森男の活動報告綴

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モーゼルC96 1/1 (マルシンモーゼルM712の外観カスタム)

2018年07月15日 | 銃の模型
今回は、マルシンのモデルガン「モーゼルM712」の外観を「モーゼルC96」にカスタムした作品を紹介したいと思います。プラモデルなら、単に改造と書けばいいんですけど、「モデルガンを改造した」という時点で実にアブナイ感じがしてしまいます(笑)。なので、拙ブログでは「カスタム」という言葉で統一します。

製作したのは17-8年くらい前です。M712は着脱式マガジンで、C96は固定式マガジンなので、フレームの構成が外観・機構ともども違ってます。その辺がカスタムのポイントになります。

C96は1896年から1930年代後半まで(1937年ごろまでらしいのですが、正確にはいつ生産が終了したのかよくわからないんです)の長期間にわたって生産されたので、時期によって各部にいろいろと差異があります。この作品は、第一次大戦ごろのコマーシャルモデルをイメージして製作したものです。

最初に断っておきますが、この作品は外見を変えただけのもので、ベースにしたモデルガンの安全対策(インサート処理など)には一切手を加えておりません。私は、他にもいろいろこういうカスタムをやったことがありますが、その辺の安全対策についてはきちんとやっています。その点については何卒ご理解をいただければと思います。なんか真面目な話で恐縮ですが、こういう安全対策をきちんとすることが、この趣味を楽しむ基本だと考えているもんで、、、。

ベースとなったM712はご存知の通りマルシンの傑作モデルガンです。M712の原型となったC96は、MGCが金属モデルで出していましたが、プラスチック製では製品化されたことがありません。やっぱり、金色の金属製じゃなくて、黒いC96が欲しいなあと思っていたのですが、いつまでたっても製品化されないので、作ったというわけです。

それを以前ブログでちょっと紹介したところ、それを読んだ方から「私も作っているので、製作について不明な点を教えて欲しい」というメールが。「これこれこうで」と返信文を書いているうちに「昔の作品だけど、せっかくだし一度独立したエントリーで紹介してみようかな?」と思った次第です。

さて、本題です。実銃について簡単に説明しますと、C96はいわゆる「モーゼルミリタリー拳銃」のベーシックな形式です。Cはコンストラクションの頭文字で「1896年に作られた」という意味らしいです。最初期のオートマチック拳銃の中では、性能的に最も成功したものといわれており、世界中で使用されました。本体にマガジンが内蔵されており、クリップで弾丸を装填する方式となっています。M712はC96を元にした派生型です。M712は1932年に製造され、着脱式マガジンに変更し、さらにフルオート射撃も出来るようにしたものです。これまでトイガンで発売されたモーゼルミリタリーはM712が多いので、これがモーゼルのスタンダードかというような気がしてしまいますが、モーゼルミリタリーの歴史の中では、あくまで多数の形式のうちの一つ、なんですね。

外観はとてもよく似ているので、M712とC96の共通の部品は多そうに思えるのですが、一つ一つ比較してみると、同じ部品はほとんどありません。外観で共通なのはリアサイトとグリップの固定スクリュー、ボルトストップくらいです。内部も、ハンマースプリングの周辺程度。カスタムに当たって、比較してみたときにそれが分かって頭がクラクラしました(笑)。なので、カスタムは一見簡単そうに見えますが、かなり大変です。

カスタムの大まかなポイントとしては①マガジン部の加工②アッパーレシーバーおよびフレームの凹みの再現④トリガー、セーフティの形状変更⑤バレルの段差を消す といった感じです。どれもほんと実にメンドクサイです。しかも、マニア以外には大して違いがわからず、頑張った成果が表に出てこないという、非常に恐ろしいカスタムなんですね(笑)

「マルシンのM712をC96にカスタムする大変さは、マルシンのM712をC96にカスタムしたことのある人にしかわからない」という言葉は、マルシンのM712をC96にカスタムしたことのある人にしかわからないんじゃないでしょうか(何だこの文章)

