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思想家ハラミッタの面白ブログ

主客合一の音楽体験をもとに世界を語ってます。

アミ 3度めの約束 4

2016-06-13 15:55:09 | Weblog
前回記事「武器」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12002408026.html





PP(政治警察)の地下牢からビンカたちを助け出したアミは、

ビンカとペドゥリートを円盤に乗せて、

今まで見てきたどこよりも進んだ文明があるという

エクシスの世界へと連れて行きます。




ペドゥリート「ここは生命のいない、

乾いた惑星なんだね…」




アミ「うん、表面には石ころしかない。

でも内部には…」




ペドゥリート「この世界の文明は

地下の中にあるなんて言わないだろうね…」




アミ「まさしくそうなんだ。

この惑星の人たちみたいな、

高い進化水準に達した人類は皆、

文明基盤を地下に移しているんだ」




アミは、エクシスの乾いた地表に向けて、

円盤を急降下させた。

「サリャ・サリムと同じ様に、

ここにも秘密の入口があるんだ。

そこから地中に入ろう」




円盤は"非物質化"され、

入口を隠す暗い岩の中をくぐり抜けた。




ペドゥリート「うわー!凄い!」




湖、緑やオレンジ色の草原、

色ガラスで出来たビル群、

オフィルでも目にしなかったような未来建築物

…巨大な球形だったり、

色んな形をした建物の数々が、

なんと、"空中に浮かんでいる"!




キレイに舗装された広々としたテラスの上には、

思い思いにスポーツを楽しむ人々。

美しい競技場や沢山の宇宙船も見えてきた。

そして大小様々な木々や花々で彩られた庭園は、

空から見た方が楽しめるような、

美しいデザインでつくられていた。




ビンカ「こんなキレイなの、

わたし、生まれて初めて見たわ!」




ここでもサリャ・サリムと同じで、

"空"は本物の空にしか見えなかった。

ただ、違っていたのは、

その"空"が水色ではなく、

明るいピンクのような色をしていた事だ。

でも、何と言っても驚きだったのは、

いくら巨大な洞穴の中に都市がつくられているとはいえ、

一体どこまで続いているのやら、

その洞穴の終わりが見えなかった事。




ペドゥリート「これは超文明だよ!」




アミ「そうだよ。じゃ、これからみんなで、

惑星間の美人コンテストを見に行こう」




色とりどりの服を身にまとい、

大きな赤い頭をした巨大な人間たち。

ペドゥリートには彼らの顔が、

どう見ても人間のものとは思えなかった。

その他にも色んなタイプの異星人がいたけれど、

誰もが仮装パーティの様な出で立ちで、

そしてとっても楽しそうだった。

みんなかなり個性的な頭をしていて、

果たしてそれが、飾り帽子なのか、

はたまた突飛なヘアスタイルなのか、

ペドゥリートには区別がつかなかった。

顔や体つきも、何とも不思議な感じだ。




ペドゥリート「それにしても、宇宙には、

こんなに色々な種類の人間がいたなんて!」




ステージでは、がっちりと背が高く、

おまけにかなり太った、

灰色の顔に大きな口をした司会者が、

これから登場する出場者を紹介していた。




まるで歩くレタスとでも呼べそうな人が現れ、

自己紹介をして、朗らかに挨拶し、

精神を集中させ、そして退場していった。




ペドゥリート「アミ、これ一体何なの?」




アミ「美人コンテストの様なものだよ。

でも、きみたちの惑星の美人コンテストとは

二つの点で大きく違っているけどね。

まず第一に、ここでは誰も他人と競争してない。

勝ち負けはないんだよ。

ただ一人が精一杯観客を楽しませようとする。

彼らにとっては、観客の喜びがただ一つの賞なんだよ。

次に、美人コンテストとは言っても、

ここで披露しているのは出場者の

外見の美しさじゃないんだ。


外側の形のバリエーションは物凄く沢山あるから、

我々にとって"この人は最も美しい"とか、

"この人はあの人より醜い"とか言うのは、

あまり意味がない。

実際、我々は人の外見にそれほど注意を払わない。

ある場所では"美しい"ものが、

一度場所が変わると、

途端に"醜い"ものに成り下がる。

美意識なんていうのは、

時代によって簡単に移り変わる気まぐれなものだし、

相対的な(他に比べるものがあって初めて成り立つ)ものだからね。

だから我々は、ダイレクトに内面を問題にするんだよ。

本当の美しさというのは、

内面にあるものだからね。

出場者たちは、今まさに、

それを見せているんだよ、

彼らの内面の美をね」




続く…




過去記事「美人コンテスト」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12002517350.html








クラトが地球でペドゥリートのおばあちゃんと

暮らしていく事を決めたので、

ゴロおじさんとクローカおばさんは、

クラトの住んでいた山小屋で

PP(政治警察)から身を隠して暮らす事にしました。




そこでの自然に触れたことで、

実は自然の中に住むのが夢だった事を思い出すゴロ。

感動したゴロは、幸せの涙をこぼし、

テリからスワマへと変身するのです。




こうして、物凄いスピードで進化したゴロは、

なんと!

ビンカが地球に行く事を許可してくれたのです!







そして、円盤に戻ったアミとペドゥリートとビンカ。

アミがとても重要なところへ案内すると言い

連れて来てくれたところは…

…地球だった。




円盤はゆっくりと下降を始め、

ヒマラヤ山脈の上空を進んでいった。

そして突然、切り立った岩山のひとつに向かって

凄まじいスピードで近づいていった。

岩の中をくぐり抜けた後、

大きな都市が目の前にあらわれた。




サリャ・サリムやエクシスの時みたいな

超モダンなものとは違い、

小さな半円形の家々ばかりの白い都市の風景で、

その他には、巨大な球形の白い建物だけが、

都市の中心部に堂々と美しい姿を見せていて、

儀式か何か、そんな感じの事を行なう所のような印象を受けた。




それ以外には、大きな建物は全くなかった。

その光り輝く球形の建物は、

地球で言うなら赤道にあたる部分を、

4本のウデ…(やや曲がった支柱)で支えられ、

お尻の部分を地面につけているかっこうだ。

沿道に木々や草花が植えられた4本の通りが、

四方からその建物に向かって伸び、

それぞれの支柱の前で終わっていた。




たくさんの円盤とたくさんの人々が

行き来しているのが見えたけど、

全体が大きな調和と平安に包まれているように思えた。




アミ「この基地はシャンバラって言うんだよ」




ペドゥリート「シャンバラ!

ぼく、その名前、どこかで聞いたことあるよ」




アミ「そうかもしれない。

シャンバラは、アガディールとかアガルティと同じように

古い言い伝えの中に語られているしね。

エル・ドラードやシャングリ・ラなんかは、

さほど知られていないけど」




アミ「これからあの球形の建物の近くに着陸しよう。

あれは研究所なんだよ」




ペドゥリート「研究所?

ぼくは競技場かと思っていたよ…」




アミ「いや、そうじゃないよ。

むしろ寺院とでも呼んだ方が良いかもしれない。

だって、あそこでやっているのは、

寺院の中で行なわれている仕事と

良く似たところがあるんだ。

つまり、最も高い水準の、

精神的で霊的なエネルギーを発生させているんだよ」




アミ「じゃ、下に降りる準備をしてね。

会って欲しい友だちがいるんだ」




ペドゥリートは、この都市には

神秘的な雰囲気が漂っているのを

ハッキリと感じた。




アミ「ここのエネルギーが

ちょっと違っているのによく気がついたね。

そう、より高くて繊細なんだ。

なぜならここが、地球の重要な

霊的中心地のひとつだからだし、

きみが自分の内的な感覚に

注意を払っていたからでもあるんだよ」




ビンカ「それ、どういう事なの?

この都市はサリャ・サリムとは違うの?」




アミ「未開世界には、

目的ごとに違った基地があるんだよ。

例えば、サリャ・サリムは

キアの社会と政治の進歩に関して監督しているけれど、

それとは別に、生物の進化に関して監督していたり、

文化や科学技術の発展を助けたりしている基地もある。

地球人類の精神の進歩を監督する仕事は、

ここシャンバラが中心になっているんだよ」




寺院は、ダイヤモンドかガラスのような物で出来た

巨大な板石の真ん中の上に建っていた。

円盤は、宇宙船専用につくられたパーキングではなく、

そのキラキラと輝く大きな宝石の上にとまった。




アミ「ここは水晶でできた、

この惑星最大のプラットホームなんだよ。

とても繊細な働きをする水晶で、

脳の振動を集中させたり、

増幅させたり出来るんだよ。

ここにいる人たちもやっぱり、

地球人類が精神や脳で高い振動を生み出せるように、

色々と仕事をしているんだ。

そういったエネルギーは、ここから

地球のあらゆる所へと送られているんだよ」




続く…





前回記事「シャンバラ」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12005639918.html





建物を支えている4本の"ウデ"の側面には、

細いフチのようなものが付いていて、

よく見るとそれは、右側は上りの、

左側は下りのオートマチックな階段だった。

そして、球体の赤道部分にある建物の入り口まで続いていた。




そのひとつを上り始めた。

でも、階段の幅は1メートルもなかったし、

それに手すりも付いていなかった。

上に行くにつれ、その高さに圧倒されて、

めまいを起こしそうなくらい緊張したので、

ペドゥリートは出来るだけ壁に張り付くような姿勢をとった。




前にいたビンカがペドゥリートを振り返ると、

肝をつぶしたような顔で、

今にも膝をついてしゃがみ込みそうだった。

ペドゥリートはビンカを後ろから抱えて支えてあげた。




アミ「ビンカ、下を見ちゃダメだ。

大丈夫だよ。落ち着いて、

内面の均衡を保つようにしてごらん」




ペドゥリートは、あの階段はとても危険だと思った。

手すりを付けないなんて全く愚かだとしか思えなかった。




アミ「この中では、精神的な、

霊的なエネルギーを高揚させる仕事をしている。

そのエネルギーの質は、

我々の体と精神状態で決まるんだ。

ここまで上ってくるのに、

心や体のコンディションが充分でないのが分かれば、

中に入ったところで仕方がない。

だって、高い霊的エネルギーを放射することが出来ないからね」

「ここで働いている人たちは、

地球人類に対して大きな責任を負っている。

だから仕事をするときには、

自分の心や体のコンディションを

ベストの状態にしておかなければならない。

この階段はそのためのものなんだ。

この階段を上れば、

自分で自分のコンディションを"測定できる"んだよ。

もし上っていく途中で気分が悪くなったりしたら、

その日は一旦上りきったあと、

中に入らずにそのまま帰って、

新たにベストコンディションの日を待てばいい。

頭と体の状態が良ければ、

健やかな精神状態は保証されている。

我々の体っていうのは、

我々の魂の状態を三次元化したものなんだからね」




階段を上りきって、研究所…寺院の中に入ると、

灌木と草花のあるテラス、

らせん階段なんかがあったけれど、

取り分け目を引いたのが、

たくさんのイスが設置された広いスペースだった。

イスから見下ろすスペースの中央部分には、

水晶の板石が敷かれていて、

その板石の上には、

ライトアップされた美しい祭壇があり、

オベリスク(方形で上に行くにつれ細くなっていき、

先端はピラミッド形をした柱のこと)の形をした

2メートルほどの高さの石が、7つも立っていた。




オベリスクのような石は、

ひとつひとつ違った色をしていて、

宝石のようにまばゆく光り、とてもキレイだ。

そのうちの一つ、紫色をした石のまわりを、

白い服に頭巾をかぶった一団が、

円を描くようにして囲んでいた。

その紫色の宝石は、

三角形のダイヤモンドのように輝いた

ガラスの台の上に乗っていた。




アミ「あれは、純粋なダイヤモンドだよ。

あの頭巾の人たちは、霊的振動をより良く伝えるために、

ダイヤモンドから巨大な水晶の板石を通して、

地球人類の魂に向けてエネルギーを発しているんだよ」




頭巾をかぶっていない人も、大勢いた。

大部分の人は、赤銅色の肌をした人種の人たちで、

背が高くて、2メートル前後はあった。

頭は大きく、体は細っそりしているのに、

筋肉や骨格がしっかりと発達している。

男の人たちの体毛は薄く、

女の人たちの体は、

地球の女の人みたいな曲線的な体つきではなくて、

もっとずっと痩せていた。

顔には1本のシワもなかった。

まるで整形手術かなんかで、

後ろから皮膚をギューっと引っ張ったみたいだ。

とても大きな、そして穏やかな瞳をしていて、

その色が様々…黒、茶、灰色、緑、青、

その中間の微妙な色合い…なのは、

地球人と同じだった。

わずかにカールのかかった金髪や栗毛を

男女共にとても短くしている。

そして皆んな、襟なしの

ゆったりとした服を身につけていた。

見渡したところ、地球人はどこにもいなかった。




アミ「ここにはたくさんの地球人がいるよ…」




続く…





過去記事「ダイヤモンド」の続きになります。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12006527383.html





地球の内部に存在するシャンバラで、

祈りの様子を見て感動するペドゥリートとビンカ。




アミは、1人の男の人を2人に紹介します。




男は親愛の情のこもった眼差しで二人を見つめ、

サリャ・サリムの偽テリたちと同じように、

右腕を肩の高さに水平に伸ばし、

ペドゥリートたちに手のひらを向ける仕草で挨拶をした。




「シャンバラへようこそ。

私の名前は、シルクです。

そして私が、この研究所で行なわれている

色々な活動をコーディネートしています。

どうぞ、座って下さい」




ペドゥリートは、シルクを見ているうちに、

前の旅で会った、地球"救済計画"の総司令官を思い出した。

でも彼に比べると、シルクは外見上は地球人に近かった。




アミ「でも、司令官と同じ惑星の人種だよ」




ペドゥリート「ああ、どうりで

すぐに彼のことを思い出した訳だ」




シルク「彼は、私たちの民族の中でも、

その魂が最も多くの光に包まれているひとりなんだ。

何か質問はあるかね?」




ビンカ「あなたはどの惑星から来たのですか?」




シルク「私は宇宙人ではなく、地球人です」




ペドゥリート・ビンカ「エエーッ!?」




アミ「1回目の旅は、君たちにとって

第一段階"A"にあたっていた。

"宇宙生命"というテーマにおいてね。

2回目の旅は"B"であり、今回は"C"なんだよ。

君たちの書いた本を読んだ人達にとっても、

それは同じなんだよ。

このテーマに関して、

だんだんグレードアップしてきているんだ。

いいかい、これからシルクが言うことを、心して聞いてよ」




シルク「ここは私の世界なんだ。

私はここで生まれた、

何代もの私の先祖たちと同じ様に。

そして君たちが既に目にした私に似たあの者たちも、

みんな地球人なんだよ…」




ペドゥリートの心の声

「エッ!あの人達が地球人だって!?

だってあんなに進化してるのに!?

…しかもぼくたちの地球に、

何代にも渡って生き続けてきてるなんて!」




シルク「でも、ここに来ている兄弟たち全員が、

ここで生まれた訳ではない。

ここには一時的に滞在している者もいる。

彼らは、私たちが大昔にあとにした、

遠い世界から来ているんだ…」




シルクはひとつの例を出して話し始めた。

「君たちのような世界に住んでいる人たちの中で、

砂漠とか人を寄せ付けない寂しい所へ、

自分たちの家族を引き連れて移り住んで行く人たちがいる。

彼らはまず、その地に水を引き、

穀物の種をまき、動物を飼育し、

子どもを増やして行く。

そして、労力と時間をかけて、

住めるような場所を作り上げていく。

もっと後になってから、

その近くに別の家族が住み始める。

だんだん人が増えてきて、

村が出来、町が、そして都市が出来る。

以前には全く何もなかったところに、

たくさんの人が住める都市を作り上げた。

彼らは開拓者たちだよ。




そうして、国家が出来上がってくるにつれ、

政府は、たいてい

人の全く住んでいない地区の開拓を進めるために、

資金を出して開拓者を援助したりするものだ。

国は大きくなればなるほど、

もっともっと大きくなろうとするものだからね。

これは人生に、人間の心に内在している傾向だよ。

より大きく、より広がるように、

より多く手に入るように、より完璧に、

より住みやすくなるように。

それから自分たちの子孫にとってはもちろんのこと、

それ以外の人々にとっても益々

住みやすくなるような可能性を残してあげるために。




宇宙世界の宇宙親交は、

最も高い階級水準の意識に従って、

全ては神聖なる計画のもとに、

数百年もの昔から、

たくさんの惑星惑星(ほしぼし)に

生命の種をまいてきたんだよ」




ペドゥリートの心の声

「これまでアミは、宇宙親交が

銀河系に生命を誕生させる任務を負っているなんてこと、

一度も口にしたことがなかったから、

生命はひとりでに生まれてくるものだと思っていた…」




シルクは続けた。

「宇宙親交は、様々な種の

知的な人類から成り立っている文明なんだよ。

その中には、ずっと古い昔から

我々と同化している種もあれば、

同化してまだ歴史の浅い種もある。

全ての文明が、

進化したと認められるための条件を満たして、

一定の基準まで達した時には、

我々のメンバーとして迎えられるんだよ」




続く…

前回記事「地球人」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12010664440.html





宇宙親交の仲間入りをするには、

国や国境をなくし、すべての国家や民族が

ひとつにまとまる段階に達しなければならない。

つまり、その惑星全体が、

世界政府によってまとめられた

ひとつの国に変わらなければならない。

惑星の独裁政府というのも

ひとつの世界政府と言えるけれど、

宇宙親交の望んでいる世界政府とはまるで別物で、

本当の世界政府は、宇宙の基本法…

つまり、普遍的な愛…にぴったりと

適合していなければならない。

それがもし実現できれば、

もう不正も苦悩もなくなるから、

その時初めて、その文明は

宇宙親交のメンバーとして受け入れられる。




シルク「そうして受け入れられた文明は、

宇宙親交の援助を受けながら進歩、発展していき、

ある水準に達した時には、

任務を与えられるようになる。

今度は自分たちが、

まだ知的生命のいない世界の生命を改良し、

援助していくんだよ」




シルク「任務にあたって銀河当局は、

そこで働く種にふさわしい重力を持つ、

若い惑星を割り当てる。

彼らは基地をつくり、

それから数千年、数万年もそこに住むことになるんだ。




君たちは、我々と違った時間の観念を持っている。




数百年前、私の民族はこの世界にやってきた。

最初に軌道に乗った基地をつくり、

そして地底都市をつくった。

そしてここに移り住み、

そこからはっきりとした目的のもとに、

生態系を改良する仕事に取りかかったんだ。

もう既に生存していた種に変化を与えたり、

新しい種を我々の遺伝子研究所で創造したり、

別の世界から連れてきた種を

地球の環境に適応させるようにしたり、

それから気候や海に関わるものにも手を入れたりした。




我々の民族はもともと宇宙から来たけれども、

私をはじめ、ここにいる大部分の人たちは、

この惑星に何世代にも渡って

長く住み続けている家系に属している。

だから、自ら切り開き、耕し、

暮らしている農場を農民が愛するように、

この地球をとても愛しているんだよ。

何より、この美しい世界は、

我々の先祖やその子孫、

つまり我々自身が住んでいるところだ。

だから、我々は、自分たちを

地球人であると心から思っているんだ。

我々の方が、君たちよりもずっと長く、

この地球に住んでいるんだからね」




シルクは話を続けた。

「現代の人類は、交配によって創り出されたんだよ。

我々の研究所で、地球のサルの遺伝子と、

よその惑星からやってきた我々の遺伝子とをかけ合わせて」




ペドゥリートは、全身ゾッとした。

「彼らがぼくたちを創り出したんだ!

