日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

年末所感、及び中国で物販を考える個人の方へ

2009-12-31 | 日本・日系企業
 2009年も終わっちゃいましたね。昨年末は400万円近い荷抜きをされて、非常に暗い正月を過ごしたのですが、まぁ沢山課題はあるにせよ今年は比較的良い年末を迎えることができました。概算ですが、今年1年は売上は8千万円強。月商は伸びていて今月は概算ですが約95万元=1200万円位で着地(100万元には届かず来年の目標となりました)。円高のおかげで為替が20%程度下落した事考えるとまぁ好調といえました。昨年の損害取り戻したのは8月と、おかげでかなり予定が狂って、未だに荷担ぎやら、箱詰め作業まで老体に鞭打って振り回され続けていますが。。
 
 本当に、この7月までは、完全にオペレーションと立ち上げに追われ、8月以降も日本にいる父と祖母の健康問題で、結構余計な時間を取られてしまい。次のステップへの移行に関しては、10月に素晴らしい方と出会えたことからようやく進められるという状況でした。当初の絵からみると、半年は完全に無駄に時間を過ごしてしまいました。結構自信過剰な方なんですけど、ビジネスは甘くはないですね(別に中国と言わず、どこででも)。

 話は変わりますが。

 最近化粧品に関して幾つかのご相談を受けました。その中で上海に住んでいる日本人の方が、日本の某メーカーの化粧品を中国で販売する。費用自分もちで許可は取り、在庫を数百万円抱えているが、今後どう販売するかで悩んでいるというものでした。

 私にも似たような話を振られたことがあります。メーカー側は、「日本で成功しているブランドであり、雑誌にも掲載され、楽天で上位にいる」。「中国からのアプローチも受けている。君がやりたければ定価の60%で商品を卸してやるから、後は好きに売ってくれ」というものです。

 私自身は、最近は大阪と福岡のパートナーを通して、有料でサイトに掲載する。客の反応を見る、調査をする。こういう形態しか基本うけませんと答えています。最低限在庫リスクは僕らは負担しません。それを聞くと、なんて強欲な!なんて反応を受けます。

 しかし、限られた資金を有効に使い、少ないとはいえ従業員を守ることを考えると、自分で在庫リスクを負うのは確実に売れる商品だけか、自分らの次の発展の為のテスト商品しかありません(当面妻主体のベビー関連)。そして、中国で小売として成功しようとしたときに、日本だけに拘わるわけには行きません。ベビーに関しては日本でも一流どころは欧米商品の様ですし。食品も今は、台湾、香港、イタリア、アメリカ製等も扱い始めました。

 上記の企業と接して思ったのは、日本でそこそこ成功しており、商品には自身がある。当然中国でも売れるはずで、俺らが君に売らせてやるんだ。後の費用負担なんて、当然君たちがやるべきで、俺らの知ったことじゃないというように聞こえてしまいます。

 さぁ、こんな強気のメーカーって結構いらっしゃるんですけど、日本で同じような態度が小売に取れるのでしょうか?もしかしたら日本は市場が縮小しているので小売側が頭を下げて売れ筋商品を扱いたがるのかもしれません。でも今の中国では世界中から物を売ってくれと言うオファーが腐るほど来ますので、こちらの小売は非常に強気です。  

 小売業界を勉強してみると、成城の大久保社長のおっしゃるように、メーカーがどれだけ広告宣伝をするかを見て本気度を測り、本気度の高い商品を店頭でも積極的に販売する。

 これが小売本質の一つであり、何のリスクも、広告宣伝もしない企業なんて相手にしてたらこっちがたまらない。日本でもディスカウントショップ等は現金仕入れをして在庫リスクを負う代わりに安く売る。一般の多くの小売店舗の商品は実はメーカーが売れ残りを引き取ってくれるものが多い。こういう実態を、この事業を始めた頃は知りませんでした。

 同じような話は山ほどあると思います。中国ブームで、中国に関連した私のような方が、中国市場に日本商品の販売をする話も山ほどあるようです。

 同じアウェイの中国で戦っている身として個人的意見を伝えます

 まずタオバオの上で、在日中国人の方がその商品を販売しているかどうか。そして売れているかどうかを調べること。そして価格帯を見て、様々な許認可を経た上で利益が上がるかどうかを見ること。

 タオバオで一つも売られていない商品は、リスクが高いと認識すること。これだけの在日中国人の方がいて、あらゆる商品はタオバオに出店されている。僕らのような大手の売り手も在日中国人にはたくさんいる。言い方を変えると、タオバオに出ていない製品は、日本でどれだけ売れていようと、在日中国人の方にとって売るメリットの無い商品と言うことになります。在日の方の場合、サイトで販売し、売れたら日本で購入して中国に送ればよいので在庫リスクはありません。そういう状態でも売られていない商品は、その商品には現状魅力が無いと中国人が判断している商品です。メーカーは中国からアプローチを受けていると言うでしょう。僕も言われました。でもその時どういう条件だったのか。そして条件が折り合ったとして本当に中国側が購入したか。中国人は積極的に様々な日本商品にアプローチしていますので、過去一度もアプローチを受けていない商品は基本的に中国人が見て魅力が無い。そういう意味では、アプローチを受けた魅力のある商品でも実際には中国側の要望はコマーシャルベースに乗るものではないのが一般的。