C96やM712など、モーゼルミリタリーのフレーム側面は重量削減とデザインのために一部が凹状に掘り込まれています。それがモーゼルの特長となってます(C96には掘り込まれていない「フラットサイド」というタイプもあります)。C96とM712は凹の形状が違いますので、その辺の再現がキモのひとつです。

凹の掘り込みは、モーターツールを使いました。ビットは、円柱形のものです。M712よりC96の方が凹の面積が広いので、ベースの凹をモーターツールで広げてやります。ただ、定規などを使わずに直線を出すのはかなり難しいので、先にデザインナイフと定規であらかじめ想定するラインを薄く引いておきます。また、凹面は切削加工跡がそのままになっているのも特徴なので、ビットのあとをそれらしく残すのもポイントですね。でも、機械加工のような一定した跡にはならないので、あくまで雰囲気優先となってます。

後方の四角上の凸は、凹全体を掘ってから、四角に切ったABS板を張っています。こうすると加工もしやすく、比較的綺麗にできます。

こうやってアップにすると、ガタガタなのがよくお分かりになるかと(笑)アッパーレシーバーの細い溝は、一旦溝の底のレベルまで全て削り、溝の土手をABS板を張って再現しています。なので、溝の底の機械加工の跡が比較的それっぽく出来ているのがお分かりになるのではないかと。

塗装は、モデルガン用のスプレーを使用しました。メーカー名とかは失念。多分、キャロムとかのブラックスチール系だったかと、、、。どの面もABSの下地は平面を出すように心がけ、その後スプレーを出来るだけ塗面が分厚くなるように吹いて、1500番くらいのペーパーで磨いています。モデルガンって「平面とエッジが命!」なんですよね。結果的にできてるかできてないかは別にして(笑)、それを心がけるだけで仕上がりが違ってくるように思います。ペーパーの研磨後、タミヤのエナメル塗料「レッドブラウン」にミグのピグメント「赤錆」を混ぜたものを角に溜まるように塗り、乾燥後軽くエナメルシンナーでふき取って、錆の表現としています。この頃はまだ油絵の具を使ってなかったのでエナメル塗料を使っています。油絵の具の方が乾燥後の塗膜が強いので、今はそうしています。

こちらがマガジン部のUPです。マガジン部の変更はこのカスタムの最大の難所です。M712は着脱式マガジンですので、その分フレームのマガジンハウジング部が一回り膨らんだような形になっています。C96は内蔵式マガジンなので、そういう膨らみはありません。内蔵式マガジンを新たに作るのは、専門的な加工機械がない素人にはとても無理なので、M712の着脱式マガジンを流用し、どうにか収納するしか手がないのです。例えばLサイズのTシャツを着ている人がC96、2Lを着ている人がM712とします。この作業は、M712にLサイズのTシャツを無理やり着せて、あたかもM712に最適サイズのTシャツが、Lサイズかのように見せないといけないわけです。これは難しいですよ(笑)

マガジンの底板は、ABS板で製作しています。T字型の固定金具は、底板にビスをねじ込んでからプラリペアを盛って成型しています。ビスを内蔵させないと、底板にかかるマガジンスプリングのテンションをとても維持できません。見ての通り、そんなにキッチリと再現はしていません。結局隠れてしまうので手を抜いてます(笑)

こちらがマガジン。左がカスタムしたもの。M712の下部分を金属用ノコギリでゴリゴリ切って(これがまた大変)、スプリングの受けにABS板を入れ、そのテンションを受ける金属棒を入れています。なので、10発は入りません。無理やり押し込んで9発、発火させようとしたら7発が限度です。一応発火できるようにしてますが、調子がいまいちで、調整がめんどくさくて(コラコラ)ほとんど撃ってないですね。


上がM712、下がカスタムしたものです。左右の張り出し部は、M712がかなり広いことがお分かりになるのでは。これをあたかもなかったかのようにいかに誤魔化すのかがこのカスタムのキモなわけです(笑)