…自分たちの遺伝子を使って!」




シルク「そして新しく誕生した人類が

ちゃんと生き延びていけるように、

ウマだとかラクダだとかゾウだとか、

ニワトリやイヌといった、

あとあと人類の役に立つような動物たちを

創ったり改良したり、

米や麦やトウモロコシや、

色々な果物を創ったりしたんだよ」




ビンカとペドゥリートは呆然とした。


キア星でも、事情は大体同じだった。




シルク「現在の人間は、天と地の子であるんだよ。

だから、時には人間以下のようになり、

時には超人間的になる。

動物的な本性と星の本性とが共存しているんだ」




シルクは、今までの話を要約しようとした。

「地球の人間を創造した目的は、

新しい種の人間を創り、後に、

その人間が親交に入れる水準まで進化した時に、

それに協力出来るようにしてもらうためだ。

君たちが考えるように、

"宇宙大戦争"に協力してもらうためではなく、

数え切れない文明化のための仕事や

銀河系生命の改良に協力してもらうためなんだよ。




一度同化してしまえば、宇宙親交から

科学的、技術的、精神的な援助が受けられる。

そうするともう、苦悩や不安や死を

永遠に過去のものとする事が出来るんだよ」




続く…



「アミ 小さな宇宙人」シリーズと題して、

3冊分を私の主観でまとめて書いてきましたが、

いよいよ今回が最終回です。







過去記事「種の起源」の続きになります。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12011553492.html








ペドゥリートがシャンバラの住人

シルクから聞いた話を要約します。







シルクは、ぼくたち一人ひとりには、

ぼくたちの種の進化のために割り当てられた責任があり、

その為に、一人ひとりが

自分の劣った部分を乗り越えることが

どうしても必要になってくると言っていた。

それはあくまで個人的な仕事で、

個人が内的成長を遂げるために努力することによってのみ、

人類全体が進化していけるのだという事を、

特に強調していた。




そして彼は、ぼくたちに、

自分が人類の進歩に奉仕していると信じ込んでいる

少なからぬ人たちのように、

"黙示録の預言者"や"死の使者"にならないようにと、

特に注意強調していた。

実際、彼らがやっていることは、

不安や恐怖や絶望の種を蒔くことであり、

人々の恐怖心を無意味にあおる

"メッセージ"を広めることであり、

それは人類の頭脳の質をさらに低下させるだけのものだから、

救世の望みは、ますます小さくなっていく事になる。




しかしシルクは、人々が苦悩することも、

大量の死者を出すこともなく、

ぼくたちの惑星が良い方向に

変化していく可能性は残っていると言った。

でも、これはいつもしっかりと

自覚しておかなければいけないけれど、

"もう時間がない"。

つまり、もうぼくたちは時間を

無駄にできないという事だ。




それから、喜び、健康なユーモア、

楽天主義、希望、責任、悪意のない魂、

信念、許し、隣人への助け、本物の愛などが

ますます必要不可欠なものになっていき、

それが人類にとって、

そして一人ひとりにとって、

高い水準の存在へ移るのに必要な

エネルギーになると言っていた。




反対に、どんなものであれ、

恐怖、絶望、堕落などの種を蒔く者からは、

距離を置くことが必要だと付け加えた。

そして自分たちの性格上の劣った部分に対して、

もう少し自分自身に厳格になるべきであり、

友達や指導者を選ぶときにも、

もっと厳しく判断すべきだという事だ。




最後にシルクは、次にあげる欠点は、

どんな犠牲を払ってでも

自分たちの中から追放すべきで、

もしそれらの欠点が大きければ、

新しい世界の一員になる事は出来ないと言っていた。

それは、羨望(ねたみ)、利己主義(エゴイズム)、

暴力、物質主義、人の不幸を望むこと、

(知的、感情的、物質的、性的な事に対する)無責任、

恩知らず、不機嫌、

それからぼくたちの全ての宗教が

そのおきての中で戒めていること。




ぼくは、ねたみと利己主義が

最初に挙げられていた事に

とても興味を惹かれた。

だってぼくたちにとって、

それはとても日常茶飯な事だったからだ。


ぼくたちは、シルクに

感動と感謝を込めて別れを告げた。




ビンカとぼくは、シャンバラで学んだ全ての事に、

とても強い印象を受け、大きな感動を覚えていた。

特に、ぼくたちの世界が思っていた程

ひどいわけじゃないという事や、

大きな変化の時期が訪れるのは、

そんなに先でもないという事が分かったのは、

大きな収穫だった。







アミ「でも、その変化が恐ろしいものじゃなくて、

何かしら美しいものであって欲しいなら、

自己を高めるための努力をしなくっちゃ」







…終わり






アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて (徳間文庫)/エンリケ バリオス




アミ 3度めの約束 3

2016-06-11 23:45:47 | Weblog
ビンカが地球に来てペドゥリートと一緒に暮らせるように

ビンカの保護者であるクローカおばさんと

ゴロおじさん(テリ)を説得に行きます。




まずは、ビンカ一人でクローカおばさんを

説得しに行くようアミは指示を出したのですが…

せっかちなビンカは、

クローカおばさんとゴロおじさんに

円盤を見せてやってとアミにせがみます。




困ったアミですが、

クローカおばさんが円盤を見たときの

ショックに耐えれるかどうかの許可を"上"に求めます。




リミットギリギリで、許可が下りたので、

中庭に強烈な光を照らし出し

円盤を視覚可能状態にしました。




円盤を見たクローカと光だけ見たゴロ。




少し聞く耳を持った2人に、説得を始めるビンカ。

空飛ぶ円盤、別の惑星の人、双子の魂、使命、愛の神…

このあまりに突飛な話をゴロは聞いていた。




しかし、そんな事を受け入れられる訳もなく、

PP(政治警察=ポリシア・ポリティカ)

に連絡した方がいいと言い出します。




見兼ねたアミが遠隔でゴロに話しかけ説得します。

このことは決して誰にも話してはいけない。

と、忠告もするのですが…




ゴロ(テリ)は、アミの忠告を聞かず

友人の精神科医(テリ)にビンカを引き渡し、

ビンカに催眠術をかけてしまいます。

そして、更にPPに電話をしようとした時、

アミは光線を使って精神科医を動けなくし

ビンカを救出します。

しかし、その光線で円盤は周りの人に目撃されてしまいます。




かけつけるPP。

捕らえられる精神科医と、ゴロとクローカ。







ここから、前回記事「サリャ・サリム」の続きになります。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12001128080.html








ビンカ「アミ、テリよ!見て!」




アミ「彼らは本物のテリじゃなくて、

文明世界の人たちなんだよ。

でも、未開惑星のキアで働けるように

外見を変えてあるんだ。

だから君たち、心配しなくてもいいよ」




その偽テリたちが、

PPの独房に捕らえられているゴロとクローカを

眠らせてから遠隔輸送で助け出してくれます。




そして、目が覚めた2人にアミが対面します。




アミ「あなたはPPの操作や尋問のやり方を

よくご存じないようですね」




ゴロ「バカにしないでくれ。

彼らの追求の厳しさは、誰だって知っておる。

ただ、それは犯罪者や反体制側の人間に対してだけだ。

罪のない人間に手荒な真似はしない。


わしは地道に薬局を営む、

尊敬に値する善良な市民だ。

やましいことなど何もない。

そんなわしが、

どうしてPPをおそれる必要がある?」




アミ「ちょっと、ゴロの友人の

精神科医の尋問の様子を見てみたいんだけど…」




なんの変哲もなかったただの壁が、

数秒後、長方形のスクリーンに変わった。

そこへ尋問を受けている精神科医がうつし出された。

素っ裸で、しかも全身ずぶ濡れのまま

(水責めでもされたんだろう…)

鉄のベッドに縛り付けられている。




アミ「あなたの友人もあなたと同じ、

尊敬に値する善良な市民で、

大学を出た立派なお医者さんです。

でもそんなことPPにとって何の意味もない。

特に宇宙人が絡むとなると、

PPは取り分け容赦がなくなる…」




ゴロ「…でも、それもわしらを保護するためなんだ…」




アミ「ゴロ、あなたは間違っています。

この国の政府は既に、

我々の本当の意図を知っています。

我々の意図がただキアの為になる

教育だとか情報だとか提供にあるという事を。

ところがこの国の政府は、

そんな美しい話はまるで信じられない。

そんな事、現実にありっこないって

決めつけいるんです。

彼らにとって、自分たち以上の者が

この宇宙に存在しているなどとは、

全く考えられないから、

ゴロ、あなたと同じように、

全ては我々のワナだと思っています。

それから政府は、我々の

ハイレベルな科学技術についても

それなりに気づいていて、

他国にその情報が決して漏れないように

精神を尖らせています。

何故だか分かりますか?

よその国々に、先取りされたくないんですよ。

国際社会で覇権を握れるかどうかは、

ひとえに、宇宙人の科学資産を

モノに出来るかどうかにかかっているものと

彼らは考えているらしい。

あなた達が連行されたのも、

全てはこうした政府の思惑があったからです」




アミ「じゃちょっと砂漠の地下にある、

例の施設の映像を出してくれるかな」




すぐまたあの長方形のスクリーンがあらわれた。




カメラは大勢の武装警備員(テリ)の立ち並ぶ、

物々しい雰囲気の廊下をいくつも通り、

分厚い壁を何枚も通り抜けて、

最後に大きな部屋に辿り着いた。

そこはさしずめ恐怖の博物館といった趣だった。

大きなガラスケースの中には、

異星人の死体が…液体漬けにされて、

あるいは冷凍されて、保存されている。

異星人の姿形は色々だ。

きっとあちこちの惑星から、

はるばるキアにやってきたんだろう。

それから円盤の残骸、衣類、

見たこともない様な機械、

何種類もの文字で書かれた書物の数々を見せて、

再び映像は消えた。




アミ「我々はあなた達よりも

ずっと進んだ文明に属していますが、

それでも完璧ではありません。

時には円盤が壊れることだってあるし、

不幸にも死亡事故を起こすことだってあります。

そうして、不時着した我々の仲間が、

この国の政府に捕まって拷問されたこともありました。

だから、ここの政府は、

とうの昔に我々のことを知っていました。

公表しなかっただけの事です」




続く…




前回記事「PP~政治警察」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12001536478.html





ゴロとクローカの指紋を

偽テリが消し去ってくれたおかげで

PPに身元が割れる心配がなくなり、

一行は円盤でビンカの家へと帰ります。




家に帰っても相変わらず

ビンカとペドゥリートの関係には反対なゴロ。




アミは、ビンカの地球行きの問題とは別に、

ビンカとペドゥリートを

連れて行かないといけない所があることを伝えます。

何でも本を書くには、1番重要な情報なのだとか。

そして、翌朝、ビンカを迎えに来る事を伝えます。




腹ペコのクラトとアミとペドゥリートは、

ペドゥリートのおばあちゃんが、

彼らのために夕ご飯を作って待っていてくれる

という情報をキャッチし、地球へ向かいます。







円盤は視覚不可能な状態で、

ペドゥリートの家の上に停止した。

3人は庭の暗闇に降りたった。

アミとクラトは取り敢えず隠れることにして、

ペドゥリート1人が玄関のドアをノックした。

おばあちゃんが出てきたので、

特に何の説明もしないまま、

おばあちゃんの耳に補聴翻訳機をつけた。

クラトとしゃべれるようにするためだ。

ちょっぴりおかしなアクセントはあるけれど、

アミはスペイン語を話せる。

ペドゥリートは2人に合図して、

三人そろえて"ばあーっ!驚いた?!"

なあんて言って大笑いしながらはしゃいでいた。




それにつけてもクラトときたら、

全く礼儀作法がなっていない。

誰も見てないときに庭からこっそり摘み取った

赤いバラを手にして、おばあちゃんに近づき耳元で

「わしは、宇宙をはるばる越えて、

わしの人生の愛を見つけに来ました!」

と、大声で言い、精一杯の笑顔を作りながら

バラの花を差し出した。




おばあちゃんは嬉しそうな表情でクラトを見つめ、

差し出されたバラを喜んで受け取った。

「ああ…どうもありがとう、

なんと親切だこと…さあ、どうぞ、どうぞ…

これは地球人にとっても、

宇宙人にとっても神は神だって証拠だよ…」




アミ「その通り。神はたった一つの存在です。

全宇宙の、そしてそこに住む全てのものの創造者だよ」




おばあちゃん「だから、

あたしの願いを叶えてくれたんだね…」




ペドゥリート「どんなお願い?」




おばあちゃん「今晩、

みんなと一緒に食事ができますようにってね。

神が地球だけのものだとしたら、

ペドゥリートは1人で帰ってきたはずだよ。

でも、ここにこうして、

アミとセニョール・クラトも来られた。

神は宇宙みんなのものだから、

2人についても権限がおありなんだね。

…おや、それはそうと、

あの女の子は来なかったのかい?

ビンカにはお許しが下さらなかったのかねえ…

ああ、そうだよ。

だってあの娘はまだ子どもだから。

聖シリロさま、まだわたしの願いは

完全には叶えられていません。

どうか、お聞き届け下さい。

…どうしたのかしらねえ、

今までこんな事なかったのに」




ペドゥリート

「神にお祈りするんじゃなくていいの?」




おばあちゃん「そう、でも聖シリロはあたしにとって、

神とお話しするための電話みたいなものなんだよ。

きちんと奇跡を起こしてくれるんだ…」


ペドゥリート

「どうして神に直接お願いしないの?」




おばあちゃん「ダメダメ。

神はとてもお忙しいから、

年寄りからの自分勝手な小さい願い事の電話なんか、

いちいち相手にしていたらご迷惑をかけてしまう。

でも、聖シリロは神の近くにいて、

神がいつお手すきなのかちゃんと分かるから、

その時あたしの願いを伝えてくれるんだよ…」




アミ「ブッ!

要するに、人はそれぞれ

自分の都合のいいところに限界を置くって事だ…

でもね、おばあさん。

ひと言言わせてもらうけど、

神は大きな電話局を持っていて、

宇宙にある魂全部からの電話を、

一度に、しかも直接受けることが出来るんだよ」




おばあちゃん「あたしだって、

それくらい知っているよ、アミ。

でも聖人や天使たちにも何か仕事をあげたいんだよ。

仕事がなくて、自分たちを役立たずなんて

思い始めちゃったりしたら可哀想だし…」




アミはそれを聞いて大笑いした。




おばあちゃん「さっ、食堂へ行きましょう」




食堂へ入った時、

ペドゥリートは家を間違えたのかと思った。

まるで祝宴の席のようだった…

レースのような白いテーブルクロス、

ごくごく薄い高級そうなグラス、

刺繍の入った布のナプキン、

火の灯されたロウソク、花、

それに綺麗な色の模様が入ったたくさんのお皿…。

"信じる"って、本当に凄い事なんだ!

おばあちゃんは、まさに

"信じる"という事を実践していた…。

お客様が来るなんて保証はどこにもなかったのに、

あれだけの用意をして待っていた。

そして本当にアミとクラトはやって来たんだから。




続く…




前回記事「信じること」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-12001960049.html





アミ「困ったことになった。すぐ円盤に戻ろう」




ペドゥリート「どうしたの?」




アミ「PP(政治警察)がビンカたち3人を、

いきなり装甲別棟に連行したんだ…」




ペドゥリート「エッッ!!

でも、どうして…誰も知らないはずなのに!」




アミ「運の悪い偶然だよ。

精神科医のところから、

ゴロとクローカを連行したPPの1人が、

たまたまゴロの薬局の近くに住んでいて、

ゴロの顔に見覚えがあったらしい。

そこから調べをつけていったら、

三人の身元が判明した。

で、ゴロの一家が寝ているところに踏み込んで、

緊急逮捕となった訳だ。

でも、心配しないで。

助け出す方法はあるからね」




クラトは、地球に残ることにしたので、

アミの円盤の技術によって

遺伝子操作し外見を地球人の様に変えた。




アミ「ぼくはこれから

PPの総司令部の地下に降りて行って

ビンカたち3人を助け出す。

ペドゥリート、きみはここに居て。

ここで円盤を操作するんだ」




ペドゥリート「アミ、

何を言っているのか自分で分かってる?

あんな所に行ったら、

きみは生きて帰ってはこれないよ。

しかもビンカたちまで連れて来るなんて、

ムチャもいいところだ」




アミ「ぼくのことは心配要らないよ。

これで身を守りながら行くから」




アミがひょいと計器盤のキーボードを持ち上げると、

引き出しがあらわれた。

その引き出しを開けると、

中からは一見エンピツのような、

金属でできた細長い棒が出てきた。

アミはそれを取り出して手のひらに乗せ、

親指でチョンと押した。

すると、棒はたちまち、

光を帯びて輝き始めた…

まるでちっちゃな太陽みたいに。




ペドゥリート「うわあ、なんてキレイなんだ!

