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酔生夢死ってわけでもないけれど、、、日々雑感

2024.09の東京ディズニーランド①〔グリーティング、ランチショー〕

2024年09月14日 | 旅行記

夢の国に行って来ました。前回は「2023師走の東京ディズニーシー」なので、9ヶ月ぶり。シーかランドか迷うところですが、ランドにはいつ行ったかも覚えていないくらい昔のことで、「久々にランドにしようか。」ということになりました。

(夢の国から帰った翌日、メールに届いたアンケートに答えてもらった壁紙。)

ご存知の通り、シーでもランドでも事前準備がポイント。

 ・体験したいアトラクションなどのピックアップ
   (回る順番の作戦立案は必須で、ベストプランと次善の策くらいを準備)
 ・食事の予約
   (シーでの経験からレストラン予約は1ヶ所で十分、あとは空腹具合で臨機応変に)
 ・スマホバッテリー、日傘、水筒など持ち物準備
   (今回はグリーティングでサインをもらおうと思うので、サイン帳とペンは必携)

とはいえ、ランドについては初めて同然なので、子育て真っ最中の姪っ子に「これだけは乗っとけ」情報などのアドバイスをもらって当日に備えます。で、レストランを予約しようと思ってアプリでチェックしますが、まぁ空いていません。ランドに決めたのが結構間際だったので出遅れたみたい。時々チェックしていると、ランチショーが空いたので速攻で予約。

(「ザ・ダイヤモンドホースシュー」のショー付きランチ。かなりラッキーだったと思いますが、S席が空いたのでゲット。)

この「ザ・ダイヤモンドホースシュー」のランチショーの予約が当日奇跡を起こします。

さて、当日。道路が渋滞して駐車場ゲートに着いたのは9時ちょっと前。

(駐車場代は前払いで3000円。高いですが、酷暑の中公共交通機関で来る労力と交通費を考えると、うちは車一択です。)

完璧な誘導でスムースに駐車完了。

(停めた場所を忘れないように写メを。駐車エリアの記憶はバッチリだったのですが、帰りに駐車場の建物の場所が分からず少々迷いました。(笑))

既に開門していましたが、セキュリティチェックとゲート通過にまだ列ができていましたので、さほど出遅れ感はなし。夢の国に来ました!

(9月中旬だというのに、めちゃめちゃ暑い。いただいた日傘が大活躍の一日でした。)

作戦立案は妻がやってくれました。ネット上の様々な情報から、まずはグリーティングでミッキーとミニーに会いに行きます。

(トゥーンタウンへ。)

ここへ向かって歩いている最中に現地でのエントリーが必要なミュージカルショーの2つのプログラムにトライしましたが、「クラブマウスビート」は落選、「ミッキーのマジカルミュージックワールド」が当選しました。さて、「ミッキーの家とミート・ミッキー」です。

(姪っ子に言わせると、35分待ちはかなりラッキーだそうです。)

ミッキーさんちに入ると冷房が効いていて生き返ります。そして、ディズニーワールドに没入。

(高齢者でもテンションが上がります。(笑))

トゥーンタウンはベビーカーの親子でいっぱい。

(ミッキーのお仕事は映画関係のようです。俳優さんだったかな。)

ミッキーと写真を撮ることができる部屋には2グループずつ入るような感じで、ちょうど入れ替わりの時にミッキーのソロの写メを撮ることができました。

(よろしくお願いします。(笑))

この後、まずサインをもらって(サインが上手!)、それからキャストさんが私たちのスマホで写メを5枚以上撮ってくれます。めちゃめちゃいい写真が撮れました! 高齢者のテンションもMAXです。(笑)

(ミッキーの家の出口の所で、もらったサインを記念撮影。妻も別のサイン帳にサインをもらいました。)

余韻も冷めやらないうちに続いてミニーに会いに行きます。「ミニーのスタイルスタジオ」。

(こちらも35分待ち。体感としては全くストレスのないレベルです。)

オシャレなミニーの家。

(手作り衣装(ドレス)を着ている小さな女の子たちが結構いましたが、ここで写真を撮るためのようです。年賀状用でしょうか。(笑))

妻に教えてもらいましたが、ミニーのお仕事はファッションデザイナー。家の中には、布地やアイロンなど、服をデザインして作る道具が並んでいます。

(ユザワヤもびっくりのカラフルな布地の多さ。ほんと作り込みがすごい。見ていて全く飽きませんね。)

家の中の作り込みに感心しているうちに順番が来ました。ミニーにサインをもらっているところ。

(ミニーがサインを書きやすいようにサイン帳を手で押さえています。)

この後、ミニーと手をつないで記念撮影をしてもらいました。ミニーの衣装は既に秋モードで超オシャレでした。ミッキーとミニーに会って、サインをもらって、記念撮影をして、ハグをして、最高のスタートとなりました。

さて、ランチーショーの予約時刻は11:10。アトラクションを挟む時間もないので、ちょっと早いですが、「ザ・ダイヤモンドホースシュー」へ。

(事後にスクショしたので予約時刻が表示されていませんが、予約済みの情報はアプリに表示され、時間前にアテンションのメッセージも通知されます。私たちの慣れなのか、アプリが改善されたのか、全般的に使いやすくなっているような気がします。)

「ザ・ダイヤモンドホースシュー」(劇場名)で開催される「ザ・ダイヤモンド・バラエティマスター」というショー、ということですね。

(提供はプリマハムです。(笑))

到着したら、まずは窓口で予約名を告げてチケットを発行してもらいます。S席というのは客席のゾーンで、具体的な座席はこのチケット発行の時にガチャ的に決まります。

(テーブル「S02」。S02はどんな席なのか。番号がかなり若いので前の方だろうという期待があります。)

開場時刻まで少し時間がありますので、建物前の日陰のベンチに座って、妻とサインを見せ合います。私のサイン帳。

(上がミニー、下がミッキー。仕事で使うようなリングノートをサイン帳にしました。)

妻のサイン帳。

(昨年の師走にシーに来た時に買った2024年のスケジュール帳。こっちの方が断然雰囲気がありますね。(笑))

開場となりましたので入ります。

入口でチケットを見せるとキャストさんがアテンドして席まで案内してくれます。

(中もすごく雰囲気がいいです。これだけでテンションが上がります。)

舞台前の特等席に案内されるのかと思ったら、キャストさん、上の写真の右にある階段を上がります。「えっ、2階なの?!」って驚いていたら、何と舞台上のBOX席で、再びびっくり。

(激レア席(byキャストさん)。奇跡です。帰りの車の運転、気を付けないと。(笑))

私たちの席から舞台や客席を見た景色です。

(舞台をほぼ真横から見ることになりますのでちょっと見づらいかもしれませんが、激近の魅力は強力。ちなみに、「ホースシュー」とは馬の蹄鉄のことで、レストランのレイアウトが馬の蹄鉄のような形をしているのが名前の由来だそうです。この写真では分かりませんが。)

着席10分くらいで料理が運ばれてきます。

(真ん中の「蹄鉄」はパン。料理の方もなかなかのレベルで、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくはもちろんですが、どれも美味しい。骨付きソーセージは、さすがプリマハム、うまいです。(笑))

これだけでもお腹いっぱいになりますが、最後にデザートが出てきます。

(ダメ押しのボリューム。)

おそらく普通の人の食べるスピードだと開演までに食べ終わらないと思いますが、私たちは完食。(笑) ショーを存分に楽しみます。

(開演です! MC的な役割の2人。牛キャラの女の子は「クララベル・カウ」。手前は馬キャラの男の子「ホーレス・ホースカラー」。種が違いますので(笑)、恋人ではなく、仲良しの2人。)

ちょっとだけストーリー仕立てになっています。グワッグワッというだみ声にコンプレックスを感じているドナルドダック。空からかわいい花の植木鉢が降ってきて、ドナルドのシルクハットに落ちると、ドナルドの頭に花が咲きました。すると、ドナルドの声がだみ声でなくなって、、、。(と、私の勝手な解釈です。(笑))

(ちょうど植木鉢が落ちて来て頭に花が咲いたところ。)

この後はそれほどストーリーには関係なくディズニーの仲間たちが踊りまくります。

(ミニーのダンスがキレッキレですごかったです。)

初めて知りましたが、鶏キャラの女の子「クララ・クラック」。

(私には湯婆婆が変身した鳥のカラフル版に見えましたが。(笑))

みんな舞台狭しと踊りまくるので、ミッキーたちがこんな感じで私たちの席にどんどんやって来ます。

(これはクララ・クラックですが。)

妻も私もみんなとハイタッチや握手しまくりでした。ミッキー、ミニー、クララベル、ホーレス、クララ・クラックとは数え切れないくらいハイタッチをしたことをはっきりと覚えています。(ドナルドとデイジーダックはどうだったかなぁ。) ということで、自慢になりますが、ミッキーやミニーたちとは「ずぶずぶの関係」になりました。(笑)

(手前の人間のダンサーさんともハイタッチしました。(笑))

大がかりな楽器も出て来て見事な演奏を披露してくれます。

(お客さんたちもテーブルを手でトントンしたりして、みんなで盛り上がります。私も年甲斐もなくやっておりました。(笑))

終盤、ドナルドが踊り狂うのでデイジーが止めようとすると、頭の花を抜いてしまいます。すると、ドナルドの声は元のグワッグワッのだみ声に。「でもみんなはドナルドのその声が好きだよ。」的な感じになってフィナーレへ。(再び私の勝手な解釈です。(笑))

(衣装チェンジ。最後は全員で踊ります。ドナルドとデイジー、近いです。ちなみに、ショーの写メは一切ズームしていません。)

そして、お客さんの楽しみは、最後の最後に短い時間ですが、ミッキーたちが踊りながら会場(1階席のみ)を回ってくれます。

(「ザ・ダイヤモンドホースシュー」が大人気なのも分かります。モザイクをかけていますが、お客さんは大人も子どももみんな満面の笑顔。)

エンディング。素敵です。

(私、スマホ片手に全力で手を振っています。(笑))

本当のエンディング。

(「ザ・ダイヤモンドホースシュー」のランチショー、最高でした!)

何の予備知識もなく予約した「ザ・ダイヤモンドホースシュー」でしたが、ディズニーランドの魅力を凝縮したような感動のランチショーでした。次にディズニーランドに来ることがあれば間違いなくまた予約すると思います、S席を。(笑)

 

・・・2024.09の東京ディズニーランド②〔❝びしょ濡れ MAX❞、美女と野獣、ミュージカルショー〕へ続く。


青森県4泊周遊旅行⑥[完]〔5日目観光(大鰐温泉~十和田湖・奥入瀬~八戸)編〕

2024年09月06日 | 旅行記

青森県4泊5日の周遊旅行もいよいよ最終日です。最終日は「界 津軽」から八戸、三沢空港へ向かう道中に何箇所か立ち寄ります。

チェックアウトは12時ですので、朝食の後も結構ゆっくりできます。最近の温泉宿は11時チェックアウトが主流で、「界」のように12時チェックアウトという宿もそこそこあります。

(ということで、最後まで温泉三昧。)

ささっと荷物をまとめてチェックアウト。「界 津軽」、快適に過ごさせていただきました。

(フロントに置かれていたヒバりんご。「写真撮らせてもらっていいですか?」と訊くと、「どうぞどうぞ。でも販売はしていないので申し訳ございません。」と言われました。買いませんよ。(笑))

さて、「界 津軽」をチェックアウトして、まずは昨日チェックしておいた大鰐温泉駅前の「湯の駅 鰐come」でお土産物の購入と軽めの昼食を。

(専用駐車場もありますし、駅の無料駐車場の道路向かいなので、そちらに停めても良し。立地が便利。)

建物に入ると、物産販売コーナーとなっています。

(青森県や大鰐町の魅力的な地元の物産がいっぱい。野菜や果物の値段を見ると、めちゃめちゃ安い。爆買いしたいところですが、ここは青森、帰路のことを考えて断念。)

お世話になっている方にりんごジュースを送りました。

(たくさん種類があって迷いますので、お店の方におススメのアドバイスをいただきました。)

妻は黒にんにくを購入。

(東京のスーパーで売っている物よりもかなり安かったそうです。帰宅後食べてみましたが、「フルーツのような黒にんにく」と書かれている通り、フルーツみたいで驚きました。もっとも、後味はにんにくです。(笑))

ここで昼食にします。事前リサーチしておいた「お食事処 花りんご」。

(物産コーナーのお隣。この左手方向に通路が続いていますが、その奥が大鰐温泉の外湯。外湯上がりの人や地元の人のお昼ご飯場所になっているようです。)

メニューは幅広く定食物からラーメンまで。

(ボトルキープらしきお酒の瓶もありますので、夜は飲み屋さんとしてやっているようです。店員さんは地元の?おばさまとおばあさま。)

「界 津軽」の朝食をしっかり食べたので、昼食は軽めにラーメンにします。もちろん、お目当ては大鰐温泉もやしのラーメンです。私は醤油系を。

(大鰐温泉もやし、たっぷりトッピングされています。)

妻は味噌系を。

(本日のお得ランチ、温玉と肉味噌入りの大鰐温泉もやしラーメン。)

麺は細麺のややちぢれ麵。醤油系も味噌系もとても美味しくて、大鰐温泉郷での大満足の最後の食事となりました。超ローカルですが、大鰐温泉、とてもいい所です。

さて、次は十和田湖へ向かいます。たっぷり1時間は走ります。道中信号待ちしている時の看板。

(田んぼアートの第1会場でも秋田犬の大館市のPRポスターを見ました。大館市、誘導強めですね。(笑))

十和田湖を望む「発荷峠第一展望休憩所」に到着です。

(大鰐温泉を出発する時はギリギリ晴れていたのですが、十和田湖は曇天なり。)

この建物の屋根に見える所は屋上で、そこが展望台になっています。建物の壁に貼られている十和田湖の地図。

(湖の下(南端)に「現在地」マークがあります。発荷峠(はっか)は南からの十和田湖の一番眺めの良い展望台とのこと。)

展望台に上ってみました。

(ドン曇りです。(笑) 湖に張り出している陸地は、手前が「中山半島」、その奥にやや霞んで見えるのが「御倉(おぐら)半島」。)

展望台から駐車場側を見てみると、何ともレトロな「峠の茶屋」がありました。

(写真では分かりませんが、ずっと大音量で昭和歌謡(有線放送か?)を流しています。)

発荷峠を出発して反時計回りに十和田湖畔を走って、休屋(やすみや)というエリアの有料駐車場に車を入れます。先程見た中山半島にある、高村光太郎作「乙女の像」と「十和田神社」まで散策します。

(休屋駐車場周辺にはレストランや売店が並んでします。バリバリの観光地モードだったので入りませんでした。「稲庭うどん」、「南部そば」、ロケーション的に秋田県はじめ東北が交じり合う料理の看板。)

湖畔には途中まで散策路が整備されています。

(遊覧船が発着する桟橋の方を望む。)

標識に従って湖畔を歩いて行きます。

(ますます雲が厚くなってきた。散策路はもう少し行くとオフロードになります。)

10分程歩いたでしょうか、こちらが十和田湖のシンボル?「乙女の像」。

(インバウンド観光客のみなさんが写メを撮りまくっていました。)

湖を背景にすると逆光なので、湖を背に1枚。

(「乙女の像」という作品プレートが台座のどこにもないので、正面がどこなのか分からず。)

ここから湖畔を離れて陸地側に伸びる道が十和田神社に続いているようです。

(よく見ると「徒歩1分」と書かれているのですが、とても1分では到着しません。徒歩5分はかかったような。)

出るのでしょうか。

(これまでの立ち寄りスポットでこの種の注意喚起看板を何度も見て来ましたが、最も出そうな雰囲気です。)

「青龍大権現 十和田神社」だからか、手水舎の水は青龍様が吐き出しています。

(水は細いですがとても冷たい。)

苔むした参道を進みます。

拝殿が見えてきたあたりがなかなか雰囲気のある景色です。

(曇天のせいか地理的なものなのか、湿気がすごいです。)

こちらが十和田神社。お参りさせていただきます。

(石垣や石灯籠など、ありとあらゆるものに苔が生えています。苔鑑賞が趣味の方にはおススメスポットです。(笑))

御朱印をいただきました。

(流れるような「青龍」の書。)

ここから十和田湖畔へ戻ります。道中、十和田神社の末社が並んでいる小径。

(湿気が、、、。)

湖畔に復帰しました。

(遊覧船がちょうど出航。音もなく静かに湖面を進みます。)

休屋駐車場に戻って、次は御倉半島の❝根元❞の高台にある展望台「瞰湖台」へ向かいます。不安になるような細い上り坂を進むと、工事中なのか廃屋になってしまったのか、ボロボロの小屋がある「瞰湖台」に着きました。

(地べたに置かれた案内図。駐車場も閉鎖されていて、少し開けた路肩に車を停めて、元展望所?に行ってみます。)

こちらが瞰湖台からの十和田湖の景色。

(中山半島が見えます。更に雲は厚くなり、、、。)

あいにくの曇天&小雨交じりで、本来の群青の十和田湖、深緑の森、青空という景色は望むことができませんでした。ところで、日本で一番深い湖は十和田湖と思っていましたが、勘違いでした。1位:田沢湖(秋田県)423.4m、2位:支笏湖(北海道)360.1m、3位:十和田湖(青森県)326.8m。これで十和田湖観光は終わりで、続いて、十和田湖から流れ出ている奥入瀬渓流に立ち寄ります。

奥入瀬渓流の観光と言えば、ビジターセンターか途中の駐車場に車を入れて、たっぷりと散策するのが王道ですが、時間の関係で、1スポットのみ立ち寄ります。最も有名で人気のスポット「阿修羅の流れ」。

(ちょうど開けた路肩に車を停めることができラッキーでした。奥入瀬渓流は人気スポットのようで、一時駐車する車、ホテル・旅館のOPツアーらしきマイクロバス、大型の路線バスなどの車と、散策している人、車から吐き出される人など大勢の観光客が入り乱れてガヤガヤです。)

ここが阿修羅の流れ。

(どこを切り取っても映えます。)

10m程離れた所でもう1枚。

(渓流のおかげか、ヒンヤリするくらい涼しいです。)

この後も奥入瀬渓流を車窓から観光。星野リゾートの人気ホテル「奥入瀬渓流ホテル」の前も通過しましたが、オシャレな外観でございました。(笑)