完全な平面にしてしまうと、マガジンの最厚部が入る部分が薄くなりすぎて強度を維持できません。なので、微妙なR状にして、一見平面に見えるような感じにしているわけです。また、マガジン底板固定用のロッドをアルミ棒で作って、ライブにしています。下の穴はそれ用に開けたものです。実銃は、このロッドのテンションはトリガー用の板バネと兼用されているのですが、それでテンションをかかるようにするにはロッドをほんとキチンと作らないといけないので、弱めの巻きバネを入れてお茶を濁しています。また、底板後方の半円がところどころ凸凹しているのは、マガジンの出っ張りを逃がすためのものです。

カスタムしたのは実は2丁目でして、これが1丁目です。20年位前に作ったものです。比べてみたら、それなりに進歩しています(笑)で、前述のようにフレームのサイドを削りすぎたために、マガジン後部のあたりがうっすらとひび割れてしまっています。

この辺の失敗を受けて、再度挑戦した、というわけです。

こちらはLSのプラモデルガンのC96との比較。キットを木工ボンドで仮止めしたものです。LSのはほんとよく出来てるのがお分かりになるかと。マルシンM712と寸法がほぼ同じですので、かなり正確なリサーチをしたんじゃないかと思います。開発時期を考えると(40年くらい前でしょうか)凄いなあと。当時資料もそんなになかったと思いますし、どうやって寸法とか調べたんでしょうね。

余談ですが、ハドソンの金属製モデルガンのモーゼルカービンは、当時国内で唯一実銃(狩猟用)を所持されてた方がいて、それを取材・採寸したものなんだそうです。詳細は忘れましたが、戦前から使ってたかなにかで、警察も「一代限りですよ!」ということで認められてたとか。なので、あのモデルガンはそういう意味でもかなり貴重な製品なんですね。でも、ハドソンのは着脱式マガジンなんですけど、オリジナルもそうだったのかな?という疑問もありますが。モーゼルカービンは基本固定式マガジンなので、製品化にあたってアレンジしたのかなあ?とも。以上の話は銃の雑誌でちらっと読んだうろ覚えの知識なので、参考程度にしておいて下さい。でも、この辺についてはほんと詳しく知りたいところです。

余談の余談ですが、ハドソンの社長のインタビュー(ミリタリートイズVol.4)で仰天したのが、昔は採寸のために自衛隊が武器学校の実銃を貸してくれてたそうです(!)マガジン抜きで、という条件付きだったそうですけど、今では考えられないことですねえ、、。例えばトンプソンM1A1はそうやって製品化したとか。

自衛隊だけじゃなくて昔はほんとにおおらかだったようで、警察も映画の撮影用に実銃を貸してくれてたそうです。例えば黒澤監督の「野良犬」に出てくる拳銃は全て実銃らしいのですが、みんな「それ」だとか。鑑識課で九四式拳銃を発砲するカットがありますけど、あれももちろん実包を発射してるんでしょうね。うーん、大らかだ、、。岡本喜八監督は学生の頃、警察から借りた拳銃を撮影現場に届けるというバイトをしていたそうです。イヤイヤイヤ、実銃をバイトに預けたらアカンだろ。大らかにもほどがあるやろと思いますが、官公庁であれ個人個人であれ、昔の日本は人が人を信頼するのが基本だったんだろうなあ、ということがよくわかるエピソードです。昭和は遠くなりにけり、ですね、、、。

余談が過ぎました。本題に戻ります。こちらがトリガーとセーフティです。M712のトリガーはフルオートセレクターと連動するパーツがあり、構造的にも形状的にも全く違います。トリガーの支点となる軸を残しながら、ABS板を挟むように接着して成型しています。セーフティの形状も違うのですが、こちらはM712のを削るだけでなんとかそれっぽいものになってくれます。


ボルト後方下部(ハンマーを起すあたり)の形状も違うのですが、もうここはお手上げなのでM712のままにしています。M712でも、C96と同じ形状のものもあって、どういう理由で変更されたのかよくわかりません。そもそも、ボルト自体M712とC96に互換性があったのかどうかもよくわからないのですが。