それ何なの?アミ」




アミ「武器だよ、ペドゥリート」




アミは、その棒をペドゥリートに向けた。

棒の先っぽから金色の光線が飛び出して、

ペドゥリートの胸に当たった。

とたんに全身が甘く痺れ、

ペドゥリートは幸せな気分になった。




ペドゥリートの心の声

「人生って本当は、ひたすら

美しいものなんじゃないのかなあ。

不安や危険があるなんて、

きっと何かの間違いだよ…。

ふとアミを見やると、今度は急に、

彼が素晴らしい存在だってことが意識されてきた。

アミみたいに、大きく内的進化を果たした人が

今、こうしてぼくの目の前にいるんだ。

ぼくはなんてラッキーなんだろう!

アミはぼくを見て笑っていた。

その微笑みは、何者をも

引き込んでしまいそうな魅力があった。

ぼくも知らず知らず、微笑んでいた。

なんだか、とっても楽しかったんだ!」




やがてアミが、再びペドゥリートに棒を向けた。

今度は明るい緑色の光線が飛び出して、


ペドゥリートのカラダに当たった。

すると、ペドゥリートはいつもの現実へ、

日常の考えに戻った。




ペドゥリート「凄~い!アミ!

でも、大勢の敵がいっぺんに

襲ってきた時には、どうするの?」




アミ「そういう時には、こっちを使うのさ」




アミがさっきのとは別の棒を取って、

その先っぽを円盤の壁に向けた。

今度はガスライターの炎のような

濃い青い光が飛び出した。

それが壁に当たるや、

ピシッと高い音が響いて、

そこから何千ものちっちゃな金色の星々が

目にも留まらぬ速さで

円盤のそこかしこに飛び散った。




アミ「ハッハッハッ、

こっちは"散弾発射"だよ。

まるで花火みたいだろ?

この光に当たっても、何ら実害はないんだ。

それどころか、光が当たった人は、

"悟りを開いた"ような気分になれる。

いわば、努力の要らない解脱だ…。

もちろん、こうして棒を持っている人には、

なんの影響もないんだよ」




続く…







アミ 3度めの約束 2

2016-06-06 14:58:06 | Weblog
過去記事「神を汚すこと」の続きです

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11996960493.html





アミ「前にも説明したように、

キアも地球も同じような進化過程の途上にある。

第三水準から第四水準に移ろうとしているところなんだ。

こういう時には

より繊細で高いエネルギーが生まれて、

新しく放射が始まる。

そしてその惑星に住む生物は、

放射の影響を受けるんだ。

この新しいエネルギーが進化を早める。

進化についてはもう説明したけど、

覚えている?どういう意味だったか?」




ペドゥリート「うん、進化とは愛に近づくこと!」




アミ「その通りだよ。

だから、その新しいエネルギーは、

人間の自覚を促したり、

平和や団結といった

より高い次元の表現を助けるんだよ」




ペドゥリート「でも、

新しいエネルギーの効果のほどは、

まだあまりよく分からないね…」




アミ「そんなことはないよ。

進化のテンポは確実に上がってきている。

以前、人々はもっとずっと鈍感だった。

今はもう少し上手に、

愛について考えられるようになってきている。

おかげで、不道徳なものや、

愛に反したものは弱まり、

悪いものとみなされるようになり、

受け入れられにくくなり、

人の法や宇宙の法によって

罰せられたりする事だってある。

これは大きな進歩だし、

意識や理解や愛の増大なんだ。

新しいすぐれた文明に向けて、

変化が始まったんだよ」




ペドゥリートは、もう何もしなくても、

地球がオフィル星みたいになれる日は近いのかと思った。




*オフィル星については、以下の過去記事をご参考に。

過去記事「オフィル星」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11982058583.html


過去記事「地球を脱出した人々」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11982409113.html


過去記事「宇宙の基本法」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11982836708.html


過去記事「お金のない世界」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11983230929.html


過去記事「水がめ座の時代」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11983586586.html








アミは、ペドゥリートの考えをキャッチして言った。

「そんなにすぐって訳にはいかないよ。

だって、意識や理解や愛が増大して、

人々のハートや頭の中に

新しい世界が生まれつつある代わりに、

今まで人々のハートや頭の中にあった世界が滅びつつある。

でも、完全に消えてなくなるには

かなりの時間がかかるし、

それに本当に消えてなくなるかどうかも分からない。

古い世界って言ったって、

まだまだすごーいチカラを持っているんだ…」




アミ「君たち、世界の暴君を知りたいかい?」




ペドゥリート「どの世界の暴君?」




アミ「地球の暴君もキアの暴君も、

基本的には同じようなものだよ。

君たち両方の惑星の"文明"

…もし、そういう風に呼べるならだけど…

とにかく、それを支配している存在がいるんだよ」




ビンカ「キアには世界の暴君っていうのはいなくて、

それぞれの国に大統領がいるの…」




アミ「そうじゃないよ、ビンカ。

ちゃんといるんだ。

あのスクリーンを見てごらん」

「これから、その原型とも言える、

彼の姿を見てみよう」




ペドゥリート「何?その原型って?」




アミ「見れば分かるよ。

ただ言っておくけど、

これから目にするものは、

実際にはそういう姿をしていない。

でも、大抵の人がそういうイメージを持っているんでね、

でも本当は、それはあまり高くない力、

エネルギーの事なんだよ」




ひどく痩せていて背の高い人が現れた。

床まで届く赤いマントを着て、

顔は…後ろ向きだったので分からなかった。

歩きながら、だんだん遠のいていく感じだったけれど、

"カメラ"は、彼のすぐそばまでどんどん近づいていった。

突然、驚いたように男はこっちを振り返って、

ぼくたちをじっとにらんだ。

…気絶しそうなくらいびっくりした。

赤いマントの下は黒ずくめで、

男は氷よりも冷たい表情をしていた。

身の毛のよだつような眼差しで、

食い入るようにぼくたちを見つめてくる。

悪とか残酷とかを顔にしたら、

きっとこれ以上のものはないだろう…。

男の白目の部分は真っ赤な色をしていて…

そして、その青白い手には長い爪が生えていた…。




ビンカは小さな悲鳴をあげると、

後ずさりして後ろの方へ走って隠れた。




ペドゥリート「アミ、はやく!

それ消して!それ、ドラキュラだ!」




アミ「そうじゃないよ、

彼が世界の暴君なんだよ」

アミは笑いながらスクリーンを消した。




アミ「やれやれ、ビンカ、

出ておいで、もういないから」




ビンカ「本当に?」


アミ「本当だよ、ビンカ。

それに怖がる必要なんかないんだよ。

だってあの男は実際にここにいた訳じゃないんだからね。

あれは単に集団の無意識の中にあるものを

映してみただけの事なんだ」




ビンカ「その世界の暴君って何なんなの?

どこに住んでいるの?」




アミ「全ての人の意識の奥底に住んでいるんだよ」




ビンカ「じゃ、あの悪魔、

私の中にも住んでいるの?」




アミ「人の中には全てがあるんだよ。

全てがね!

愛の神から、

今見たような"悪魔"まで住みついている。

でも、それは一人一人の問題であって、

自分の水準に合わせて、

自分の中にある恐ろしいものなり、

美しいものなりを、

自分の人生で表現していくんだよ」




続く…





前回記事「世界の暴君」の続きです

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11998632314.html





ビンカの住む惑星キアで出会った老人クラト。

愛を手に入れる方法を羊皮紙に書いたクラト。

人里離れた山にひとりで住んでるゆかいな老人クラト。




アミとビンカとペドゥリートを乗せた円盤は、

ビンカの家に行く前に、

クラトに会いにキア星へと向かいます。







窓の外にビンカの惑星が大きく見えてきた。

そしてすぐに、その巨大な

青い球体の中へともぐり込んでいった。

そう、地球によく似た惑星、キア…。




数分後、モニターのひとつに、

憂鬱そうな顔で畑の中を散歩している

老人クラトが映し出された。




ペドゥリートは、彼を見てとても嬉しくなった。




灰色のマントを着て、一見、

聖書に出てくる聖人のようだった…

(と言っても、彼は聖人とは程遠いけれど)。




すぐにクラトの家の上空付近に着き、

前の旅の時と同じ地点に停止した。

操縦桿のランプは消えているから

周りからは(円盤が)

見えない状態になっているはずなのに、

前と同じように、

そこに住んでいる動物たちは、

彼らの存在を感じ取って、動揺を見せていた。

それはクラトにアミが来たことを

知らせる役目を果たしていた。




クラトの表情はガラリと変わって、

顔に赤みがさして輝いて見えた。

円盤の方を見て、嬉しそうに手を振った。

彼はアミがいつも視覚不可能な状態にして

空中に円盤を停止しておく場所を

ちゃんと知っていたのだ。




ペドゥリートたちは円盤を降りて

真っ直ぐ彼のところへ行き、

抱き合って再会を喜んだ。

トゥラスク(クラトの飼っている

地球にいる犬を大きくしたような動物で、

ダチョウのような首、ネコのような顔、

それに毛糸のような長い毛をしている)

は、長い首を上下に動かし、

ペドゥリートたちを舐め、

そして喜びのあまり遠吠えをした。

ペドゥリートもトゥラスクほど

表現豊かではないけれど、

気持ちは全く同じだった…。




クラト「君たちがいなくてとても寂しかったよ。

だからこれからはもうずっと、

君たちと一緒に住むことに決めたんだ。

テーブルに君たちめいめいの席を作ったよ。

毎晩、語り明かそう、ホッホッホッ!

さあ、中に入って、ちょっと見てごらん」




ペドゥリートには、クラトが

何を言っているのかよく分からなかった。




クラトは、小屋の中の丸いテーブルに案内した。

とても大きな木をバッサリと輪切り状にしたもので、

それが田舎風の木製の脚の上に乗っていた。

4つのイス、4つのコップ、

そして4つのフォークなど…。

どれも埃をかぶっていた。

1人分を除いては…。




クラト「どう?ここがアミの席だ。

わしの正面だよ。

子どもたちは隣だ。

この可愛い女の子はわしの右、

ペドゥリートはわしの左だ。

ここでなんと楽しい会話をしたことか、

発酵させたジュースを飲みながらね、ホッホッホッ!



でもビンカはわしのパイプの煙が嫌いだから、

もう吸うのはやめたんだ。

そうでもしないと、この子にこの小屋を

追い出されてしまうからね、ホッホッホッ!」




ペドゥリートの心の声:

これにはぼくも涙を誘われた。

クラトはぼくたちへの愛情から、

そして自分の孤独をまぎらわすため、

ぼくたちが一緒に住んでいるように想像し、

毎晩、まるでぼくたちがそこにいるかのように

夢想にふけり、ひとりで話をしていたんだ。




ぼくは何度も、クラトは果たして

ぼくたちのことを思い出しているだろうかと

考えたものだった…。




アミの目にもビンカの目にも、

キラリと光るものがあった。




ビンカ「それ、冗談なんかじゃないわ。

だって、わたし、

ペストソ(キアの言葉でタバコ)の煙、

とても我慢ができないの。

でも、どうして分かったの?」




クラト「なーに、単にわしの持っている

特殊能力のおかげだよ…ホッホッホッ」




アミ「本当にみんな、

彼と一緒だったのかもしれない…」




ビンカ「ペドゥリートとわたしが、

想像の中で毎晩一緒に居たのと

同じような感覚なのかしら?」




アミ「その通り!

それと同じような感じなんだ。

たとえ今、思い出せないにしても」




続く…



前回記事「愛を知る老人クラトとの再会」の続きです

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11998997596.html




ペドゥリート「クラトはぼくの世界で

とても有名だってこと知ってる?

例の羊皮紙だよ。

どうやって愛を手に入れられるかが書いてある…

覚えているだろう?

たくさんの子どもたちがあのコピーを配って回ったり、

学校の掲示板に貼ったり、

雑誌に出したりしたんだよ」




クラト「それ…ほんとう?…」




ビンカ「キアでも有名よ。

だって、わたしもペドゥリートと同じく

クラトのメッセージをわたしの本に載せたもの。

わたしの方も大成功よ。

3冊目の本では、はっきり

どこに住んでいるのか書くつもりよ。

そうなったら、たくさんの人が

クラトに会いに来るわ…」




クラト「ダ、ダメだよ。ダメ、ダメ」




ペドゥリート「どうして、ダメなの?」




クラト「もし、わしが人と会うのが好きだとしたら、

とっくに都会に住んでいるよ…」




アミ「クラト、ひょっとして

何かから身を隠していたいの?…」




クラト「身を隠すって?…わしが?

…ハッハッ、一体何から?

わしはただ孤独が好きなだけだよ…」




アミ「孤独が好きなら、

ぼくたちと一緒に生活することなんか

考え付かないだろう?

嘘つきクラト。

一体、何から隠れていなければならないんだい?

ぼくはよーく君の過去を知っているよ…」




クラト「エッ?!あー!…うわー!

忘れていたよ。じゃ、みんな知っていたのか?!

…で、でも軽蔑しないでくれよ…

うん、ありがとう、アミ、

…でも子どもたちにはそのこと、

言わないで!頼む…」




ビンカ「ダメ、ダメ、

わたし知りたくて仕方ないわ。

ねえ、何を隠しているの?

誰かを殺したの?

それとも、銀行強盗でもしたの?

それとも刑務所から逃げ出してきたの?…」




クラト「何てこと言い出すんだい、

わしは何も不正なことなんかしておらんよ、

これは子どもたちには関係ない!

早く、どっかあっちに行って遊んでおいで」




アミ「クラト、言ってやったら?

自分の罪じゃないんだから、

知ったからって子どもたちは

君を嫌ったりはしないよ」




クラト「で、でも…理解できるわけない。

無理だよ…」




アミ「本当にクラトは世の中のニュースを

全く知らずに生きているからね」




クラト「ニュース?

ニュースなんか結構だよ。

気が滅入るだけだからね。

わしにはこの素晴らしい畑や酒蔵、

それからこの周囲の風景だけで充分じゃ。

他に何もいらない」




アミ「確かにそうかもしれない。

でも、いくらなんでも世界で起こっていることを、

あまりに知らなさ過ぎるよ」



クラト「うんざりだよ。

戦争、殺人、汚職、スキャンダル、新しい病気…

いつも同じだよ…全くうんざりだ」




アミ「その通り、でも生命推移にも

目覚しいものがある。

例えば、最近では数千のテリが

スワマへと変わっているんだよ」




~キアには2つの人種がいて、

ひとつはスワマ(ビンカはこっち)、

もうひつとはテリ。

テリは、ゴリラみたいな毛むくじゃらの巨体で、

おまけにひどく野蛮で乱暴ときた。

敵同士で分かり合えない人種だけど、

ビンカのおばさんはスワマで、

ゴロおじさんはテリだったりと、

個人レベルでは、時には

スワマとテリの間でも

夫婦になっている人たちもいる。~




クラト「エッ‼︎‼︎…(ゴクン)」




ビンカ「クラト、

こんな大っきなニュースなのに、

知らないの?」




クラト「ま、まさか…冗談言っちゃダメだ、

わしをからかっているんだろう?」




アミ「わざわざ、人をからかうために

数兆キロもの旅はしないよ。

われわれはクラトに会って、

そのついでに科学が発見した

最新のトップニュースを

知らせようと思ってやって来たんだ。

つまりスワマとテリとは同じ人種であり、

全てのテリはこの人生で、

そうでなければ別の人生で、

遅かれ早かれスワマに変わるはずなんだよ。

ちょうどクラトがこの人生で体験したようにね…」




ビンカ「じゃ、クラトはもとテリだったの‼︎‼︎

わたし、なんてラッキーなんでしょう。

テリからスワマに変わった人と

直接知り合ってみたいって、

ずっと前から思っていたの!」




アミ「クラトはただ、テリからスワマに

変わったってだけじゃないんだよ、ビンカ。

なんと彼は、

現代で最初にスワマに変わった人物なんだ」




ビンカ「なんて素晴らしいんでしょう、

わたしまだ信じられないわ!」




クラトはまるで別世界にいるようだった。

狐につままれたようで、

何を言っているのか分からず、

彼らの顔をただ見回していた。

彼自身、ずっと深く思い隠してきた

自分の"ひどい罪"、"大きな恥"、

"恐ろしいほどの秘密"がこんなに

快く受け入れてもらえるとは

全く期待していなかったのだ。




続く…



過去記事「クラトの秘密」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11999005614.html





アミとペドゥリートとビンカとクラトを乗せた円盤は、

キア星の山岳地帯に向かった。




アミは誰かとマイクで話した後、

やがて円盤を大きな山に向けて、

一直線に飛ばした。

そのスピードはすさまじかった。

山が、大きな岩塊がどんどん

目の前に激しく迫ってきた。




ビンカ「キャー! ぶつかる!!」




クラト「ストップ!ストップだ!

こんなに若くしてわしゃまだ死にたくない…ホッホッホッ」




アミ「こわがることはないよ。

今からこの山の内側に入るけど、

心配は無用だからね」




あとほんの数秒で円盤は山腹の斜面に激突する!

3人は覚悟を決めて目を閉じ、

無意味にも両手で顔を覆った…。




…でも何も起こらなかった。

おそるおそる目を開けた。




窓の向こうに広がる風景を見たとき、

ペドゥリートは口がきけないほど驚いた…。




アミ「さあ、着いたよ。

サリャ・サリムという名の都市だ」




円盤は、大きな飛行場に静かに停止していた。

周りには、いろいろなタイプの円盤が停止していた。

遠くの方には、

前の旅で文明世界へ行った時に見たのととてもよく似た、

大きな未来建築物が見えた。

透明で小さな円盤がいくつも、

都市の上を思い思いの方向に向かって飛んでいく。




ビンカ「ここはキアじゃないわ!」




クラト「もちろん、キアじゃなかろう。

山にぶつかったショックで、

あの世にでも来ちゃったのかもしれんな。ホッホッホッ」




アミ「クラト、われわれは、

どんなものとも衝突しなかったよ。

あの岩盤を通過して、山の下の

ずっと奥に隠されているこの基地に来たんだ。

ここは以下の地中深くにある、

惑星内部の基地なんだよ。

ここに来るための秘密の入り口がいくつかあるんだけど、

さっき、その内の一つを通ってきたんだ。

もちろん岩盤のようなかたい物質を通過するには、

円盤の振動数を上げなきゃいけないけどね」




ペドゥリートは、頭の上を見上げてビックリした。

だって、今は、地中深いところにいるんだから、

そこには当然、空の代わりに真っ黒な岩盤があるはずだった。

でもそうではなく、

本当の戸外にいるのと何ら変わらない

美しいブルーの空が広がっている。

そして、光り輝く太陽もあった…。




アミ「本当の空じゃないんだ。

これは人工的に作られた丸天井で、

このずっと上にある外の空を投影しているんだよ。

外が晴れていれば、ここも同じように晴れる。

夜も全く同じなんだ。

でも、分厚い岩の層で保護されているから、

外のような危険はないんだよ…」




ビンカ「保護されている?」




アミ「また驚いているんだね。

うん、山が崩れてきて、

生き埋めになっちゃったらって…

なるほどね。

でも、ちょっと考えてごらん。

この丸天井を覆っている物質は、

外の風景をうつし出すだけじゃなくて、

落盤を食い止める役割も果たしているんだ。

数キロにも渡って丸天井を覆い切ってるし、


厚さは1メートルもあるんだよ…

どう、少しは安心した?」




ペドゥリート「たった1メートル?