 中国で生産し日本市場に販売する事業は、生産機能の中国への移管であり、工場設立、従業員の教育。多分従業員の教育と日中の差を埋めることが課題であり、顧客が日本にいれば、基本それですみます。それでも苦労している企業が多いですし私も苦労しています。

 しかし中国で販売する。となると製品が日本製であろうが中国製であろうが、その製品のブランディング、というよりまずはその製品の存在を知ってもらうことから始まります。ソニー、パナソニック、トヨタ、キャノン、資生堂、この変の日本の超大手ナショナルブランドならまだともかく、売上1千億円程度のブランドでさえも中国で販売するには日本で会社を立ち上げたのと同じ努力が必要になります。

 そう。中国市場の販売は、企業にとって第二の創業と同じレベルでの投資と努力が必要なんです。これは中国と言うより海外どの国でもその市場での販売は同じはずです

 それを中国生産と同レベルで考え、中国経験があるからといって生産系の経験しかない人を配属し(これは販売系の人材が日本人、日本語のできる中国人共に極めて少ないのでやむをえないですが)、十分な投資もしない。

 失敗するのが当たり前なんです。

 個人レベルで取り組む場合(資金も含め個人)、こういう投資もしないメーカーを相手にするのは本当に危険です。考えてみてください、ごく一部の大企業を除き、上場企業ですら海外経験があり、言葉(英語レベル)のできる人も少ないんです。自分の商品を海外に出そうとすれば、当然出張して自分の目で市場を調べる。何を売るかの商品選定、物流、広告、全ての企業活動を自分で行うのであり、最低でも一人を雇用し出張費も含めれば年間1千万円は安くてもコストがかかるでしょう。

 上海で事業を立ち上げるには、最低2-3億円必要と言われます。これは、中国人、香港人全てから言われますし、おそらく体感として事実です。これだけの投資をしないといえば、中国側の対応はころっと変わります。まぁ、彼らにとって利益を取る機会の無い事業とおもわれるのでしょう。お金目当てでコンサルがふっかけているんだって、思う方もいるでしょうし、私もそう思いました。しかし、上海に関しては実業的に成功しようとすると、その程度の資金が必要だなと思わされます。個人じゃ無理ですね。そして、その数億円を投資しても失敗した日本の大企業がたくさんいます(これはやり方の問題も大きいですけど)。

 数億円の投資ができないメーカーの商品は、今の段階の中国では成功は容易ではない。そういうものは、ついで買いニーズに乗せ、口込みマーケティングなどのゲリラ的な活動で動かすしかない。でも、中国市場で本格的に販売するには、広告宣伝投資をして市場に認知してもらう必要があります。

 正直、タオバオでもB2Cでもネットだけでは無理。ネット広告のポテンシャルは、お金持ちの世代が若いだけに日本より高いと言われます。でも一方、商品知識が少なく、偽者や詐欺師の多いこの国では、商品を手に取る、商品を広く見る、そういう機会が無いと、どんなによいものでもそれを消費者に伝えるのは日本より難しいです。今の中国で無名企業の地方特産品が日本の楽天の様に売れるとは思えないです(中国国内の地方の名産品でも)。だってどうやってそれが本物だってネットで示せるのでしょうか?日本語のサイト?でも難しいんです。いずれご紹介する事もあるかと思いますが、実在しない日本企業名の、丸っきりの偽者をメイドインジャパンとして販売して、綺麗に見せて結構売れている物があるんです。買っている人が偽者と認識しているかどうかは知りません。自分で販売する日本商品を探していて見つけたんです。聞いたこと無い会社と商品名だったので、サイトに掲示されている商品の写真に印刷されている会社名、商品名を調べても実在しないんです。ずっと調べて全くの偽者だって事が分かったんです。酷すぎるんですこの国の商慣習は。そりゃ、出所のはっきりしない商品って、日本製といっても怖くて買えないですよ。中国では。こういうのを非難しても、直りそうも無いじゃないですか。

 そして、個人レベルで中国でブランド力の無い日本商品を自分のリスクで販売するという方へ。

 極めて厳しい挑戦です。一つ知るべきなのは、化粧品で言えば、原価は10-20%程度。広告宣伝費が30-40%程度。販売管理費が30%。営業利益が20%っていうところがメーカーの利益構造じゃないでしょうか。そし下代が定価の50%-60程度。卸や小売があわせて40-50%の利益を分け合う構造。下代の20%程度はメーカーの広告宣伝費でのはずなんです。

 そう考えると、中国側の代理店が全てのリスクを負う場合、仕入価格は日本の定価の30-40%がマックス。メーカーが日本で負担している広告宣伝費や許認可費用は当然控除した上で値段を決める。その代わりに代理店が自分で許認可取得や広告宣伝を行う。これがフェアな取引のはずです。日本での下代で仕入れて、残りを自分でやるという事はかなり無謀です。

 というか、計算高い中国企業がそんな条件を受け入れる可能性は限りなくゼロです。だから、中国からアプローチ受けていたって条件はかなり厳しいのが当たり前。多分定価の10-20%で引き取りと言うのが一般的でしょう。