過去の月刊Gun誌のM712のレポートで紹介された個体は、C96と同じ形状のものでした。「第二次大戦ドイツの自動火器」(大日本絵画)という本で紹介されているM712は、マルシンのものと同じです。このことから、互換性があるのかな?という気もします。で、マルシンのはボルトをストップ(いわゆるホールドオープン状態)させるための凹みがあえて埋められてるようです。ここを削ると、ハンマー頂点のR部にカチッとはまってボルトがキチンとストップされます。でも、ここを削っちゃうとモデルガンのキャップ火薬では勢いが足りないので、発火したときに一発づつボルトが止っちゃうかもですね。なのでマルシンは埋めたのかな?と。

上記の本ではマガジンフォロワーではなく、ボルト自体がハンマーでロックされると書かれてます(P13・14)。長年、モーゼルにはボルトストップがなかったのかな?と思ってたのですが、この本を読んで初めてそういう機能があったことを知りました。C96タイプのボルトも、マガジンフォロワーとは別にロックできる機能があったんじゃないかと思うんですけど、過去のGUN誌などのレポートではそういう記述がなかったんですよね。いやほんと、わからないことだらけです。

また、この本ではM712をR713と表記してます。この本によると、R713はドイツ軍用の呼称だそうです。一方、「別冊Gun Part4」ではモーゼル社内ではR713は「ライエンフォイアー(連射)」と呼ばれるM712の一つ前の形式(不具合が多く、すぐ生産停止)で、M712は「シュネールフォイアー(速射)」と呼ばれていたとあります。でも「第二次大戦ドイツの自動火器」では、両方ともモーゼル社内で「シュネールフォイアー」と呼ばれていたと書かれてます。わけわかめのわからんちん、です(笑)

余談ですが、「第二次大戦ー」の著者のロバート・ブルース氏はコンバットマガジンで長年渋い銃(MG08とかルイスとかFG42とかショーシャとかジョンソンとか、たまらん銃ばかり)のレポートをされていた専門家で、氏の記事は実に素晴らしいものばかりです。私は今でも記事の切抜きを大事に持ってて資料として活用しています。ちなみにこの本は、コンバットマガジンの記事の中から、ドイツ軍の銃器のみを集めて再編集したものです。

これはマルシンのM712との比較です。ドンガラなのはご容赦下さい。いつかそのうちまたC96を作ろうと思ってまして、ABSのフレームとアッパーレシーバーをとってあるんですね。これを見ると、マガジン部の膨らみが違うのがよくお分かりになるかと。

また、トリガー上部のえぐれが全然違うこともお分かりになると思います。ここも、削りすぎるとトリガーの軸受けが露出してきますので、ギリギリまで削り込んでます。ほんと「C96とM712は似て非なるもの」なんですね。

右側面の刻印は残そうと思えば残せるかもしれなかったのですが、凹みを再現する際の切った張ったで「無理!」と判断して埋めてしまいました。

またいつかこのドンガラをベースにカスタムするときはなんとか残したいところです。ただ、書体が違うので残しても正確な再現にはならないんですけどね。今は個人用の彫刻用NC(っていうんですかね)がありますので、こういう刻印も難なくできるみたいですけど、そこまでの設備投資はとてもできません(笑)

こちらがLSとの比較。前述の通り、LSのはとてもよく出来ているのですが、それでもやっぱり各部がダレた感じがするのは否めませんね。とはいえ、これをベースにキッチリ仕上げるととてもよいものになるのは間違いないです。

ただ、基本的にスチロールプラスチックのため(ハンマーやトリガーはABS)、強度はありませんのであくまで観賞用という感じにしかできないでしょうね。

あと、細かいことをいえば、バレル基部に段差があったり、フロントサイトがボロモーゼル(C96のバレルを短くし、グリップも小型にして携帯しやすくしたもの。ソビエトのボルシェビキに愛用され、ボルがなまってボロになったとか)の仕様になってたりと「?」という箇所が散見されます。本体の再現度が凄いだけに、なんでバレル周辺だけ変なんだろうと不思議に思ってしまいます。