次はいよいよ最終エリアの八戸へ。今回の観光プランを練っている時に八戸エリアで訪ねてみたかった「蕪島神社」へ向かいます。阿修羅の流れから蕪島神社までは1時間半というところ。「界 津軽」を12時チェックアウトとゆっくり目の出発だったので到着するのは17時前になりそうです。

(その通り、17時に到着。)

蕪島神社(かぶしま)は、弁財天をお祀りし、商売繁盛、漁業安全の守り神として古くから地元の人々の信仰を集めてきました。「蕪」と「株」が同じ読みであることから、株価と人望の「かぶ」が上がるご利益があると言われる「かぶあがりひょうたん御守」が人気だそうです。「蕪島」という名の通り、元々は島でしたが、1942年(昭和17)に旧日本海軍が埋め立てたことにより陸続きとなっています。

(御朱印をいただくなら17:20がリミットです。)

そして、蕪島神社はウミネコ繁殖地として全国に知られています。(私は今回の事前リサーチで知りましたが。(笑)) 全国に10ヶ所ほどあるウミネコの繁殖地のうち、断崖絶壁や離島という人が容易に近づけない場所がほとんどの中、ここ蕪島は間近で営巣の様子などを観察できる貴重な場所。

(看板をズームで撮りました。)

手水舎がウミネコのレリーフ。

(水は出ていなかったような。)

この手水舎の隣に高札がありました。「ウミネコ便り」。

(こう書いてあります。「今年もウミネコは蕪島に春に来て子育ても無事終わり、7月24日に親子ともども飛び立ち、北海道方面に向かい元気にしております。12月には蕪島に数日間立ち寄りたいと思っております。そして、来年の春にはまた3万羽の仲間と蕪島に戻って来ますのでよろしくお願いします。」 ウミネコが手紙をよこしてきたような書きぶり。(笑))

それでは急ぎ参道を進みます。

(ちょっと分かりづらいですが、朱塗りの鳥居に白い雨だれのような汚れがたくさん付いています。これはウミネコの糞。)

ということで、ウミネコが乱舞している時期はこの参道を無事には上りきれないことから、上り口にこちらが用意されています。

(ウミネコの糞除けの傘。(笑) ちなみに、もし糞が当たったら「運がつく」ということで、神社から記念品をいただけるとか。何をいただけるのかは分かりませんが。)

お参りさせていただきます。

(拝殿は新しいように思えます。)

拝殿前に来ると、蕪島神社のご利益に関わるブロンズ像が左右にあります。

(左:ひょうたん、右:かぶ。)

蕪の方をアップで撮ってみます。

(「かぶあがり」。(笑) この蕪のブロンズ像、上から見ると葉の重なりなどもリアルに再現されており、かなり写実的に造り込まれていることがわかります。)

ギリギリ17:20に間に合い、御朱印をいただくことができました。

(ご利益がありますように。(笑))

「ウミネコ便り」にも書かれていましたが、写真でもお分かりの通り、私たちが訪れた時は既にウミネコは1羽もいませんでした。最盛期の様子がこちら。

(ネットより拝借。想像以上の光景です。これは絶対に無事では済まないですね。(笑))

蕪島神社は高台にあるので、拝殿の周りをぐるりと回ると絶景を望むことができます。

(北東の方を見ています。曇っているのでイマイチですが、晴れていれば絶景だと思います。)

蕪島神社、ウミネコの季節の晴れた日に、怖いもの見たさで再訪してみたいですね。(笑) さて、これで観光は終了です。大都市八戸市には今回の旅では滞在はしませんが、事前リサーチしていると、食やお酒がとても魅力的に思えました。ということで、最後の最後に次回の下見ではないですが、「みろく横丁」をぶらっとします。

(「八戸屋台村 みろく横丁」。なるほど、店舗未満・移動式屋台以上のお店が集合しているのですね。)

向こうの大通りまで通り抜けることができますので、お店を覗きながら歩きます。

(八戸に宿泊するならここで食事を兼ねて一杯やってみたいです。)

反対側に出てきました。

(こっちが正面かも。「みろく横丁」のサイトを見ると、お店は結構入れ替わりがあるようですが、いい感じのお店ばかり。)

「みろく横丁」、通り抜けるだけではもったいない❝路地❞でした。大通りにはご当地の名物料理を出す飲み屋さんもたくさんありました。

(「せんべい汁」とあります。)

ここは八戸駅からは少し離れていますが、これだけの飲み屋さんが集まっているということは、夜の中心街なのでしょうかね。いずれにしても、初めての八戸、ごくごく短時間でしたがその魅力の一端に触れることができたような気がします。(帰宅後調べてみると、八戸には「横丁文化」が根付いていて、「みろく横丁」を含め8つの横丁が張り巡らされているそうです。)

「みろく横丁」を出発、あとは三沢空港へ向かうのみです。三沢空港までは約40分。途中指定のGSでガソリンを満タンにして、5日前に出発した旅のスタート地点(空港のレンタカー専用駐車場)に無事帰って来ました。飛行機の方は使用機の到着が遅れたため30分ほど後ろ倒しになりましたが、売店を見たり夕食の食べ物を買ったり、ちょうどいい時間ができました。

(長いようであっという間の5日間でした。)

飛行機は往復ともにJクラスを予約することができたので、ゆったりと❝空の旅❞を楽しみました。Jクラスだと疲労感ゼロですね。

(東京上空。私たちの足元にはこの旅で買ったお土産があります。「ワ・ラッセ」で買ったご当地限定ポテチ、「グランメルシー」のアップルパイなどなど。Jクラスなら足元も余裕あり。(笑))

無事到着して荷物をピックアップ。

(この後、ターンテーブルが動き出すまで結構待たされました。)

羽田空港駐車場から車で帰ります。駐車場の予約はたいへんですが、車移動が楽過ぎて最近は常にこのパターンです。そして、無事に帰宅。青森4泊5日周遊旅行、万事無事に終わりました。

  青森県4泊周遊旅行①〔到着~1日目観光(龍飛岬・津軽半島~五所川原)編〕
  青森県4泊周遊旅行②〔2日目観光(下北半島)編〕
  青森県4泊周遊旅行③〔3日目観光(青森市、弘前市)編〕
  青森県4泊周遊旅行④〔「界 津軽」編〕
  青森県4泊周遊旅行⑤〔「界 津軽」連泊中日、4日目プチ観光(田舎館村、黒石)編〕
  青森県4泊周遊旅行⑥[完]〔5日目観光(大鰐温泉~十和田湖・奥入瀬~八戸)編〕

全6編もこれにて完結とさせていただきます。


青森県4泊周遊旅行⑤〔「界 津軽」連泊中日、4日目プチ観光(田舎館村、黒石)編〕

2024年09月05日 | 旅行記

青森県周遊の旅4日目は「界 津軽」連泊の中日となります。朝食後、温泉に浸かりに行ったり部屋でのんびりしたり。お昼前になりましたので、昼食も兼ねてプチ観光に出かけます。今日の予定はこうなっています。

(田んぼアートの鑑賞と黒石で昼食。)

この当初のプランに、昨日の夕食の時に宿の人に教えてもらった情報をプラスして、プチ観光を楽しみたいと思います。まずは、大鰐温泉駅に立ち寄ります。

(JR奥羽本線の大鰐温泉駅。)

大鰐だけに「ワニ」だと思いますが、駅前にスキー板を担いだ大きなワニキャラがいます。

(「あじゃりん」と書いてあります。五能線の木造駅の「しゃこちゃん」のようなキャラ名の由来を知りたいところですが、特に情報がありません。(笑))

その代わりと言っては何ですが、大鰐町の町名の由来を説明する案内板がありました。

(「駅名の由来」とありますが、読んでみると完全に町名の由来です。(笑) 昔は「大阿傘(おおあに)」と書いていたが、これはアイヌ語の「アネ」(=森林のある谷間)から来ているとか、この地の古寺「大安国(おおあに)寺」にちなんでいるとか書かれています。)

「あじゃりん」の隣の❝建物❞は足湯です。

(「津軽の奥座敷 大鰐温泉」、「駅前おもてなし足湯」という案内書きが見えます。屋根に雪の滑り止めが付いているあたり、さすが雪国です。)

妻が駅舎の中にあった観光案内パンフを取って来てくれました。

(大鰐町の特産品の紹介。筆頭はもちろん「大鰐温泉もやし」。)

駅前の見るべき所はこんな感じですが、大鰐温泉駅の隣にもう一つの駅がありました。

(なかなかの風格。こちらは弘南鉄道の「大鰐駅」。現役だと思います。)

駅前の駐車場から車庫入りしているらしき車両が見えました。

(おそらく弘南鉄道の列車だと思います。りんごのラッピング。シブいです。(笑))

駅前には道の駅ならぬ「湯の駅 鰐come(ワニカム)」があって、地元の物産の販売店舗や大鰐温泉もやしを使ったラーメンを出す食事処、そして、大鰐温泉の外湯施設が入っています。なかなか魅力的なスポットなので、明日「界 津軽」をチェックアウトした後に立ち寄ってみようということになりました。

それでは先に進みます。次は「田んぼアート」を観に行きます。場所は「田舎館村」(いなかだて)で、第1会場と第2会場があります。まずは第1会場「田舎館村展望台」へ。車で15分程走って到着。

(「田舎館城」とあります。どういうことでしょうか。)

何とここは田舎館村役場のようです。

(雰囲気あり過ぎ。(笑))

驚くのはこの役場の建物。

(確かにこれは「田舎館城」と言えそうです。)

田舎館村、やりますね。この振り切った感じ、大好きです。(笑) 役場の❝城❞の天守閣から田んぼアートを見るのかと思ったら、展望台は同じ敷地内にある「文化会館」のようです。

(同じ敷地どころか、役場の建物の一画が文化会館のようです。ということは、城に登るということですね。(笑))

田んぼアートは数種類の稲穂で描く絵画ですので期間限定。事前にサイトで確認したところではそろそろ終了時期のようですが、常設であろうこの「ようこそ 田んぼアートの村 田舎館へ」の碑に村の気合を感じます。

(米粒が素敵。(笑))

建物に入った所に食券販売機のようなチケット販売機があります。観覧料金は300円。入館すると、ロビーにこれまでの田んぼアートを使ったポスターがいくつも貼られています。

(マジですか、このクオリティー。すごっ。)

さっそくエレベーターで展望フロアに上がってテラスに出てみます。今年の第1会場の田んぼアートの題材はこちら。

(北斎の名作「神奈川沖浪裏」と新千円札の「北里柴三郎」さん。)

こちらが実際の作品です。

(結構見頃を過ぎていますが何とかまだ雰囲気は感じることができます。チケット売場前にはピークを過ぎている旨、きちんと表示されていました。)

講堂のような大部屋ではこれまでの作品の写真と、田んぼアートの描き方について説明パネルが展示されています。

(田んぼアートに使っている稲は現在9種類。当然ですが全て各品種の自然の色。)

そして描き方は、妻と一緒に驚きましたが、測量して稲を植えていくそうです。

(田んぼアートにかける執念すら感じます。)

田んぼアートの初期からの作品が順番に展示されていますので、その変遷が分かりますが、クオリティーが年々向上していることが良く分かります。初期の「モナリザ」は絵で言えばベタ塗りで「モナリザ?」みたいな感じでしたが、再挑戦としてかなり後年に描いた「リベンジモナリザ」はもはやルーブル級。(笑) 田舎館村の田んぼアート、見頃の時に必見です。

(ネットより拝借。19年後のリベンジ。)

田んぼアートのポスターだけでなく、見応えのある?ポスターも数多くありました。

(こんなポスターもありました。ここは青森県なのですが、「秋田犬の里」大館市のPRポスター。日本犬、いいですねぇ。)

これもポスター。田んぼアートの派生形でしょうか「石アート」。

(これから行く第2会場にあるようです。)

第1会場を出発して第2会場「弥生の里展望所」へ向かいますが、途中、弘南鉄道「田舎館駅」に立ち寄ります。

(田舎館駅。シブい、シブすぎる。(笑))

無人駅ですのでホームにも出ることができます。

(この旅の間、まだ走っている鉄道に出会ったことがありません。)

ホーム側から駅舎内へ。

(駅舎は古いですが、掃除はしっかりされています。)

田舎館駅に立ち寄ってみたかったのは、この駅舎内のアートを観たかったから。

(弘南鉄道が地元のアーティストGOMAさんに駅舎内の装飾を依頼。この作品には、地元の子どもたちやお年寄りの成長・安全を見守るという願いを込めて「目」のイラストを印象的に、また、駅を訪れた人を温かく包み込むようにと、可愛らしい花や動物が描かれています、とのことです。)

記念に田舎館駅の時刻表も撮っておきます。

(1時間に1本ペースで安定的です。)

そして、駅舎内にこのアニメのポスターが貼られていました。

(ご当地平川市・弘前市のりんご農家が舞台のアニメ「じいさんばあさん若返る」。長年りんごの樹を愛情いっぱいにお世話してきた老夫婦が、ある日「金色のりんご」が枝に生っているのを見付けたので食べてみると、何と20代に若返った。話し方や人格は老夫婦のまま、息子夫婦や孫たちも巻き込んでのほんわかした日常(非日常?)が描かれているアニメです。と詳しいのは私も観ていましたので。(笑))

第2会場「弥生の里展望所」に到着です。

(広大な駐車場に車が3台とバイクが1台。(笑))

第2会場の横を弘南鉄道が走っていますが、何と駅名が「田んぼアート駅」。(笑)

(駐車場横が駅。田んぼアート駅と岩木山。田園風景です。)

第2会場も観覧料金は300円。エレベーターで展望フロアに上がると、「おおっ~」と声が出ました。

(ピークは過ぎていますが、「じいさんばあさん若返る」をバッチリ見ることができます。じいさんばあさんが金色のりんごを持っています。(笑) 赤いりんごはツヤまで表現されています。実際に見ると、周囲の景色も視界に入りますので、この絵のサイズ感を実感できて「おおっ~」となります。)

そして、展望フロアを一周しながらいろいろな方向を見ていると、これもありました。第1会場の館内のポスターで見た「石アート」。

(棟方志功さんの笑顔。遠くには岩木山。お見事!)

いいアートを見せてもらいました。この後、展望所を降りて地上で今見てきたアートを間近で見てみました。

(何となく分かります。それにしてもカラフルな稲です。)

石アートの方も見てみました。

(普通の小石を敷き詰めて描かれていることを目の当たりにすると、気の遠くなるような作業が想像できて、妻とともに「ひぇ~」。)

田んぼアートと石アートを堪能して駐車場に向かって歩いていると、ついに走っている鉄道と出会いました。

(弘南鉄道。田んぼアート駅を発車したところだと思います。のどかです。(笑))

さて、次は黒石市に向かいます。

(「黒石駅」は弘南鉄道の終点(弘南線)。)

見所は「中町伝統的建造物群保存地区」の街並みです。ちょうどいい所に駐車場もありますので、そちらに車を入れて少し街歩きを。

(駐車場前にあるレトロ感いっぱいの消防施設は「黒石市消防団第3分団1班」の建物で現役です。)

こちらが保存地区の「中町こみせ通り」。

(「日本の道百選」選定。大きな杉玉がある造り酒屋や蔵、重要文化財「高橋家住宅」などが立ち並びます。)

保存地区の説明板です。

(「中町は、明暦2年(1656)に黒石領が成立した後、初代藩主・津軽信英(のぶふさ)によって形成された町です。中町の通りは、北は青森、南は弘前方面へと繋がっていたことから交通の要所として栄えました。」とあります。)

説明板には一見して分かる通りの特徴「こみせ」についても記述があります。「中町の特色は、商家主屋の道路側に『こみせ』と呼ばれる木製の庇(ひさし)が設けられているところです。」とあり、最盛期には「こみせ」が連なる街並みが約4.8kmもの長さに及んでいたそうです。

現在、中町こみせ通りの活性化や観光の中心的役割を担っているのがここ「津軽黒石こみせ駅」。

(当地で長年商売を続けてきた商家が土地を売却せざるを得なくなったため、市民が協力してその土地と建物を取得し、その後「こみせ駅」という名称で、津軽三味線の生演奏、みやげ物販売、蔵を利用した多目的ホール運営など様々な活動をしているとのこと。)

事前リサーチ済みですが、今日の昼食は軽めにしておこうと思い、ご当地のB級グルメ「黒石つゆやきそば」を「こみせ駅」の食事処で。

(想定外のことが2つ。①お客さんが誰もいない(そう言えば街並みも歩いている人がいなかった)、②食事処と津軽三味線生演奏の舞台が一緒になってる。)

津軽三味線の生演奏は1日2回で、午前が11時から、午後が14時から(30分程度)。現在13時半過ぎ、食事をしている最中に生演奏が始まってしまうかもしれませんので、お店の人に「食べながら生演奏を聴いても大丈夫ですか?」と訊いてみると、何の問題もないようです。(笑) ということで、こちらを注文。

(お店の名前は「こみせ庵」。焼きそばをつゆに浸している斬新な料理ですので、ここは安全策で、「黒石つゆやきそば」と「黒石やきそば」を1つずつ。麺にも特徴があるようで、太平麺を使っていますと書かれています。)

焼きそばが出てくるのを待っている間に物産販売のコーナーを見てみます。

(「黒石の地酒」の文字に吸い寄せられて。(笑))

どんな地酒があるのか、、、。

(「菊乃井」は聞いたことがありますが、飲んだことはないような。一番右の「稲村屋文四郎」、これは鮮明に覚えています。九州勤務時代、お世話になった方が青森から取り寄せた一本を飲み会に持って来てくれました。「美味しかったなぁ。」と懐かしい気持ちになりました。)

「黒石つゆやきそば」と「黒石やきそば」、出てきました。

(想像通りのビジュアルです。(笑) 食べた感想は、「つゆに浸さなくてもいいんじゃないかな。」って思いました。(笑) ウスターソースの味なのか、麺の存在感なのか、つゆがあってもなくても同じ味に感じました。)

「黒石つゆやきそば」は、実は、昭和30年代後半、学校帰りの子どもたちに、冷めた焼きそばの上に温かいそばつゆをかけて食べさせたのがルーツで、斬新なのではなく、歴史あるご当地グルメ。お土産としても販売中です。

(パッケージの左上に「B-1グランプリ」とあります。つゆがあってもなくても一緒なんて言ってすみませんでした。(笑))

焼きそばですので食べるのにさほど時間はかからず、生演奏スタート前に食べ終わりました。そして、昨日の「津軽ねぷた村」、「界 津軽」のご当地楽での生演奏に続き、この旅3度目の津軽三味線生演奏の鑑賞です。

(演奏者は成田建男(たつお)さん。)

聴衆は私たち夫婦と女性がお一人の計3人。女性は曲の切れ目で「バスの時間がありますので、途中で失礼します。素晴らしい演奏でした。」と言って退席。私たちだけになりました。(笑) 

成田さん、フレンドリーな方で曲間にお話もできました。津軽弁に苦戦しながらもやり取り。

 成:板柳町から来ましたが、板柳町って知ってる?
 私:いえ、、、。
 成:元小結高見盛(現振分親方)や陸上の福士加代子さんの出身地なんだよね。
 私:あっ、そのお二人なら知っています。福士さんは五所川原のご出身だと思っていました。
   (※板柳町は五所川原市の南、黒石市の北に位置している。)
 成:青森いろいろ回った?
 私:実は今日で4日目で、津軽半島や下北半島にも行って来ました。
 成:仏ヶ浦や恐山、行った?
 私:はい。尻屋崎の灯台も見て来ました。
 成:えっ!! すごいね。

そんな成田さん、実は「津軽三味線世界大会」のシニアの部の優勝者です。

(ご本人は何もおっしゃらなかったので、後でネットで調べるとヒットしました。)

そして、会話の中で驚きの事実が判明。

 成:どこに泊まってるの?
 私:大鰐温泉の「界 津軽」に昨日から泊まっています。
 成:えっ! 俺、今晩「界」で弾くんだよね。(笑)
 私・妻:今晩もライブ演奏聴きに行きますので、楽しみにしています!