 複数の日本のかたから「こういう新しいものを中国で販売することが、本当の挑戦でしょ」と言われます。確かにそうですし、自分に体力がつけばやっていくべき分野です。でも、まずはそう言う発言をする人は自分が投資をすべきですね。私は日本人で中国人を雇用して中国で事業をしている。日本企業の社長と同じようにまず考えるべきは事業の発展、と雇用の確保(つかえなきゃ切りますが)、その前提の上での新しい挑戦、当たり前じゃないでしょうか?そして、自分たちでリスクを大きくとるなら、やはり中国市場を見ながら中国人の意見を聞きながら、自分たちに合った形態でリスクを取らないと。そして、その場合はフェアな条件じゃないと。甘すぎるんだよ。自分はリスクは負わずに好き勝手理想や理屈をほざく。どこまで寝ぼけているんだ。と言いたくなります。理想や夢じゃ飯は食えないんですよね。ネットバブル以降勘違いしている人が非常に多いなあと感じます。

 僕らが提供しだしたテストマーケティングプランは、当方の感覚としては少ない固定費と20%の売上歩合を要求しています。似たような所と比べ歩合が高いと言われますが、営業手数料(私は日本にいませんので、かなり営業の方に負担をかけてしまいます)、商品の翻訳掲載、反応のチェック、が固定費。私の折衝手間賃も出ないレベルと強欲に思っています。売上歩合は当然上記の考えを踏まえています。だから、利益率の低い商品を扱う小売店舗は参加できないと思います。僕の目的は、様々なメーカーに中国市場に本気で挑戦して欲しいんです。

 多分、サイトに載せただけでの反応は多くの期待はできません。購入客が8000名弱ではまだ足りないんです。もちろん、B2Cの会員の購入率が日本では1-2%である事を考えれば会員数40-80万名のB2Cのサイトとと同じ位の効果はあるんだと言いたいんですが、月間来店客はまだ4万名しかいません。PVも20万程度なので、正直知れています。一方、来店客が徐々に増加しているので、露出も多少は可能だというところです。

 嫁が小遣い稼ぎで始めたタオバオに、私がどっぷりつかる事になったのは、事故の処理もありますが、「個人でも(低コストで)中国人に日本製品を売れるか?」と言うのが発端です。走りまわって1年があっという間に終わっちゃいました。

 タオバオは、中国市場に向けた有効なツールです。使い方は色々あります。でもタオバオだけ、嫌ネットだけじゃ駄目なんだと強く思うようになりました。当初の期待は外れた面もあります。唯、参入障壁が低く、多くのクラウン店舗も売上自体はたいしたこと無い=資本力は日本の個人の方がある、と言う面でチャンスはまだ色々あります。一方、B2Cのサイトは、今のタオバオの存在を考えるとほぼ意味が無いでしょう。楽天がモール中国版を作り、日本の出店者をそのまま中国向けに窓口を作ると面白いですが、様々な法的な問題と、結局は物流コストの問題で、中国で売れる商品はタオバオに流れてしまうでしょう。その辺は楽天がどこまで業務範囲を広げるか次第ですけど。

 でも、私のサイトを含むタオバオ関連、日本からのB2C、中国国内の大手B2Cサイトは、日本製品の中国販売と言う点では、テストマーケティング以上の機能は果たせないと考えています。有効に中国で販売するには、結局の所中国に工場を作り、マーケティング拠点を設け、中国人のニーズ(テイスト、価格帯)に合う商品造りと販売が絶対に必要だと思います。私が淘宝商城への出店をやめたのもそれが理由で、B2Cになると中国に製造拠点を持つメーカー以外の出店に意義が見出せないんです。もちろん、ニッチマーケットの販売ツールとしてはタオバオはこのまま行けるかなとは思います。秘密ですけど、ベビーと全く関連せず、私の妻も全く興味の無い範囲で、私自身はもしかしたらある程度いけるかなという商品って幾つかあります。

 卸や小売の方は、タオバオ自体というより、中国に興味があるなら可能性は幾つかあります。これは、ある意味ニッチであったり、ナショナルブランド品に限定されてしまうでしょうが、個別のご相談には応じます。でも、利益面ではそれほど期待できないとお考えいただければと思います。競争が想像以上に激しいですから。 

 さて、中国は旧正月のため、今日もお仕事なのでここまでにします。

 ブログをご覧の皆様、良いお年を。かなりシニカルな私の暴言を並べている当ブログに応援ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
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日本の粉ミルクで中国人が日本化する??

