにEMSプラス開発以外にないのか。その辺は長期的に円が弱くなれば可能性はありますよね。

 そうならないように頑張りたいのですが、結構悲観的になってしまいます。 

 うーん。たった10年前はアジアの圧倒的No1の日本人だってえばっていたのですが。。
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子供向けサ-ビスの事例

2010-08-09 | 中国企業の動向

 息子を連れて休日に近所にあるショッピングセンターに」行ったときのことです。

 二人でパンとコーヒー、ジュースを買って昼飯をするときが結構あるのですが(なんと、働き者の嫁が休日朝から出勤しており、私は家で子供と遊びながら午後嫁を事務所に迎えに行くという、紐のような休日をすごしております)。

 私がパンを選んでいると、息子が

「わー、電車ー!」と叫びながら子の写真の箱を持ってきたんですね。確か6月初めの子供の節句(児童節といいますが、中国は旧暦のために1月遅れます)の時で、てっきり中身はお菓子だと思っていました。まぁ面倒なのと20元くらいな物ですからそのままかって事務所に行ったのですけど。。

 事務所であけてみたらなんと食パンが。。

 価格は箱の有無は関係なかったような気がします。児童節ということで子供の興味を引くためにこの様な箱をつくって販促を試み、見事に我が家はそのわなにはまってしまったという事です。

 まぁ、この店のパンはおいしいですけど。

 さて、中国人も色々工夫しますよね。こういう日本企業は上海では見ないですね。
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料理人の名前をつける料理

2010-08-02 | 中国企業の動向


 この写真をぱっと見ても良くわからないかもしれませんが、コーンの炒め物のさらに漢字が書かれたシールが張られています。

 某人気四川料理店にはじめて言ったときに見たんですけど、コックさんの名前を料理ごとに書いているんですね。100人以上はいる大き目のレストランですから料理人は沢山いるでしょうね。

 僕らは唯名前の書かれたシールで感心しただけですが、この様にすると、日本のスーパーの産直野菜で農家の方の写真が載っているのと同様

 安心感を与えられる

 そして、もしかしたらコックの腕の評価を客から聞く事ができる。

 日本ではまぁ見ないですよね。

 でも、中国の中でもサービスに対する意識の萌芽が出ている事がこれでわかるのじゃないでしょうか?
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中国企業がプラダ買収か?

2010-07-17 | 中国企業の動向
 中国側で何日前に報道されていたのですが、中国企業があのプラダを買収しようとしている動きが日経ビジネスにも掲載されていました。

・上海富客斯実業(フォックスタウン)という上海にあるアウトレットモール経営企業の社長陸強氏は、プラダ株の約13%を実質所有している。

・2008年の金融危機前、プラダは株式公開を計画していたが、金融危機により計画は頓挫。プラダは、イタリアの銀行5行に対する少なくとも6億ユーロ(約670億円)の債務を返済できず、株式を銀行に差し押さえられた。

・それを見耳にした上述の陸氏が銀行保有のプラダ株式を買い取った。この陸氏は、以前ドイツのエスカーダというブランドを購入しようとして失敗した経緯がある。理由は中国人に売りたくないという事だった。

・プラダも同じ考えで、陸士はそれを予想してあらかじめ約22億を投じてイタリアのコンサルティング会社を買収し、そのコンサル会社がプラダ株を買収した。

・プラダ側は買収先が中国企業ということで株価を吊り上げて防衛しようとし、結局交渉は決裂したとされる。

・現在、陸強が経営するアウトレット・モールは5カ所あり、今年末までにさらに3カ所が開業する。そのうちの1カ所は内モンゴル自治区のオルドス市にある。中国の地方都市の中には、北京、上海、広州に比肩するほど金持ちの多いところがある。オルドスもその1つで、高価なブランド品への需要は大きい。陸強によれば、「金持ちがたくさんいるのに、お金を使う場所がない」という。そこでアウトレット・モールを出店したのだ。

・フランスの有名ブランド、ランバンは既に台湾人に買収され、米国のトミーヒルフィガーもオーナーは中国人だ。

・陸氏がプラダを買収した場合、ブランドのポジショニングや創業家のデザイナーは変えず、経営も少なくとも5年間は現経営陣に任せるという。ただしアジア戦略だけは変える。アジアの多くの消費者に受け入れてもらえるよう、現在よりも少し価格が安く、それでいてファッショナブルなサブブランドを投入したいという。

・プラダは先月、上海に「プラダ」ブランドのショップを2店舗と、姉妹ブランド「ミュウミュウ」のショップを2店舗オープンした。下半期には四川省成都市や浙江省杭州市にも新しいショップを開く。今後数年間、中国市場に積極投資を続けると見られる。

・KPMGが今年6月に発表したぜいたく品市場のレポートによれば、中国の15都市で実施したアンケート調査で、回答者の44%がぜいたく品の消費を「変えない」または「増やす」と回答した。調査対象の年齢は20~44歳、月収は4500元(約5万9000円)以上、そのうち北京、上海、広州、深センの月収は6500元(約8万5000円)以上である。彼らこそが、中国を世界有数のぜいたく品市場に押し上げた“主力軍”である。

 プラダが中国人の買収を拒否したとしても、陸強はあきらめるつもりはない。他の高級ブランドを買収する機会も、虎視眈々と狙っているという。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100715/215426/?P=2

 どうでしょうか?
 