ということで、夜も成田建男さんの演奏を聴くことができることになりました。(笑)

昨日「津軽ねぷた村」でねぶた・ねぷたの4大祭りの違いを勉強しましたが、「津軽黒石こみせ駅」の店内に「黒石ねぷた」のポスターがありました。

(ここも既に終わっています。)

お隣には、先程の生演奏でも披露された「黒石よされ」のポスター。

(いわゆる「流し踊り」のお祭りですね。「日本三大流し踊り」という❝三大もの❞があるようで、ある説では、富山「おわら風の盆」・徳島「阿波おどり」・山形「花笠まつり」、別の説では、徳島「阿波おどり」、岐阜「郡上おどり」、青森「黒石よされ」ということで、「黒石よされ」も数えられています。)

中町伝統的建造物群保存地区、「中町こみせ通り」とてもいい所でした。近くに人気の観光地弘前市があるためか黒石では観光客をほとんど見かけず、私たちが滞在した1時間少々の間に出会ったのは生演奏で同席した女性1人くらい。「こみせ」の風情を一番感じられる雪の季節がご当地の観光シーズンなのかもしれません。

さて、これでプチ観光は終了なのですが、オプションをひとつ追加します。昨日の夕食時に宿の人が教えてくれた情報「弘前で一番美味しいアップルパイのお店『アンジェリック』」を訪ねてアップルパイを買う、です。プチ観光に出かける前に宿で調べてみて分かったことですが、「アンジェリック」は店名が変更され「グランメルシー」になっているとのこと。黒石から宿への帰路としてはちょっと大回りになりますが、立ち寄ります。

(こちらが「アンジェリック」改め「グランメルシー」。)

事前に調べた時のもう一つの情報「アップルパイは午前中には売り切れる」が気になるところですが、アップルパイがなくても他のケーキなどを買って帰ろうということで店内へ。

(アップルパイ、ありました! しかも結構あります。(笑))

445円のアップルパイを4つ購入。ミッションコンプリートの達成感と評判のアップルパイを食べる楽しみに包まれて宿へ戻ります。

(道中、岩木山がこの旅一番の美しさを見せてくれていました。)

部屋に戻ってさっそくアップルパイを拝見。

(紙コップにはロビーのドリンクコーナーで汲んできたりんごジュース。)

夕食までにまだ時間がありますので、1つ食べてみました。美味しい! リンゴが美味しいことやパイのサクサク感はもちろん、甘さと酸味のバランスが絶妙なのと、重さが全くなく軽くイケる感じです。いい情報を教えていただきました。あと3つは家に持って帰ることにします。

この後もゆっくり過ごして、本日の夕食時刻となりました。今日の献立。

最後の夕食ですので、今日は「日本酒飲み比べセット」を。

(「八仙」、「こみせ」、「豊盃」。八仙はロビーのドリンクコーナーにもありますが、同じ物かどうか分かりません。こみせは先程訪れた「津軽黒石こみせ駅」でも売っていた地酒。豊盃はご存知全国区の銘酒。どれも絶品でございます。)

ちなみに妻は「八鶴 んめ~梅酒 リキュール」のソーダ割。長かった旅も早いもので最後の夕食。乾杯してスタートです。

■先付け:焼き胡麻豆腐、雲丹

(なるほど、胡麻豆腐を焼くとこうなるのか。日本酒のいい肴になります。)

■煮物椀:焼穴子と牛蒡の信田巻き

(すまし汁もいい出汁が出ています。それにしてもこの器は年代物なのか古いだけなのか。手にした感じは軽くてしっくりくるので良い器のように思いますが。)

■宝楽盛り:八寸、お造り

(今日は昨日の桶と違ってお盆で。)

 ・八寸:山くらげの胡麻よごし、厚焼き玉子、鴨山椒鋳込み、うざく、カリフラワーすり流し、甘鯛の南蛮酢、季節の小袖寿司、蛸さくら煮
 ・お造り:大間の鮪、サーモン、甘海老

■揚げ物:帆立挟み揚げ、じゃが芋の変わり揚げ、野菜天婦羅

(帆立の挟み揚げは、ホタテを半生干しにしてたたみいわしで挟んであるように感じました。旨味の二乗で、これまた酒が進みます。)

■蓋物:宝きび餅

(きび餅、初めて聞く料理名です。どんな味だったか、食感だったか、既に忘れてしまいました。)

■焼き物:牛の吉野仕立て

(出汁が葛餡になっています。今日は大鰐温泉もやしは入っていません。(笑))

■食事:長芋の土鍋ご飯、留椀、香の物

(切った長芋も入っていますが、隠し味・隠し食感で素揚げして細かく刻んだ長芋も入っているそうです。土鍋は昨日と同じ、岩木山をイメージしたもの。)

本日の香の物はべったら漬け。

(べったら漬け、大好きです。りんごの器だったら完璧でした。(笑))

仕上げのセットが整いました。

(2つのカラフルな小鉢が添えられています。左の塩昆布は長芋ご飯に。右のニンニク味噌は牛の吉野仕立てにちょいとのせて。)

■甘味:黒胡麻のティラミス

(胡麻の香りがティラミスにとても合います。)

コースはこれで終了。今日の担当の方は昨晩と違う人だったので、「グランメルシー(アンジェリック)」のアップルパイの件のご報告はできず。ごちそうさまでした。

さて、一旦部屋に戻って一息ついてから、今晩も「ご当地楽」の津軽三味線生演奏を聴きにロビーへ。成田さんと目が合うのも恥ずかしいので、自然体で後ろの方で観ていました。

(成田建男さん、登場。口上を述べておられますが、昼よりもかなり真面目バージョン。でも、❝ネタ❞(板柳町の有名人ネタ)が一緒でした。(笑))

今晩は宿のスタッフも含めて演奏者は昨晩とは全員違う人。本日デビューの方は途中で1曲だけ登場されました。センターの宿の方は、素人の私の目にはかなりの上級者に映りました。

(その理由は、バチを持つ右手の稼働幅と力強さが成田さんに近いことと、(難しい曲でも)手を休める所がほとんどなかったので。棹を上下するの左手についてもノールックの時が多かったです。)

今晩のご当地楽を含めれば、津軽三味線の生演奏を聴くこと4度という機会に恵まれました。マイクもなしで腹に響いてくる津軽三味線の力強さ、いいものですねぇ。一日の〆は温泉にゆっくり浸かって。

翌朝。4泊5日の長かった旅も最終日です。

(最終日も快晴。)

今朝も8時半に朝ご飯です。

(昨日の朝と結構変化を付けています。)

今朝も大きなお盆で出てきます。

(津軽びいどろの器は今朝も同じく。)

そして今朝の味噌汁の具は、1日目に通り過ぎた津軽半島の「十三湖」のしじみ。

(「十三湖」名物のしじみ、数個ですが食べることができました。日頃目にするしじみよりもちょっと大ぶりかな。味噌汁にもしじみのいい出汁が出ていて美味しかった。)

今朝の小鍋は鶏鍋。

(博多の鶏の水炊きを食べているような美味しさでした。)

ごちそうさまでした。「界 津軽」のチェックアウトは12時。温泉は11時までやっていますので、何度か浸かって最後まで温泉を楽しみました。今回の記事の〆は、「グランメルシー」のアップルパイを。(笑)

(美味しかったぁ~。)

いよいよ最終日、帰路便は19時半頃ですので、三沢空港に移動しながら最後の観光を楽しみます。

 

・・・・・青森県4泊周遊旅行⑥[完]〔5日目観光(大鰐温泉~十和田湖・奥入瀬~八戸)編〕へ続く。


青森県4泊周遊旅行④〔「界 津軽」編〕

2024年09月02日 | 旅行記

星野リゾート「界 津軽」に到着しました。

(ロケーション的には周りには何もありません。大鰐温泉郷の中心地からは少し離れた所にあります。)

星野リゾートには2022年に「星のや富士」「界 阿蘇」に泊ったことがあります。どの宿もご当地の個性を出していて、滞在中のホスピタリティには定評があります。

玄関のすぐ隣にある駐車場に車を停めて、宿の方に館内に案内していただきます。ロビーへのアプローチ。

(廊下の向こうにロビーの大きな壁画に描かれた山と月が見えます。)

と、この素敵な写真↑はネットから拝借したもので、実際はこんな感じ↓です。

(撮った時刻と技術の差ですね。(笑) それでもこの廊下を歩いているとこれからの滞在へのワクワクを感じます。)

ロビーです。

(見事な壁画。勝手な解釈ですが、山は岩木山の春夏秋冬、波は津軽の海を表わしているのではないでしょうか。壁画前は舞台になっていて、夕食後には界名物の「ご当地楽」として津軽三味線の生演奏があります。)

フロントやレストランなどがある棟。

(客室がある棟から撮っています。)

今回の部屋です。

星野リゾートにはグレードがあって、「星のや」シリーズが最高級、「界」はセカンドブランドといった印象があります。おそらくですが、「界」は、居抜きで既存の旅館・ホテルを買い取って、界のテイストに改装して営業していると思います。ということで、「界 津軽」の部屋はこんな感じでシンプルです。

(以前は和風旅館だったのかも。)

洗面所。

(部屋のお風呂は普通のユニット型で、温泉は大浴場利用となります。)

こちらは「界」に共通の風呂敷に包まれたアメニティ。

(大浴場に行く時にはこの風呂敷に必要なものを包んでどうぞ、ということなのですが、このまま持って帰りました。(笑))

「界 津軽」の室内装飾や小物類のデザインのベースにあるのは「こぎん刺し」。

(ベッドサイドの壁や障子のひし形の模様です。)

「こぎん刺し」は青森県津軽地方に伝わる伝統的な刺し子「津軽こぎん刺し」のこと。

(館内の読書コーナーにあった書籍より。)

江戸時代、津軽の農民は木綿の衣料を着ることが許されていなかったために、麻の着物を何枚も重ね着して寒さをしのいでいましたが、保温と補強のために、麻の布地の要所要所に木綿で刺子を施したことが「こぎん刺し」の始まりです。昨日訪れた仏ヶ浦で見た「裂き織り」と同じく庶民の知恵ですね。ちなみに、部屋のキーホルダーもこぎん刺し(のデザイン)。

(ずっしり重いキーホルダー。(笑))

部屋の障子を開けると、昔ながらの温泉旅館によくある縁側スペースあります。今は椅子も何も置かれていませんが。その外にテラスがありますが、羽虫が大量発生していて、ほとんど利用不可でした。

(テラスからの景色です。右下に見えるのは、大浴場の露天風呂の屋根。「かまくら」をイメージした作りになっていて、そのドーム型の屋根です。)

作務衣に着替えてさっそく大浴場へ。泉質はナトリウム塩化物・硫酸塩泉とのことで、ドーミーイン青森ほどのヌルヌル感はありませんが、肌がしっとりする感じでいい温泉です。大鰐温泉郷エリアだからか大鰐温泉と同じ泉質とのことです。

(ネットより拝借。内湯。浮かんでいるのはりんごで、収穫期なら本物のりんごが、それ以外の時期にはヒバで作られたりんごが浮かんでいます。今はヒバりんごでした。(笑))

こちらがかまくら風の露天風呂です。

(ネットより拝借。外には水庭があり、ねぷた灯籠が浮かんでいます。)

夜になると水庭は「黒石いろどりねぷた灯籠」として明かりが灯り、ご当地の雰囲気を一層醸し出します。

(ネットより拝借。冬期はここに雪が積もり、雪見風呂の贅沢を堪能できます。)

大浴場を出ると小さな湯上りコーナーがあります。

(ドリンクサーバーは、りんご酢とごぼう茶。右側の冷凍庫には湯上りアイスがあります。)

冷凍庫を開けて湯上りアイスをチェック。(笑)

(フルーツのシャーベットバー。ドーミーイン青森の湯上りアイスの方がバリエーションが断然豊富でした。(笑))

りんご酢やごぼう茶よりも、先程チェックしておいた、ロビーのドリンクコーナーの方が好みなのでそちらへ。

(ナッツ、マーブルチョコ、こんぺいとうのサーバーもあります。)

ドリンクは、「津軽ワイン」と、、、

青森の地酒と、、、

(さすがに「豊盃」は置いていない。(笑))

りんごジュース。

(2種類。明らかに味が違うのですが、説明ができません。(笑))

少しずつですが、全種類飲んでみました。(笑) 地酒の「八仙」が微炭酸で美味しかったのでおかわりを。りんごジュースもぐびぐびイケる感じで、滞在中ここを通るたびに飲んでいました。ロビーの奥には伝統工芸品のショップや読書コーナー、こぎん刺しの体験コーナーがあります。

(いつ来ても人がいないので、湯上りにはここに来て窓際に腰かけて涼んでいました。りんごジュース片手に。(笑))

ショップを覗いてみます。

(売場というよりは展示コーナー。誰もいないので見やすいです。)

驚いたのは、以前「界 阿蘇」でもらった「お湯印帳」が売り物だったこと。

(まさかの300円。宿から何冊でももらえるものだと思っていました。)

「お湯印帳」は御朱印帳のように、全国の「界」のオリジナルスタンプを押してもらう帳面。チェックインの時に渡しておくと、スタンプを押して滞在中に返してくれます。

(素敵なスタンプです。ちなみに、スタンプ集めをコンプリートしても何も特典はありません。(笑))

大浴場の内湯に浮かんでいたヒバりんごが売っていました。

(3300円! 高っ。)

大浴場への動線はとても便利なので、何度も浸かりに行きました。滞在数時間ですが、いくつか気付いたことがあります。部屋にタオル掛けがない、畳部屋なのに座布団・座椅子がない(小さなソファーはありますが)、テラスには羽虫が大量発生していますが殺虫剤がない(窓の桟に羽虫の死骸がごっそり積もったままになっていてちょっとキモイ)。温泉や宿の人がとても良いのでさほど気になりませんでしたが、妻と「ここってちょっとずつ何か足りないね。」と笑って話していました。

夕食の時刻は2択(17:00、19:30)。ちょうどいい18:30ってのがないので、遅めの方がいいので19:30にしました。

(レストラン前のねぷた。)

席の方は毎回変わりました。最初の夕食はちょっとオープン気味の席でした。

(座った席からの写メ。フレーム外右側で宿の人が行ったり来たりします。)

テーブルの初期セッティング。

(カラフルな箸置きに目が行きます。これは「津軽びいどろ」というガラス工芸品。)

「津軽びいどろ」は、漁業用浮玉の製法を応用して作られるようになったご当地のガラス工芸品で、青森のとある砂浜の砂を原料に加えたところ美しい発色があり工芸品として発展したとか。「北洋硝子」というガラス工房で手仕事で作られているそうです。

本日の献立。

(大間の鮪、黒にんにく、大鰐小鍋、けの実など、ご当地の食がずらりと並んでいます。これは楽しみです。)

飲み物の方ですが、万事そつのない「界」ですが、「界 阿蘇」に泊まった時にも感じた「界」の弱点がドリンクのレベル。ということで、慎重に選んで、津軽ワインにしました。

(青森県特産のブドウ「スチューベン」のワイン。左:ロゼ、右:白。白の色が濃いのがスチューベンの特徴だそうです。)

1日目・2日目の大遠征が遠い昔のことのように思える、ゆったりした夕べ。妻と乾杯して食事のスタートです。

■先付け:大間の鮪と雲丹のあられ和え(黒にんにく風味)

(黒にんにくの優しい香りと味のアクセントがほのかにして美味しい。長芋も使われていますが、青森県は長芋の生産量全国第1位だそうです。)

■煮物椀:鱧真薯(青紅葉麩、順才、茗荷)

(相性抜群の梅肉を仕込んた鱧の真薯、美味しいです。久々に食べる順才とともに夏を感じる御椀です。)

■宝楽盛り:八寸、お造り、酢の物

(桶の両サイドの小皿は、左:界オリジナルのだし醤油、右:黒にんにくをみじん切りにして加えた刺身醤油。)

 ・八寸:つぶ貝柔らか煮、ずんだ 黄身まぶし、トマトと海老の琥珀寄せ、炙り太刀魚寿司、オクラの和え物、海老と青菜の松風
 ・お造り:大間の鮪、二種取り合わせ
 ・酢の物:土佐酢和え 旬の恵み

お造りをアップで撮っておきます。

(大間の鮪の手前は、鯛とホタテ。黒にんにくの刺身醤油がクセになる美味しさ。黒にんにくをお土産で買いましたので、家でもやってみよう。)

■揚げ物:稚鮎の揚げ物、野菜の天麩羅

(稚鮎は春巻きの皮で包まれていますが、木の芽味噌が塗り込まれています。稚鮎のほろ苦さと木の芽味噌がバッチリ合います。)

■蓋物:湯葉饅頭の金目鯛包み

(トッピングの山葵が合います。)

■焼き物:大鰐小鍋、牛

(和牛の小鍋です。)

「大鰐小鍋」の大鰐とはもちろん大鰐温泉のこと。大鰐温泉と言えば幻の野菜「大鰐温泉もやし」。鍋の主役は和牛ではなく大鰐温泉もやしです。

(大鰐温泉もやし、昨年の人間ドックの後の博多での懇親会で初めて食べました。その時は博多の地で遠く東北の秘湯を想像しながらこの幻の野菜を食べていましたが、まさかその翌年、実際に大鰐温泉を訪れることになるとは。ちょっとした人生の醍醐味です。)

大鰐温泉もやしの登場に嬉しくなって飲み物のおかわりです。料理は最終盤ですので、軽くハートランドビールを。

(このグラスも津軽びいどろ。「界 津軽」がビールグラス専用にオリジナルで作ってもらったそうです。)

妻の方も飲み物を追加。りんごジュースの飲み比べ。

(少し飲ませてもらいましたが、全然違います。違いを説明できませんが(笑)、どれも美味しい。さすがりんごの本場、底の見えないりんご沼です。ちなみに、「本日のりんご」は大鰐町のりんごを使ったジュース。)

■食事:けの実土鍋ごはん、留椀、香の物

(こちらも「界 津軽」オリジナルのご飯用土鍋。蓋のデザインはまだ雪が残る初夏の岩木山をイメージしていて、冬期には雪がもっと積もったデザインの蓋が使われるこだわりよう。)

蓋を開けると中はこうなっています。

(「けの実」とは郷土料理「けの汁」の具を使った炊き込みご飯という意味。昔、白米が貴重品だった頃、米粒がほとんど入っていなかったお粥=「粥の汁」がなまって「けの汁」となった、とのこと。)

けの実ご飯と大鰐温泉もやしで仕上げます。

香の物の器がかわいい。

(かまくらのイメージですね。)

■甘味:界津軽特製りんごの淡雪チーズ

(クリームチーズケーキ、りんごチップス、りんごのシロップ煮。美味しい!)