2009-12-30 | 中国の社会・文化・歴史等
 サーチナにこんな記事が。
【中国ブログ】日本製の粉ミルクのせい?「子どもが礼儀正しく」

 昨年のメラミン事件後、乳幼児の子どもを持つ中国人たちは中国製の粉ミルクを信用できないとして、日本メーカーの粉ミルクを争って買い求めた。なかには粉ミルクを買うためにわざわざ日本を訪れる人もいた。

 中国人ブロガーの白天〓さんが自らのブログに「また日本製の粉ミルクを買ってしまった」と題する文章を掲載している。ブロガーは、「民族的感情があるため、本来は日本製品は買いたくなかった」としながらも、毒ミルク事件の発生を受け、それ以来ずっと日本製品を使い続けていると語った。(〓は我へんに「鳥」)

  続けて、ブロガーの子どもは近ごろ、「ありがとう」と頻繁に言うようになり、おじぎをするようになったそうだが、これに対してブロガーは「日本メーカーの粉ミルクを飲み続けているせいで、日本人になってしまったのだろうか?」と冗談を綴った。http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1216&f=national_1216_021.shtml

 ははは。ですね。そうなると良いんですけど。

 まぁ、このブロガーの購入する日本の粉ミルクも、我々だけでなくタオバオで販売されているものなんでしょうね。外国産の粉ミルクはスーパー等でも販売されていますが、正規輸入の日本産はその倍くらいの価格になりますが、タオバオ上では他国のスーパーにおいているものよりは安く手に入ります。そういう意味では手軽に買える商品に既になっています。

 ミルクに関しては相変わらず需要は高いです(明治だけですが)。ベビーフード関連は急激にニーズが減ってしまったようです。最近は、香港のドラッグストアや、日本でも一旦香港から様々なベビー関連商品を中国に持ち込む人がいますので、かって日本の店頭や、ネットショップで購入していたニーズはかなり減ったんじゃないでしょうか?

 ミルク。明治さん以外のメーカーで中国で販売したいと言う企業があります。

 明治同様に粉ミルクを送って中国で製缶して販売する。それに伴い全うに広告宣伝を中国で行う。そういう努力をしないと駄目ですね。上海では和光堂やアイクレオの製品が百貨店で並んでいますので、若干のニーズはありますけど、まだ認知されていないですもの。

 まぁ、片手までこずかい稼ぎ程度ができればよいと言う考えなんでしょうから、それはそれでよいですけど。ミルクなんて社会背景考えれば日本より遥かに市場が大きく、やり方次第なんですけどね。欧米系のトップブランドは、がんがんにテレビ広告打っており、良くみかけます。でも日系は明治を含め見たこと無いな。明治が影でこれだけ売れていること自体が不思議ですが、それってやり方により大成功するポテンシャルのある分野と言うことですね。
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中国の政治って

2009-12-30 | 中国経済関連
 日経ビジネスの上場さんの記事に「次の中国トップは天皇陛下と会見した人?」というものがありました。

・今年の旧正月に、北京の中国中央テレビ(CCTV)の本社ビルが、花火が引火して火災にあったんですが、まだそのままで残っているそうです(知りませんでした)。建国60周年の今年の国慶節に向けて、4000億円も投資して北京市内の美化、整備を行っていたのに、こういう事態が生じた理由には、火災の責任に関して、国内政治の駆け引きが行われているからだそうです。

・先日来日して天皇陛下と会談した習近平副主席は、次の主席の最有力候補なんですが、それもまだ定かではない。先月、地方政府の省長、副省長クラスの人事異動が行われ、現胡錦寿主席につらなる中国共産主義青年団(共青団)出身の若手官僚が相次いで地方行政のトップの座を獲得している。いずれも40代の働き盛りである。

・一方、行政実務を指導する立場にある地方レベルの共産党書記のポストは、上述の習近平副主席の母体である太子党系列が押さえているとも言われる。

・江沢民前主席の母体である上海閥は地盤沈下が徐々に進んでいる。

それぞれの特徴として
太子党: 共産党創設期のメンバーの子弟。党や軍、行政、産業、金融に張り巡らせた血のネットワークにより、経済成長の果実を享受すると同時に、その運営にも実権を持っている。何よりも、軍に持つネットワークが強みである。しかし、比較的保守的。

共青団出身: 血縁関係を持たず、ひたすら努力を重ねて昇進を実現した人々である。能力、使命感、責任感いずれをとっても、党のめがねにかなったエリート集団とも言える。共青団は、利権ともまた縁が薄い。共青団が経営する傘下企業は、旅行会社と出版社それに若干のホテルに過ぎない。また、共青団は、政治改革に対する関心も高いといわれる。三農問題、環境問題、格差の問題を実務の現場を通して十分知っているためだろう。

 これらの問題に真っ向から取り組もうとすれば、政治面での改革は避けられないというのが彼らの認識だ。「隠れ民主派」も少なくないと言われるゆえんだ。地方政府のトップが共青団か太子党かで、政策の運営に大きな差が出る。

 最近広東省の共産党書記になった汪洋氏は、共青団出身だが、今年の輸出産業の減退も踏まえ、次の手として航空宇宙産業の誘致を始めた。土地の無償提供、400億円に及び省政府の補助金により、売上約10兆円の中国最大の航空機製造会社中航工業集団の進出が決まった。当然、部品メーカーなども誘致し、珠海を一大民用航空機産業基地にしようという計画だ。

 しかし、熟練労働力の不足等課題は多く、外資系の誘致も進めているが理念選考であり、危うい投資といえるかもしれない。汪洋氏自身のあせりも見える。

 江沢民の上海閥の凋落が著しいとはいえ、10年以上にわたって積み上げてきた利権や人脈は、そう簡単には崩せない。エリート集団である共青団も胡錦濤首席のもとで、じわじわと勢力を拡大しているが、それでも、産業界や金融界への食い込みは今一つといわれる。