それじゃ壊れちゃうよ!」




アミ「それは取りこし苦労っていうものだよ。

君たちの惑星にある原子爆弾でも、

この物質を1ミリだって壊すことは出来ないんだからね。

それに見てごらん。

丸天井はたまご形になっているよね?

たまご形っていうのは、

自然の中で一番耐久力のある構造なんだ。

たまごをクギで潰そうとしてみたことあるかい?」




ペドゥリート「うん、ぼく、やったことある。

でも、出来なかったよ」




アミ「それに、ここは外よりずっと安全なんだよ」




ペドゥリート「どうして?」




アミ「ここはすべてが自動的に調整されているから、

天候の変化にも、気温の高低にも影響されない。

隕石や大竜巻や台風の危険もない。

それに太陽の紫外線や放射線みたいな

有害物質も届くことはない。

その上、テリはこういう基地があるなんていう事を、

夢にも思ってないんだよ」




ビンカ「ここはどこなの?

どうしてたくさんの円盤のある別世界の都市が、

わたしの惑星の中にあるの?」




アミ「こういった基地とか小さな都市は、

進歩の度合いによらず、

人間のいるところならどの世界にもあるんだよ…」




ペドゥリート「じゃ、地球にも

これと同じような都市がひとつくらいはあるの?」




アミ「ひとつどころじゃないよ…」




続く…




アミ 3度めの約束

2016-06-05 22:28:22 | Weblog
前回記事「アミの両親」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11987295427.html?frm=theme


でアミの両親が話してくれた内容は、

どっしりと読み応えがありましたね。




ここからは、いよいよ3部作目です。




「アミ 3度めの約束 愛はすべてをこえて」

双子の魂である少女、ビンカが恋しい…。

地球でひとりアミの迎えを夢見るペドゥリート。

待ちに待ったアミが来た!

しかし3度めの旅は、

解決しなければならない課題と困難が山積みだった。

地球に住むすべての人に贈る"愛"の三部作、完結。







ペドゥリート

"ねえ、アミ、お願い。

どこにいるのか知らなけれど、

ぼくの頭に周波を合わせて、

ぼくに会いにきて!

ぼく、どうしてもビンカに会いたいんだ"




ペドゥリートは毎晩、

アミと会う待ち合わせ場所の岩の上に座り、

マインド(頭)を通してアミに話しかけた。

でも全然手応えがなくて、

ひょっとして、この夏はアミは

来ないんじゃないかと失望しかけた時、

アミからメッセージが届きます。




"あした 林で待っている アミ"




ペドゥリートが林に行き

空き地に座ってアミを待っていると、

アミが後ろからそっと近づいてきて、

ペドゥリートの目を隠して

"わたしはだーれ?"なんて

言うかもしれないと想像しました。

そして本当に、

誰かがペドゥリートの後ろから近づいてきます。

目を閉じてじっとしていると、

思った通り温かな手がペドゥリートの目を覆います。

しかし何も言わないアミ…。

その時、ペドゥリートは

全く予期していなかった香りと振動を感じ、

飛び上がらんばかりに驚き、

そして感動します。




ビンカのにおいだ…!




こうして再会を果たすふたり。




しかし、残念なことに、

ペドゥリートよりもビンカの方が

背が高くなっていました。




みじめな気分になるペドゥリート。

しかし、ビンカはそんなこと全く気にしていません。




アミ「本当の愛とは、肉体ではなく、

魂に関わることがらなんだ。

だから、肉体の外観だけに惹かれた

愛情というのは長くは続かないんだよ。

ちょっとしわが出来たり、

ちょっと体重が増えたり減ったりしただけで

もう愛情がなくなる。

これは愛じゃない。

外側の魅力に惹きつけられた

その時だけの愛情だから、

深さも力もないしね。

本当の愛には、

背の高さとか年齢とか見た目なんかは関係ない。

本当の愛っていうのは、

魂と魂の間に生まれるものなんだ。

つまりその人が放射する

エネルギーを愛するってことなんだよ。

だって、そのエネルギーが

その人のことを一番良く教えてくれる

内的なものなんだからね。

だから、この段階の感情には、

もう距離も時間も存在しない。

死でさえも、その愛を

邪魔することはできないんだよ」




ペドゥリートは思い出します。

「そうなんだ。

今ではもう、ぼくの心の中には、



いつだってビンカがいる。

それに毎晩のようにぼくは、

想像の中でビンカに会っていたんだ…。

その想像のデートはあまりにもリアルで、

本当に彼女と一緒にいるような、

一体になっているような気がした。」

ビンカも全く同じ様に感じていたと言います。




ビンカは感動に目を潤ませぼくを見た。

ふたりとも、自分たちを結びつけている愛こそが、

アミの話す愛なんだって知っていた。

ぼくたちはまた抱き合った。

するとたちまちあの時間の止まった、

ぼくたち以外のものをみんな忘れてしまう

次元の中に入り込んでしまった。




アミ「その"無意味ないちゃつき"は

感染しやすいよ」




その時、あたりに色とりどりの

沢山の蝶がヒラヒラと飛び回っているのに気づいた。




ビンカ「小鳥たちまで

とっても元気にさえずっているわ」




注意して見ると、

松林全体が歌ったり、踊ったり、

小鳥や虫や花々が、

まるでぼくたちの幸福を

祝ってくれているかのように

色彩のコンサートを繰り広げていた。




アミ「君たちの幸せに誘われたんだよ」

ビンカ「なんて、素晴らしいの!」




アミ「これは君たちの発した高い振動のせいだよ。

もう分かっているように、

愛は宇宙で最も高いエネルギーだからね。

だから、この全ての光り輝いた"ダンス"は

君たちの発している"音楽"のせいなんだよ…」




ビンカ「ああ、つまり、

愛は引き寄せ、喜びを生み出すんだわ…」




アミ「その通りだよ。

生き物はみんな、自然と宇宙の

愛の方へ向かう傾向があるんだよ。

愛はぼくたちの源だからね。

だから、愛がないと遠のいていくんだよ」




ペドゥリート「不愉快な人が

どうして不愉快なのか分かった。

それは彼らが愛を発していないからなんだ…」




アミ「だって、不愉快な人というのは

自分の心を開くことが出来ないか、

開こうとしない人たちの事だからね」




続く…





前回記事「本当の愛とは」の続きです

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11996092909.html





アミ「君たちは一人ぼっちでいると、

人生の魔法や、その一瞬いっしゅんに

込められた素晴らしさに対して

心を閉ざしてしまうんだよ。

こうして、人生を楽しむことを見失ってしまうんだ。

"彼か彼女が自分のそばにいなければ、

幸せになりたくない"

と言っているようなものだよ。

喜びの代わりに悲しみを選ぶなんて、

愚かだとは思わないかい?」

「でも、中には一人だろうと二人だろうと、

いつも喜びの方を選ぶ人だっている。

こういう人は確かに賢者だよ。

誰にも、何にも、頼ることなく

幸せになれるんだからね。

どんな中毒にもなっていない」




ペドゥリート「中毒?」




アミ「そう、だって、何かに、

或いは誰かに依存しすぎるって言うのは、

それが例え双子の魂でも、

お母さんでも、子供でも、おばさんでも、

猫でも、好きな虫でも何でも良くない事だよ。

だって、それは人々を奴隷化して、

魂の自由を奪ってしまう事になるからね。

でも、魂の自由なしには、

本当の幸せなんてあり得ないからね」




ペドゥリート「じゃ、愛は中毒なの?」




アミ「もし、幸せになるのが

他の人次第だとしたら、そうだよね」




ビンカ「でも、それが愛というものよ?」




アミ「それは執着だよ。

依存だし、中毒だよ。

本当の愛は与えるものだよ。

愛する人の幸福に、幸せを感じられることだ。

いつも自分のそばにいる事を強要したり、

独り占めしたりすることでなくてね。

でも、君たちはまだそういった事を

理解するには幼すぎる…」




ビンカ「アミ、ひとつとても

重要な質問をするわ、いい?

ねえ、もう、私たちがこれ以上

離れ離れにならない方法ってないの?」




アミ「それは大人次第なんだよ。

一緒に住むためには、どちらかが

自分の住んでいる世界を最終的に捨てて、

よその惑星へ行かなければならない。

そうだろう?」

「ぼくがそれを手伝おうとすると、

二人ともまだ子どもだから、

自分の世界を捨ててよその惑星へ行くには、

保護者の許可書を銀河系当局に

提出しなければならない」




ペドゥリート「上の世界の当局も、

下と同じように堅苦しいんだなあ…」




アミ「うん、確かに

"上もそうなら、下もそう"

とはよく言うけど本当の事だ。

でも、いくらか違いがあるよ。

君たちの世界では書類だけが重要だけど、

"上"の世界では愛が最も重要視されるんだ。

銀河系当局は、名字でも、

血液型でも、書類でもなく、

誰がその子を一番愛しているかという事で、

子どもの"保護者"とみなすんだよ」




ペドゥリート「ああ、その方がずっと公正だね」




アミ「ペドゥリート、君の場合、

君に許可を与えられるのはおばあちゃんだ」




ビンカ「私の場合は、アミ?」




アミ「クローカおばさん。

でも彼女は結婚したばかりだ。

君の新しいおじさんも

君にとても愛情を持っている。

だから彼も"保護者"とみなせるね。

で、どうなの……君たち、

その許可を取れると思う?」




ビンカ「多分、私のおばさんは

全く問題ないと思う。

だって結婚してからは、

私のことなんかまるで眼中にないんだから、

でも、私の新しいおじさんの方は、

ちょっと簡単にはいかないと思うわ。

ゴロおじさんはとてもいかめしくて、

きっちりした生活習慣を持っていて、

彼なりの責任というものに

とてもこだわりを持っている人なの。

何か、とても道徳的で、

正式の教育を私に与えたいと言って、

私の勉強や時間の過ごし方を

おばさん以上に見張っているの。

だから、もし、全て本当のことを言ったなら…」




アミ「彼らは全て本当のことを

知らなければならない。

愛に関することだからね。

愛はなんだったっけね?」




ペドゥリート・ビンカ「愛は神だ!」




アミ「その通りだ。

だったら愛の領域においては

不正があってはならないだろう。

だから、その許可をキレイな形で

手に入れなければならない。

それに君たちは愛し合っているのだから、

尚のこと不正があってはならない。

少しでも不当な行ないをすれば、

その愛はもう神聖さをなくしてしまうからね。

愛が嘘とかペテンとか

裏切りとかによって汚れた時、

神はもう魔法や幸せを与えなくなってしまうんだ」

「でも、どんなに素晴らしい関係だって、

ケンカや不平不満だらけの

レベルの低いものに成り下がるのは

あっという間なんだ。

ほんのちょっとの嘘や隠し事が原因でね。

元に戻そうとしたって、

なかなか上手くいくものじゃない。

傷はいつまでも残るんだ。

これが不正を伴った愛の結果で、

"神を汚す"ということなんだよ」




ペドゥリート「うわ……」




アミ「愛とは神からの恵みなのだから、

それをいつも尊重し、

大切にしなければならないという事を、

残念ながら人々は忘れがちなんだよ」




続く…




もどってきたアミ 2

2016-06-03 15:27:23 | Weblog

前前回の記事「宇宙進化計画」の続きです。
http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11984910494.html





アミ「いつまでも、君たちは、

宇宙の兄弟とバラバラでいる訳には

いかないということだ。

不正や暴力や分裂から脱した時、

そして宇宙の最も大切な原理である

"愛"に対する無知を脱した時には、

"親交世界"に仲間入りできるんだよ。」




司令官「もしも、何も

変わったことが起こらなかったとしたら、

数千年の歳月が必要かもしれない。

あるいは、決して変わらないかもしれない。

でも、今、近づきつつある現象は、

どんな説によっても満足な説明がされない。

その時には、我々の言った言葉を、

そして同時に、昔の師や今の師によって

表された言葉を思い出すべきだ。

差し迫った破壊から、

唯一君たちを救う方法は、

愛の普遍性ー(愛が全宇宙で

1番重要なものであるということ)

を知ることであり、

愛によって君たちの人生の全てが

支配されているという事を理解することだ。

もし、それに従わなかったならば、

生きのびることは出来ない。

我々は、ただそれに値する人たち

だけを救出することになる。

"麦"は"毒麦"と分けられる。

(マタイによる福音書13章25-30節)

我々が奉仕しているこの計画は、

永遠の時から創造主によって

考案され公布された神聖な計画だ。

そして、我々はその執行者という訳なんだよ。」

「我が親愛なる子どもたちよ、

これで全てだ。

では、これから、

この惑星のこの地点で

膨大な人命の損失を防ぐための

仕事を指揮しているキャプテンに、

バトンタッチしよう。」




キャプテン「目の前に迫っている

大地震の規模をどうやって抑えているのか、

その作業を見学してもらおうと思います。」




司令官「あ、そう、それから、

君たちはいつも保護されている

という事を忘れないように。

私たちがいつも全ての危険から

君たちを守っている。

だから決してこわがらなくていい。

でも分別をこえた行動に対しては

我々は何もできない。

我々の保護できる範囲にも

限りがあることも知っておかなければならない。

それから私のメッセージを

君たちの本に書くことも忘れないように。

もし、我々に許されるなら、

この宇宙船からスピーカーを通して、

また君たちのラジオやテレビの放送を通して、

きちっと知覚化できる形で

声を大にして宣言したいところだよ。

でも、残念ながらそれは許可されていない。

ただ我々の友愛の言葉を、

既に目覚め始めている君たちの

特別な内的なチャンネルを通して

送ることしかできない。

まさに進歩し救済されるためには

どうしても発達させなければならない

この内的な感覚を通してね。

そしてこの感覚が未だ充分に

発達していないことが、

我々が公に姿を現わす事が出来ない

もうひとつの大きな理由でもあるんだよ…。

そのことをよく感じ取って欲しい。」




エレベーターの扉の前まで来て

司令官が最後に言った言葉はこうだった。

「私の愛する上の兄弟が、

君たちの世界の苦しみ悩んでいる

全ての人々にその大きな愛を伝えるように、

と私に依頼してきている。

そして人類が出現した日から、

1日たりとも休むことなく働いているという事、

そしてそれは人類が平和で幸福に

暮らせるようになるまで、

続けられるという事を知って欲しい

と言っている。

だから、君たちも休んでいてはダメだ。

なぜなら君たちは皆、

神の手であり、口でもあるのだからね。

じゃ、また。元気で。」




続く…


前回記事「司令官のメッセージ」の続きです。
http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11985772737.html





キャプテンの巨大な鉛板に乗り込む

アミとペドゥリートとビンカ。




キャプテン「ここで地球の

地質保護の仕事を指揮しています。

別の円盤には、また別のキャプテンがいて

違った使命に携わっています。」




キャプテン「ここが操縦室です。」

スクリーンや様々な装置、

配電盤などが所狭しと並んだ

とても大きな部屋に入った。

多分、色々な惑星から来ているのだろう、

容姿の異なった人々がたくさん働いていた。




キャプテンの指令で円盤は振動を始め、

数メートル浮上すると、

そのままゆっくりと横の方へ移動した。

それから母船の床にあいた穴を下って水の中に出た。

母船から数km離れたところで、

ビックリするようなものが目に飛び込んできた。

黒い大きな割れ目が海底に

ポッカリと口を開けて僕たちを待っていたのだ。

間髪入れずに円盤はその真っ暗な

闇の中に向かって滑り込んでいった!