これで本日の夕食のコースは終了。適量かつ美味しかったです。私たちのテーブルを担当してくれた宿の人もとてもいい方で、楽しい夕食になりました。タレントの王林さんと同じイントネーションの話し方が更にご当地感を添えてくれました。その宿の人が私たちとの会話の中で察してくれたのか、今日立ち寄った「大正浪漫喫茶室」に置かれていた「弘前アップルパイガイドマップ」と大鰐温泉の観光ガイドパンフを持って来てくれました。そして、超重要情報、「私の好みですが、弘前のアップルパイでナンバーワンは『アンジェリック』だと思います。」と教えてくれました。私たちがりんご(アップルパイ)沼の縁に立った瞬間でした。(笑) ごちそうさまでした!

庭の池では津軽びいどろの浮玉が優しく光っています。

(ライトアップ全体の景色よりも、色とりどりの津軽びいどろの浮玉1個1個の美しさに惹かれます。)

この後は「界 津軽」の「ご当地楽 津軽三味線生演奏」。21時から20分、ロビーの舞台で行われますので、観に行きます。

(実際に観て初めて知りましたが、プロが独奏するわけではなく、宿の人も混じっての生演奏です。真ん中の人は私たちの夕食を担当してくれた人ではないだろうか。)

真ん中の人がMC役。「界 津軽」にはレベル差はあるものの津軽三味線を弾けるスタッフが30名いて、ご当地楽では、プロ・そこそこ弾ける宿のスタッフ・1曲だけ弾けるデビュー間もない宿のスタッフ、という3名構成。写真一番左の方がデビュー間もない方で、最初の1曲以外はまだ弾けないので、1曲目終了後、会場からの拍手に送られ退席します。その後の曲は2名構成で演奏。

(左の方が手を休めているのは、演奏曲で難しい箇所はプロの独奏となるため。)

確か4曲くらい演奏があったと思いますが、そのうちの1曲「アイヤー節」はご当地の祝い唄で、実は、熊本県牛深の「ハイヤー節」が北前船に乗って津軽に伝わり、「ハイヤー」がなまって「アイヤー」になったという九州と縁のある曲でした。交易による文化の伝播の力には驚くばかりです。

生演奏が終わると、津軽三味線の「演奏体験」が舞台上で行われます。私たちは部屋に戻りましたが、参加者が結構いてなかなか盛況でした。この後、部屋で小休憩して本日最後の温泉へ。誰もいない露天風呂から見る水庭のねぷた灯籠の風情は最高でした。

さて、翌朝です。

(起き抜けの温泉の後、ウッドデッキからの1枚。朝の空気は涼しくて快適です。)

朝食は8時半からですので、もう一度温泉に浸かりに行きます。

(雑木林の向こうから陽が昇り始めました。昨晩部屋の窓にびっしりいた羽虫もどこかに消えてテラスに出ることができました。)

改めて部屋に置かれた宿の説明書きを読むと、スマホで大浴場の混雑状況を見ることができます。

(便利です。滞在中何度か確認しましたが、「笑顔」以外のマークになったことはありませんでした。(笑))

風呂上がりに宿泊棟のフロアをぶらぶら。廊下の飾り棚のオブジェがヒバりんご。

(1個3300円。(笑))

朝の時間をゆっくり過ごして朝食へ。

(ここを右に曲がるとレストラン。)

朝食の献立。

(おっ、「貝焼き味噌」があります。)

「界」の朝食は大きなお盆で出てきます。あとは、火を使う小鍋、焼き立てを出す焼魚という感じです。

(味噌汁は温泉水で熟成したご当地の白味噌。関西の甘い白味噌とは違って、普通の合わせ味噌の味に近いです。)

豆腐とヨーグルトのグラスは津軽びいどろ。

(津軽びいどろ、爽やかな感じでいいですね。琉球ガラスと景色が似ています。)

そして、「貝焼き味噌」。

(作り方は一昨日(2日目)下北半島の「みそ貝焼き」(語順が微妙に違う(笑))の「なか川」で実践済みですので慣れたものです。「界 津軽」の方はホタテ貝メインで他の具材は添えられている程度。)

小鉢の料理も美味しくて2人とも完食。ごちそうさまでした。朝食後は部屋に戻ってのんびり。温泉に浸かりに行ったりしてゆったりした時間が流れます。今日は連泊の中日ですので、一日部屋でゴロゴロしていても良いのですが、昼食がてらプチ観光に出かけます。当初のプランもありますが、昨晩の夕食の時に宿の人にもらった大鰐温泉の観光パンフを参考に「大鰐温泉駅」にも立ち寄ってみることに。

そして、もらったもうひとつのパンフ「弘前アップルパイガイドマップ」。

(パンフを開いたところ。弘前はアップルパイの聖地か。)

弘前のアップルパイでナンバーワンと宿の人が言っていた「アンジェリック」を探して訪ねてみようと思います。

 

・・・・・青森県4泊周遊旅行⑤〔「界 津軽」連泊中日、4日目プチ観光(田舎館村、黒石)編〕へ続く。


青森県4泊周遊旅行③〔3日目観光(青森市、弘前市)編〕

2024年09月01日 | 旅行記

3日目。1日目・2日目は大移動の2日間でしたが、今日からは近郊の観光となります。連泊した「天然温泉 淡雪の湯 ドーミーイン青森」をチェックアウトして、大鰐温泉郷エリアにある星野リゾート「界 津軽」へ向かいます。

本日の観光プランです。

(「界 津軽」への道中、青森市内と弘前市内の数ヶ所に立ち寄ります。)

ドーミーイン青森は素泊まりプランにしていますので、3日目はホテル近くの喫茶店での朝食(モーニングサービス)からスタートです。徒歩3分、「喫茶マロン」です。

(目を引く外観。コーヒーとモーニングサービスが美味しいと評判のお店です。)

上の写真を見ると、建物に入口らしきものが左右に2ヶ所。右側の扉は珈琲豆の焙煎販売店の入口でまだ開いていません。喫茶店は左の階段を上った2階にあります。

(こちらが喫茶店の入口(へ続く階段)。)

店内は純喫茶と言うか、昭和テイストと言うか、アンティークな雰囲気で初来店でもしっくり落ち着きます。

(素敵です。)

コーヒーに自信あり。世界各地から豆を仕入れ自家焙煎しています。

(詳しいことは分かりませんが、挽きたて煎りたてのコーヒー。犬山・名古屋旅行の時に名古屋の「加藤珈琲店」で飲んだコーヒーの美味しさに感動して、評判の喫茶店のモーニングサービスは間違いなしと確信しております。(笑))

厚切りトーストとゆで卵のモーニングサービス。

(添えるジャムは3種類くらいから選べます。私はりんごジャムにしました。)

コーヒーは全くの素人なので美味しさの説明ができませんが、とにかく美味しい。(笑) 朝からうまいコーヒーを飲むと一日の始まりが幸せになります。妻はアイスコーヒーにしましたが、これも美味しい。(しかも、ホットコーヒーよりも量が多いかも。) 超厚切りパンもモチモチで美味しかったです。ごちそうさまでした。

朝食の後は、喫茶マロン前の道路を渡ってすぐの「善知鳥(うとう)神社」に朝のお参りをしてホテルに戻ります。ふと見た足元のマンホールの蓋がねぶた。

(ご当地マンホール蓋。)

「善知鳥神社」です。

(ホテルからだと大通りを渡ってすぐ。ホテル、マロン、善知鳥神社は三角形を描くように近所にあります。)

今回の旅でドライブ中に各地で神社を見かけることがありましたが、どの鳥居もその形が善知鳥神社の鳥居のように❝補助柱❞が付いていました。なかなか見かけない形なので気になって調べてみると、「明神系鳥居」の「両部鳥居」という形式で、「本柱の前後に短い控え柱を立て貫で本柱とつないだ鳥居」で、神仏混淆の神社に多く見られ、宮島の厳島神社が代表例だそうです。地域的にそういう系列なのかもしれませんし、ひょっとしたら、雪の重みに耐えるための強化というシンプルな理由かもしれません。

お参りさせていただきます。

(白を基調とした拝殿が朝の青空に映えます。)

善知鳥神社は1200年以上の歴史を持ち、「青森市発祥の地」と言われます。当社の公式HPのご由緒によると、善知鳥中納言安方がこの地を平定し、奥州陸奥之国外ヶ浜鎮護の神として天照大御神の御子の宗像三女神を祀ったことが始まりで、その後、坂上田村麻呂の東北遠征の大同2年(807)に再建されたとのことです。

(ちょっとズームが足りていませんが、扁額の下の右側の絵馬の形をしたパネルに「善知鳥村より 始まる わが故郷 安寧の祈り」と書かれています。)

御朱印をいただきました。

(青森総鎮守です。)

善知鳥神社にはいくつかの記念碑があります。こちらは松尾芭蕉の句碑。

(石碑に刻まれているのですが読みづらいので説明板の方を写メ。「名月や 鶴脛高き 遠干潟」。文化2年(1812)に詠まれたと書かれています。句の意味を調べてみると意外なことを知りました。同じ句碑が茨城県の鹿島神宮にもあるらしく、この句の解釈には諸説あるそうです。ご当地青森では、「芭蕉は外ヶ浜から北海道を見たかったのだが、(健康上の理由から)平泉でUターンしたため青森を訪れていない。青森にたどり着くことができなかった想いがこの句に込められている。」という趣旨で伝承されているとのこと。この句碑の他、五街道の1つ奥州街道の終点が善知鳥神社にあったことを示す記念碑もありました。)

史跡もさることながら、境内のギボウシがどれもめちゃめちゃ立派なことに驚きます。

(これだけの大株、初めて見ます。花は散った後のようですが、花の時期は美しいでしょうねぇ。)

これで朝食と朝のお参り、散歩は終わって、ホテルに戻ります。部屋で少し休憩したらチェックアウトです。「天然温泉 淡雪の湯 ドーミーイン青森」、快適&コスパ最高で大満足の滞在となりました。

青森市内の立ち寄りスポット「ねぶたの家 ワ・ラッセ」に向かいます。駐車場に車を入れてワ・ラッセに向かって歩いていると、昨晩ライトアップされていた「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」が見えました。

(日中の姿もいいですね。)

こちらが青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」。

(この建物の中に、祭りの時出陣したねぶたが格納されていますが、五所川原の「立佞武多の館」が高層の建物だったのに対して、ワ・ラッセは面的に広い❝平屋❞(厳密には2階建て)。対照的で面白い。)

入館するとさっそくミニねぶたが迎えてくれます。

(ミニとは言え精緻な造形。名のあるねぶた師の作品ではないでしょうか。)

ねぶたが展示されている「ねぶたミュージアム」は2階からの入場となります。

(2階から入って1階のお土産物売り場に出てくる動線。)

入館するとまずはねぶたの歴史を学ぶことができる❝トンネル❞をくぐって進みます。

(真剣に見ればここだけでも20~30分必要かも。それくらい充実しています。)

そして、吹き抜けの大ホールには青森ねぶた祭りで実際に出陣した大型ねぶたが4基展示されています。

(広い! 五所川原の立佞武多とはまた違う迫力があります。)

見入ってしまう美しさ。

(これはすごい。面的に巨大なねぶたは間近で見ると見切れないくらいの広がりがあります。)

ねぶたの制作過程も勉強することができます。

(骨組みは針金で作られていますが、素手では曲げられないような硬さ、鋼鉄線のような強度を感じました。その硬い針金をこれだけリアルな輪郭を表現する骨組みに自由自在に曲げるのはどうやっているのだろうかと驚きます。)

ねぶた師(制作者)の系譜。師匠・弟子の関係図です。

(小さくて見づらいですが、「〇代名人」という称号を持つ方もいます。「七代名人」まで確認できました。)

系譜に登場するねぶた師による顔がずらりと飾られています。

(それぞれに特徴があって、地元の方ならごひいきのねぶた師がいるのでは。見事です。)

版画家の棟方志功さんも大のねぶた好き(博多の山笠なら「のぼせもん」ですね(笑))で、作品もねぶた祭りから大いにインスピレーションを受けたようです。

(ねぶた絵の達人だった年上の再従兄弟(またいとこ)の棟方忠太郎が描く「弁慶と牛若丸」が棟方画伯のねぶたの原点だった、と説明書きにあります。)

「ねぶたミュージアム」、なかなかの見応えで、1時間くらいいたでしょうか。五所川原の「立佞武多の館」と見比べるのがおススメです。見学が終わるとお土産物売り場に出てきます。ご当地スナック菓子などもあって楽しい。

(先日まで我が家で食べていた青森県産のお米「青天の霹靂」が米せんべいになっています。(笑))

帰宅後のおやつ用にご当地限定ポテチを購入。

(「帆立バター風味」。飛行機で帰るのにかさばりますが2つも買ってしまいました。(笑))

さて、次は、是非一度訪れてみたかった「青森県立美術館」です。

(1日目の津軽半島、2日目の下北半島は涼しかったのですが、青森市内は暑い! それにしても何と見事なカシワバアジサイの仕立てか。こんな形に仕立てることができるのですね。)

広大な緑の中に真っ白な外壁が印象的な建築物が「青森県立美術館」です。

(お隣にある縄文時代の集落跡「三内丸山遺跡」の発掘現場の壕(幾何学的に切り込まれた地面)から着想を得て設計されたそうです。)

入館するとまず最初に吹き抜けの大空間でシャガールの作品を鑑賞します。

(巨大絵画は9m×15mの大きさ。)

シャガールが描いたバレエ「アレコ」の舞台背景画のうち第1幕、第2幕、第4幕がこの大空間の壁に展示されていて、照明効果付きの解説音声が流れるという鑑賞方法です。

(鑑賞中。最初、車椅子ご利用の方々の団体かと思いましたが、鑑賞用の椅子が車椅子となっています。どうやら解説音声に合わせて向き合う壁が変わりますので、座ったままターンするのに車椅子が便利という機能的な理由だと思います。)

青森県立美術館は基本的に作品を含めて館内撮影可です。私がここを訪れたかった理由は、こちら、画家・彫刻家の奈良美智さん(青森県出身)の作品を観たかったから。

(誰もが一度は観たことがあるキャラ。)

テレビで奈良さんの特集番組をやっていた時にも紹介されていた❝小屋❞も展示されています。

(中を覗いたり、小屋によっては入ることもできます。)

別の小屋(やや大型)を窓から覗き込んだところ。

(作品の意味を理解するというよりは、何も考えずにこの奈良ワールドに入り込むのが楽しい。)

そして、私が一番楽しみにしていたのがこの「あおもり犬」。

(8.5m。ちょうど女性がセルフタイマーで写真を撮っていますので、そのサイズ感が分かるかと思います。)

しばし「あおもり犬」前でじっくり鑑賞。

(ソファーに座って鑑賞中。)

奇跡的に誰もいなくなったので、窓にスマホを張り付けて1枚。

(あおもり犬がいるこの空間、直方体なのか遠近法のために奥に行くほど一辺が短くなっているのか、大き過ぎて空間構成を読み取れません。そのせいか、観ていると不思議な感覚になります。)

念願のリアル「あおもり犬」を青空の下鑑賞できました。館内順路を進むと、棟方志功さんのコーナーが始まります。

(これは有名な「二菩薩釈迦十大弟子」。間近に見るのはもちろん初めて。)

版画の原板の一部も展示されています。

(こんな貴重なコレクションをガラガラの空間でゆっくり観賞できるとはご当地に来た甲斐がありました。)

更に進んだ先の大きな展示室にも棟方志功さんの作品が数多く展示されています。

(引いた写メですが、ひとつひとつの作品の見応えは半端ないです。)

棟方志功さんのコレクションの最後はこの巨大作品。

(「大世界の柵 坤-人類より神々へ-」。棟方志功さん最大の作品だそうです。この作品には一対を成す「大世界の柵 乾-神々より人類へ-」があります。「乾坤」は乾坤一擲の四字熟語に親しみがありますが、乾坤だけだと天地とか陰陽という意味なんですね。)

奈良美智さん、棟方志功さんの他、写真家の小島一郎さんの展示室がいわゆる常設展という感じで、入館料900円。青森を訪れることがあれば県立美術館に立ち寄られることをおススメします。館内の鑑賞はこれで終了。出口で「あおもり犬を屋外で鑑賞することができますのでどうぞ。」と教えていただきましたので行ってみることに。

(暑い中連絡通路を歩いて5分くらい。階段しかありません。(笑))

館内から眺めていた「あおもり犬」をダイレクトに観ること(触ること)ができます。

(近い。(笑))

(背中。)

(顔の下。)