ちなみに、グリップもM712とC96は違います。C96の方が滑り止めの溝が多いですし、グリップで挟むフレーム部分の厚みがM712はグリップ前方と後方は同じなのですが、C96は前方の方が薄くなってます。ただ、M712と同じユニバーサルセフティを備えたM1930(セミオートのみで、固定マガジンのC96。でもM712のような段差バレル)は、M712のような溝の少ないグリップが付いてます。なので、ひょっとしたらM1930のフレームの厚みはM712と同じなのかもしれません。このカスタムは、実はグリップに手を加えてません。フレームを削るところで満足してしまって、最後のグリップは仮に着けてそのまま、となってます。フレームに合うように肉を足して、溝も彫り直さなきゃな、、と思ってるうちに10何年も経ってしまいました(笑)

というわけで、全部並べてみました。左から1代目カスタム、二代目、マルシンM712、LSのC96です。

いやー、4丁並ぶと実になんかいい感じですね(笑)

で、ここまで書いてふと我に返ったのですが、C96とかM712とかR713とかM1930とかボロモーゼルとかフラットサイドとか書いてますけど、どのくらいの方が付いて来れてるのか心配です。まあでも、しゃあないですね(ヲイ)。モーゼルミリタリーって、ほんと奥が深くて面白い拳銃なんですよ。とはいえ、私も全然詳しくなくて、入り口周辺をうろうろしてるだけなんですけどね(笑)

LSのキットをもう少し紹介します。10年位前にネットオークションで手に入れたものです。透明のパックが開封済みだったので、割と安く落札できました。前述の通り、とても素晴らしいキットです。私が子供の頃にはもう店頭から消えてまして、リアルに売っているのを見た事がありません(AKMだけ見た記憶が、、)

箱絵は、バレルはボロ仕様で、グリップはオリジナルという「?」なもの。キット自体は通常のバレル長です。さらに、カートリッジは9ミリパラなのに、グリップには「9」の彫り込みがない(9ミリパラ仕様はそういう風になってます)という、なんだかんだで大らかなキットです。

でも、基本的には凄い再現度で、たまらんです。作ってみたいんですけどもったいなさ過ぎてずっとそのままです。金属パーツもかなり多用していて、クリップまで付いてます。

LSのキットのラインナップは実に渋くて、今でも欲しいキットがたくさんあります。特に、AKMが欲しいです。あれ、日本のモデルガンでは唯一、カラシニコフの内部構造をキチンと再現してるんですよね。でも、未組み立てのが出品されても多分3,4万じゃ落とせないでしょうねえ、、。未組立てでも作りかけでも完成品でも、1万くらいで売ってもいいという方、ご一報をお願いします(笑)

LSのキットは「金型がどこかにあるなら、再販してくれないかなあ」とずっと思ってまして、そういう方も多いんじゃないかと。でも、詳しい方によると、こういう金属パーツの再生産が難しいんだそうです。プラパーツは金型があればいくらでも再生産できるんですけど、金属パーツは基本外注らしく(この辺はメーカーによるでしょうけど)、プレス型があったとて、まとまった量じゃなければ受け付けてくれないし、スプリングの類も同様だろうと。タミヤのリモコンのギアボックスとかも、同じような理由でまあ再生産の可能性はないとか。確かに、そう考えると納得です。なので、どうしても欲しければ必死で過去の生産品を手に入れるしかないでしょうね。そういう意味では、モデルガンはもちろん、ラジコン含め金属パーツを多用している製品は消耗部品込みで、手に入るうちに買っておくのが一番いいのかもしれません。うーん、実に因果な趣味でありますね(笑)