 そうした中で、血脈で結びつき、党、軍、行政、産業、金融界にまんべんなくネットワークを張り巡らせている太子党のしぶとさと実力はピカ一である。文革時代に辛酸をなめたという強烈な体験もあるので地位の保全にも神経質だ。

 権力の座につくまでに10年、権力を握り、地盤を固めるのが任期中の10年、引退後も10年近く影響力を持つ。真ん中の10年をピークに緩やかな山を描くのが中国のこれまでの権力交替のサイクルだという。下降線をたどる上海閥、上昇曲線をたどる共青団、そして高原状態にある太子党。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20091224/211853/?P=1

 日本人である私にとって、中国で誰が政権を取ろうが正直関係ないのですが、ビジネスを行う立場ではこの辺も大きな影響が出るのでしょう(主に大企業であしょうが)。

 個人的に一番気になるのが、もはや中国国内国外で誰もが認識している、現在の中国の不動産バブルを何時、どういう形で沈静化させるのか。CCTVがそのまま残されているのは知らなかったのですが、お膝元の北京の代表的な建築物に関して面子を気にする中国人がそのまま放置していたというのは、上場さんのおっしゃる様に政治の力学が働いているのでしょう。

 そして、今年の経済政策で無謀な貸し出しの増加とそれに伴う不動産価格の高騰をなんだかんだ言いながら放置しているのも、政治の影響なのでしょう。

 まぁ実態は良く知りませんが、共産党青年団が権力握っているのが一番好ましいようにも思うんですけどね。日本を見ていると、なんだかんだ行っても官僚出身者が首相を務めていた時代の方が良かったように思います(経済のステージが違いますけど)。2代目3代目の議員さんが増えてくると、結局彼らの利権やしがらみで経済合理性にかける政策運営になるように感じるんですよね。人材も鍛えられていないでしょうし。
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サイトデザイン変更しました。

2009-12-29 | 中国EC事情・淘宝
 読者各位

 2008年9月に開店以来、猫の漫画を使ったサイトデザインを使っていたんですけど、何でも
・信用度が3万を超えた事
・気持ちを新たにして業務拡大を目指す事

 ということで、表記の通りサイトデザインを変更しました。


※この記事の続きは有料となります⇒中国市場進出/販売実践会

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中国の中古車市場

2009-12-29 | 中国ビジネス関連
 中国でも中古車市場が成長している。

 上海人のジョンさんは、フォルクスワーゲンボラを、新車価格18万元に対して中古で8万元で購入した。アウディのA6なら価格差は40万元にもなるとの事。

 新車市場は今年40%も成長しており、販売台数が13百万台に達する見込み。一方で中古車市場も前年比で10%は成長している。全国的な中古車市場の統計は無いが、広州南部にある最大の中古車市場では(なんでも4万平米で200店舗あるようです)今年は10万台が売れるそうで、昨年市内の新車販売2百万台に比べて10万台中古車が売れたそうです。

 ABNアムロによれば、中古車市場はこの5年でだいぶ成長したそうですが、5年前には新車市場がまだ小さく、当然中古車の玉が少なかった。それが新車の供給増加に伴い中古車市場が増えてきたと言う事です。それが新車台数の増加に伴い急激な成長が期待できる。



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日本の対中依存度が加速?

2009-12-29 | 日本・日系企業
 企業の中国移転により対中依存が加速―ロシア誌なんて記事が。

 2009年12月17日、新華網によると、ロシア週刊誌「プロフィール」は14日、「日本経済」と題する論説を掲載。日本の今年のGDP成長率は03年の水準に落ち着くだろうとの見通しを示した。

 また、日本における投資総額は米国を30%ほど上回っているが、労働生産性が米国より20%も低く、国内生産収益率(ROI)の下降は、日本企業の国外移転、特に巨大な国内市場を誇る中国への移転に拍車をかけており、すでに1万近い日本の企業が中国に会社を設立、生産ラインをすべて中国に移し、日本には経営部門と財務しか残さないという例も少なくない。

 中国の対日輸出の60%が日系企業からの輸出だという現実は、こうした背景から理解するべきだが、日本は中国経済への依存度を強めているということには変わりはない。2008年の日中貿易は米中・日米貿易を抜いて2000億ドルを突破、しかも中国の対日輸出は対米を500億ドルも上回る。

 中国企業による日本企業の買収も、結果的に日本の中国への依存を強めることにつながっているという。http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=38105&type=1

 台湾の現状は、この記事の日本のように対中依存度が年々深まっており、人口2千万人のうちの5%である1百万人以上が中国内に居住していることから、台湾が幾ら独立を騒ごうと、もはや経済的には中国なしでは生き残ることができない状況になっており、損なのは夢物語だと思っています(台湾人の方ごめんなさい)。

 日本に関して、ロシアの雑誌がこういう紹介をしたということですが、実際にはどうだろうか。一部の中小企業は確かに生産機能を全て中国に移管した所もありますが、コア産業系の大企業はそこまで馬鹿じゃないと思いますけど。だいたい今の中国沿岸部のコストを考えたら、中国に製造機能を全て移管するなんて自殺行為でしかないでしょう。