「あおもり犬」を堪能させていただきました。(笑) 駐車場に戻る散策路に「三内丸山遺跡」の看板がありました。

(青森県立美術館のお隣ですが、この暑さですので、これ以上の屋外見学は止めて、次のスポットへ移動します。)

青森市内での観光はこれで終了で、次は弘前市へ移動します。「弘前ねぷた」の展示館で津軽三味線のライブ演奏を聴くことができる「津軽藩ねぷた村」へ。

(間口はこんな感じですが、この建物は入口みたいなもので、展示室、資料館、手仕事を見せる郷土工芸品売場、お土産物売り場、庭園など、たっぷりと施設が広がっています。)

五所川原の立佞武多、青森ねぶたと見て来ましたが、ここで弘前ねぷたの勉強をしたいと思います。

入村券売り場の方から「もうすぐライブ演奏が始まります。」と教えてもらいましたので、ねぷたの見学の前に津軽三味線のライブ演奏を聴きます。

(演奏者は葛西頼之さん。葛西さんは津軽三味線世界大会を三連覇され殿堂入りしているトップオブトップの演奏者だそうです。撮影、SNSアップ大歓迎とのこと。)

今回の旅で初めて津軽三味線を聴きましたが、マイクなしでも腹に響く大音量の力強さ。何曲か弾いてくれましたが、有名な「津軽じょんがら節」の由来や津軽三味線のことを説明してくれました。ポイントはこんな感じだったでしょうか。

 ・三味線は 棹の太さで細棹・中棹・太棹があるが、津軽三味線は力強い演奏のために太棹を使う。
 ・「じょんがら」とは、黒石藩が戦に負けて殿様が斬首され、殿様と縁深かった常縁(じょうえん)和尚は黒石を流れる浅瀬石川に身投げした。和尚のご遺体が発見された河原は「常縁河原」と呼ばれるようになり、「じょうえん」から転じて「じょんがら」になった。
 ・じょんがら節は門付け(人家の門口で演奏し食料やお金をいただく)から始まったが、津軽の吹雪に負けない音量と力強さが演奏には必要とされ、強く叩く、バチを戻す時も弦を弾く、テンポも速くなるという演奏の特徴が生まれた。

今日を境に今回の旅で何度か津軽三味線を聴く機会がありましたが、思い返してみると、葛西さんの演奏が一番グッとくるものがあったような気がします。

約20分のライブ演奏が終わって、展示室を見学します。展示室は「立佞武多の館」や「ワ・ラッセ」と同じく螺旋スロープになっています。と言っても五所川原や青森の館とは違って小ぢんまりとしています。ここにも金魚ねぷた。

(金魚ねぷた、人気者ですね。絵付け体験もできるそうです。)

弘前ねぷたのポスター。

(こちらも既に終わっています。)

ねぷたの行進の様子はこんな感じのようです。

(ミニチュア模型。今日から宿泊する「界 津軽」の方が教えてくれましたが、「弘前ねぷたは五所川原や青森のねぶたと比べると❝上品❞って言われるんですよね。(笑)」とのこと。何となく分かる気がします。)

弘前ねぷたの独特の扇型の形状は、骨組みには特産のヒバの木が使われているそうです。

(これも五所川原や青森とは異なるところですね。)

他地域ごとの違いが興味深いですが、資料室の一画に、❝4大祭り❞の特徴をまとめたパネルがありました。

(分かりやすいです。ねぶた・ねぷたの形もさることながら、掛け声もそれぞれに違います。黒石ねぷたは地理的に弘前に近いことから扇型のねぷたなど、弘前ねぷたと似通ったところも見て取れます。)

棟方志功さんが描いたねぷた絵「志功ねぷた」のポスター。

(説明書きがありますが、何と、下絵なしで一発勝負で描き切ったそうです。すごっ。)

資料室の最後のコーナーでは津軽三味線の伝説的な演奏者が紹介されていました。

(「高橋竹山」さん。私は存じ上げなかったのですが、妻は知っていました。)

展示室・資料室を出ると庭園が広がります。

(まさかこんな立派な庭園があるとは。)

「カルガモ親子が来ています。」とのことでしたが、いました。

(がんばれ。この親子の他に、もう一組、二回りほど大きく成長した親子もいました。)

泳いでいる鯉はもれなく巨鯉。(笑) 面白そうなのでエサをやってみることに。

(「鯉のエサ」とありますが、実際にやってみると、8~9割はカモが食べてしまいます。(笑) 鯉がかわいそうなので、遠くにエサを投げてカモを遠ざけ、そのすきに手前で鯉にエサをあげました。巨鯉は巨鯉でエサの食べ方はかわいくないですね。(笑))

最後はお土産物売り場です。全景の写メはありませんが、大きな売場でした。妻がいろいろ見ている間に、私の方は日本酒チェックです。(笑)

(青森と言えば「豊盃」。一本欲しいところですが、先日の仙台出張で豊盃もたらふく飲みましたので購入せず。)

妻は何やらコスメ系を買っていました。

(「東北限定」。(笑) パックですか。)

「津軽ねぷた村」、良かったです。おススメばかりですが、五所川原の立佞武多の館、青森のワ・ラッセと3ヶ所セットでのご来訪を。三者三様でなかなか面白いですし、勉強になります。

時刻はお昼時を回っていますのでランチへ。事前リサーチしておいたのは弘前城に近い「藤田記念庭園」内にある「大正浪漫喫茶室」。

(庭園は有料ですが、喫茶室は無料ゾーンにあります。ただし、無料ゾーンは駐車場から庭園の外をぐるりと回って来なければいけないので(徒歩5分)ちょっと面倒。)

弘前観光と言えば弘前城というイメージしかありませんでしたが、事前リサーチすると、弘前城は桜の季節で、それ以外の時期は洋館めぐりやアップルパイの食べ歩きが人気のようです。ここ「大正浪漫喫茶室」は、洋館めぐりのスポットの1つにもなっています。

(確かに素敵な洋館です。)

当店はカレーやパスタといった食事もありますが、有名なのはアップルパイ各種。お腹のすき具合で食事にするかお茶にするか選ぶことができます。さっそく入ってみると、店内という気配がありません。

(昔からある洋館をそのまま利用している感じですが、庭園の主でもあった実業家藤田謙一さんの別邸だったそうです。相当な資産家ですな。(笑))

現在待ち行列があるようです。タブレットに名前などを入力。

(アプリをスマホに落とすと、順番が近づいてくるとLINEで知らせてくれます。便利です。)

中に待合室がありますので、そちらで待機。

(この奥が待合室。喫茶室の入口はこの暖炉が埋め込まれた壁の端にある扉。初見ではなかなか分からないかも。)

15分待ったかどうかというところで順番が来ました。例の扉を入るとそこは店内。

(この扉。)

店内にはサンルーム席もあって、そちらが人気のようです。

(私たちはホール席でもサンルーム席でも「どちらでも良い」にしていましたので、早い方でホール席に。)

今朝の「喫茶マロン」の厚切りトーストのためかそれほどお腹も空きませんので、食事ではなくアップルパイをいただくことに。一口にアップルパイと言ってもざっと10種類はあったと思います。しゃれた名前が付いていて覚えきれませんでしたが、妻は温かいアップルパイ、私は冷たいアップルパイにしました。こちら、妻が注文したアップルパイ。

(アイスクリームと飲み物はセットメニューとなります。)

私が注文したアップルパイ。

(同じくセットメニュー。飲み物は2人ともご当地のりんごジュースを。)

アップルパイに使っているりんごの品種もいろいろあるようで、一番人気の「津軽ゆめりんごファーム」のりんごを使ったパイは売り切れていました。テーブルには弘前市内のアップルパイのお店の紹介パンフが置かれています。

(「弘前アップルパイガイドマップ」。開いてみると驚くほどお店があります。好きな人はこのマップ片手にお目当てのカフェを食べ歩くとか。弘前のアップルパイ、激アツです。)

「大正浪漫喫茶室」のアップルパイ、評判通りの美味しさでした。チャンスがあれば弘前のアップルパイをもう少し掘り下げてみたくなりました。(笑) これで今日の立ち寄りスポットは終了。星野リゾート「界 津軽」のチェックインは15時ですが、連泊ということもあり、少しゆっくり目に16時前の到着予定。ちょうどいい時刻になりましたので、向かうことにします。

弘前市内から南南東に走ること約20分、大鰐温泉郷エリアに入りました。

(このトンネルを抜けると「界 津軽」はもうすぐです。)

「界 津軽」に到着です。

(ここに2泊。1日目・2日目の旅とは一転、のんびりしたいと思います。)

 

・・・・・青森県4泊周遊旅行④〔「界 津軽」編〕へ続く。


青森県4泊周遊旅行②〔2日目観光(下北半島)編〕

2024年08月31日 | 旅行記

2日目の今日は下北半島を巡ります。下北半島と言えば、恐山、大間(マグロ)、仏ヶ浦ですが、更に加えて、本州最北東端の岬「尻屋崎(尻屋埼灯台)」を訪れます。

(2日目の予定。ご覧の通り、下北半島はその形から❝鉞(まさかり)❞に例えられます。そもそも遠い上に、❝鉞❞の頭の部分も広大なので最も旅程を立てづらいエリアです。)

(参考)鉞(まさかり)

(ネットより拝借。下北半島の形そのもの。(笑))

ドーミーイン青森の温泉大浴場は朝5時からやっていますので、まずは起き抜けの温泉から。

(昨晩浸かりましたが、ツルツル・ヌルヌルの私の好みの泉質。)

ご当地らしい演出も旅を盛り上げてくれます。

(この絵を描いた絵師の名前が紹介されていましたが、控えるのを失念しました。)

男湯の暖簾をくぐると、金魚たちがお出迎え。

(「金魚ねぶた」。県内各地の祭りで使われるようです。)

旅の間に知ったことですが、「金魚ねぶた」は津軽の祭りに欠かすことのできない夏の風物詩だそうで、その由来は、江戸時代、金魚は一部の上流階級の間でしか飼うことができない高級魚だったので、庶民は金魚をねぶたにして祭りの時に子どもたちが提灯のように持って歩いた、とのこと。その後、「金魚」の名の通り金運をもたらす幸福の縁起物として工芸品になったようです。

湯上りに無料サービスのヤクルトを飲んで一休み。

(失礼して部屋に1本持ち帰りさせていただきました。(笑))

湯上り処からの景色。

(青森港。「アスパム」が目立ちますね。)

右手、下北半島の方向を見ると、遠くに幻想的な景色が広がっていました。

(ここからだと、下北半島ではなく、その手前の、浅虫温泉のある半島的な陸地が見えているのかもしれません。)

早朝6時半、立体駐車場から車を出庫してもらって出発です。

(朝6時半から駐車場の係の人が常駐。それより早い時刻ならホテルのフロントの人が対応してくれます。)

出発して30分くらいでしょうか、下北半島に入って行く前に、「藩境塚」という史跡に立ち寄ります。

(かなりマイナースポットで一度通り過ぎてしまいました。)

藩境塚はその名の通り、津軽藩と南部藩の境界に設けられた関所のような所。

(ネットより拝借。ちなみに、当時、津軽藩の中心地は弘前、南部藩は八戸。青森(市)は元々は善知鳥(うとう)村という漁村でした。)

当時は、藩をまたぐ移動が厳しく取り締まられていた時代。津軽藩と南部藩の❝出入口❞はここ野辺地の藩境塚一箇所だったということからも往時のたいへんさを偲ぶことができます。

(藩境塚にある番所「馬門御番所」。実は、この御番所、公衆トイレです。(笑) 実際に馬門御番所があったのはここから1km程離れた所で、この建物は御番所風に復元されたトイレ。また、大きな看板に書かれている通り、野辺地は北前船の寄港地で栄えていたということです。)

建物の横に当時の「高札」を復元したものもありました。

(薄れて読み取りづらいですが、武具類、紅花、蝋漆油、綿麻、銀鉛硫黄、男女・牛馬、という文字がかろうじて分かります。ネットで調べてみると、この覚書には「手形が無い者は武具や火薬、人、染料などの持ち出しを堅く禁じる」という趣旨のことが書かれているそうです。)

藩境塚を出発して約2時間、陸奥湾に沿って北へ北へ走り、❝鉞❞の頭の上に突き抜けて、大間町に入りました。

(本日の昼食は大間のマグロの予定。)

一旦大間町は通過して、まずは仏ヶ浦観光に向かいます。

(仏ヶ浦のサイトより。「船で行ける極楽浄土」。昔々から訪れてみたいと頭の片隅にあった仏ヶ浦ですが、とにかくアクセスしづらいスポットで半ば諦めていました。)

仏ヶ浦は❝鉞❞の刃の真ん中あたり。陸路でも行くことはできますが、駐車場から急坂を40分は歩くというほぼ登山らしく、様々な観光サイトでは遊覧船によるアクセスを推奨しています。ということで、私たちも「仏ヶ浦遊覧船」に乗ることに。発着は大間町を通過した佐井村の佐井漁港です。「佐井村立 津軽海峡文化館アルサス」の駐車場に車を停めます。

(漁港に面しています。)

仏ヶ浦遊覧船は、運航期間4月~10月、1日2便(10:30と13:00)で、仏ヶ浦まで片道30分、上陸して散策30分、佐井港への帰路30分という1時間半の仏ヶ浦ツアーです。今日の観光プランをあれこれ考えて、私たちは10:30の便を予約。これに間に合うために今朝は6時半にドーミーイン青森を出発しました。

(「予約者専用キップ売場」とありますが、予約しなくても余裕で乗船できると思います。(笑))

遊覧船運航会社が毎朝当日の運航状況をサイトにアップしてくれていますが、本日は無事通常運航です。

(サイトは結構しっかりした作りですが、現場はアナログ感満載です。(笑))

遊覧船料金は1人3000円。そこそこの値段ですが、最初で最後でしょうから全然OKです。

(キップ、1人に1枚出すのではなく、「×2」とか「大2」と手書き。(笑) パンフレットは人数分いただけます。)

かなり余裕をもってホテルを出発したつもりですが、藩境塚に立ち寄ったりしていたので、30分前到着というところ。下北半島の広大さを実感しました。乗船開始まで20分程ありますので、「アルサス」の2階「展望室」に行ってみました。

(普通の2階でした。テラスなどはなく、外に出ることはできません。)

ちょっとだけ景色が良かった。

(桟橋に縦列で停泊しているのが、ニューしもきた1号・2号。)

1階にはお土産物売り場もあって、大間のマグロコーナーが一番大きかったです。

(仏ヶ浦観光の後、ご当地大間の港の寿司屋で「大間まぐろ」を堪能しますので、ここではチラ見のみ。)

各地の産業・文化に触れるのも旅の醍醐味ですが、「仏ヶ浦裂き織り」とは何でしょう。

(「仏ヶ浦裂き織り」、「南部裂織」とありますので、ご当地の織物だと思います。)

ネットで調べてみると、「裂き織り」とは、古い布を裂いて横糸に使う織物で、綿が貴重だった江戸時代、南部藩の各地で受け継がれてきた、古い布を再利用する庶民の織物のようです。

さて、乗船時刻となりました。ニューしもきた1号に向かいます。

(あまり「ニュー」という感じではありませんが。(笑))

事前リサーチによると、遊覧船は行きは左側の席がおススメとのこと。海岸線の景色がずっと左側に展開するから。その通り左側の席に座ることができましたが、前方数列は立入禁止でした。

(内装もかなり年季が入っています。安全性に問題はないと信じたいと思いますが、なぜ立入禁止なのか、、、。)

出航して20分を過ぎる頃から奇岩の海岸線が現れます。

(船は更に進んで、間もなく仏ヶ浦の桟橋に到着します。)

素人でも分かる接岸の操船の上手さ。北の海の船頭さんの技術の高さでしょうか。

(それでは散策に行って来ます。)

コンクリートで広々と整備された桟橋だったのがちょっと意外。

(桟橋の足元に見える海は透明度抜群で、小魚がわんさかいます。)

散策路も途中まではこんな感じで整備されています。

(歩きやすくて助かります。自販機などはありませんが、トイレはあります。)

造られた散策路も途切れて、いよいよ本格的に仏ヶ浦を歩きます。

(中央に見える祠へ続く階段から断崖の上に向かって道があるようで、おそらくそれを登り続けると陸路の駐車場に出るのだと思います。ここから見ただけでもまさに断崖の急坂。)

歩き始めると、極楽浄土かどうかは別として、非日常の景色の中に没入しますので、巨岩のサイズ感も相俟って不思議な感覚を覚えるのは確かです。ちなみに、パンフレットによると、巨岩には全て名前が付いています。

(右の巨岩は「屏風岩」。)

(「天龍岩」。手前を人が2人歩いていますが、岩の麓に行くと、天龍岩のとんでもないサイズ感が実感できます。)

(天龍岩の背面と、手前は「香爐岩」、右に見切れているのは「双鶏門」。)

巨岩の間を縫うように歩くことができ、結構奥まで進むことができますが、上陸時間は30分ですので、適当な所で引き返す必要があります。私たちも足元が悪くなった所で折り返して桟橋に戻って来ました。

(海面に美しく逆さに映る「岩龍岩」。実際に見ると、もっとスケールが大きく美しいです。)

足元の海中を見ると、アオリイカの子どもたちが群れていました。

(捕食されないように黒く保護色になっているのでしょうか。)

30分はあっという間でした。一度は訪れてみたかった仏ヶ浦、素晴らしかったです。

(名残の1枚。(笑))

帰路は船内ではなく、後部の船外席に座りました。出航すると、散策ではたどり着けなかった❝奥地❞の巨岩方向の景色を望むことができました。

(大きな双子のような巨岩が緑を挟んでそびえていますが、左が「帆掛岩」、右が「蓬莱山」だと思います。その前に広がる砂浜が「極楽浜」ですが、ここからだと良く分からないですね。)

仏ヶ浦を出て15分以上経っていると思いますが、往路に船内放送で説明のあった「願掛岩」、復路で写メを撮ることができました。

(角度的に分かりづらいですが、2つの巨岩から成っています。左が「女岩」、右が「男岩」。荒海に出ていく漁師はこの願掛岩に漁の安全を祈ったそうです。)

佐井港に戻って来ました。時刻はちょうど12時。ここから大間港までは20分というところ。事前リサーチしておいた大間の寿司屋へ向かいます。

(目の前が大間港という「浜寿司」が本日の昼食場所です。)

「浜寿司」は地元でも人気のようで、昼食時ですので混んでいないかと心配したのですが、、、。

(店頭に置かれている順番待ちの帳面は全て消し込み済み。ちょうど別のご夫婦が出て来られて満面の笑顔で「美味しかったですよぉ~。」と教えてくれました。これは期待できます。)

で、お店の方は空いていました。(笑)

(お店の人のやり取りを聞いていると、お昼のピークは終わったようです。)

お値段はもちろん安くはないですが、大間のマグロを大間で食べる、一生に一度の経験ですので、ここは好きなものをいただきます。

(メニューの表・裏。東京で食べることを思えば、激安だと思います。)

私は「特上丼」。

(大トロ、中トロ、赤身が盛り合わされています。隙間なく大間マグロ。)

妻は「本鮪握り盛り合わせ」。

(大トロ、中トロ、赤身の握りと鉄火巻き。)

地元の寿司屋で食べているというシチュエーションもありますが、言葉で表せない美味しさです。これまでの旅で食べた食事の中で、「ベラビスタ スパ&アリーナ尾道」の「鮨 双忘」とともに、思い出に残るトップ5に入るのではないでしょうか。夫婦ともに大満足の大間のマグロ食べ尽くしの昼食でした。

昼食後は大間崎の観光です。「大間崎」、「大間埼灯台」、「ここ本州最北端の地碑」などを見学します。

(この1枚に、シンボル4点が映っています。写真左奥に小さく「大間埼灯台」、手前に「大間崎」の標、「まぐろ一本釣の町」のオブジェ、右奥に「こゝ本州最北端の地」の石碑。無理やり入れてみました。(笑))

大間崎の少し沖にある弁天島に建つ「大間埼灯台」。

(向こうに薄っすら見えるのは北海道の大地、函館あたりか。何とも言えない雰囲気のある灯台ですが、危険と隣り合わせの荒れる津軽海峡を航行する船の安全を守っています。)

「こゝ本州最北端の地」の石碑。

(本州最北端に立ちました!)