こちらはアクセサリーです。クリップは全部マルシン純正です。ダミーカートは実物(もちろん火薬と雷管のない合法品)です。ダミーカートをクリップに入れるとかなりきつくて、なんとか入りますけど装填は無理な感じです。この辺は実銃用に使うことができないようにマルシンが配慮したのかな?という気がします。例えばP38のカートって、9ミリパラより全長が短くて、マガジンには実寸のカートを入れることができません。それは、そういう配慮があったから、と何かで読んだことがあります。当時って、メーカーが関係各位にそういう気を使う時代だったみたいですね。クリップはいきつけの模型店で売れないままずっと残ってて(確か1個250円でした)、小遣いが入るたびに一つづつ買ってたら6個も持つことに(笑)。あと、実物のダミーカート、というとアブナイ感じがしますけど、薬莢と弾頭はただの金属片なので法的に全く問題なく、国内で普通に売っています。念の為。

上の革ホルスターとストックホルスターのホルダーは中田商店のレプリカです。ストックはマルシンの純正です。ストックホルダーに差しているクリーニングツールは、近所のDIY店で売ってたヤスリの柄にアルミパイプを差し込んだ「なんちゃって仕様」です(笑)。ホルスターは、日本軍仕様として売られてたものです。十四年式拳銃用みたいに、フラップがカップ状になったワンランク上のタイプも売られてたんですけど、ちょっと高くて買えませんでした(笑)。日本軍はモーゼルを準制式として採用しており、正規に輸入して支給してます。将校の私用拳銃(将校は拳銃を私費で購入することになってました)や、中国大陸での鹵獲品ともども、日本軍でもモーゼルは馴染みのある拳銃だったようです。

こちらが資料本です。左の「System Mauser」は「モーゼルミリタリーのバイブル」みたいな本です。何年か前にやっと買いました。1967年の発行の古典でオールモノクロですが、資料的価値では恐らく今でもナンバーワンじゃないかと。。モーゼルの多種多様な形式を網羅・紹介していて、いやほんと実に凄い本です。「別冊Gun Part4」はモーゼルはじめ、ルガー、ガバメント、ピースメーカー、P38、PP、ラドム、トカレフ、十四年式、ベレッタM1934、ウェブリーなどなど、実に渋い拳銃をカラーで歴史的経緯を含めながら詳しく解説しています。30年前の本ですが、いまだにこのクオリティに達するものは見たことがないくらいの素晴らしい本です。モーゼルの歴史的推移も実に分かりやすく解説されています。

あと、月刊Gunやコンバットマガジンの記事をばらして仮綴じした冊子も私の貴重な財産となってます。写真のはモーゼルの記事をまとめたもの。銃の雑誌はじめコート紙を使う雑誌って、とても重くてかさばるんですよね。引越しのときにダンボールに入れると死ぬほど重くなるということは、こういう趣味を持つ方々にはよくわかっていただけるのではないかと(笑)。なので、引越しの際に思い切って必要なページだけを抜き出して、まとめました。本棚にはこんな風にテーマごとに仮綴じしたものが何十冊もあります(笑)。

これが上の写真の資料を開いたもの。今はネット全盛ではありますが、こういう紙の資料も実に大事なものだなあとしみじみ思います。

「別冊Gun」は、中学生のときに買いました。定価は2500円で、中学生にとってはかなりの出費です。かなり悩みながらレジに行った記憶がありますが、いまだに第一級の資料として役に立っています。逆に、今はこういう上質な本ってあんまりないような気もします。頑張っていい本を出してもなかなか売れないんでしょうね。時代を感じますねえ、、、。

というわけで、わき道寄り道が多かったような気もしますが、これでお終いです。いやー、今回も長くなりました。でも、あれもこれも「書いておきたい!」ということばかりなので「これは一気には書けないな」と悟り、1週間コツコツかけて書きました(笑)。それくらい、モーゼルってカッコいい拳銃なんですよね。

先にも書きましたけど、いつかそのうち、3度目のカスタムに挑戦してみたいと思ってます。でもまあ、その前にどこかのメーカーさんでモデルガンにしてくれたら一番いいんですけどね(笑)

それでは。

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