~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

頑張れ日本の陰で…

2011-07-08 22:17:09 | 日記
東日本大震災の直後から「頑張れ日本」の言葉がテレビから

引っ切り無しに流れ、まるで日本中の合言葉になり、そして

その言葉にのって進め進めという勢いで、復旧復興に向かっています。

立ち止まる時間もなく、悲しみと向き合う時も、悲しみや苦しみを

口にすることも出来ず、すべてを心に沈めて歩きだそうとしている

被災地の人を見ていると、胸が詰まりそうになります。

今日、新聞に載っていた精神科医の野田正彰さんの文章を読み、

思いが重なった気がしました。

  
  「阪神大震災の時は、牛乳瓶や空き缶に花を差し瓦礫の中で

   うずくまっている人を大勢見たが、今回の震災ではそんな姿は

   少ないと感じている。

   被災地の人達は胸が張り裂けそうな悲しみを抑え、押し黙って

   いるのではないでしょうか。

   悲しむということは、失った家族と対話することです。

   その悲哀を通して、人は人生の意味をあらしめている。

   本当に深く悲しめる人は他者と深く喜び合える人でもある。

   ただそれだけのことが文化として共有できない社会は、

   野蛮な暴力社会だと思います。

   悲しみを、ちゃんと悲しめる社会

   それこそが本当の復興へ向かう私たちの精神の礎で

   あるべきです。  (野田正彰)

   
   野田さんの文章の一部です。言葉は多少きついところも

   ありますが、頑張れ日本の陰で見落としてきている大切な

   ことを示唆しているように思いました。

   

     
コメント
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