この石碑近くの地面に、各地の「最〇端」を紹介する日本列島が描かれています。

(鹿児島の大隅半島には何度か行っていますが、訪れた南限としては「雄川の滝」まで。ということで「本土最南端 佐多岬」は未踏ですが、この地図に書かれているその他の「最〇端」はいずれも訪問済みです。「本州最西端 毘沙ノ鼻」には九州勤務時代、一人旅で、「四国最南端 足摺岬」と「本州最南端 潮岬」にはブログを始める前に家族旅行で、それぞれ旅の途中に訪れたことがあります。結構行ってるなぁ、、、。(笑))

で、実際に見てみたかったオブジェ「まぐろ一本釣の町 おおま」。

(荒れる津軽海峡、命がけのマグロ漁という厳しさを感じさせない、どこなくユーモラスなオブジェは実際にはどんなものなのか見てみたかったので。で、実際に見た感想は、見たまんまちょっとほんわかしていました。(笑))

大間崎はこんな感じで整備されていますが、陸地の方を見ると、お土産物屋さんがあるものの、ちょっと寂しい感じがします。

(基本的には北の漁師町という一本芯が通った雰囲気も感じます。この奥に大きな駐車場があります。)

公衆トイレも含めて、町はマグロ推しです。(笑)

(マグロのシルエットが妙にシブい。(笑))

大間を出発して次は一路、本州最北東端の岬「尻屋埼灯台」をめざします。❝鉞❞の上部を端から端へ走ります。

(大間を出発して少し行くと、「下風呂温泉郷」があります。今回の旅を計画している中で、この温泉地のひなびた民宿に泊まることも案として検討しました。)

❝鉞❞の頭の端から端までの所要時間は約1時間。尻屋崎は住所としては下北郡東通村(ひがしどおり)。灯台への最後のアプローチにはゲートがあります。

(ゲートには通行可能期間があって、4/1~4/30は8:00~15:45、5/1~11/30は7:00~16:45、12/1~3/31は閉鎖となります。派手な「クマ出没 注意!」の看板がありますが、今回の旅では高速道を含め、ツキノワグマとの遭遇注意が至る所で喚起されていました。)

ゲートを通過して数分走ると、灯台が見えてきました。

(最果ての地の風情を感じます。)

駐車場から灯台までは少し歩きますが、訪れる人もほとんどいない寂寥感たっぷりです。

(仏ヶ浦や大間、恐山までは旅行社もカバーしていますが、尻屋埼灯台をツアーに入れている旅行社はほとんどないのでは。)

本州最北東端の岬に建つ「尻屋埼灯台」です。

(この看板の裏に灯台カードのQRコードがないかと探しましたが、ありませんでした。残念。1876年(明治9)完成。高さ33mはレンガ造りの灯台としては日本一。)

尻屋埼灯台から左の方向に岬の突端がありますが、そこに「お地蔵さま」がいらっしゃいます。

(強風が吹いていますので注意して進みます。)

黒い墓石のように見えるのは、船が遭難して亡くなった方々の慰霊碑。尻屋崎沖は津軽海峡と太平洋が交わる要衝であり豊かな漁場ですが、ご当地特有の濃霧が発生することや、岩礁が広がることから、別名「難破岬」と呼ばれるほど遭難の多い所だったそうです。明治に入り各国との貿易が盛んになったこともあり、船の往来の安全を守るために尻屋埼灯台が建築されたそうです。お地蔵さまはそんな厳しい海に出る漁師やここを通る船の安全を見守るように佇んでいます。

(合掌。)

湿気はありますが強風のせいか少々肌寒さも感じますので、早々に車に戻ります。実は、尻屋崎を訪れたかったのは、ここに放牧されている「寒立馬」(かんだちめ)と出会いたかったから。

(寒立馬の越冬放牧地のエリアは「アタカ」という地名のようです。)

いつでも馬に会えるわけではないようですが、今日は、、、いました!

(この景色を見たかったので、ここまで来た甲斐がありました。寒立馬は元々は農耕馬でしたが、頭数が激減し現在は保護され、30頭くらいにまで回復しているそうです。)

道路を挟んで2つの放牧場に寒立馬がいました。

(もう一方の放牧場。こっちに近寄って来てくれないかなぁとしばらく見ていましたが、ずっと草を食べていました。(笑))

ビジターハウスと呼ぶにはミニサイズの小屋があって、その中に寒立馬のポスターが何種類も貼られていました。

(こんな景色が実際にあるのかというベストショット。(笑))

ご当地馬を見るのは、宮崎の都井岬の「御崎馬」以来でしたが、馬のいる景色は何度見てもいいですね。大満足です。さて、次は下北半島と言えばの名所「霊場恐山 菩提寺」に向かいます。ここから恐山までは1時間弱です。まずは菩提寺の少し手前にある「三途の川」で車を停めて見学します。

(三途の川に架かる「恐山 太鼓橋」。ここにも「熊出没注意!」の看板。)

三途の川というよりは太鼓橋の写メになりますが、「三途川」の石碑が雰囲気を盛り上げています。

(太鼓橋的な朱塗りの橋が架かる景色は各地にもあると思いますが、雰囲気と言うか空気と言うか、このあたりの気配、ちょっと違います。)

脇には「奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)」がいます。

(左:奪衣婆、右:懸衣翁、夫婦です。奪衣婆はアニメ「鬼灯の冷徹」を観たことがある方ならご存知かと。(笑) 私は鬼灯の冷徹に登場する奪衣婆の強烈なキャラのことしか知らないので、この石板の説明で改めて勉強すると、奪衣婆は三途の川で死者の衣服を剥ぎ取る鬼婆で、懸衣翁は奪衣婆が剝ぎ取った死者の衣服を衣領樹の枝に掛けて重さを測る=生前の罪の重さを計る番人、とのことです。)

それでは三途の川を(車で)渡って、「霊場恐山 菩提寺」へ入山します。

(総門。恐山は比叡山高野山とともに「日本三大霊山」と言われています。今回恐山を訪れたことで、日本三大霊山、コンプリート。)

恐山菩提寺は862年創建。慈覚大師円仁さんが夢のお告げに導かれ、諸国に教えを説いて回った旅の果てに、この下北の地に「恐山菩提寺」を開山したと伝わる、とのことです。

(表紙なので円仁さんかと思ったら、八葉地蔵菩薩でした。パンフを開くと載っていました。)

山門。

(周囲の景色の中で威風堂々の山門です。)

山門をくぐると境内。硫黄臭がします。

(恐山は活火山(休火山かも)で、霊場が面している湖はカルデラ湖の「宇曽利湖」。霊場内に温泉が湧いていて、この中央の参道の両サイドに見える小屋は共同浴場(左・女湯、右:男湯)。入山者は自由に温泉に浸かることができます。)

まずはお参りさせていただきます。

(現在時刻は16時過ぎ。菩提寺は18時に門が閉められます。)

お参りが済んだら、霊場内を順路に沿って散策します。

(ネットより拝借。今お参りした本堂の左脇から散策順路がスタートします。)

太鼓橋(三途の川)に「a」、山門「b」とありますが、「c」から順に巡って行きます。順路表示がありますので、そんなに迷うことはありません。

(こんな感じの荒涼とした景色の中の散策です。)

ここは「無間地獄」。

(至る所に積まれた石やかざ車があります。聞こえるのは、風に回るかざ車のカサカサという乾いた音だけ。硫黄臭はずっとしています。)

「永代無縁碑」と「大平和観音」。

(宇曽利湖が見えてきました。)

「賽の河原」にあった石碑。

(石に埋もれ気味で一部見えませんが、「人はみな それぞれ 悲しき 過去持ちて 賽の河原に 小石積みたり」と刻まれています。)

それにしても硫黄臭がすごいです。こんな注意書きの看板がありました。

(「硫化水素が噴出しているため」火に引火する恐れがあるそうで、所定の場所以外では火気厳禁。引火よりも人体に影響はないのか。(笑))

賽の河原を過ぎると宇曽利湖はすぐそこ。

(湖畔も独特の景色です。遠くに見える像は「東日本大震災供養塔」です。)

湖畔は「極楽浜」。

(峻烈な地獄めぐりから穏やかな景色に変わったという意味では極楽なのかもしれませんが、寂寥感の方が先に立ちます。)

極楽浜と宇曽利湖のパノラマを1枚。

(極楽感はないですね。(笑))

湖に流れ込む小川が硫黄で黄色。

(もっと真っ黄色の所もありました。)

ガスが最も噴出していた所。

(ここには長く居てはいけないと思いますが、注意書きなどはありません。)

順路から外れたかと思いましたが、再び順路看板がありました。

(最後の見所「五智山展望台」へ。)

少し登ると「五智如来」がいらっしゃる展望台に出ます。

(手拭いでほっかむりされています。硫黄ガスが雨に溶けて強い酸性雨になるからでしょうかね。)

展望台からの景色です。

(宇曽利湖の方を望みます。)

ここからは菩提寺の境内もよく見えます。

(散策路を一巡りして来たようです。)

境内に戻って御朱印をいただきに寺務所に向かいます。ここは「無漏館」という入山者が写経などをする建物のようです。

(「イタコの口寄せ」もここで行われるようです。覗いたわけではありませんが、今日は誰もいないような。)

御朱印をいただきました。

(合掌。)

御朱印を書いてくれたお坊さんが「境内の真ん中にいるお地蔵さんに願い事をして、お地蔵さんの頭を優しく押すと、『うんうん』と頷いてくれるのでやってみてください。」と教えてくれました。

(最初にお参りした時には気付かなかったお地蔵さん「お願い地蔵尊」。教えてもらった通りやってみると、石像なのにお地蔵さんの頭が前後にゆっくりと揺れて、「願いを聞き届けたぞ」と頷いているように見えます。もちろん、お地蔵さんの頭は固定ではなく首振り人形のように組まれています。)

「霊場恐山 菩提寺」、ついに訪れることができました。恐山は全国的に有名でテレビなどでも観ることはありますが、この雰囲気は実際に来てみないと味わえないものだと思いました。

さて、時刻は17時を少し過ぎたところ。「釜臥山展望台」という陸奥湾を一望できる展望所へ立ち寄るオプションを用意していましたが、日暮れが近いこととお天気も小雨模様なのでカットすることにします。ここから青森への帰路は2時間半のロングドライブとなりますので、ちょっと早いですが、恐山を下山してむつ市で夕食にします。事前リサーチしておいた、下北半島の郷土料理「みそ貝焼き」のお店「なか川」へ。

(17時開店。)

開店して30分というところですが、既にお客さんが来ています。

(自宅兼お店という店構え。)

店内は最近改装したかのように真新しいです。

(私たちが入店してしばらくすると、ほぼ満席になりました。)

注文は「みそ貝焼き定食」一択でいきます。

(大きなホタテ貝の貝殻が鍋になっています。添えられているのは立派なみょうがの煮付け。)

みそ貝焼きの作り方がパウチにしてテーブルに置かれています。

(とにかく混ぜればいいようです。(笑))

で、こんな感じで完成。

(この後、豆腐も崩して混ぜて完成。)

食べた感想ですが、鍋替わりがホタテ貝なので、具材のメインがホタテ貝の身だと思い込んでいましたが、ホタテ貝はほんの少しで、野菜・山菜やエビなどの具材が中心。味の方もてっきり濃い味噌味だと思っていたら、意外なほどあっさり味。要は、素朴な地元の味、って感じでした。昔は漁師がホタテ貝の貝殻を鍋替わりに魚の切り身などを入れて自家製の味噌を溶き、粟飯や稗飯と一緒に食べていたという由来を聞くと得心します。いずれにしても事前リサーチで興味を持った下北半島の郷土料理を食べることができていい経験になりました。

「なか川」を18時頃に出発、途中、幹線道路なのに出会う車もなくて久々にハイビームをバンバン使いましたが、無事青森市内に帰って来ました。ホテルに戻る前に青森港にちょっと寄り道します。青森港に係留されている「青函連絡船 メモリアルシップ 八甲田丸」のライトアップです。

(妻撮影。)

青函連絡船「八甲田丸」は1964年(昭和39)就航。1988年(昭和63)に運航終了となり、現在は観光施設としてここに係留されています。そして、ここでもうひとつ見たかったのが「津軽海峡冬景色歌謡碑」青森港バージョン。(笑)

(昨日見た龍飛岬の歌謡碑よりも質素な感じですが、石碑の下部に例の赤いボタンが付いています。これまた「押せ」と言われているようですが、時刻は20時半、さすがに大音量の津軽海峡冬景色を鳴らすのはどうかと思い、押さず。(笑))

朝6時半にホテルを出発、帰着が20時半。長い一日でしたが、念願の下北半島を巡ることができ、1日目に続き、充実の2日目でした。ホテルに戻った後は、21時半から始まる「夜泣きそば」をいただきました。

(連夜の「夜泣きそば」。食べ飽きることがない美味しさ。「みそ貝焼き定食」が量的にちょっと物足りなかったので、小腹を満たすいい仕上げとなりました。(笑))

この後、温泉「淡雪の湯」にゆっくり浸かり(湯上りのアイスも食べて(笑))、今日の疲れを癒して就寝。明日3日目は「界 津軽」へ移動、それまでの時間、青森市内と弘前市を観光します。

 

・・・・・青森県4泊周遊旅行③〔3日目観光(青森市、弘前市)編〕へ続く。


青森県4泊周遊旅行①〔到着~1日目観光(龍飛岬・津軽半島~五所川原)編〕

2024年08月30日 | 旅行記

2024年の夏休みの旅行は青森県周遊。東北はブログを始める前に何度か巡ったことはありますが、秋田・岩手・宮城・山形まで。(福島には秘湯めぐりで結構通っていました。)

(200X年代の頃、まだブログを始めていなかったので、旅に行くとこんな感じでフォトアルバムを作っていました。これはこれでとても良くて、今も折に触れて見ています。妻も私も若い。(笑))

ということで、今年の夏休みは私たち夫婦にとってほぼ未踏の地、青森県を旅することに。旅の準備(計画)は巡りたいスポットをリサーチしてGoogleマップに落とし込むことから。今回の主な旅程をプロットするとこんな感じになります。

(Googleマップ、ほんと便利です。いちいちカーナビにセットしなくても良いので旅の効率が格段にアップしました。ただし、Googleさんが時々不安になるような道を案内するのでドキドキしますが。(笑))

これをもとに日々のプランを立てるためにパワポに落とし込むのが私のやり方。今回の主な訪問地はこんな感じです。

(本当は青森県の西部・南西部、鰺ヶ沢や深浦といった、日本海沿いを走る人気の鉄道五能線のエリアも訪ねてみたかったのですが、日数が足りず今回は組み込めず。機会があれば「五能線の旅」として企画したいものです。)

今回の旅は、青森市内のホテルに2泊、弘前の南東部にある大鰐温泉郷エリアの「界 津軽」に2泊の計4泊5日の旅。長丁場ですが、2ヶ所での連泊なので、宿を渡り歩くしんどさはありません。楽しかった充実の旅を全6編で書いてみたいと思います。

 ① 到着~1日目観光(龍飛岬・津軽半島~五所川原)編
 ② 2日目観光(下北半島)編
 ③ 3日目観光(青森市、弘前市)編
 ④ 「界 津軽」編
 ⑤ 「界 津軽」連泊中日、4日目プチ観光(田舎館村、黒石)編
 ⑥ 5日目観光(大鰐温泉~十和田湖・奥入瀬~八戸)編

❝現地❞までは往復ともに空路利用で、羽田空港/三沢空港の往復。夏休み期間中の予約激戦期の羽田空港駐車場を今回も苦労して何とか確保できました。

(P2の予約車専用フロア。まだ朝の6時台だというのになかなかの混雑っぷりです。)

マイナー路線なのか、三沢空港行きのJALはバス利用でした。

(搭乗口からバスに乗車。「どこまで走るの?」というくらい走って駐機場に到着。毎度思うことですが、事前改札や優先搭乗の方ほどバスの奥にいるので、結局飛行機に乗り込むのは後回しになるというおかしな事象。JALもANAもなぜ改善しないのでしょうね。)

羽田空港7時50分発の朝一便で三沢空港へ。途中、鳥海山(多分)が眼下に見えました。

(以前東北を旅した時に雪の残る鳥海山に車で(途中まで)登ったことがあります。)

定刻通り三沢空港に到着。

(ねぶた風のこけしがお出迎え。右のこけしが米国の国旗のデザインになっているのは、ご当地が米軍三沢基地・航空自衛隊三沢基地でもあるからだと思います。半分とは言いませんが、結構な割合で米軍関係者らしき人が到着口から出てきて、その人たちを自衛隊の人が出迎えていました。)