 それにしても、中国の対日輸出の60%が日系企業によるものであること。これは対米貿易でも似たような数字になるはずで、こここそが本来中国側が見るべき数字のはずなんですけどね。ロシア発といいながら、新華社が報道した記事がこうなんですよね。中国としては、日本はもう俺たちなしでは生きれない、と強調したいんでしょう。

 でも実は。考え方次第で中国は日本や米国企業が撤退した瞬間。一気に経済は崩壊するんじゃないだろうか?日本企業の中国製品は、そこそこの品質のものを低コストで作るものであって、最先端のものは限られており、かつ日本人の品質管理機能が無ければとても受け入れられるものではない。別にベトナムでもフィリピンでも作ろうと思えば作れる。様はコストの問題だけ(各国のワーカーの質もありますが)。

 自国経済の極めて脆弱な体制を暴露している事にきずいているのかいないのか。

 政治が国家間で交渉する時は、日本企業の中国事業もお互いに一つのコマとして扱えるでしょう。思い切った割り切りさえすれば、日本政府が有利になると思うんですけど。
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中国幼稚園の送迎事情。

2009-12-28 | 中国の社会・文化・歴史等

さすが中国…と驚いてしまう幼稚園の送迎車

http://news.livedoor.com/article/detail/4507129/
ていう記事がありました。

 場所がどこかは分かりませんし、内容的にはこういう写真の姿を揶揄する記事なんですけど、実は笑えない背景があります。

 上海ではあまり聞きませんが、幼稚園はおろか小学校、時には中学でも親や祖父母が子供を学校に迎えに行きます。当初は、私もこれって超過保護だと思っていたのですが、最近のシンセンの報道を見ていると理解ができます。

 シンセンでは子供の誘拐事件が多発しており、最近も3人誘拐されて2人が殺されたと言う報道がありました。目的は、日本のように身代金目的もあるのですが、一方では子供を販売すると言うビジネスがあるからです。男の子を欲しい親に売る。娘なら売春宿。何も知らない慈善意識の高い養子を欲しがる白人にうる。報道されていない、私が見ていない例も山ほどあるでしょう。

 たまんない世界ですが、こういう背景を踏まえて考えるならば、数少ない乗用車の保有者が、知り合いの子供もまとめて一つの車に乗せて送り迎えさせるのも理解できるのではないでしょうか。

 写真と記事を見れば笑えるものです。

 でも、私の上記コメントを見れば皆さんの見方も変わるのじゃないでしょうか。事実とは、表面だけ見ても分からない。その事実が分からなければ、実態が見えずに正しい判断ができない。

 中国ビジネスにはそういう面が沢山あります。特に日本のメディアの報道を見ていると腹が立つときが沢山あります。そして中国に住む方のコメントみてもそうなんだと納得したり、勉強になるなと言う記事もありますが、あまりにも表層的なものを沢山みかけます。

 せめてこのブログの読者には、唯写真を見て笑うだけじゃなく、なんでこんなお笑いを招く事情があるのかを知っていただきたいです



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少林寺が株式上場?

2009-12-28 | 中国ビジネス関連
 昨日お会いした日本人の方から、少林寺が株式上場をするという噂があるとか、相当にお金儲け主義だと言う話を伺ったばかりだったのに、日経ビジネスにも話題が取り上げられていました。

・少林寺上場計画動き出した。ただし、計画を進めているのは少林寺ではく、地元の河南省登封市政府が、水面下で画策していることが明らかになったのだ。



※この記事の続きは有料となります⇒中国市場進出/販売実践会
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中国の住宅ローン地獄

2009-12-27 | 中国の社会・文化・歴史等
 日経ビジネスより

 中国で『蝸居』(かたつむりの家)という題名のテレビドラマが話題になっている。住宅問題に焦点を当てたテレビドラマで、2009年7~8月から一部の地方テレビで放映されて評判となり、全国的に放映を望む視聴者の声が高まり、北京テレビの「映画・テレビチャンネル」が11月5日に放映を開始、11月16日には上海の東方衛星テレビが放映を開始し、これに続いて全国の地方テレビ局が次々と放映を開始したのであった。

 内容は、地方出身で上海の大学を卒業した主人公がそのまま上海で働いた。結婚後、広さわずか十数平方メートルという小さな部屋で新婚生活を始める。トイレと台所は隣人たちと共有という苦しい生活が5年を過ぎた頃、2人には子供が生まれる。出産後実家の母親に上海に来てもらい同居して子供の面倒を見てもらったが、最終的には、子供は母親が実家で預かることとなる。

 3年後、子供を実家から引き取り、マンションを購入した。資金はそれぞれの実家に借金をしたはずだが、実際には高利貸しから6万元(80万円)借金をした。

 結局その高利貸しの借金を容易に返済できず、妻は離婚を決意。妻は自分の伝で市長秘書に資金を借りてきて返済した。最終的に離婚はしなかったがこの件で夫婦関係輪壊れてしまい、市長秘書の愛人になった。その後、市長秘書の汚職疑惑による逮捕に伴い主人公はアメリカに移民した。

