18日~19日と先日このブログに書いたとおり大学時代のサークルの友人3人と富士山に登ってきた。小生いろいろな山に登ってきたきたつもりだが、これほどリスキーな山行ははじめてだったというのが単純かつ明快な感想である。
今回の富士登山は山小屋の予約が取れなかったため、初日は河口湖で一泊し登山は翌日日帰りで行うというもので、結構きつい登山になることと山小屋の予約が取れない時点で相当の混雑をしていることは予測ができた。そのため朝は宿を4時出発、下山が夜になる可能性があったためヘッドランプ等夜間登山に備えた装備を持っていくなどある程度混雑に対するリスクヘッジはしたつもりであった。が、実際混雑の影響は想定以上のもので、さらにこれに想定外の悪天候が加わるというなかなか最悪のコンディションでの登山となった。悪天候なのに混雑するとはなんともおかしな話である。
早朝はひたすら混雑との闘いであった。朝4時に宿を出発し車で富士スバルラインを目指したのだが、なんと料金所を前にすでに大渋滞。1mmたりとも車は動かない。スバルラインが込んでいるとは聞いていたが、これほどとは思わなかった。結局3時間近く車は全く動かず、規制が段階的に解除され5合目についたときには8時を回っていた。聞いた話であるが、この日は他の3つの5合目がパニックで、入れない車が河口湖口に集中したとのこと。やはり三連休をなめてはいけないようだ。なお、今回仲間の一人は自転車で富士山5合目まで行っており、その男の方がはるかに早く5合目についたのは言うまでもない。
5合目について驚いたのは人の多さと風の強さ。。このときこの日の富士山には混雑と悪天候が共存していることを知る。恐怖の登山の開始である。
5合目を9時20分に出発。ラッシュの新宿駅並に混雑した登山道を歩く。6合目まではほぼ平たんで、7合目までもそれほどのきつさはなかった。6合目を過ぎると下山道と登山道が分かれるため混雑も減り、またこの間天気も良かったためここまでは良い登山であった。
問題は7合目から上、このあたりから一気に風が強くなり、さらにガスの中に突入したことで視界も著しく悪くなった。ボチボチ登山道で立ち往生してしまっている人も現れるようになる。そして8合目。標高は3000メートルを越え、高山病にはならないものの、呼吸が非常に苦しくなる。本8合目。風はもはや暴風の域に達し、風が強まると立っていられない状態。しかし、大分減ったものの登山者は多く、ところどころで渋滞が起きる。9合目。幾分風が収まったが、なんせ空気が薄い。かなり呼吸が大変だった。
そして登山開始から4時間50分の14時10分。吉田口富士山頂上久須志神社に到着。なんとか登頂には成功した。が、風は本8合目のそれをはるかに超え立っていられない状態。人は非常に多かったが悲鳴をあげる人飛ばされる人トイレに逃げ込む人、軽く地獄絵図であった。かなり疲れていたが、まだ体力はあったので日本最高峰の剣が峰にも行くつもりだったが、山小屋の親父に「今日の登頂は無理、早急に下山しないと大変なことになる」と止められ剣が峰にも富士山頂郵便局にもいけないまま下山することとなった。なお、この混雑と悪天候ながらコースタイム5時間45分を1時間近く切れたのは奇跡的だった。
下山も本8合目付近までは恐怖の連続だった。山に生命に危機を感じたのはこのときが初めてである。が、それより下は風は強いものの悪くない天気。山の天気の恐ろしさを改めて知らされた気がする。午後5時30分下山。下山にかかった所要時間は3時間10分であった。
今回の登山の教訓はとにかく富士山の天気と混雑を甘く見るなということだと思う。混雑しているから天気は良いのかなという発想も禁物であることを知った。それにしても剣が峰と富士山頂郵便局にいけなかったのは非常に残念である。2度目の登頂があるかわからないが、そのときには必ず立ち寄りたいものだ。
ちなみに、今回一緒に登ったメンツがメンツだったため、トークのクオリティが非常に往年の4男的だったことは最後に記しておく。低山病、気をつけようと思う爆