端から端まで、ひとつの山が

スッポリ入ってしまいそうな大きさだった。

不気味に突き出た黒い岩盤。

円盤はその中をどんどん進んでいった。

ずっと奥の方に行くと、

その巨大な割れ目は何かで削り取られたような

ほとんど磨かれたような完全に丸い

トンネルに変わっていた。

穴はとても大きくて、

巨大な円盤も楽々と入ってしまう。

まるで土木技師が作ったようだった。




アミ「このトンネルは

我々のエンジニアが作ったものだ。

大陸ではプレートのぶつかり合う

危険性の高い地点に向かって

作られているんだ。」




ビンカ「え?!何?その大陸…なんとかって」




アミ「大陸プレートだよ。

大陸っていうのは、

ちょうど岩で出来た"いかだ"の上に

乗っかっているようなものなんだ。

それを大陸プレートと言うんだ。

それはゆっくりと、お互いに押し合うんだよ。

ちょうど今、ここで起きているように、

時には大陸同士がぶつかる方向に

動いたりしてね。

もうすぐその蓄積されたエネルギーによって

プレートの一部が破壊される。

それによって引き起こされる振動が、

地球の表面に地震となって現れるんだ。

彼らは今、ここでその震度を

小さくするための作業をしているんだ。」




しばらくトンネルを進むと、

度肝を抜かれるような光景が

眼前に広がっていた。

僕たちは、想像を絶する

巨大スケールのドームの中にいた。

円盤がおよそ50ぐらい、

強烈な光を放ちながら

その空洞の中に停止していた。




キャプテン「プレートの衝突点の

岩盤に光線を当てて砕き、

粉にすることによって

緊張を少しずつ弱めているんです。

それでも地上には地震となって現れるけど、

震度はずっと小さくなるんです。」




キャプテンが指令を出すと、

全ての円盤から眩しい緑色の光線が

上の方へ向かって一斉に発せられた。

同時に激しい振動が床に伝わってきた。




アミ「このスクリーンを見てごらん。」

そこには都市や町や村や

人里離れた場所の景色がうつっていた。

また、いくつかの家とその内部で

眠っている人たちの姿がうつった。




アミ「この人たちはこの計画に選ばれているので

保護してあげなければならないんだ。」

ペドゥリート「でも彼らはそれを知っているの?」

アミ「もし知っていたとしたら、

とっくに外に飛び出しているよ。

我々が危険を知らせてあげているはずだからね。

でも、この計画に選ばれていることは、

今のところ全く知らないでいる。

揺れが近づいてきたよ。

怖がらずに見ていてごらん。」




緑色の光線が黄色に変わり、

やがて目のくらむ白い光に変わった。

その瞬間、地下の数百万トンもの

岩盤がぶつかったような、



それこそ耳の鼓膜が破れそうなほどの凄い音がした。




スクリーンには地震のありさまが

うつし出されていた。

倒れた電柱、大きく枝を揺すっている木々、

家から外へ飛び出した人々…。

同時に円盤の上にたくさんの

砕かれた岩やその破片が落ち始めた。




アミ「少しも怖がることはないよ。

我々には全く危険はない。

ほら見てごらん。

もう揺れはおさまったよ。」




ビンカ「どうやってここから抜け出すの?」




キャプテン「決して怖がる必要はないよ。

砕けた岩石の中でもこのまま進めるんだよ。」




アミ「表示盤によれば、まだまだ

たくさんのエネルギーが溜まっている。

明日、また同じ作業を繰り返さなければならない。

もし、自然のままに一度に全部の

エネルギーが放出されたら、

とんでもない大震災になりかねない。

小さな地震を何ヶ月にも渡って繰り返すことで

少しずつエネルギーを放出しているんだ。

それでも全ての大地震を避けられるわけではない。

大都市のような人口密集地帯では、

小さな地震を起こしながら、

最も人口が少なくなる時間帯に

大震災が起きるように調節することで、

少しでもその被害を

小さくするようにしているんだ。」




続く…


前回記事「地震から地球を守る仕事」の続きです

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11986194776.html





アミとペドゥリートとビンカは、

ビンカが住む惑星キアへと向かいます。

そこで、愛を知る老人クラトと出会います。




クラトは人里離れた小屋で動物たちと

陽気に暮らしていました。

そんなクラトが"愛を手に入れる方法"を

羊皮紙に書いていて、

それを見せてもらい、アミが翻訳してくれました。







***




愛とは意識の繊細な一成分のことである。

それは存在の深い意味を教えてくれる。

愛は唯一の合法的な"麻薬"でもある。

間違って、愛が生み出すものを

酒や麻薬の中に探す人もいる。

愛は人生において最も必要なものである。

賢者はその秘密を知っていて、

ただ"愛"だけを探した。

他の人はそれを知らないから、

"外"ばかりを探した。




どうやったら愛が手に入るかって?

愛は物質ではないから、

どんな技術も役に立たない。

それは思考や理性の法には支配されていない。

思考や理性の法が愛に従っているのだ。

愛を手に入れるには、

まず愛が感情ではなく、

存在であるということを知ることだ。

愛とは何者かであり、

存在している、生きている精神である。

だから、我々の中で目覚めると

我々に幸福を、そして全てのものを

もたらすものーーー。




どうしたら愛が来るように出来るのか?




まず最初に存在していることを信じること

(愛は見ることは出来ない。

ただ、感じるだけだから。)

(それを神と呼ぶ人もいる。)

それが出来たら心の奥底にある住まい、

つまりハートに探すことだ。

それは既に我々の中にいる。

呼ぶ必要はない。

来てもらうように願うのではなく、

ただ自由に出るようにさせてやること、

人にそれを与えてやるようにすることだ。




愛とは、求めるものではなく、

与えるものなのだ。




どうやったら愛が手に入るかって?




愛を与えることによって




愛することによって




***







アミは、ペドゥリートとビンカの双子の魂は、

それぞれが今住んでいる惑星にいると言って、

ふたりの仲のことを禁じていましたが、




双子の魂への罪の意識もありながらも、

次第に惹かれ合うふたり…




そしてお互いが見た

双子の魂について語り合った時、

なんと、あの時見た女の子は

ビンカであったことを知るのです。




ビンカ「アミのウソつき!」




アミ「ただ君たち自身で

発見して欲しかっただけなんだよ。

だってその方が良かったろう?」

「例えばもし、

"君のパートナーを紹介するよ"

なんて言って紹介したとしたら、

何か避けられない関係みたいに感じたろうし、

それに驚きも感動もないよ。

この方がずっと自然でいい。

わざと障害物を置いて、

果たして乗り越えられるかどうか

試してみたんだよ。

でも、ふたりとも上手にやってのけたよ。」




ペドゥリート「あの"バラ色の世界"

での出会いはいつのことなの?」




アミ「何度も一緒になったり




別れたりした後のことだよ。

これから君たちは未来に向かう人生の中で、

その都度その都度お互いを探し合い、

その度に出会うようになるんだ。

そうした何度もの出会いの後で

バラ色の世界に住むようになるんだ。

そして、最後にはふたりは合体して

ひとつの存在となる。

そうなったら完全だ。

今はまだお互いにひとつの存在の半分でいる。

離れながら進歩・進化していくんだ。」




ビンカ「じゃ、今は別れなくちゃいけないの?」




アミ「そうだよ、ビンカ。

君はすぐにキアに戻らなければならない。

ペドゥリート、君は地球にね。

君たちは使命のことを決して忘れちゃダメだよ。

君たちが自分たちの惑星の兄弟に

奉仕しなかったとしたら、

それはエゴのあらわれだ。

エゴイストは良い水準に達していない。

良い水準に達していない人は、

双子の魂に出会うことができない。

これは、"褒美"なんだよ。

より進んだ世界に住めるようになるのと同じで、

それぞれが努力して

勝ち取らなければならないものなんだ。

もし君たちが愛に奉仕しなければ、

その分だけますます運命は、

君たちが出会いから遠のいていくように働く。

反対に他人に対して早く役立つようになれば、

出会いはより早くなる運命にあるんだ。」




ペドゥリート

「別れなくちゃならないのはツライよ…」




アミ「そんな事はないよ。

もうお互いに補い合うパートナーが

いるってことは知っているんだ。

思い出して待つことが出来る。

それに話すことだって出来るんだ…」




ペドゥリート「えっ?どうやって?」




アミ「ふたつの魂が愛によって結びついた時には、

コミュニケーションはもう

時間や空間に支配されないんだよ。」




それでも、別れたくないと

ダダをこねるふたり。




アミ「いいかい、進歩するということには、

執着を乗り越えることを

学ぶということも含まれているんだ。

だって精神はいつも自由を求めているからね。」




ペドゥリート「でも僕たちは

愛し合っているんだ…。」




アミ「本当の愛は執着とは違うんだよ。

お互いに束縛し合ったりなんかしないんだ。

本当に愛し合っている人は、

いつも一緒にいる必要はない。」




続く…

前回記事「愛を知る老人」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11986494426.html





アミは、ペドゥリートとビンカに

録画されたスクリーンの映像を見せます。




地球やキアにとてもよく似た世界。

人々も様々な人種まで地球人にそっくりだった。




ある主要都市にある巨大な建物の入り口に、

たくさんの人々が集まっていた。




アミ「今、君たちは

歴史的な瞬間に立ち会っている。

たった今、この惑星の世界政府が

成立したところなんだ。

各国から選ばれた代表者は

普通の政治家とは違うんだ…」

「宇宙計画の奉仕者たちだよ。

この世界では今、宇宙の法、

神の法による統治が始まったところなんだよ。」




ビンカ「素晴らしいわ!とっても。」




アミ「このグループは宗教界や

精神界において活動するグループをはじめ、

生態学者や平和主義者から構成されている。

彼らが、全ての文明世界で実践されている

兄弟愛に基づく共同生活を提案したんだ。

そして人々が彼らの言うことを

信じることにしたんだよ…

もう他には全く選択の道がなかったんでね…」




ペドゥリート「どうして?」




アミ「世界的な規模の経済恐慌があったんだよ。

それと並行しておびただしい数の核実験や

環境汚染、そして地下資源の過剰乱開発。

生態系の不均衡が起きて、

機構の異変が農産物を侵し始めていた。

そして新しい伝染病やペスト、疫病、

さらに世界各地でたくさんの戦争があった。

社会システムの対立が原因で

引き起こされた戦争もあれば、

国境をめぐる戦争、

異なった宗教間の戦争もあった。

全てのお金が戦争に注ぎ込まれ、

飢餓や貧困、恐怖が世界中の

いたる所に生み出されていた。

人々はもうウンザリしていたんだよ。

そんな世の中にね。

そしてこの集団狂気を何とか

食い止める可能性のある道が、

ひとつだけ残された。

そんな訳で、みんなの合意を得て

平和的にそれを試みることにしたんだよ。」




アミ「今ちょうど世界政府の新たなる法が、

執行されるところだよ。」

全ての都市の何千、何万という人々が

膨大な量の戦争兵器の前にいる。

小銃、機関銃、大砲、その他

あらゆる破壊的な武器が山積みされている。




大きな炎が金属を溶かしていた。

港では戦艦を輸送船に、

空港では戦闘機や爆撃機が旅客機に、

戦車はトラクターにと、

作り変えられていた…。




ペドゥリートはそれを見て、

預言者イザヤの言葉を思い出した。




"…そして彼らは、その剣を鋤の刃に、

その槍をカマに打ち直し、

人々は人々に向かって、剣を上げず、

二度と戦いのことを習わない"

(イザヤ書2章4節)




炎が金属を溶かしている間、

人々は感動に打ち震えながら

ある歌を合唱していた。

そして、多くの人々は熱い涙を流していた。

まさに友愛と平和の象徴的な場面だった。




空に何千、何万という輝く飛行物体が現れ、

円を描いて炎のまわりを飛び始めた。

人々は感動と喜びの挨拶を送っている。

いくつかの円盤は下降し、

搭乗員が円盤から降りて、

破壊と暴力を永久に放棄した

その惑星の人々と合流して

喜びを分かち合っている。

空からの訪問者が拡声器を通して

地上の群衆に向けて話し始めた。

「この惑星の皆さん、

今日の記念すべき行事は、

宇宙からの建設的な

インスピレーションの力を受けています。

それはあなた方のハートの

1番素晴らしい部分に影響を与え、

未来を救うための戦いを推進させました。

あなた方は自分たちのエゴイズムや

無知や不信や暴力を克服しました。

これは"宇宙親交世界"に

仲間入りできる証でもあります。

これからはもう未来に、

あなた方の前に苦悩は待っていません。

宇宙の調和と合致した、愛によって

統治されるシステムづくりが出来るよう、

豊かな科学や精神上の知識を

全てあなた方に提供しましょう。

そうする為に我々は来たのです…」




人々は幸せいっぱいの表情で

抱き合ったり、驚嘆したり、

円盤の方に両手を大きく広げたりしている。




そして、アミは

またしても爆弾発言をします。




「一度、ある未開世界が

それを脱して"親交世界"に入ると、

その人たちは永遠に生き続けられるんだよ…」

「とてもビックリするだろうけど、

これは本当のことなんだ。

我々の科学と精神界における発見が、

細胞の老化を食い止めることを可能にしたんだ。

"親交世界"に入れば、

その知識全てを受け取ることが出来るからね。」




アミ「でも、全ての人が、永遠に

自分の細胞が老化しないことを

望んでいるわけではないんだ。

中には、他の人よりも早く進歩する人もいる。

そうなると今まで住んでいた世界が

"小さく"なるんだ。

もっと上の世界に行かなければならない。

それには今まで使ってきた体を

返さなければならない。

その体のまま行くわけにはいかないから、

古い体がもう使えなくなるまで

老化させる必要があるんだよ…」




ペドゥリート「死ぬまで?」




アミ「体だけね。

"親交世界"の人たちは、

肉体から離れても目覚めたままで、

どうやったら意識を

持続させることが出来るのかを

ちゃんと知っているんだ。

こうして、意識も記憶も失わない状態で、

古い体から新しい体へと移るんだよ…

永遠の命というのは、

"親交世界"の文明にたどり着いた人たちにとっては、

はっきりと保証されている事実なんだよ。」




続く…


前回記事「宇宙親交世界」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11986890260.html





アミは、ペドゥリートとビンカを

アミのお母さんに紹介します。




8歳ぐらいの笑顔の可愛い女の子が、

実はアミのお母さんなのですが、

とても感じの良い視線で2人を見て話をします。




母「この子たち2人は双子の魂のようだけど、

違った惑星から来ているようね。

こんな事があるの?」




アミ「それぞれ自分たちの惑星を

救済する使命を担っているんだけれど、

もともとは"親交世界"から来ているんだよ」




母「そんなに離れていて、さぞかし

大変でしょうね。そんなに若くて…」




母「戦いなさい。

あなた達の世界の平和と統一と愛のために。

たくさんの困難や無理解が取り巻いているでしょう。

でも、宇宙最大の力母あなた達の味方ですよ。

きっと、最後には種は芽を出し実を結び、

平和と統一が実現するでしょう。

それからあなた達の住んでいる

物質世界の誘惑には充分注意してね。

どうして自分たちが未開世界にいるのか、

そしてどこから来たかということを

いつも思い出すようにね。

あなた達の世界は幻想と嘘が支配しているわ。

あなた達の魂が、

儚い刹那的な物の方に傾かないように。

現実を、真実を、そして愛を

いつも維持するように。

子供のように無邪気でいること、

でも軽率でなく用心深くね。

無邪気さと用心深さ、そして

平和と自衛の難しい均衡を保つように。

それからあなた達の幼い精神が、

周囲を取り巻いている悪意に支配されないように。

だって、その精神を維持することが、

あなた達とあなた達の世界を

救うことになるんだから。

至る所であなた達を待ち伏せている

悪から目を背けたり、騙されたり

弱められたりする事のないように、

救われるために必要な均衡を維持するように。

それらの為に必要なのは

"足は大地に、理想は高く、心には愛を"なのよ」




母「わたし、この子達に感動するわ。

素晴らしいことよ、

暗闇の中で生きている

数百万の魂に奉仕できるなんて。

本当にとっても大きな特権だわ!」







そして、アミはお父さんも

スクリーンに映し出して紹介してくれます。




しかし、そこに現れた男の人は、

アミともアミのお母さんとも似ても似つかない。

それどころか全く違った人類だった。

青白い顔色の、ほとんど髪の毛のない大人だった。

ふくれた頭部をして、深い見透すような視線をしていた。




父「息子よ、元気かい?

…そこに一緒にいる子ども達は

第三水準世界の子だね。

女の子は多分、水晶の蝶の2番目の惑星、

男の子の方は、金の鷲の3番目の惑星の子だろう」




アミ「その通りだよ、パパ」




ペドゥリート「僕の惑星は地球と言って、

僕たちの太陽は金の鷲のなんて言わないけど…」




父「"親交世界"では、

宇宙の全てのものに名前と

特別なコード番号を付けた

カタログが作られているんだよ」

(神は星の数を数えその全てに名をつける)

(詩篇14章4節)




アミ「パパ、僕の友達をこれ以上混乱させないでよ。

ママがもう、かなりこんがらからせてしまっているんだから」




父「全ての物や人にコード番号と

名前が付けられているのを知ったからといって、

別に問題はないだろう…」




ビンカ「一人ひとり全ての人に?!」




アミ「前に話した銀河系の中心にある

"スーパーコンピュータ"にだよ」




ペドゥリート「じゃ、みんな

"リスト"に載っているの?」




アミ「君たちの髪の毛の数まで数えられているよ。

と言っても、警察のように

監視しているということじゃなくて、

保護のためなんだ。

ちょうどお兄さんやお姉さんが

弟や妹を見守っているような感じだよ」




ビンカ「私、そうした事はみんな

神がするのかと思っていたわ」




父「神は何もしないよ」




アミ「神はこの宇宙の全ての遊びを、

宇宙を支配する法でもってデザインし、

全ての物や魂に、基本的なエネルギーである

神の愛の精神を注ぎ込んだんだよ。

でも、その後のことは、神ではなく

我々自身がしなくちゃならないんだよ」







ペドゥリート「でも、アミ、

どうして彼がアミのお父さんなの?

全く別の惑星に属している人のように思えるけど」




アミ「君たちが今、見ているのは、

新しい肉体を持った僕のお父さんなんだよ。

僕が生まれて少ししてから、

彼はキリアに生まれ変わる用意ができた。

そこで古い肉体を捨てて、

キリアに新しく生まれ育って、

今は科学者になっているんだ」




母「わたし、まだ今のキリア人としての

彼の容姿に充分慣れていないの。

たとえ中身は全く同じ人だとしてもね」




父「ところで、いつ頃キリアに来るのかね。

毎日、精神的には一体だけど、

肉体的にも一緒にいたいものだよ。

家庭を作って、僕のそばにいつもいて欲しいよ」




母「わたしも、何にも増して、

あなたのそばにいることを望んでいるの。

でも、キリアに生まれ変わる水準に

まだ私の魂が順応できていないのよ。

もし、今の体を捨てたら、

あなたの世界じゃなくて

全く別の世界に生まれてしまうわ。

だから、いつもキリアに行けるように

修練を怠っていないの。

多分、もうほんの少しよ。

だから、細胞の若返り維持はもう放棄したの。

お互いにあと少しの辛抱よ」…







次回は3冊め

「アミ 3度めの約束 愛はすべてをこえて」

よりお送りします。


もどってきたアミ

2016-06-02 17:15:04 | Weblog


アミとの宇宙旅行体験を

「アミ 小さな宇宙人」として

出版したペドゥリート。

アミは本を出せばまた

迎えに来てくれると言った。

ようやく戻ってきたアミ。

しかし、円盤の中には異星の少女

ビンカが同乗していた!