レンタカーもスムースにピックアップでき、いよいよ1日目の旅に出発です。今日の旅程はこんな感じで、いきなり三沢空港から龍飛岬までのロングドライブから。

(三沢空港から龍飛岬までは約3時間のロングドライブ。ちょっと非効率にも思えますが、明日からの旅程を考えて初日に津軽半島を巡ることにしました。)

ロングドライブに備えて持参した「Bang & Olufsen」のスピーカーから、事前にAmazonミュージックで編集した昭和世代が盛り上がる(笑)音楽を流しながら快適に走っていると、ようやく標識に「龍飛」の文字が現れました。

(ご想像の通り、車が混むということは全くなく、お天気にも恵まれ、ドライブは快適そのもの。)

ほぼ龍飛岬に近付いてきました。

(最初「これは何だ?」と思いましたが、風力発電の風車の羽根ですね。)

最初の目的地は「青函トンネル記念館」。

(めちゃめちゃ広い駐車場に車が数台。)

記念館はその名の通り青函トンネル(海底240m、総延長53.85km)の資料館です。ロケーションとしては、津軽海峡の海底を貫く青函トンネルの本州側の基地がある所となります。

(「青函トンネル本州方基地龍飛」とあります。)

こちらが記念館の入り口。

(このローカル感、いい感じです。(笑))

よく分かりませんが、道の駅も兼ねているようで、スタンプ台がありました。

(「道の駅みんまや龍飛岬」。デザインは龍飛埼灯台とこれから乗車する体験坑道ツアーの「もぐら号」。)

ここのウリは何と言っても、海面下140mの世界を体験できる「体験坑道ツアー」で、入館券売り場の方が「次は12:20の発車となります。」と案内してくれました。ちょうどいいタイミングで来館したようです。展示室の見学の前になりますが、さっそくケーブルカー乗り場へ。

(私たち夫婦は坑道の体験ものが好きで(笑)、長崎県の「軍艦島」は上陸見学でしたが、同県の「池島」は実際に稼働していた坑道に入って行くことができるエキサイティングな「池島炭鉱坑内体験ツアー」で、両方ともに体験済み。)

富山の黒部ダムと同様、青函トンネルも映画化されていました。

(まぁ映画化されているとは思いましたが、高倉健さんと吉永小百合さんとは第一級作品ですね。)

体験坑道ツアーは「青函トンネル竜飛斜坑線 もぐら号」(通称:もぐら号)に乗って行きます。

(クラウドファンディングで改修されたそうです。)

坑道への出入口には「風門」があって、それが開くと潜行開始です。

(安全に関わるような突風が吹くってことでしょうか。)

潜行中。

(もぐら号は小ぢんまりとしています。20人も乗ったら満員かも。特等席は先頭のようで、ずっと動画を撮っている人がいました。景色は全く変わらないのですが。(笑))

斜度14度の斜坑を降りて行くこと7分、「体験坑道駅」に到着です。

(津軽半島は地上でも30度に達しない気温でしたが、ここはもっと涼しいです、、、が、超多湿です。(笑))

体験坑道ツアーは、現物の展示を見たり説明を聴きながら体験用の坑道をぐるっと一周して、もぐら号で地上に戻るコース。まずは一周するスタート地点まで移動します。

(海水が染み出ているのだと思いますが、とにかく濡れています。)

(こちら方面はツアーでは行きません。レールが敷かれていて今も稼働中かと思うリアル感があります。)

スタート地点に到着しました。

現物展示や放送設備による音声説明は、構想から42年という年月を経て完成した青函トンネルの第一歩、事前の地質調査の状況から始まり、実際の工事の工程ごとに少しずつ移動しながら続きますが、過酷な状況で困難な局面に陥るたびに、突破するための新しい技術や工法を生み出し進めて行ったという説明には驚きました。

(左手前の人は人形です。リアル過ぎて一瞬ビビりました。(笑))

(実際に使われた掘削機械。)

(掘削したら壁面を固めるために特殊なコンクリート?を吹き付けるのですが、その様子。)

(海水の噴出などの困難もありましたが、説明の最後は「貫通」のパネル。本州側と北海道側のトンネルが開通し、風が吹き抜けたとあります。ちなみに、本州側と北海道側の工事JVが上手に別のゼネコンが担当しているところに大人の事情を感じます。(笑))

ゴール地点にあるこの柵の向こうは実際の青函トンネルだそうです。

(もちろん立入禁止ですが、何かゾワッとするものを感じます。)

すぐそこの青函トンネル内を撮った、2014年3月14日で廃止されたJR北海道の「竜飛海底駅」の写真がありました。

(北海道新幹線の工事のための駅だったとのことですが、なぜここに駅が設けられていたのかはよく分かりません。今は青函トンネル内の保守・避難施設になっているようです。)

もぐら号で地上に戻って、これで体験坑道ツアーは終了です。終わると「体験証明書」がもらえます。

(と言っても、「体験坑道乗車券」を買った時に折り返された裏面に予め付いているものですが。(笑))

3時間弱のロングドライブと40分の体験坑道ツアーで時刻は13時となりました。ちょっと遅めの昼食を。記念館内にあるレストラン「紫陽花」です。

(事前リサーチ済みです。)

各種メニューがありますので、選択肢は多い。

(青森ではラーメンも名物のようで、煮干し系の特徴的なものから、醤油・味噌という王道まで。)

私たちはこちら「龍飛岬マツカワ定食」にしました。

(「本日10食です」との限定表示がありますが、余裕で2食OKでした。(笑) 「マツカワ」とは、青函トンネルから染み出る深層海洋水(とてもきれいな海水だそうです)で養殖されたカレイで、ご当地の外ヶ浜町の名物としてPR中のようです。)

こちらがマツカワカレイの刺身とフライのセット「マツカワ定食」です。

(結構肉厚。お味の方はちょっと淡泊かな。今回の旅では地元の名産を食するのも楽しみのひとつですので、さっそく思い出の一食となりました。)

関係ないですが、新紙幣が発行されても全然出会わなかったのですが、ここでようやく出会いました。(笑)

(梅子さん。この旅で柴三郎さんの1000円札にも出会いましたが、栄一さんの万札とはまだ出会っていません。(笑))

順番が最後になりましたが、記念館の展示ホールを見学します。

(入ってみると、体験坑道ツアーで説明のあった情報がそのまま展示されている感じで、ツアーに行く時間のない人向けかもしれません。)

ということで、展示ホールはサクッと見終えて次のスポットへ。記念館からは眺望も良いのですが、ちょうど次の次のスポットが見えました。

(豆粒ほどにしか見えませんが、左下にある「津軽海峡冬景色歌謡碑」と、真ん中下あたりの「階段国道」(国道339号線)の看板。)

次のスポットは「龍飛埼灯台」。青函トンネル記念館から車で3分とかかりません。

(ちょっと日差しが暑くなってきましたが、吹き渡る風のおかげで汗はそんなに出ません。)

こちらが「龍飛埼灯台」。

この看板の裏にQRコードがあって、読み込むと灯台カードが表示されます。

高松に出張した時の朝の散歩で「高松港玉藻防波堤灯台」で知って以来、灯台を訪れるとQRコードを探します。)

定番の景色を1枚。

(人生初の龍飛埼。頭の中で石川さゆりさんが歌っています。(笑))

ここからの景色はまさに絶景。

(どこを見ても絶景ですが、下北半島方面を望むと、明日訪れる「仏ヶ浦」の奇岩群らしきものが白く見えます。)

龍飛埼灯台・龍飛岬まで来たという達成感というか充実感というか、そういう感覚を覚えながら次のスポットへ。車で1分?すぐそこにある「津軽海峡冬景色歌謡碑」です。

(歌われている季節の寒風と雪が吹きすさぶ冬にはとてもたどり着けませんので、夏の青空の下ですが、是非とも来てみたかった所です。)

こちらが「津軽海峡冬景色歌謡碑」。

(名曲です。)

小さくて見づらいですが、石碑のフロント部分の波を表わす石の真ん中に赤い小さなボタンがあります。「押せ」と言わんばかりですので(笑)、押してみると、大音量で石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」が流れます。津軽海峡の龍飛岬で聴く「津軽海峡冬景色」、最高です。夏ですけど。(笑) この後、Amazonミュージックで同曲をDL、この後のドライブで車内で流していました。

次は歌謡碑と同じ所にある「階段国道」です。

(上に灯台が見えます。)

ここは国道なのに階段という、日本で唯一の「車が走ることができない国道」です。

(「階段国道」の「上」です。ここから階段を下ると「下」に出ます。)

案内板を見ると位置関係が良く分かります。

(国道339号線をショートカットするように階段があるようです。なぜここが国道になったのかは諸説あるそうですが、一説には国道建設のために用地買収をしたが高低差70mと民家との折衝という難題に当たって放置されたとか。今や観光名所ですが。(笑))

さて、龍飛エリアの観光はこれで終了。ここからは五所川原市に向かって津軽半島を南下して行きます。道中まず立ち寄るのは「眺瞰台」。展望所です。

(逆光ですが、石碑に「眺瞰台」と刻まれています。)

この石碑の所からも絶景を望めますが、更に上に展望台があります。

(「眺瞰台展望入口」。ご丁寧に階段数「117段」と表示あり。「一番いい景色を見ないと。」という強迫観念で117段を上りました。(笑))

360度の眺望です。先程の石碑がこんなに小さくなりました。

龍飛埼灯台も望むことができます。

(陸地の先端にある横広の白い建物が灯台。)

今日の津軽半島、翌日の下北半島など、青森県内を走っていると、とにかく風力発電のあの白い風車をやたらと目にします。調べてみると、青森県は全国でも有数の「強風エリア」で、特に冬期に大陸から津軽海峡を通って太平洋へ吹き抜ける季節風のおかげで、風力発電による発電量が日本一だそうです。

せっかくなので、南方向を向いた景色も。

(海は日本海です。張り出しているのは半島とかではなく、入り組んだ海岸線。)

眺瞰台を出発してしばらくすると、海岸線を走る道路沿いに突然滝が現れました。

(「七つ滝」。事前リサーチから漏れていましたが、ちょっと車を停めて写メ。周りに人工物がないのでとても映えます。)

ここの海側の景色もなかなかのものです。

(夏の日本海。)

更に小一時間走り、道路はすっかり内陸部。途中しじみが名産の「十三湖」を通りましたが(十三湖の「しじみラーメン」、食べてみたかったですが)、立ち寄りはなしでそのままドライブ。その後、五所川原もそう遠くない所まで来ると、名峰「岩木山」を常に望むことができます。

(稲穂はかなり実りつつあります。岩木山を背景に様々な景色をドライブの間見続けることができます。岩木山は、標高1625m、青森県の最高峰。日本百名山・新日本百名山選定。別名「津軽富士」。)

津軽三味線のライブ演奏の時刻に間に合えば立ち寄ろうと思っていた、五所川原市の北部にある「津軽三味線会館」ですが、本日のライブの最終の15時には間に合いそうにもありませんのでスルーして、五所川原市の中心地にある「立佞武多の館」へ直行します。

(到着しました。)

今回の旅では、県内各地の「ねぶた」・「ねぷた」のことも勉強しようと思っています。まずは五所川原の「立佞武多」(たちねぷた)です。

こちらから入館します。

展示室に入るといきなり度肝を抜かれます。何と高さ20m超、重さ約20tの巨大な立佞武多が目の前に。

(2021年制作の「暫」。立佞武多は制作すると3年間使うそうです。全てのねぶたの台部分に「漢雲」と書かれていますが、正式には右読みで「雲漢」(うんかん)。中国語で「天の川」の意味。ねぷた祭りが「七夕祭り」から発展したことからこう書かれるようになったという説もあるそうです。)

毎年1体の大型立佞武多がここ「立佞武多の館」内の制作所で祭りに合わせて作られ「立佞武多展示室」に加わります。ここは五所川原のねぷた祭りの❝基地❞みたいなもの。展示室は4階建て相当で螺旋スロープを歩き下りながら様々な高さから立佞武多を鑑賞できるようになっています。最上階の4階から「暫」を見るとこんな感じです。

(説明によると、大型立佞武多は下から見上げるように作られているそうで、上からだと迫力も半減という感じです。)

五所川原立佞武多祭りのポスター。

(今年の祭りは既に終わっています。)

今ここには3体の大型立佞武多が展示されています。「暫」(2021年制作)の他、「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」(2023年制作)、「閻魔」(2024年制作)。

(2022年が飛んでいるのはコロナ禍の影響があるようです。)

ちなみに、展示室のスロープや建物の外壁の一部は可動式になっていて、祭りの時にはスロープが跳ね上がり、外壁(大扉)が開き、大型立佞武多が出陣して行きます。

(スロープのここが跳ね上がる所。各階の全てが跳ね上がります。)

立佞武多の館を外から見るとこんな感じで高層の建物です。

(外壁(大扉)が開いて大型立佞武多が出ていく様は迫力満点でしょうね。)

ところで、大型だからと言って作りが大味かと言うと全然そんなことはなく、とにかく絵が繊細。

(ここだけ切り取っても芸術作品そのもの。見応えありです。)

「立佞武多の館」で知ったことがいくつかあります。「ねぶた」・「ねぷた」祭りは青森や弘前だけでなく、大小含めれば県内各地にたくさんある。

(めちゃめちゃあります。びっくり。)

代表的なものは、弘前ねぷた、青森ねぶた、五所川原立佞武多あたりですが、大きさや形の特徴を一見して理解できるミニチュアがありました。

(手前から奥へ、弘前ねぷた=扇形、青森ねぶた=面的に広い、五所川原立佞武多=最も大型・高層。実際に来てみないと分からないことをたくさん勉強できます。なお、「ねぶた」か「ねぷた」かの違いはさほど深い意味はないのか、特に説明では触れられていませんでした。)

展示室では壁を大型スクリーンとして、立佞武多の制作から祭りの様子までを上映しています。

(観たのは確かラストの回だったかな。写メはうまく撮れませんでしたのでありませんが、すごく良かったです。)

そして、五所川原の著名人にして立佞武多のアンバサダー的な人が吉幾三さん。

(福岡県で言えば、福岡県立博物館の山笠の展示室の小松政夫さんのような感じ。(笑))

「立佞武多の館」、超おススメです。充実の見学の後はホールでの物産販売を見てみました。こちらにそそられました。

(津軽と言えばりんごジュース。もうちょっとで買って自宅に送ろうかと思いましたが、「ふるさと納税で五所川原市の返礼品にあるのでは?」と気付いてストップ。後で調べてみると、やっぱりありました。で、申し込んでおきました。(笑))

次はテレビで観て実際に見てみたいと思っていた、五能線の「木造駅」(きづくり)の「しゃこちゃん」を訪ねます。

(最後の角を曲がるといきなり見えてきました。移動の車中、私が「しゃこちゃん」のことを言葉で説明してもイメージできなかった妻も実際にこの景色が目に飛び込んで来てびっくり。)

こちらが「しゃこちゃん」。念のため申し上げますが、駅舎(木造駅)です。(笑)

(ちなみに、列車が到着すると目が光るというギミック付きです。(笑))

なぜ「しゃこちゃん」か、ちゃんと説明書きがありました。

(亀ヶ岡遺跡から出土した遮光器土偶がモデルなので「遮光器」→「しゃこ」。(笑) 「遮光器土偶」の名は、土偶の目が北方民族のイヌイットなどが雪中の光除けに着用した遮光器(サングラス)に似ていることから名付けられた、と書かれています。)

駅の中に入ってみると、待合室の壁にもしゃこちゃん。

(面白過ぎます。)

列車が到着すると目が光ると書きましたが、時刻表はこちら。

(超❝疎❞。目が光るところに出会うのはレア中のレアのようです。)

さて、時刻は17時頃。今日の最後の立ち寄りスポットに向かいます。木造の美しい橋「鶴の舞橋」です。木造駅からそんなに離れていませんが、到着した時には鶴の舞橋が架かる貯水池「廻堰大溜池」(別名「津軽富士見湖」)にいい感じに陽が落ちていくところでした。

(湖面に映る光の道もばっちり。)

鶴の舞橋の情報です。所在地は、北津軽郡鶴田町、全長300mの木造橋、木造橋としては日本最長、1994年7月開通(着工は1991年)。さっそく渡ってみます。

(渡って実感しましたが、300mは結構長いです。「長い木の橋」=「長生きの橋」とかけて開運長寿のパワースポットだそうです。ほんまかいな。(笑))

鶴田町の推しは「鶴」。鶴の舞橋は鶴が舞う姿をイメージしているそうです。そして、鶴の舞橋を訪れてみたかったのは、この景色を見たかったから。

(鶴の舞橋と岩木山がコラボした景色。ベスポジではないかもしれませんが、夕暮れのこの景色、最高でした。)

少し移動すると、「逆さ富士」ならぬ「逆さ津軽富士」を見ることができました。

(かなり微妙ですが。(笑))

説明板にベスポジ&ベストシーズンの写真が載っていましたので、せっかくなのでアップしておきます。

(桜の季節、まだ頂に雪を冠する岩木山と鶴の舞橋。でも、この視線の位置、どこか高い所からでないと撮れない一枚だと思いますが、どこから撮っているのか。)

なお、鶴の舞橋はメンテナンス工事に入るようで、月末で通行禁止になるようです。

(来年の3月末までって、結構長い期間渡れない。いい時に訪れました。)

これで今日の観光は終了。あとは青森市内のホテルにチェックインして夕食です。青森港のランドマーク「青森県観光物産館アスパム」が見える頃にはすっかり日が暮れました。

(正面の三角の建物が「アスパム」。この交差点を曲がればホテルまではすぐ。)

本日から連泊するのは「天然温泉 淡雪の湯 ドーミーイン青森」です。

(19時到着。立体駐車場完備(一泊1000円)。)

荷物を部屋に置いて、そのまま夕食へ。ちょうどホテルの道路向かいの街中華が美味しいと評判でしたので、事前リサーチ通りそこへ。「広東料理 東田」。

(ザ・街中華。)

何が美味しいかまではリサーチしていませんが、こちらの「夜限定 660円メニュー」が良さそうです。

(店内は中華料理のあの匂い、床は程良くヌルっとしています。(笑))

660円メニュー2品と、餃子、炒飯を注文して妻とシェア。

(ボリュームよし、味よし。おいしゅうございました。)

今日は「東田」にすんなり入店できましたが、翌日の夜、もう少し遅くにホテルに戻りましたが、その時にはお客さんが並んでいました。どうやら地元の人気店のようです。

この後、明日の朝ご飯を買いにコンビニに行きましたが、何気に見た月が大きい!