 プラダに関して別な報道ではアジアではなく中国市場向けに低価格品を販売するという話が載っていました。それ見て妻と、「こういうブランド命の高級品は低価格品を出したら逆に売れなくなるんじゃないかな」と上海の空港で話したばかりです。

 もう一つ、モンゴルのオルドスにアウトレットを作るというのも面白いですね。中国側のネットに掲載されている都市別一人当たりGDPだと、上海って確か20位とかになっていたように記憶します。中国の場合、統計が性格ではないですし、自分で言った事のない町は知らないのですが、モンゴル、油田のある東北の大慶、たしかウルムチ辺りも結構高かったと思います。

 本当のお金持ちを狙う場合は、数は北京、上海、広州、シンセン辺りでしょうが、田舎は数は少なくても面白いビジネスチャンスは実は沢山ある。そして、競争はめちゃくちゃ緩い。どういう風に感じています。

 でも日本じゃ誰も知らないよね。。

 やたら上海上海で、でも上海は日本のどの都市よりも競争が激しいから「しんどいよ」と答えるのですけど。私の場合は嫁が上海人ですので、残念ながら逃れるすべはなさそうですが、もっと自然が多く、物価が安く、規制も緩そうな地方都市のほうが商売は簡単だろうなと思います。多分、中国国内で帰結するビジネスでも十分にいけるんですよね。

 という事で、もし中国の2級都市以下にお住まいの日本人の方がいれば。是非コンタクトを。
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中国株投資の影

2010-03-25 | 中国企業の動向
 香港が世界最大のIPO市場になったそうですが、中国企業はまだアメリカ市場での公開と資金調達を望んでいるようです。しかし、現在かなり多くの中国の公開企業がアメリカで情報操作の疑いで訴訟を受けているそうです。

 アメリカで外国企業に対するクラスアクション法に基づく訴訟は増加しており、昨年は全体の20%に及んだ。そして、16もの中国企業が今訴訟を受けているそうです。

 まぁ、新規公開時の目論見書に記載された将来予測数字と、実態が余りにも異なるから株価の下落を招き、投資家に損失を与えた事によるからです。訴訟になったのは、会社の運営資産を不法に取得していた事を隠していた、原材料の供給が困難な事を隠していた、過去の業績に関して内部の予想数字を挙げていた、後悔前と後悔後で経営陣に対する報酬の支払いが増加して予測と異なった、などが上げられています。

 中国企業のディスクロージャーに課題が残る事を示しているということになります。まぁ、こういう姿勢に対して、アメリカの市場の期生を知らないからという擁護的な声もあれば、意図的にバリュエーションを高めるために操作したという声も上がっています。

 香港でも同様で、証券取引所によると、上場前1-2年の数字が仮想されている事例を見た事があるそうです。しかし、香港ではめったに企業を訴訟する事はないようですね。

 株式進行開示の目論見書記載事項を操作する事はどこでもあるのですが、特に中国企業にはその傾向が強いようです。一方で、昨年のIPOでち調達された資本のの45%が中国企業だけに目立つという面もあるようです。

 情報操作をしている事は驚くべき事ではなく、目論見書を信用すること、そして上場から1年半して情報操作を理由に訴訟を起こす方が信じられないという声もあるそうです。

 目論見書記載事項の課題として、契約の有効性、政府との関係、資産所有権の課題などが明確でない。また、目論見書に記載されていない事項が何かも大きな問題で、実際にその会社の工場を行き調べないと解らない事が多い。よって、目論見書のみを信じるのはリスクが高い。
http://www.zero2ipo.com.cn/en/n/2010-3-1/201031133919.shtml

 最近は中国株式投資が流行ですよね。日本の新興市場がその信頼性をなくしており、経済成長が望まれる中国企業や中国関連株に投資をしたがる気持ちはわかりますし、当然中国株をプロモートする人たちもどんどん増加しています。

 でも、中国がどういう国で、中国の企業がどういう経営をされているのか。そういうことを知らないと痛い目に会う人の方が多いでしょう。もちろん、リスクテーカーは多いでしょうけど、ちゃんとポートフォリオを管理して中国かんれんんのみに突っ込まない事。
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