「もどってきたアミ 小さな宇宙人」

2冊目のお話です。




前回記事「水がめ座の時代」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11983586586.html


の最後に少し触れましたが、




ペドゥリートはアミと別れる前に

バラ色の世界へ行っています。

そこには、もうずっと成長した

未来のペドゥリートがいました。

そして、ずっと昔から長い間、

彼を待ち続けていた女の子がいました。

明るい青い肌をしていて、

日本人のような顔つきをしていました。

お互いに、とても深く

愛し合っているように感じた2人。

でも突然、全ては消えてしまった。




アミは、これは、ペドゥリートが

何度も生まれては死んで、

生まれては死んでを繰り返した後の

ずっと先の別の人生のことだと

教えてくれました。







ここからは、2冊目のお話です。




そして、再会を果たしたアミと

宇宙船の操縦室に入ると、

ほぼ人間の容姿をした、

風変わりな女の子がいました。

色白でやせていて、

耳の先はピンととがり、

紫色の瞳をしていました。

長いバラ色の髪の毛に

布製のチンケな蝶のリボンをつけ、

ゆったりとした青いつなぎを着ていました。




まるで異様なものを見るように

ペドゥリートをじっと見る彼女は、

かなり無愛想だし、

はっきり言って少しも可愛いとは

思えなかったペドゥリート。




アミにその少女=ビンカを紹介してもらい、

お互いに、知り合えて嬉しいという

気持ちもほとんどわかず、

ただ無愛想に相手を見ていましたが、、、




時を同じく過ごしていく中で、

気持ちの変化が少しずつ

あらわれていくようです…




ペドゥリートの欠点をアミが指摘した時、

ペドゥリートにそれは受け入れられず

怒りの感情を爆発させます。

「僕はもう帰る!」

と叫ぶペドゥリートに対して、

「行かないで!ペドゥリート。

話したいことがたくさんあるし…」

とビンカが止めます。

ペドゥリートはその時、

ビンカの全てを知りたいと思いました。




そこへアミがこう告げます。

「禁じられたロマンスはそのくらいにして、

これから銀河系のダンスを見てみよう。

君たちには、それぞれパートナーがいる。

前回、未来をのぞき見た時に、

それぞれに自分の"双子の魂"を見せてあげた。

まだ実際に出会っていないとはいえ、

そのことに忠実であるべきなんだ。」




ペドゥリート「知り合ってもいない人に、

誠実でいなきゃいけないっていうのは難しいね。」




アミ「いや、もう知っているんだよ。

たとえ未来でのほんの一瞬の出会いだとしてもね。

それに君たちが知っている五感以外にある

もうひとつの別の感覚、

たくさんのことを可能にするその感覚を通して、

ずっと未来に出会う人をキャッチし

感じ取ることができるんだよ。」




ペドゥリート「テレパシーのこと?」




アミ「テレパシーは思考と関係している。

今言っている感覚はもっと感情に

関係していることなんだ。

君は自分のパートナーの存在を

感じたことはない?」




ペドゥリート「えーと、うーん、

時々…夜、ひとりの時、

どこかで誰かが僕を待っているような気がする…」




アミ「考えるの?それとも感じるの?」




ペドゥリート「うーん…たぶん、

感じるんだと思う、その時は」




アミ「その時、その瞬間、

その人を愛する事ができる?」




ペドゥリート「えーと…分かんない。

たぶん…たぶん出来ると思う。」




アミ「じゃ、その高度な感覚が

発達しているんだ。

人間として進歩するには、

この感覚を発達させなくてはならない。

この感覚のおかげで、我々は思考や

その他の感覚を必要とせずに

精神的なものをキャッチすることが

可能になるんだ。

そうやって、良い人かあまり良くない人か、

嘘か真実かを見分けたり、

本当の愛や、神の存在を

感じ取ったりする事が出来るようになるんだよ。」




ビンカ「私の惑星、キアでは、

神を信じていない人が大勢いるわ。」




アミ「この感覚があまり発達していない段階では、

信仰というものは必要だ。

でも、その後はもう

信じる信じないの問題じゃないんだ。

ただただ神の、

その素晴らしい存在を

感知するだけで充分なんだ。

こうやって、

神の姿を全く見る必要もなく、

我々は神に愛をささげることが

出来るようになるんだ。

また、この高度な感覚によって、

我々の未来のパートナー、

双子の魂を感じ取ることも、

それに忠実になることも出来るんだよ。

例えまだ実際には、

目の前にいないにしてもね。」







続く…






前回記事「双子の魂」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11984032704.html





アミとペドゥリートとビンカを乗せた円盤に、

突然、赤警報が鳴り出しました。




どうやら、

地球に地震が近づいているようです。




アミ「素晴らしい!

今、地震の震動を減少させる作業をしているんだ。

見学するいいチャンスだ。」




ペドゥリート「じゃ、君たち

地震を防ぐことも出来るって言うことなの?」




アミ「時々、しかもほんのいくつかの地震だけだよ。

仲間の円盤がたくさん、

地球を地震から守る仕事に携わっているんだ。」




ペドゥリート「仲間って?」




アミ「"宇宙親交"の仲間だよ。」




そして、円盤が潜水していくと、

遠くの海底に葉巻のような細長い物体が、

水平に横たわっているのが見えてきた。

目の前に迫ってきて初めて、

それが海底すれすれに停泊している

巨大な宇宙船だということに気がついた。

想像を絶するスケール。

それはまるで

ひとつの巨大な都市のように感じられた。

更に近づいた時には、

そのあまりの大きさに目がくらんだ。

その物体の端は遠くに行くに従って霞んでいき、

端から端までを1度に見渡すのは

とうてい不可能だった。

光を発する窓が何千、何万とあることから、

内部は何十階にもなっていることが想像できた。




ビンカ「これ一体何なの?」




アミ「地球"救済計画"に従事しているものの中で

最大、最重要の、大型宇宙母船だ。

たいていは宇宙空間に停泊しているけど、

今はとても例外的な理由があって

海底にいるんだ。

飛行機の代わりに円盤を積んだ

"航空母艦"のようなものと思えばいいよ。

そして何千、何万もの人々が

泊まることも出来るんだ。

いつも近くに待機していなければならない。

いつ大勢の人々を

救出しなければはらないような事態が、

起こらないとも限らないからね。

地球のすべての"救済計画"を指揮している

司令官もここに住んでいる。

じゃ、これから彼に会ってみよう。」




アミが操縦桿のボタンを押すと、

スクリーン上にひとりの男の顔が現れた。

すぐに地球人でない事が分かった。

その顔は歴史上の偉大な師たちの

イメージを想起させた。

内面からにじみ出る静けさ、

落ち着いた至福の表情、

平穏さを伴った甘い雰囲気は、

地球に住んでいるどんな人よりも

はるかに美しく見えた。

オフィルでだって彼のような

容貌の人はひとりも見なかった。

にも関わらず、善意に満ちあふれた

とても大きなその目と視線を除けば

地球人そっくりだったので、

すぐに親しみを覚えた。




司令官「やあ、ビンカとペドゥリート。

我々の母船へようこそ。

私が地球"救済計画"のすべての管理を

任されている責任者です。」




話をすると、彼の顔は満面、

繊細この上ない微笑におおわれた。

「では、私の部屋で君たちを待っている…」

そう言うと、スクリーンから彼の姿が消えた。




そして、円盤を着陸させ、

母船の中へと進んでいきます。




扉は自動的に開き、

その向こう側に光輝く長い廊下が現れた。

天井はとても高く、

凹面になっていて、

淡いクリーム色の光を自ら発していた。

床はゴムに似たやや弾力性のある物質で、

やはり明るいブルーの美しい光を放っていた。

壁は柔らかく不透明な物質で出来ていた。




いくつもの大きな扉があった。

中には見たこともない輝く文字で

何かが書かれた扉もあった。

アミ「それは"宇宙親交"の言葉で

書かれているんだよ。」




廊下の突き当たりに近づくと、

正面にかなり幅の広い扉があった。

エレベーターだった。

アミが一言「司令官」とだけ言うと

扉が閉じ、軽い振動を感じ、

上昇していったかと思ったら、

突然、横に動き出した。

アミ「この乗り物は、空気中や

あらゆるものの表面に付着している

全ての細菌を殺す放射線を発している。

だからここの乗組員が

君たちの持っているウイルスに

感染する心配は全くない。

それに全ての乗組員は

"親交世界"に戻る前には必ず、

消毒を受けることになっているんだよ。」

後ろの扉が開いて、

まるで夢の中に出てくるような

美しい大広間(サロン)があらわれた。




室内には色々な色や形の珍しい

植物がたくさん飾られていた。

どこに光源があるのかはっきりしないけど、

様々な色調の照明が室内を照らし、

室内全体には黄金の雰囲気が醸し出されていた。

サロンはガラスでいくつもの空間に

小さく区切られていて、

水が湧き出す泉があった。

何段にもなった滝が、

石や苔や自然の水草の間を

心地よい水音をたてて流れ落ち、

見たことのない魚や

小さな生物が飛び跳ねていた。




ビンカ「なんて美しいんだこと!」




アミ「進歩した魂は、

美で囲まれていることが必要なんだよ。

自然よりも美しいものはないからね。」




続く…

前回記事「地球救済計画」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11984409433.html





内部に進んでいくと、

さっきスクリーンで挨拶をした

司令官が立っていた。

彼の後ろには巨大な窓があって、

そこから石や植物の間を流れる小川が見えた。

その背後には青い太陽が

小さな山の後ろに今まさに沈もうとしていた…。




アミは、司令官は自分の故郷の

風景を思い出すのが好きなので、

それを再現しているということを

後になって説明してくれた。

あの巨大な窓がなんとスクリーンだったとは!




司令官は白い服を着ていた。

アミの服に良く似ていたけれど、

ずっとゆったりしていて、

首や胸の一部は露出していた。

着丈はおそらく1m50cmは下らなかっただろう。

まるでからだ全体から

光を放っているように感じた…。




ペドゥリートは、尊敬の念と

一種の畏れの気持ちいっぱいで、

恥じ入りたいほど恐縮していた。




司令官「他人と比較するのは、

時にはいいこともある。

でも、害になる場合も少なくない。」




ビンカは司令官の前に進み出て、

彼の手を取り、口づけをして、

ひざまずこうとした。




司令官「そんなことはやめなさい。」

「私は君と同じ奉仕する者、

君の兄弟であり、神を愛する者だ。

ひざまずくのは神の前だけでいいんだ。」

「我々の上にはいつも誰かがいる。

そして下にもいる。

上の人の忠告はよく聞かねばならない。

また、下の者には指導してあげなければならない。

私は上の兄弟の教えをよく守っている。」




アミ「司令官の言う

"上"とか"下"とかいうのは、

進歩度のことだよ。」




司令官「私はこの惑星に、

君たちとこのコンタクトを

するためだけに降りてきている。」




アミ「君たちは、それぞれの世界に

司令官のメッセージを持ってゆく。

これから彼の言うことは、

地球やキアにとってとても大切な事なんだよ。

彼は、キアの"救済計画"を

引き受けている兄弟と連絡を取り合っている。

ふたつの星はとても似たような状態にある。

じゃ、司令官の言うことをよく聞いて。」




司令官「既に言ったように君たちは、

それぞれの惑星の巨大な

宇宙進化計画の中に組み込まれている。

この計画にはとても大勢の奉仕者が

参加している。

既に君たちの世界へ

生まれ変わっている人もいる。

でもその中には、そのことにまだ

気づかないでいる人もいれば、

意識的に参加している人もいる。

もちろん君たちの惑星よりも

進んだ世界の兄弟も、

この救済計画の使命を担っている。

それから別の兄弟、

もう有限の肉体から解放されている

別の次元の人たちとも緊密に

協力し合っている。

皆、時間ギリギリまで、

我々が借り受けている肉体の最後の時まで、

更にはもう肉体のない別の次元に

移ってからも働き続けている。

何の報酬も当てにしないこの仕事は、

ただ我々の意識の命ずるまま、



ただ愛によってのみ為されていることなんだ。

君たちは、もうとても重大な、

深遠な変化が、近づいていると

いうことを知らなければならない。

我々はその変化が引き起こす

ネガティヴな衝撃を、できる範囲で

避けられるように働いている。

でも、その他のことは君たち自身で

やらなければならい。

それからまた、

宇宙の生命を動かし導いているのは、

創造者の精神の力であり、

それは全て愛であるということも

理解しなくてはならない。

もし君たちが愛に従って

生きていないとしたら、

宇宙のあるべき方向に反して

行動していることになる。

当然、君たちの個人の生活や社会的関係、

そして国際関係も調和を保つことは出来ない。

多くの人たちの神の法に対する著しい無知が、

これら痛々しい状況を生み出す

原因であり根である。

このまま放置しておけば、

それはついには全滅にまで至りかねない。

だから、我々は君たちの全ての国の、

できる限り多くの人たちに

正しい教えと導きのインスピレーションを

メッセージとして送っている。

受け取る人の個人的な信仰によって、

中にはかなり歪曲されてメッセージが

伝わってしまうことも避けられない。

それが更に混乱と失望を生み出す。

それでも、少しずつ、

日に日に全てはっきりとしていく事だ。

文学作品や音楽、映画やその他

色々な文化的な表現にも、

インスピレーションを与えている。

メッセージの普及に役立てられるものなら、

何でも利用している。

これは意識変革のためのひとつの愛の種であり、

"大きな出会い"のための準備でもあるんだ。」




続く…










アミ 小さな宇宙人 2

2016-06-01 11:14:14 | Weblog
前回記事「地球を脱出した人々」の続き

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11982409113.html





ペドゥリート「ところでアミ、

オフィルには、いくつの国があるの?」




アミ「ひとつもない。

文明世界だからね、オフィルは…」




ペドゥリート「国がひとつもないって?」




アミ「ない。でも、強いてあると言えば、

あると言えないこともない。

オフィルというひとつの国がね。」




ペドゥリート「ふーん。

じゃ、大統領は誰なの?」




アミ「大統領なんかいないよ。」




ペドゥリート「じゃ誰が命令するの?」




アミ「命令?命令って、ここは誰も

誰にも、命令なんかしないよ。」




ペドゥリート「でも、じゃ、

誰が組織するの?」




アミ「うん、それなら話は別だ。

でもここはもう、皆、組織化し終わっている。

もし何か特別なことがあった場合、

賢者たちがその分野の専門家と

集まって決定したり、

コンピュータにインプットしたりする。

でも実際、ほんの少ししかすることはない。

皆、計画が立てられていて、

機械がほとんどやってしまうからね。」




ペドゥリート「じゃ皆んな、何をするの?」




アミ「人生を楽しく、充実して生きることだよ。

楽しんだり、働いたり、勉強したり、

奉仕したり、助けの必要な人を援助したり…

でも、我々の世界はたいていの問題は解決済みなので、

主に、未開文明の援助をするんだよ。

でも、残念ながら、

全て"救済計画"の枠の中でしか出来ないので、

あまり多くのことは出来ないけど。

例えば、"メッセージ"を送ったり、

今、僕がやっているように、

君のような人とコンタクトをもったり、

愛を説いている宗教の誕生を助けたりね。

砂漠で"マナ(パン)"が、天から

降ってきたの知っているだろう?

(モーセが、イスラエル人を引き連れて、

清の荒野に入った時、神が人々のために

パンを天から下ろされたことを指している)」




ペドゥリート「じゃあれは、

君たち宇宙人がしたことなの?」




アミ「その通りだよ。

それからまた、ある文明が自滅していく時、

高い度数を持っている人々の

救済活動に参加したりとかね。」







ペドゥリート「アミ、ところで見渡したところ、

どこにも金網が張っていないようだけど、

一体どうやって、

自分と他人の土地を区別するの?」




アミ「その必要はないんだ。

ここでは、全てのものが皆のものだからね…」




アミ「ここには、

お金は存在していないんだよ…」




ペドゥリート「じゃどうやって物を買うの?」




アミ「売り買いはしない。

もし誰かが何か必要な物があったら、

行って持ってくる。」




ペドゥリート「何でも?」




アミ「うん、必要なものをね。」




ペドゥリート「どんなものでも?」




アミ「もし誰かが何かを必要とし、

その必要なものがそこにある。

それを持ってきてどこがいけないの?」




ペドゥリート「その辺を走っている

小さな車も?」




アミ「うん。それに円盤もね。」







ペドゥリート「法律はないの?」




アミ「ある。でも、ある基本法に

基づいていて、全ての人々が、

幸せになるようにつくられているんだ。」




ペドゥリート「じゃもし、その法を

誰かが破ったとしたらどうなるの?」




アミ「当然、苦しむね。」


ペドゥリート「罰したり、

牢屋に入れたりするの?」




アミ「ここには罰もなければ刑務所もない。

もし誰かが何か過失を犯した場合、

その人自身が苦しむことになるんだよ。

つまり自分で自分を罰するんだ。」




アミ「ここでは皆んな、

愛し合っているんだ。

皆んな、兄弟なんだよ。」




アミ「宇宙の全ての文明世界は、

皆んな同じ様に組織されているんだよ。」




ペドゥリート「それじゃ、

組織の基本法は愛なの?」




アミ「その通り、ペドゥリート。

それが宇宙の基本法なんだよ。」




ペドゥリート「愛?愛が法なの?

