さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

フェルメールの耳飾りの少女

2012-11-15 11:51:34 | Wednesday 芸術・スポーツ
       この夏、上野が熱かった。

 6月半ばから、初来日となる、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」( ベルリン国立美術館展 @国立西洋美術館)に、- 「耳飾り」ではなく、「首飾り」-



 6月終わりからは、「耳飾り」も来ていた。


 
 ( click here ↑)


 それを知った時、よくぞ、この絵を海外に出した!!と思った。
 マウリッツハイス美術館(ハーグ,オランダ)には、「真珠の耳飾りの少女」、別名、「青いターバンの娘」とも呼ばれるこの絵を観るために、世界中から人々が訪れる、という。

 そのターバンには、キリストやマリアの絵画のローブにしか使わないような、貴重で高価なラピスラズリの青を、ふんだんに使用している。


 フェルメールのラピスラズリのあお。
 ときが止まった時間。


(映画『真珠の耳飾りの少女』での少女役スカーレット・ヨハンソン)


 ある知人は、こんなことを言った。
 「今、あの絵が来日しているんですね。昔、それを観るために、オランダまで行ったものでした。
  楽しんでください(^^)」


        ****************


 その日、キャベツは、3日で6時間のみの睡眠で、ふらふらだった(あのときは、暑かった)
 9時20分着。

 中学生も、妙齢の人々も、皆、同じ方向に吸い込まれていった。

 開館時間前だったが、すでに 東京都美術館の中は、長蛇の列。

 ふらふらキャベツは、他の絵はざっと見る程度にとどめて、その絵を最前列で見るための、これまた長蛇の列の中に、うとうとしながら、並んだ。そして、一目見た。









           **********

         そして、彼女に あった。

           **********






「あなたの瞳と、あなたのひとつの首飾りが、私の心を奪った」 1)というようなことを雅歌書に書いてあるが、あれは、―実感としては― こんな具合なのではないか、と感じた。
 ここでは、首飾りではなく、耳飾りだが。

 青いターバンなんて、どうでもいい。
 ラピスラズリがどんなに高価で希少なものだったかなんて、関係ない。

 彼女のひとみ。
 彼女のまなざし。

 それが、私を惹きつけた。

 どうして、体力のない状態で、来てしまったのだろう。
 どうして、この時間は、あっという間に終わってしまうのだろう。


 最前列でなければ、少しばかりたたずんで、観ることも可能だった。
 キャベツは、体力の許す範囲で、そうした。

 2度目のときには、もう少し、彼女の姿を見ていられた。
 だが、あのひとみの魔力は、間近であればあるほど、わかる。
 ― フェルメールが手放さなかったのも、うなづける。―

 ポストカードやインターネットでは、あれはわからない。
 あれは、伝えられない。
 ただ、記憶をたどる手助けをしてくれるだけだ。











 あの少女に、

 またいつか、あいたいものだ。



【注】
1)雅歌書4章9節。正確には、こちら→

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あなたは心を奪った

2012-11-15 09:31:44 | Sunday 写真&みことば

 私の妹、花嫁よ。

 あなたは 私の心を奪った。


 あなたのただ一度のまなざしと、

 あなたの首飾りのただ一つの宝石で、

 私の心を奪ってしまった。



    (旧約聖書・雅歌 4章9節)

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