 といったあたりで放送中止になった番組だそうです。まぁ、ドラマの内容なんてどうでもよいんですけど、上海に住んでいる外地出身の中国人にとっては当たり前にある生活じゃないでしょうか。上海と言うより北京や広州も含めた大都市は全て同じ構造だと思います。以前の部下も、夫婦共働きで出産後3年間は田舎の実家で子供を預かってもらっていたと言う話を複数のスタッフから聞きましたし、今でも同じでしょう。
 
 ドラマの中に、主人公の上海での生活費として、住宅ローン6000元(約9万円)、衣食費用2500元(約3万7500円)、子供の幼稚園費用1500元(約2万2500円)、交際費600元(約9000円)、交通費580元(約8700円)、不動産管理費3~400元(約 4500~6000円)、携帯電話代250元(約3750円)、さらにガス・水道・電気代200元(約3000円)と書かれています。合計毎月1万2千元=約15万円程度かかる。

 また、ドラマの中で主人公が、「私が目覚めて最初の呼吸をした時点から、毎日少なくとも400元(約6000円)の収入を稼がねばならない。それが私のこの都市で暮らすコストだから」。確かに経費を合計すると1万2030元となり、1カ月を30日として計算すると1日当たり400元となる。これは視聴者に大きな衝撃を与えた。  1万2000元とは言うものの、これは最低限必要な経費であり、これ以上の収入がなければ余裕は全くないことになり、生活を切り詰めて節約するだけで人生に何の楽しみも見出せないだろう、と言うコメントがされています。

 また、昨今の大学卒業生はまともな就職先に合格できる人数は限られており、相当数の大学卒業生が夢見たのとはレベルが大きく異なる職場で安い給与に甘んじているのが実情である。これを「蟻族」といい、全国に100万人と言われているが、実際はそんなものでは収まらないだろう。月収は2000元(約2万7000円)未満ということであり、彼らは衣食もままならぬ苦しい生活を送っている。

 このドラマは、大学卒業生を含む庶民たちに少なからぬ衝撃を与え、多くの人々の共感を得て支持された。中国の庶民たちにとって住居の購入は人生における最大関心事である。住居購入の結果“房奴”となってローン返済の重圧に押しつぶされている人々、住宅を購入することすらできずに狭苦しい“蝸居”での生活を余儀なくされている人々が現実に多数存在しているのである。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20091215/211613/?P=5
 
 うーん。確かに上海に住む外地出身者の生活は同じようなものでしょう。だから、日本でいう月手取り収入5千元以上を富裕層と言う概念は、上海などの大都市ではある意味間違っていると言うことが分かるかと思います。

 また、外地から来た人たちが上海でマンションを買った時の苦労も垣間見えますね。

 一方で最低限の生活費が月1万2千元というのは間違いです。これは日本の大企業駐在員の発想であり、例えば日本人で現地採用で働いている人たちは月1万元以下の給与、当然日本の年金制度や健康保険制度に加入していない人がたくさんいます。月6千元の借金返済だと、一般的に30年ローンですから、借り入れ金額は半分として(今は住宅ローン年利3-4%)100万元=1300万円位の借金をした事例を想定しているのでしょうね。

 我が家の家計と比べると、日本基準で60m2位のマンションの家賃は3800元(外見は昔の日本の公共アパートですが、中は結構綺麗で特に不満なし)。子供は上海の戸籍があるので幼稚園は月500元くらいと外地出身者の3分の一。食費は平日は残業ばかりなので妻の実家で食べるので、土日に外食してもこんなにつかっていない。ガス電気等も月200元もつかっていない。日本人との付き合いや、日本食に家族で行くのを含めてもせいぜい同じ程度しか使っていないし、正直日本と比べてそれほどしみったれた生活を送っているとは思わない。多分東京ですと年収500-600万円位の方の生活費に近いんじゃないでしょうか。

 上海人の場合は、結婚時に男がマンションを持っていないと妻側が結婚を認めないとの事で、必ずマンションを買うんですけど、実際には僕らの場合のように借家をしたり、親と同居して買ったマンションは賃貸に回す人も結構います。まずは家族全員でお金を出して家を買いますね。上海で働く外地出身者の家族にしても一般的には田舎のエリート層が多いので、そこまで悲惨かなと思います。それに家族3人住むマンションは2000元代からありますよ。何も無理して買う必要性も無い。

 我妻の実家は6階ですが、5階の2つの部屋は日本人がすんでいます。家賃は3千元は絶対しないでしょう。

 上海を含む中国の大都市の不動産価格の異常な高さと、それに踊らされてマンションを購入した中国人家族の悲劇を描いたドラマであり、一面それは事実ですので一般大衆にドラマは受けた。そしてそれが日本のメディアにも取り上げられた。相違点は評価しますが。

・結局の所上海のマンションはずっと値上がりすると言う思い込みに踊らされた人がマンションを購入しローンで苦しんでいる。

・このドラマの主人公の生活費は、外地出身者の中では相当に高額。日本人感覚での最低のコストであって、中国人感覚では衣食交際費で月に41-5万円なんて相当に贅沢。上海在住の日本人なら違和感内中華料理屋なら晩飯食って100元。ローカル系なら20元で十分。服だってかなり安い。毎日100元もつかうか?