…僕はまた、何かもっとずっと

複雑なものかと思っていたよ…」







アミ「とても単純で、素朴で、

至極当たり前の事のようであるけれど、

これを感じ体得するのは容易なことじゃない。

だからこそ進歩が必要となってくるんだ。

進歩とは、愛により近づいて行く

という事を意味しているんだ。

最も進歩した人が、より崇高な愛を体験し、

より深い愛を表現するんだ。

本当の人間の大きさとは、ただ、

その人の愛の度数によって決定されるんだよ…」





ペドゥリート「でもどうして、

そんなに大変なことなの?」




アミ「"エゴ"だよ。

自我、自己、うぬぼれ。

我々自身に対する間違った考え。

ニセの自分だよ。

人にエゴがたくさん育っていると、

他人よりも自分がずっと重要だと

考えるようになり、人を軽蔑したり、

傷つけたり、利用したり、

他人の人生を支配する権利まで

有るように思い込んでくる。

エゴは愛が育つ際の大きな

障害になっているから、他人に対する

いつくしみ、思いやり、あわれみ、

やさしさ、愛情などを感じさせにくくするんだよ。

例えば、

エゴイスト…自分以外には全く興味を持っていない。

自己崇拝者…自分以外の誰も崇拝しない。

自己本位者…自分のことしか話さない。

自己中心主義者…宇宙が自分を中心に

まわっていると思い込んでいる人。

人間の進歩とは、エゴを減少させて

愛が育っていくようにする事を言うんだよ。」







続く…



オフィル星にはお金が存在しないと

前回記事「宇宙の基本法」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11982836708.html


で書きましたが、

お金がない文明世界について、

もう少し詳しく説明しておきます。




ペドゥリート「アミ、でも、

どうしてタダで働けるの?」




アミ「もしね、君に愛があるなら、

人に奉仕できることで幸福に感じるし、

同時に、人から奉仕を受ける権利を持つんだ。

例えば、隣の家に行って

必要なものを持ってこられるんだ。

もし必要なら牛乳屋からは牛乳を、

パン屋からはパンをね。

でも、こんな風に皆んなバラバラに

無秩序にやるのではなく、

組合が組織されていて、

配給センターに運んで、

君が働く代わりに機械がやってくれるんだよ…」




ペドゥリート「じゃ誰も、

何もする必要がないや!」




アミ「いつもすることは何かあるよ。

機械を点検したり、

より使いやすいものに改良したり、

我々を必要としている人々を助けたり、

我々の世界や自分自身をより

完璧な方向に近づけたり、

もちろん、

自由な時間を楽しんだりね。」




ペドゥリート「でも、いつも人を

利用することばかりしか考えないで

それ以外何もしない人は、

いくらでもいるよ。」




アミ「君の言うような"ならず者"は、

進歩の段階が低いんだよ。

400度以下で、たくさんのエゴと

ほんの少しの愛しか持っていない。

実際、自分を抜け目なく賢いと

思い込んでいるけれど、

でも本当は大バカ者なんだよ。

その程度の水準じゃ、とても

文明世界に入ることはできない。

文明世界の人とは、

人に役立つことで幸せに感じられる人のことなんだ。

ここではたくさんの人が楽しんでいるけど、

大部分の人は、別のところにある

ピラミッドの中の研究所や大学で働いていたり、

遅れている惑星に使命を果たすため

ミッションとして出かけ、

奉仕したりしているんだ。

人生とは幸福になることだし、

それを充分に楽しむことだ。

でも、最大の幸福は、

人に奉仕することによって得られるんだよ…」




ペドゥリート「1日何時間くらい働くの?」




アミ「仕事によるけど、

快適な仕事なら1日中働くことができる。

今の僕のようにね…

でも、それは非常な特権なんだ。」




ペドゥリート「アミ、君、働いているって?」




アミ「僕は言ってみれば、

教師とか、使者のようなものだよ。

ま、どっちでも同じようなものだけどね。」







ペドゥリート「ところで警察は

どうなっているの?」




アミ「警察だって?何のための?」




ペドゥリート「警備したり、

悪人を取りしまったり…」



アミ「誰が悪人なの?」




ペドゥリート「ここには、

悪い人がいないの?」




アミ「誰も完璧な人はいないよ。

でも、700度以上は持ち合わせていて、

前向きで的確な情報と適度な刺激と

愛を伴った社会組織の中にいるので、

皆んな、同胞に対して

害を与えるということがない。

"悪人"になる必要がないんだよ。

だから、警察もいらないんだ…」




ペドゥリート「信じられないな…」




アミ「信じられないって、

でも別の世界では、人々がお互いに

殺し合っている…

そっちの方がずっと信じられないことだよ。」




ペドゥリート「本当にその通りだ。

今、はっきり気がついたけど、

いつか地球がオフィルのような

平和な世界に到達することは、

不可能のような気がしてきたよ。

僕たちは悪だ。

愛があまりにも欠けている。

僕自身だって何人か好きじゃないヤツがいる。」




アミ「進歩した社会でも、

やはり性の合わない人というのはいる。

でも拒絶もしない。

使命を果たす仕事とか、

長期の共同生活の仕事の場合、

相性の合った人を探す。

いずれにせよ、1500度くらいになれば、

すべての人を愛することができる。

その方向に向かって進歩するように

努力すべきだけどね。

地球人にしろ、我々にしろ、

現時点では、とても、そんなに

高度なことは要求できない。」







続く…

前回記事「お金のない世界」の続きです

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11983230929.html





水の中から、凄まじいスピードで

オフィル上空に舞い上がった。

数秒後にはいくつかの建物があるところに着き、

円盤は、そのまま空中にぴたりと停止した。

窓の外を見た。

途端に、ひどいめまいを感じた。

なんと、何人もの人が、空中を、




"と…ん…で…い…た…‼︎"




空中に両手を広げて、

ある人は垂直に、

ある人は水平に浮いていた。

皆、目を閉じていて、やさしい、

うっとりとした表情をしていたが、

深く気持ちを集中させている様子が分かる。

空中をゆっくりとまるでワシのように、

大きな輪を描きながら飛んでいた。




アミは"センソ・メトロ(感覚計)"を取り出して、

彼らのひとりに当てた。




彼の胸の光には驚くべきものがあった。

光は彼の体から内部だけにとどまらず、

体の周囲を、弧を描いたように

外に向かって輝いていた。




アミ「ここにいる人たちは、

平常1000度前後の度数だけど、

精神を愛に集中することにより、

2000度以上にもなる。

今やっているのは精神訓練のひとつだけど、

訓練が終われば、いつもの度数に戻るんだ。

また、今の彼らと同じくらいの度数を

平常持っている世界の人もいる。

でも、君も僕も今のところ、

到達できそうもない世界もある。

それは、10000度を超える度数を

持っている太陽の人たちで、

もう、ほとんど純粋な愛だ。」




ペドゥリート「太陽の人たち?」




アミ「うん、様々な太陽に

住んでいる人たちのことだよ。」




ペドゥリート「そんなこと、

一度だって想像したことなかったよ!」




アミ「当然だよ。誰だって、

自分のはるか上にある階段のことなんか、

見ることも想像することも出来ないからね…

じゃ、今度は向こうのグループを見に行こう。」




遠くの野原に、

さっきの人たちと同じ格好をした

50人くらいの人たちが、

輪をつくって座っていた。

一見して光り輝いているように見えた。

足を交差しせて、背をまっすぐに伸ばし、

瞑想していた。




ペドゥリート「何をしているの?」




アミ「宇宙のそれほど進歩していない世界に、

テレパシーでメッセージを送っているんだよ。

でも、頭だけで知覚するのは難しいね。

一緒に心も伴わないと。」

「頭で何かを考えるのを少しやめて、

胸に注意をするようにしてごらん。

そうすればたぶん、感じ取ることができるよ。

発信地のすぐ近くにいるからね。」







"愛に基づいている、すべてのもの…

友情 や 夫婦

家族 や 組合

政府 や 国家

個人のたましい 人類のたましい

これらは、皆、堅固で確実で、

繁栄し、実を結び

壊れることを、知らない…"







アミ「このメッセージは、

ずっと深いところーーー

そう、神からきているんだ。

そしてここにいる人たちは、

それをキャッチして、

地球のようにあまり進歩していない

世界に再送信しているんだ。

向こうで誰かが受信するんだけど、

必ずしも純粋に再生するとは限らない。

それは、受信する人の

"意識の水準"によるんだよ。」




ペドゥリート「意識の水準?」




アミ「ふたつの脳のバランスの

度合いのことだよ。

受信する人のこのバランスが

正しくとれていれば、

メッセージを正確に受け取って、

新しい時代の創造のために使われるけど、

そうでないと歪んで解釈されて、

反対に、恐怖や混乱や暴動などが

増加することになるんだよ。」




ペドゥリート「新しい時代だって?」




アミ「うん、"水がめ座の時代"のことだよ。」

「地球という惑星の新しい発達段階で、

数千年もの間続いた野蛮な時代の次に来る、

新しい愛の時代のことだよ。

地球もより繊細な宇宙エネルギーに

支配されるようになり、

全ての人の愛の成長を助けるようになるんだ。

地球の人も、もうオフィルのように

幸せに生きることが出来るようになるんだよ。」







この後、ペドゥリートは、

時間と空間の外に位置している世界で、

双子の魂の女の子に会います。

それは、2000度くらいの状態の

ペドゥリートの未来の姿を

垣間見たという事なのですが…




次からは、2冊目

「もどってきたアミ 小さな宇宙人」

よりお送りします。













アミ 小さな宇宙人

2016-05-31 16:41:22 | Weblog

英子のスピリチュアル日記より





「アミ 小さな宇宙人」




エンリケ・バリオスさんが書いた本で、

世界11ヶ国語に訳されています。




日本では、

さくらももこさんの挿し絵付きで

単行本になっています。




内容は…

10歳の少年ペドゥリートと

アミと名乗る見た目は子ども(8歳くらい?)の

宇宙人との感動のコンタクト体験記。

宇宙をめぐる旅の中で、ペドゥリートは、

「地球がいまだ野蛮な、

愛の度数の低い未開の惑星」

であることを教わる。







とても分かりやすく宇宙のことや

今、地球が置かれている状況

(=アセンションのこと)など書かれていて

チャネラーさんの言葉通り

「これを読めば、(スピリチュアルなことは全部)分かる」

内容になっていたので、

とても気に入っていました。








この本には続編が2冊出ていて、




2冊目は

「もどってきたアミ 小さな宇宙人」




3冊目は

「アミ 3度めの約束 愛はすべてをこえて」




2冊目を購入して読んでみたら…




なんとも驚くべき情報と、

深~い内容の記述が盛りだくさんで、

私の情報処理能力はヒート状態!




私の理解も兼ねて、

少しずつ情報をこのブログに

アウトプットしていこうと思いました。







って事で、まずは1冊目の内容から。




まずは、宇宙人について。




私たち地球人は、

宇宙人が地球を侵略する映画やテレビを

日頃からたくさん見せられているため、

「宇宙人=侵略者」

という方程式が成り立ってしまいがちですが、

ペドゥリートが会った宇宙人アミは、

地球にはびこる侵略者の映画を

「まったく、なんてバカバカしいんだ!」

と楽しそうに笑いながら言い放ちます。




そうそう。

何故、地球人ペドゥリートと

宇宙人アミが会話できるかというと、

アミが持ってる"翻訳機"を使うからです。




アミが持ってる"翻訳機"は、

ペドゥリートの頭脳を光の速さで走査して、

アミにペドゥリートが言おうとしてることを伝えます。

そして、アミが言おうとするときは、

ペドゥリートと同じように舌や口を動かしてくれる。

という訳ですが、

顎の構造の違い等から

発音できない音もあるので、

完全にはできないようです。




そもそも、「アミ」という名も、

その見た目が8歳くらいの宇宙人の名前を

私たち地球人が発音することが出来ないので、

"アミーゴ(友だち)"から"アミ"と

親しみを込めて呼ぶようにしたのです。







地球侵略を企んでる宇宙人の話に戻しますと、、、




アミは、こう続けます。

「こんな怪物は、これを考え出した

人間の頭の中にしか、存在していないんだよ…」




ペドゥリートは、そう言われても

すぐには納得できません。

「でも、知的で邪悪な生物がいても

おかしくないじゃない…」




それを聞いたアミは大笑いをします。

「"知的で邪悪"だって!」

「それじゃまるで"善良な極悪人"

と言っているようなもんだよ。」




つまり、

ある程度の科学の水準に達した、

でも、やさしさや善意の欠けた文明は、

必ずその科学を自滅する方に使い出す。




だから、

ほかの惑星を侵略する前に、自滅する。

という事なのです。







アミ:「すべての悪玉は、

自分たちの悪を克服できないかぎり、

結局は自滅するしかないんだよ。

だれもこれを支配している法から

逃れることはできない。」




ペドゥリート:「その法って?」




アミ「ある世界の科学の水準が、

愛の水準をはるかに上回ってしまった場合、

その世界は自滅してしまうんだよ…」




ペドゥリート「愛の水準?」




アミ「ある人たちには、

最も単純なことが1番理解しがたい…

愛とは強さ、振動、エネルギーであり、

その効果は我々の機械で計ることができる。

もしある世界の愛の水準が低けりゃ、

それだけその世界は、

多くの人が不幸で、憎しみや暴力や分裂、

戦争などが多く、とても自滅の可能性が高い、

極めて危険な状態にあるんだよ…」




更にアミは、愛のないところに

長続きする組織はあり得ないと言います。




アミ「この宇宙人侵略映画の場合、

人を義務付けたり、強制したり、

結局、最後には反乱・分裂、

そして破壊という結果になった。

この世には、唯一、普遍的で完璧な

生き延びることを保証しうる組織がある。

当然のことながら、ひとつの文明が

進歩するということは、それだけ

愛に近づくということなんだけど、

それを達成した世界は進歩していて、

誰も傷つけるということがない。

これは我々よりはるかに優れた知性が

つくり出したもので、これ以外

この宇宙で生き延びる方法はないんだよ…」







続く…



科学の水準と愛の水準については、

前回記事「知的で邪悪な宇宙人?」

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11981234492.html


に書いたとおりですが、

今回は、その愛の水準、

人間それぞれが持ち合わせている

「愛の度数」についてお話します。







アミとペドゥリートが乗ってる宇宙船は、

私たち地球人から視覚可能な状態と

不可能な状態とを自由自在に選べます。




普段は視覚不可能な状態にしてありますが、

アミは、銀河系の中心にある

"スーパーコンピュータ"から指令を受けて、

ある男にわざと宇宙船を目撃させます。




その男が宇宙船の目撃証言をすることが、

今後の地球の未来にとって

重要な意味を持つことになるので、

アミはこの地道な"救済計画"を

執り行なってくれています。




アラスカの木々の間で

茶色の皮のコートを着て猟銃をもった男は、

宇宙船を見た瞬間、とても驚いて、

宇宙船に向かって銃をかまえました。




もちろん宇宙船は、

銃弾やそれ以上のものにも充分

耐えられるように出来ているので

怖がる必要はありません。




アミはその男に、

"センソ・メトロ(感覚計)"を当ててみました。

すると、ほとんど透明で胸の中心に

黄金色の光がとても美しく輝いていました。




ペドゥリート「この光はいったい何なの?」




アミ「彼の精神における愛の強さの

反映とでも言おうかな。

またそれと同時にその人の進歩度も

表しているんだ。

彼の場合、750度ある。」




ペドゥリート「それはどういう意味なの?」




アミ「ケダモノに近いか、

天使に近いかの度合いのことだよ。」




アミは熊に照準を合わせると、

200度でした。

その次に魚にあててみると、

50度でした。




現在の地球人の平均は550度で、

アミは760度だそうです。




これはビックリ!

あの猟師とアミはたったの10度しか

違わないのです。




アミは当然のごとく言い放ちます。

「我々は、ほとんど似たような水準だよ。」




同じ地球人でも、

320度くらいから850度くらいまでと

開きがあるようです。




という事は、

アミより高い度数の地球人もいるってこと?!




そう、地球には貴重な人がいる。

教師、芸術家、看護士、消防士…




ペドゥリートのおじさんは核科学者で、

ペドゥリートはおじさんのことを

英雄でインテリで貴重な人だと信じていますが、

アミはこう言います。

「もし神を信じずに兵器の開発に

たずさわっているのだとしたら、

かなり水準は低いと思うよ。」




納得できないペドゥリートに

アミは説明します。

「君のおじさんは頭の中にすぐれた

"コンピュータ"を持っている。

単にそれだけのことだよ。

同じ言葉でも解釈の違いが生じている。

地球ではインテリとか賢者と言われている人は

単に頭脳がすぐれている人を意味している。

それは我々の持っている内の1つの脳だ。

しかし、我々は脳を2つ持っているんだよ。」




ペドゥリート「えっ!!」




「ひとつは頭。

これは言ってみれば"コンピュータ"で

地球人の知っている、唯一のもの。

でも胸にももうひとつ別の脳を

持っているんだ。

目には見えないけれどちゃんと

存在しているんだ。




こちらの方が頭より重要で、

あの男の胸に輝いて見えた光のことだ。

我々にとって、

本当のインテリとか賢者とかいうのは、

この2つの脳の調和が取れている

人のことを言う。

つまり、頭の脳が胸の脳に奉仕する

という形であって、

多くの地球のインテリのように

その反対ではないということだよ。」




ペドゥリート「じゃ、胸の脳が

頭の脳より発達している人はどうなの?」




アミ「そういう人は、"善良なおバカさん"

とでも言おうかな。

君の言う"悪いインテリ"にとって、

騙すのがとても簡単な人たちなんだよ。

"悪いインテリ"は、彼らに良いことを

しているように思わせておいて、

結果的には人々を傷つけることをしているんだ…

知性の発達は、情緒の発達と

調和をもって進んでいくべきなんだ。

こうやってのみ、インテリとか

賢者というものはつくられていくんだ。

こうやってのみ、胸の光は育っていくんだよ。」







続く…




目撃証拠の指令をいくつかこなした後、

アミとペドゥリートを乗せた宇宙船は、

オフィル星へと移動します。




いえ、「移動」ではなく

「位置」を変えました。




宇宙船は、一瞬のうちに

目的地に着いてしまうのです。




別の場所へ行くのに数分かかったりするのは、

宇宙船の装置が目的地への距離や位置を測ったり、

通常の「時間・空間とは異なる」次元を通るので、

いかに安全に目的地に現れるか

準備するためにかかるものなのだとか…。







さて、そのオフィル星って、どんなとこ?




