ヤフーに東横線と副都心線が直通運転を開始した後に渋谷駅が混乱するという記事があったので、当ブログでもちょっとその話を書いてみようと思う。多分、マニアとユーザー以外の方にはピンと来ない話と思われるので、ご承知おきください。なお、ちょっと雑誌の記事風にトピックをつけてみました。
【遠のく銀座線】
さて、東横線が副都心線と直通運転を開始しホームが地下に潜ると、何が起こるだろうか。まあ、東横線から新宿や池袋に行くのが便利になるのは間違いなく、メリットもあるのだが、最も懸念されるのはラッシュの時間に渋谷駅を通る田園都市線・半蔵門線がパンクすることだと思う。
理由は簡単で、現在東横線から銀座線に乗り換えている人が、地下5階から地上2階への乗り換えを嫌い、比較的乗り換えのしやすい半蔵門線で渋谷から表参道まで行って銀座線に乗り換えるケースが増えると思われるからだ。
【渋谷駅の停車時間が増えると・・・】
東横線からの銀座線に乗り換えている利用客はラッシュ時の1時間でせいぜい1万人位だと思われるから、1日数十万人が使用する田園都市線・半蔵門線の渋谷駅から考えれば大した増加ではないのだが、事態を深刻なものにするのは渋谷駅のホーム構造と利用客の流動上の特徴だ。
東横線の地下ホームから半蔵門線のホームへ直接つながる階段は2箇所しかない上、ホームが狭い箇所がありラッシュ時はごった返しているため、乗客がうまい具合に分散せず半蔵門線への乗換客が特定の車両に集中し停車時間が伸びるという事態が発生する。そして、流動上の特徴が引き起こすのは、今まで田園都市線からの乗客がもっぱら降りるだけだった渋谷駅に乗る乗客が加わることでやはり停車時間が伸びるという事態が発生する。
現在朝ラッシュ時に田園都市線・半蔵門線渋谷駅に到着する電車は1時間あたり最大28本。これだけの過密運転になると駅に停車していられる時間はどんなに頑張ってもせいぜい50秒といったところ。現在、渋谷駅ではほとんど田園都市線からの降車客をさばくだけにもかかわらず停車時間が足りず、遅延が常態化しているので、これに乗車する客が加わり、しかもその客が特定の車両に集中するとなると、最低でも10秒は停車時間が伸びるように思う。過密ダイヤで遅れると回復させられない田園都市線だから、こうなると、遅れがあとの電車にどんどん波及していき、ダイヤがパンクしてしまう。車で言えば渋滞、それも大渋滞が起こるというわけだ。
【田園都市線ユーザーは一人負け】
今回最も懸念されるのは、乗降時間が伸びることで田園都市線・半蔵門線が大幅に遅延することで、意外と渋谷駅自体が混雑してパンクするということはないのではないかと思っている。乗り換え距離の長さが逆に緩衝材となり混雑を和らげてくれる可能性があるからだ。だから、東横線から半蔵門線に乗り換える人は意外とすんなりと乗り換えができるかもしれない。しかし、田園都市線・半蔵門線の遅延の大幅な増大は免れない気がしてならない。こうなると、東横線と副都市線の直通運転になんの恩恵も受けない田園都市線ユーザーの一人負け。世の中なかなか不公平だ。
【抜本的にはホームを増やすしかない】
解決するには、少々無謀だが田園都市線・半蔵門線の本数を少し間引いて、停車時間を捻出するしかない。本数が減れば混雑するが、遅れてもどうせ込む。どうせ込むなら遅れない方がよいだろう。
それか、東横線から半蔵門線への乗り換えをやんわりと規制するという手もある。少々面倒だが、表参道から銀座線に乗る人には明治神宮前から千代田線を使って表参道までいってもらうという方法を推奨するのだ。
いずれにせよ、抜本的には田園都市線・半蔵門線のホームと線路を1本増やすしか手はない。ようやく東急もそれを検討し始めたようだが、もう10年早く動き始められなかったものかと思ってしまう。ともあれ、東急と東京メトロが対策を取るか興味深い。