 すみにくさを訴える反面、身に会った生活をしない馬鹿さ加減を表してもいると冷たく見るべきじゃないでしょうか。

 蟻族という言葉が出てきて、大学でても月2千元の仕事しかなく不満がくすぶるとしています。何人かの人がそういう表現を使っていますね。でも大学でていない大都市のレストランの従業員や行員は月1千元ですから倍もらっているんですよね。確かに日本基準で生活すると家族4人で月1万元くらい使っています。でも中国基準ではどうだろう?

 妻の親戚の仲には学歴も低く、文革時代に下放で新疆に生かされた方がいます。そこは30m2程度のマンションに2家族とおばあちゃんが住んでいます。同じマンションに別な親戚がいて(同じ間取り)結構いい大学に進学した大学生の子を含めて家族3人で過ごしていました。家賃は月800元くらいかな?上海の中では比較的家賃の低い地域ですが、地方出身者のワーカーが住む一見スラムのようなところに比べればだいぶまともです。妻の家も今は100m2位ありますが、高校までは同じように30m2程度のマンションで生活していたそうです。小さい企業でしょうが、国営企業の幹部がですよ。

 私の両親が結婚した時(昭和30年代)には、6畳一間から生活を始めたとの事。今の日本では年収が100万円では生活が成り立ちませんが、中国は格差社会なりに所得に応じて安い生活ができます。記事にはタクシー運転手の所得が6千元あるけど1万元無いと家が買えない。これも問題だと書かれています。

 中国の不動産価格の異常さを指摘する点では評価できますが、この著者全然中国人の生活分かっていないなと思わされます。蟻族ね。日本では僕の世代でも大学では共同アパートに下宿している子が当たり前にいました。月末になると食費がなくなったといって私の実家に来て飯食っっていったこともあります(80年代)。もちろんボンボン学校でしたので成人式に400万円の和服を親から送られたなんて同級生もいましたし、うらやましいとはおもいましたけど、社会不安を起こすような動機は持っていなかったですね。

 マスコミ受けする中国の不安要因の一つでしょうけど、実際の所どうかな。甘えた生活に慣れきった日本人高給駐在員の視点でもの見ても意味無いんじゃないかな。
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「台所に子どもを入れる」日本の習慣

2009-12-26 | 中国の社会・文化・歴史等
びっくり!?「台所に子どもを入れる」日本の習慣??

 趙明氏は、日本にある子ども向けの料理本や調理器具、料理番組、幼稚園での調理実習の存在をはじめ、「日本の保護者らは、台所に入る子どもに対して、食材の栄養や食べ方、調理器具の使い方などを教える。また、危険が及ばないよう見守りながらも、最初から最後まで子どもたちにやり遂げさせようとする」といった教育姿勢に驚き、「中国では母親の多くが子どものために何から何までしてしまう」と違いを示し、「日本では、楽しんで家事を覚えられるよう導く試みが、ごく自然に取り入れられている」と評価した。

  趙明氏はまた、家事全般に対する日本人のとらえ方についても、「日本人にとって、家事は生活の上で、最低限できて当然の能力であり、必ずしもつらいものだとは思っていないようだ」との説明を加え、「子どもとともに家事に取り組むことが、家族の絆(きずな)を深め、生活の趣きを増し、子どもの人づき合いの土台を築くきっかけにもなる」として、子どもたちに家事を手伝わせる教育を「素晴らしいと思う」と称賛した。

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  中国では、日常生活で、子どもの学業を優先しすぎるあまり、保護者が「子どものため」と称して、生活の細部に至る「面倒くさいこと」を代わりにしてしまう過保護さが問題視されている。

  また、大学の進学や留学を機に家を離れた子どもが、保護者なしでは自身の身の回りのことが何一つできず、勉強が手につかないとして故郷に戻るという話も珍しくなく、中国国内でも「このままにしていていいのか?」と声を上げる人も多いという。(編集担当:金田知子)http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1029&f=national_1029_001.shtml

あれれ??でした。私の年代ですと、「男子厨房に入るべからず」なんて言葉があり、私自身も子供の頃台所に入る事なんて無かったんです。。。

 一方妹は確かに母と一緒に料理を作ったり、お菓子やパンを一緒に作って育っていました。

 こういうことを話すと日本大男人(男性上位)と妻に言われるのですけど、女性上位の上海ではどうも反対の状況のようで、妻も私と交際する23歳の時まで自分で料理を作った事が無く、最初の頃は砂糖と塩を間違えた料理とか、やたらのびたラーメンとか、愛情も一気に吹き飛ぶ凄まじい物を食べさせられたのを覚えています。

 中国人の子供に対する過保護を示す記事なんですけど、街で男の子が母親とフライパンを使って遊んでいる姿を見かけた事もありますし、義父やその友人たちが紅焼肉(上海料理で豚肉の角煮にちかい)やその他の料理をどうやって作るかって話し合っているのを聞くと、ちょっと意外感がありますね。

 うーん。日本人として時代に取り残された様な気もする記事です。。
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