アミ「ここに住んでいる人たちは、

地球に起源をもっているんだ…」




ペドゥリート「エッ!?」




アミ「地球人には知らないことが

たくさん、たくさん、あるんだよ…。

今から数千年前のことだ。

地球には一度、

現在とほぼ同じような文明が存在していた。

でもその文明は、科学の水準が

愛の水準をはるかに上回って

しまっていたんだ。

しかも世界は分裂したままの状態だった。

当然、起こるべきことが起こった…。」




ペドゥリート「自滅してしまったの?」




アミ「うん、完全にね…

でも少数の人たちは前もって

何が起きるかを知らされ、

他の大陸に逃げた。

でもその戦争の結果はさんざんなもので、

ほとんど全て最初から

やり直さなければならなかった。

君たちはその結果として、

今日あるんだよ。

つまりあの時、生き延びた人たちの

子孫なんだよ。」




ペドゥリート「とても信じられないよ。

僕は歴史の本にあるように

人類の歴史はゼロから、つまり、

洞穴に住んでいた原始人から

始まったのかと思っていたよ…

で、オフィルの人たちは、

どうやってここにやって来たの?」




アミ「我々が連れてきたんだ。

戦争の起こる少し前に、

愛の度数が700度かそれ以上ある

よい種を有している人だけ選んで

助けたんだ。

助けるに値する人は、ほんのわずかだったよ。

当時の地球人の平均は、450度だったから、

現在に比べて100度も少なかった。

だから、地球も進歩してきているわけだ。」







「愛の度数」については、

前回記事「愛の度数」をご参考に。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11981563039.html








ペドゥリートは、

アミの隣のイスに腰掛けて、

オフィルの世界を画面を通して

見学することにした。




高度300メートルくらいを、

ゆっくり進んだ。

ペドゥリートが乗っているのと

同じような円盤がたくさん飛んでいた。




大きな山もなければ、

荒地も砂漠もなかった。

丘や平地を緑やオレンジや褐色をした

様々な色調の植物が絨毯のように

一面を覆っていた。

銀色に輝いた小川や、水色の湖もあった。

その風景は、

何か天国を思わせるものがあった。




真ん中にある、

他より少し高い建物を丸く囲んだ

建物が目に入ってきた。

色々なタイプのピラミッドが

たくさん見えた。

底辺が正方形をしたのや、

三角形のものや、

側面が平らのや、

段々になったのもあった。

でも、一番多く目につくのは、

白や明るい色をしたタマゴの殻を

伏せたようなドーム型の家だった。







続く…



前回記事「オフィル星」の続きです。

http://s.ameblo.jp/happylife3749/entry-11982058583.html





やがて、遠くに、

オフィル人の姿が見えてきた。




上空から見た限りでは、

ふつうの人間と全く変わりがなかった。

道を横切ったり、

川や池で遊んでいるのが見えた。

もう少し近づいてみると、

みんな、白いチュニック服

(古代ギリシャ人が着用していたような、

腰に紐のベルトをしているゆったりとした服)を着て、

色のついた裾の飾りやベルトをしていた。




都市はどこにも見当たらない。




アミ「オフィルにも、他の文明世界にも

都市というものは存在していないんだよ。

都市というのは、先史時代的な

生活共同形態だからね。」




ペドゥリート「どうして?」




アミ「都市形態っていうのはね、

たくさんの欠点があるんだよ。

その一つとして一箇所に

あまりにも多くの人々が集中するために

生じる精神の異常によって、

人々も、惑星にも悪影響を与えることがある。」




ペドゥリート「惑星にも?」




アミ「惑星だってそれぞれ進化の

異なったひとつの生命体なんだよ。

唯一、生命のあるものから

生命が生まれるんだ。

皆、依存していてお互いに

関係し合っているんだよ。

地球の起こすことは、

そこに住んでいる人々に影響を与えるし、

反対に人々のすることが

地球に影響を与えるんだ。」




そして、あまり高くはないが、

とてもモダンな建物に近づいて下降した。




アミ「ここが文明世界のいわゆる

都市に一番近いものだよ。

これは総合芸術センターのようなもので、

人々はそれぞれの必要に応じて、

時々ここにやってくる。

また芸術や精神、科学などの

デモンストレーションに出席したりね…

でも、誰もここには住んでいない。」




大勢の人が歩いていた。

そのひとりが円盤の窓の近くを通った時、

とても驚いた。

なんと、彼らは巨人だった!




アミは、

彼らの身長は3メートルあると言い、




地球で生き延びた人たちはその時に

放射線をたくさん浴び、

それに伴って起きた異変が

成長に変質を与えたらしく、

今のリズムでずっといけば、

数百年後には、

元の身長に辿り着く事ができると言う。







たいてい褐色の肌をしていて、

痩せていて、腰の幅は狭く、

高くまっすぐな肩をしていた。

みんな、物静かな落ち着いた感じで、

とっても親切そうに見えた。

深い精神性を感じさせる大きく輝いた目は、

アーモンドのように両端がつり上がっていた。

東洋人のそれと言うよりも、

むしろ、エジプトの絵画に出てくる

ような感じだった。




アミ「彼らは、エジプト人、インカ人、

マヤ人、ギリシャ人などの先祖なんだよ…

そして、それらの地球の文明は

アトランティス文明の残骸であり、

彼らはその直系の子孫なんだよ。」




ペドゥリート「アトランティス!!

あの海に沈んだとかいう大陸のこと?

でも僕、あれは単なる伝説かと

思っていたよ…」




アミ「地球のほとんどの伝説の方が、

君たちが現実と思い込んで生きている

暗い陰気な眠った現実よりも、

ずっとリアルなんだよ…」







たいてい皆、ひとりでなく何人かの

グループで歩いていた。

お互いにおしゃべりしながら、

腕や肩を組んだり、手をつないだり、

また、出会った時や別れる時など、

大変愛らしい仕草をし、

とても明るく陽気で、

つまらない取りこし苦労など

してないように見えた。




アミ「あの男の人、

いくつくらいに見える?」




ペドゥリート「60歳くらい?」




アミ「500歳近くになるよ…」







続く…









アミ・シリーズ

2016-05-30 14:26:31 | Weblog
『戻ってきたアミ』 エンリケ・バリオス (徳間書店)

http://blogs.yahoo.co.jp/chanchan_yanagi/50229573.html


【文明人の三条件】

 アミは文明人と呼ばれるには、次の三つの基本的な条件を満たしていなければならないと言う。
 1つ、愛が、宇宙の基本法であることを知ること。
 2つ、国境によってバラバラに分裂している世界を、ただたった1つの国に統一すること。
 3つ、愛が、すべての世界機構の根本となっていること。 (p.14)

 この三大条件が成り立っていない世界は、必ずや科学力の猛威によって滅んでしまう。かつての地球上で、このような自滅が何度繰り返されてきたことか。

「ある世界が、その破滅から救われるための唯一の力が愛であると認識した時に、初めてその世界は生きのびることができる。文明の基本としての愛を認識できないでいる限り、その惑星は常に滅亡の危機にさらされるんだ。だってライバル意識や混乱が消えないからね。それが今、君たちの惑星で起きていることなんだ。このような危険な時期に、人類の救済に貢献する仕事ほど重要なものはないんだよ」 (p.205)

【思考の雑音】

「ぼくには他人が考えていることをキャッチできるという大きな欠陥がある。君たちはとてもよい未開人だから、考える時にものすごいボリュームの雑音を出す。ボリュームをいっぱいに上げたラジオの音を聞かないでいるというのはやさしいことじゃないよ。
 まだ、君たちには自分の思考を鎮めるってことを学んでいない。もし、その方法をわれわれが知らなかったとしたら、どうなると思う? テレバシーが発達しているから、聞こえてくる不協和音だけでもう耐えられない状態になるよ」 (p.194)

 「コロコロと変転極まりないから “心” という」 とよく表現されるけれど、思考(念)は本当に納まるところをしらない。雑音のような思念の停止というのは、瞑想の熟練者ででもなければそうやすやすとは出来ない。純化した思いに満たされるというのは意外に困難なことである。それほど地球人というのは、未開人ということである。

【 “移動する” ではなく “位置する” 】

「ベドゥリート、もし、れれわれの円盤の動く速さを計算しようというなら、それは時間の浪費だよ。われわれは即時に “位置する” んだ」
「でも、ほんの数分だとしても、ある場所から別の場所へ行くのにいくらか時間がかかっているじゃない。どうして少しも時間がかからないって言うの?」
「そうはいってないよ」
 アミは笑って答えた。
「そうじゃなくて、円盤は一瞬のうちに目的に着いてしまうんだよ。別の場所へ行くのにかかる時間は、この円盤の装置が目的地への距離や位置を測ったり、通常の “時間・空間とは異なる” 次元を通ってからいかに安全に目的地に現れるか、準備するためにかかる時間なんだ。わかる? だって隕石の通過するような所は避けないといけないからね」 (p.225-226)

 うん、よく分かる。
 宇宙船は “光速” で “移動する” のではなく、 “念速” とでもいう速さで “位置する” のである。それは、さながら荒唐無稽なアニメのような状況であるけれど、現在の地球の科学が遅れているだけである。

【アミの星】

 まるでおもちゃの世界を見ているようだった。
 そこは子供向けのアニメーションに出てくるような小人の町によく似ていた。色とりどりの鮮やかな色で塗られたきのこの形をしている家があるかと思うと、球体をして空中に浮かんでいる家もあった。(p.196)

 子供の頃、粘土で何か作るとなったら、きのこの家ばかり作っていたことがある。
 大人たちは、幼稚な子供たちと思って笑っているのだろうけれど、未開人類は大人の方である。

【戦争や不正といった悪を生みだしているもの】

「戦争や不正を生みだし、そして、それを許しているのは神ではなく、君たち自身だよ」 (p.213)

 戦争や不正を、善悪の二元の大元の神のせいにするのは、人間が編み出した二元論思考の詐術というべきなのだろう。
 繊細なる愛の波動の源である神そのものに、悪はない。魔(間)を忍び込ませたのは、どこまでも人間である。
   《参照》   『質問ありませんか 2』 五井昌久 (白光出版)
             【サタンとか魔って何?】

【やっかいなもの】

「最期に克服しなければならない欠点は、ちょうど、そのカメレオンみたいなヤツなんだ。それは精神的な高慢さ、あるいは精神的エゴという、進化の道をかなり進んだと感じている人を襲うとてもやっかいなものなんだ。とても見つけるのが大変なんだよ。でもその方法が一つだけあるんだ」
「その方法って?」
「誰かに対して、軽蔑を感じる時、その人のことを “精神的にあまり進歩していない” とさげすむ気持ちを抱くたびに見つけることができるんだよ。まさにそこに潜んでいるんだ。精神的エゴは、ともすると自分を進歩しているかのように錯覚させるんだよ。そして微妙に他人を軽蔑するようにさせる。でも真実の愛は誰も軽蔑しない。ただ奉仕することを望むのみ。そこにとても大きな違いがあるんだ」 (p.219-220)

 馬鹿にされるのは不愉快と思っていながら、人を馬鹿にしている自分に気付くことはしばしばあるけれど、それって自分自身の愛未満を自覚する時でもある。
 法華経の経典の中に 『常不軽菩薩品』 というのがあった。その中には、経典を広める功徳ばかり書かれているけれど、本来は、愛を完成させるために 「我汝を軽しめず」 という 「不軽」 即ち、精神的エゴである軽蔑心克服の大切さを説いた内容なのであろう。
 ところで、軽蔑より露骨に表れやすい精神的エゴといえば、嫉妬なのだろう。
   《参照》   『不思議の科学』 森田健 (同朋舎)
             【嫉妬は愛情のバロメーター?】

【愛と執着】

「愛ゆえに母狼は、自分の子に危害を加えようとする者に対してより獰猛になる。人間も、一般的に言って自分たちの愛のためには他人に対して残酷になりエゴイストになる。こういった愛が戦争を生みだす。こういう愛がきみたちの世界をとても危険な状態にしているんだよ」
「いつわりの愛だね」
 と、ぼくは理解したつもりになって言った。
「いや、そうじゃないんだ。それも愛なんだよ。ただ低い度数の愛なんだ。われわれはそれを執着と呼んでいる。執着ゆえに、盗んだり、嘘をついたり、殺したりする。生き抜きたいというのは一つの愛の形だ。でも、ただ自分自身や自分の家族、小さなグループや自分の属している団体や党や派閥に対してのみだ。悲しいことに、そういった生き方のせいで、すべての人たちが命を失う寸前なんだ・・・それはみな過度の執着の結果なんだよ」 (p.235-236)

 キリスト教は、愛の度数にしたがって、エロス(男女の愛)、フィレオ(兄弟の愛)、アガペ(無償の愛)と使い分けている。
 仏教では、「タンハー」 という言葉が 「渇愛」 とか 「愛着」 と訳されているけれど、いずれも低い度数の愛の場合である。アガペに対応するのは慈悲なのであろう。
   《参照》   『人は生まれ変わる』 船井幸雄 (ダイヤモンド社)
            【魂が進化(アセンション)すれば・・・】
 愛の度数が低いままに、科学技術が進歩してゆくと、人類全体の生存が脅かされるようになる。現在の地球のように・・・。

【自然の定義】
 地球より進んだ文明についての話の中で・・・

「実はそれはなんと巨大な宇宙船のことなんだよ。それがもっとも優れた文明の形なんだ・・・宇宙に文明は数百万とあるんだよ」
 ぼくは、少し考えた後で言った。
「人工的な方がずっと優れているって・・・・よくわからないけど、ぼくは自然と一緒に生きるのが、一番進んだ生き方かと思っていたよ」
「人類が考え、作り出したもので、愛の法則に調和しているものは、みな自然なんだよ。人類が永遠の原理と調和して行動する時、宇宙のすべてが人類の資産となる。この資産はできる限りの想像力や技術を使って、幸福のために利用することができるんだよ。(p.242)

 「愛の法則に調和しているものは、みな自然」 この定義は素晴らしい。
 神道では 「自然は神なり」 と言うけれど、自然は愛の法則に則しているからこそ神なのである。
 人類が進化して本格的な宇宙時代に漕ぎ出すまでは、地球上の自然が大いなる鑑となっているはず。

    このアミ・シリーズの続編  ⇒  『アミ3度目の約束』

           

本当の自由を味わいたいと思いませんか!? ~シリウスからのメッセージ~

2016-05-28 18:08:58 | Weblog
http://mfhqc9393.blog65.fc2.com/


人はそれぞれ違った生き方をしていて、まったく同じ生き方をしている人など存在しないのです。ですから、人それぞれの考え方、物の捉え方が違っていて当たり前で、大多数の人の考え方や生き方を統一するなどということは不可能に近いのです。

それでもそれを可能にするには、人に恐怖心を与えて支配するとか、あらゆる手段を使って意図的に洗脳するとかといった、非人道的なやり方を行うことです。そうすれば、ある程度は、その支配者や洗脳者が意図したような、一定の物の見方や捉え方に人々を誘導することは可能なのです。

残念ながら、今の表面地球はそのような世界ができあがっていて、知らず知らずの間に、長い歴史をかけて、人々はある一定の方向に誘導されてきたのです。

それでも気づいた人、目覚めた人はいました。割合的にはほんの一握りでしたが、ざっとここ1万年見ても、数にしたら何億人になるでしょうか。ただし、目立った行動をとった人、その秘密を暴露しようとした人、あからさまに反抗した人など、支配・洗脳者側にとっては危険人物とみなした個人や団体は、ことごとく抹殺されてきたのです。

今、あなた方の住む表面地球は、新しい世に入ろうとしていて、あらゆる分野の変革の礎が築かれ進められています。ただし、まだ秘密裏に進めている事、世にあからさまに公表できないことは多数あり、あなた方一般市民が認識して実感するようなことは、ほんのわずかな事実のみになっています。

その理由は、先ほど申し上げたように、まだ支配層の力が、世の中全体にそれなりに強くはびこっているのは事実でして、世に出すにはまだ早い段階のことが多くあるからです。そして、それを知っている支配層側は、それを利用して、世の支配が弱まりつつあるにもかかわらず、必死になって支配洗脳体制を長引かせ、先延ばしにし、人類滅亡の機会をうかがっているのです。

どうか、落ち着いて目を閉じてください。そして、何度も深く息を吸って吐いて、深呼吸を繰り返してください。そして、自分自身の内側を覗いてみてください。そして聞いてみてください。本当のあなたは何ですか?あなたの今やりたいことは何ですか?あなたはなぜこうして地球上に生まれてきたと思いますか?そんなふうに、思いつくまま、あなたがあなたの心の奥底に、いろいろと尋ねてみてください。

そしてその答えは何であっても、今のあなたの答えなわけですから、その答えに忠実に従って、この先をよりあなたらしく生きるように努めてください。そうすれば、知らず知らずに支配されていたことに気づき、洗脳も徐々に溶けていき、がんじがらめに縛られていたあなたが、まるでさなぎから飛び立つ蝶のように大空を舞い、自由にあなたらしく飛び回ることができるようになるのです。

今の仕組まれた自由に満足するよりも、本当の自由を味わいたいと思いませんか!?だってあなた方地球人類は、その本当の自由を味わうために、今こうして生まれてきたのですから、そう思って当然です。ただし、それには、‘今の自由が本当の自由ではない’ということを知る必要があるのです。支配され洗脳されているという、その事実を感じて認識する必要があるのです。

だから、もう、そんな現実から目を背けようとしたり、否定しようとしたり、怖がったりせずに、身体の目も心の目もしっかりと見開いて、そんな現実的問題にしっかりと取り組み立ち向かい解決すべき時が来たのです。

地球上であなた方地球人類がアセンションを果たすためには、そんな道のりは避けて通れないものなのです。無知の知を知り、そして本物の叡智を身に着け、勇気をもって立ち向かい乗り越え、そして真実に目覚めて精神的に覚醒してこそ、それがあなたのアセンションであり、今の地球人類がアセンションするためには避けて通ることのできない道なのです。

もうすでに分かっている人には、あまりにも基本的なメッセージなので確認程度にとどめてください。でも、まだあまりよくわかっていないとか、真実を避けて通ろうと思っているとか、信じられないとかというような皆さんは、ぜひ、今あふれるようにウェブ上で出回っている、これまで教えられ常識とされていたことが覆るような情報も含めた真実の情報に触れる機会が訪れても、決して目をそらさず、あなたが真実であると感じ、必要と感じるような情報は、できるだけ得るようにすることが賢明です。

そして、現状を知り、今の世の課題を知ったら、あなたはあなたらしく立ち上がり、あなたらしいやり方で今の世を光の世である黄金時代に向かうために、あなたなりに貢献しようとしてください。それはとてもシンプルなことで、あなた自身が、あなたとは何かをより思い出し、あなたらしさとは何かをより自覚し、よりナチュラルに、より軽やかに、よりわくわく感じる方向に向かって、あなた自身のポジティブに感じる歩み方で、光に向かってあなたらしく歩み続ければよいのです。

そんなふうに、より多くのおとな達が覚醒していけば、高次元領域から来たばかりですでに覚醒しているスターシードの子どもたちと同調して光の循環がより強力になり、地球人類個々のアセンションは集合的アセンションになって、地球全体のアセンション、そして太陽系や銀河のアセンションへとつながっていくのです。