(今晩、青森はスーパームーンだったようです。実際にはもっと大きさを感じました。)

お腹もほどほどに膨れてホテルに戻ります。ドーミーインと言えば「夜泣きそば」(無料)。夕食をセーブして夜泣きそばに備え済み。(笑) その他にも無料サービスあり。

(エレベーター内に貼られた無料サービス一覧。)

少し部屋で休んでからレストランへ。

(これです、これ。(笑))

それではいただきます!

(期待を裏切らない美味しさ。スルスルッと完食です。スープは魚介ベースの醤油かな。)

レストランを出ると、りんごジュースのサーバーがありましたので部屋にお持ち帰り。

(津軽のりんごジュースはほんとに美味しい。)

ドーミーイン青森は朝食も魅力的です。

(地元飯を出しているようです。)

ですが、私たちは明朝は6時半にホテルを出発、一路下北半島をめざしますので、朝食はコンビニで買ったおにぎりを車中で。この後、これまたドーミーイン名物の温泉にゆっくり浸かって(湯上りのアイスを食べて(笑))就寝。龍飛岬・津軽半島から五所川原へと巡った1日目はこうして終わりました。

 

・・・・・青森県4泊周遊旅行②〔2日目観光(下北半島)編〕へ続く。


「深大寺天然温泉 湯守の里」

2024年08月16日 | 旅行記

お盆ど真ん中のある日、車で外出です。といっても、妻の所用と姪っ子夫婦に出産祝いをプレゼントするため。まずは妻を目的地で降ろして、所用が終わるまで私はフリー。「さて、ひとりで数時間をどう過ごすか?」、前日リサーチしたところ、近くに穴場と言われる温泉があるとのことで行ってみました。

「深大寺天然温泉 湯守の里」。いわゆるスーパー銭湯ではなく、敷地内に源泉を持つ本物の素朴な温泉。しかも、一度浸かってみたかった「黒湯」です。

(蕎麦で有名な深大寺(じんだいじ)にほど近い、でもひっそりとした場所に駐車場があります。)

駐車場から「湯守の里」までは100mちょっと。前をゆっくり歩く近所のおばさまらしきお二人を抜いて到着。

(観光向け温泉施設というよりは地元の銭湯という趣き。)

「化石温泉」というのぼりが出ています。ここが玄関前です。

(「地下1500m湧出 化石温泉」というキーワードのみの思わせぶりなのぼり。(笑))

「湯守の里」の玄関です。

(なかなかいい感じの建物です。)

昔々からあるような印象ですが、「湯守の里」の開業は2000年に入ってから。この風格は、武蔵野の古民家をそのまま利用して湯処としたので、緑いっぱいの静かな環境に馴染む秘湯の雰囲気を醸し出しているためと思います。

入館したら下駄箱に靴を入れて、その鍵をフロントに預けると、バーコードの付いたロッカーキーを渡されます。館内施設を利用した料金は全てこの鍵にツケられ、出る時に一括精算というシステム。(これが地味に便利です。) フロントから温泉場へ向かう廊下。

(廊下の床が拭き込まれていて好印象。館内では裸足。気持ちいいです。)

この廊下の横に休憩処のひとつがあります。

(焼きそば系の軽食の他、ソフトクリーム、かき氷、飲み物を提供しています。が、みなさん2階の休憩処や食事処を利用するようで、店員さんは不在。フロントの方が兼ねていて、ベルを鳴らして呼ぶとフロントから走って来ます。)

そしてここには「湯守の里」の人気者、うさぎの「茶々」が放し飼いされています。

(ケージはフルオープン。(笑) ですが、茶々はこの中でエサを食べたり水を飲んだりして過ごしていました。(出てくることもあるそうです。) 写メを撮り損ねましたが、左の水飲みノズルから水を飲む姿が激カワでした。)

廊下には「茶々写真展」としてブロマイド並みの写真が飾られています。

(ただただカワイイ。茶々は2018年11月生まれのミニレッキスだそうです。御年5歳、初老というところでしょうか。茶々の元気な姿を見に来るお客さんも多いとか。)

近接の写メも全然平気みたいですので、1枚撮らせてもらいました。

(とても美しい毛並みでした。いつまでもお元気で。)

さて、「湯守の里」の温泉について説明書きがあります。

(「当施設の温泉は地下1500mから湧出した100%天然の温泉を使用しております。この温泉は数百万年前の大陸移動による地殻変動によって地中にとじこめられた海で、化石海水とも呼ばれています。その化石海水が地熱によって温められ、当施設の温泉となっております。・・・黒い色は、海水中の海藻類が微生物により分解されてできた『フミン酸』によるもので、・・・」。先程ののぼりのキーワードの意味が分かりました。(笑))

以前は源泉の場所も見学できたようですが、現在は立入禁止。

(入浴後に休んでいたソファーから偶然「ここが源泉です」を見付けました。源泉湧出量は161ℓ/分。毎晩温泉を抜いて毎朝新しい温泉を入れているそうです。)

「黒湯」と言うと、私の記憶にあるのは銭湯「新宿十二社温泉」。一度浸かってみたいと思っていましたが、確か随分と前に閉業したはずです。黒湯は珍しい温泉なのかと思ったら、関東南部ではあちこちで湧出しているとか。ただ、❝黒の濃さ❞には程度があるようです。「湯守の里」はどうでしょう。こちらが内湯です。

(ネットより拝借。)

「湯守の里」の黒湯、漆黒レベルです。真っ黒。水面から数cm下の手のひらも見えないくらいの濃さです。屋外には自然の雑木林を巧みに生かした複数の露天風呂などが配されていて、かなりいい感じです。

(ネットより拝借。手前は電気風呂・洞窟風呂。奥には「ぬる湯」があって、私はそこが気に入りました。ちなみに、ぬる湯好きの私のおススメは、九州では「有田ヌルヌル温泉」、「熊ノ川温泉」(&お隣の「古湯温泉」)(全て佐賀県)のぬる湯・冷泉がおススメです。)

露天のぬる湯に浸かること30分、まだまだ浸かり続けられそうな快適さでしたが、温泉ですので後で反動が来てもこの後の行程に差し支えますので上がりました。後で知ったことですが、「湯守の里」の黒湯は身体の塩分濃度とほぼ同じ濃さなので長く浸かっていても体への負担が少ないそうです。どうりで上がった後も眠くなるとかだるいとかの❝変調❞は皆無でした。

ここで妻と連絡を取り合いましたが、まだ時間がかかるようなので、私は先に食事を済ますことに。2階の食事処へ。

(揚げたての季節の天ぷらと蕎麦。見た瞬間にこれ一択で決定。(笑))

お昼時ど真ん中でしたので入れるか心配でしたが、すんなり入れました。今日はお盆の特別期間なので、いつもなら食事処だけの利用も可能なところ、温泉利用客限定になっているのも幸いしているようです。で、揚げたての天ぷらと、深大寺名物の蕎麦の天ざる登場。

(蕎麦の大盛り無料。大盛りでお願いしました。これで1400円。都内とは思えないお得感。)

天ぷらも最高でしたが、蕎麦がうまい。深大寺の門前町の蕎麦屋で並ばなくても、ここの蕎麦で大満足だと思います。お会計はロッカーキーを見せて完了。この後も茶々のいる休憩処や、館内のそこここにあるソファーでまったり休憩してちょうどいい時間となりました。

最後に精算。お盆なので温泉利用料は通常より100円アップの1280円、食事が1400円+税、計2820円。良質な黒湯、お得で美味しい料理、混雑もしておらず都内で秘湯感を味わえる雰囲気、まさに穴場。おススメです。

さて、この後妻と合流して、姪っ子夫婦たちと「ベビーザらス」で合流。初めて「ベビーザらス」に入りましたが、じぃじやはぁばに金を使わせるトラップ満載。(笑)

(出産祝いに抱っこ紐などをプレゼント。)

首も座らないジュニアをまた抱かせてもらいましたが、前回よりも重くなっている印象。この後、大音量とともにウ〇チしましたが、新生児なのにスッキリした顔に見えたのは気のせいか。(笑) 元気にすくすく、何よりです。

姪っ子たちを無事に家まで送り届けて、本日のイベントは終了。さすがにお腹が空きましたので、帰宅途中に「味の民芸」で夕食。

(私、牛タンともち麦・とろろ、味の民芸渾身のうどんのセット「牛タン民芸定食」。妻は鍋焼きうどん。おいしゅうございました。)

それぞれが盛りだくさんな一日でしたが、夏休みの楽しい一日でした。


熱川温泉「伊豆ホテル リゾート&スパ」一泊旅行③[完]〔ホテル2日目編〕

2024年07月25日 | 旅行記

昨晩のムーンロードに続き、今朝の日の出も見ることができたら最高だなと思っていましたが、ちょっと方角が違っていたようです。

(本日の日の出は4:41とチェックインの時に教えてくれます。現在午前5時過ぎ。)

恒例の起き抜けの温泉。

(今日も快晴のようですが、相変わらず靄っています。)

7時半頃。すっかり陽が昇って、朝の景色がクリアになってきました。

(テラスより。それでも海の向こうに見えるはずの伊豆諸島の姿は見えません。)

テラスからふと❝足元❞の景色を見てみました。

(ホテルの敷地だと思いますが、立ち入れるエリアではないようです。)

大きな樹の株元に明らかに人工的な石積みがあります。

(ズーム。ひょっとして露天風呂? 昔のものが放置されているのか、これから整備しようとしているのか、謎です。まぁ東棟の部屋から丸見えの場所ですので、活用するものではないでしょうね。)

朝食ではなく、チェックアウト後のブランチプランですので、朝はかなり時間的に余裕があります。昨晩の夕食で出たパンがとても美味しかったので、お土産に買って帰ろうと妻と相談。

(チェックインの時に渡された各種パンフのひとつ、「Bakery & Table Sweets 伊豆」のご案内。)

レーズンパン好きの妻にこの「湯種レーズン食パン」が刺さったようで、9時半の開店時に行ってみようとなりました。

(この写メはブランチの時に撮ったもの。開店時に訪れた時は棚にはまだパンは出ておらず、現在焼いている最中だとか。)

「湯種レーズン食パン」もまだ焼き上がっていなかったので、予約ということになりました。

(照明が反射して肝心の所が見えづらくなっていますが、「生地とぶどうの割合 5:5」。大量のぶどうにも驚きますが、3種類のぶどうを使っているというのも驚きです。この気合の入った「ぶどう食パン」、是非食べねば。)

夕食に出た「くるみぱん」も買いました。

(開店時には食パン同様まだ焼き上がっていなかったので、こちらも予約。この写メはブランチの時に撮りました。)

で、「湯種レーズン食パン」(ぶどう食パン)を帰宅後さっそくカットしてみた断面がこちら。

(「生地とぶどうの割合 5:5」の通り、レーズンの量がすごい。そしてめちゃウマでした。)

「Bakery & Table Sweets 伊豆」でパンの予約をして、そのまま西棟のラウンジへ向かいました。

(西棟の客室が並ぶ廊下の窓から見えた「WAVE GARDEN」。足湯やテラス席があって食事や休憩ができるようになっていますが、この暑さでは出ている人もなし。)

ラウンジに到着。朝食時間のためか誰もいません。

(軽食やアルコールは提供時間外。コーヒーはありました。)

写メのフレーム外左にも大きな部屋がありますので入ってみました。

(雑誌でも読みながらくつろぐソファースペース。更にこの左奥にはワーケーションスペースがありました。)

そして、私たちがここにやって来た目的は、朝卓球をしようということ。15分ほど楽しんだ後は、気になっていたこれ、テーブルサッカーもやってみました。

(10分程のゲームで、2-0で妻の勝ち。テーブルサッカー、2人でやるには無理があるということが分かりました。(笑))

部屋に戻って、チェックアウトまではまったりタイム。

(アクアブリッジにて。西棟の部屋のテラスが見えます。)

チェックアウトは11時。車に荷物を積んで、当ホテルの敷地内ですが、「Bakery & Table Sweets 伊豆」にも駐車場がありますので、そこまで車で移動。

(ロビー棟から下って来る感じですので、帰りの上りを考えると、車で移動した方が楽。ホテルの方のアドバイスです。)

ブランチは通常のランチメニューから好きなものを選ぶことができます。

(ランチメニューは4種類。「ビーフシチューとパン」、「ローストビーフサンド」、「エビカツバーガー」、「クロワッサンサンド」。)

ビーフシチューとエビカツバーガーで迷いましたが、何種類かのパンを味わえるビーフシチューに決定。昨日同様屋内の窓際の席にしました。

(ケーキセット付というのがいいですね。)

セットのケーキも好きなものを選ぶことができます。

(旬のフルーツはブルーベリーとマンゴー。)

ブルーベリーもマンゴーも地物です。

(ブルーベリーは河津町産、マンゴーは三島市産。マンゴーを三島で作っているとは驚きます。伊豆の気候が温暖ということなのでしょうかね。)

ドリンクが先に出てきました。私はアールグレーのアイスを。

(再訪した時のプランを妻と話しながらまったりとした時間が流れます。)

で、ここで昨日のウエルカムドリンクの時から気になっていたことを妻が店員さんに訊いてくれました。「このコースターの下の所が違う形にカットされているのですが、何か意味があるのでしょうか?」。「よくぞ訊いてくれました。」という笑顔の店員さん曰く「実はこのコースター、4種類のカットがあって、全部並べると、ホテルのロゴのデザインにもなっている伊豆諸島の形になるんです。」とのこと。

(店員さんが4種類のコースターを持って来てくれました。)

なるほど、ホテルのロゴデザインの反転パターンになってますね。

(ホテルサイトより拝借。)

ささやかな疑問もスッキリ解消されたところで、ビーフシチューが登場しました。

(セットされているパンの説明もしてくれます。昨晩の夕食とはかぶらないパンでした。ちなみに、パンはおかわりができます。)

ビーフシチューもパンも、そして野菜(サラダ)も美味しかったです。ほどなくケーキが出てきました。私が選んだ「ブルーベリーのタルト」。

(ブルーベリーが大粒で甘い!)

妻が選んだ「三島産マンゴーのショートケーキ」。

(マンゴーはトッピングだけでなく、層の中に大きなカットマンゴーがいくつも入っています。)

店名の「Bakery & Table Sweets 伊豆」の通り、パンだけでなくケーキも絶品でした。夕食+カフェブランチプランのパターン、なかなか良いです。

さて、これで今回の一泊旅行は終了。この後、帰路の高速で一部渋滞に巻き込まれましたが、夕刻前には帰宅。今回もいい旅でした。


熱川温泉「伊豆ホテル リゾート&スパ」一泊旅行②〔ホテル1日目編〕

2024年07月24日 | 旅行記

本日のお宿は「伊豆ホテル リゾート&スパ」。温泉地で言えば「熱川(あたがわ)温泉」エリアになると思いますが、別荘地を抜けた高台に建つ、海を一望できる全室オーシャンビューのリゾートタイプのホテルです。

(ロケーション的に当ホテルへの来訪者以外の車は通らない、静かな場所です。)

アプローチを下って行くと、ホテルの車寄せが見えてきます。

(ここはフロントのあるロビー棟(玄関棟)。)

当ホテルは斜面に建っているので、ロビー棟が最上階で4階。各施設や客室はこの下の階に展開しています。

(ホテル敷地内のマップ。客室は海に向かって翼を広げるように東棟と西棟に分かれます。私たちは東棟(左側)の部屋。)

それでは玄関を入ります。

(全26室。部屋を間引いているのかと思うほど静か。滞在中も音漏れしてきませんでした。)

玄関を入ると、海に向かってこの開放感。

(リゾートホテルは踏み込んだ時最初に目に飛び込んでくる非日常の景色が醍醐味ですね。)

真夏の海は靄っていますが、絶景です。

(このど真ん中の席に案内されてチェックイン。)

座った状態で見える景色です。

(インフィニティ水盤。座った視点からは海と続いているように見えます。ザ・リゾートの景色。)

フロント、ロビーはこんな感じです。

(チーク材を思わせるような木材と白い壁が何となく船の中にいるような感覚になります。)

チェックインも済ませて、部屋に案内していただきます。ロビーからエレベーターで降りて部屋の階へ。この通路までは東棟も西棟も共通。

(❝壁❞に見えるのは木のスリットなので外と同じ気温・湿度です。蒸し暑い。)

そしてこの通路を曲がると向こうが見えない木の自動ドアがあって、それが開くと「アクアブリッジ」に出ます。

(ここでも非日常の景色に感動。海からの風が吹いて、蒸し暑さがかなり緩和されます。部屋から飲み物を持って来てここのソファーでまったりするのもいいですね。アクアブリッジの奥の木の扉(自動ドア)の向こうが東棟。)

東棟への扉の前で振り返って見た景色がこちら。

(奥の木の扉(自動ドア)が西棟への入り口。)

このアクアブリッジは、西棟にある大浴場「深湯露天」、洋食レストラン「WAVE」、ラウンジ「リゾートルーム」へ行く時に何度も通りましたが、通るたびに絶景とリゾート感いっぱいのお気に入りエリアになりました。

さて、部屋に到着。

(東棟は2フロアの構成。そのうちの上の階。)

部屋に入るとまず見える景色がこちら。

(床材はチークか。ソファーセットのあるスペース。左手前にはテレビがあります。トイレは玄関横。)

そのソファーセットの所から見た景色。

(左にベッドルーム、右フレーム外にクローゼット、洗面所、浴室・半露天風呂という作りになっています。)

洗面所は2ボウルタイプ。

(落ち着いた設えでいい感じです。)

浴室と半露天風呂は、シャワーブースを通過しての半露天風呂という一般的な間取り。

(そこそこ虫が飛び交っていますので、浴室の扉と半露天風呂の扉を同時に開けないようにして部屋への虫の侵入を防ぐことができます。)

半露天風呂はオーシャンビュー。

(ホテル全体の内装に石やタイルをふんだんに使っているので高級感があります。)

源泉かけ流し、加温・加水なしの温泉です。

(泉質は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉で、微弱黄色透明、微弱塩味、無臭。クセのないいい温泉です。温度の方は夏場ということで熱く感じますが、熱い湯がにがての私でも浸かれるくらいですので、適温の範疇です。)

テラスもあって同じ方向でオーシャンビュー。

(椅子に座ってゆっくりと、といきたいところですが、蒸し暑いのと虫ちゃんが寄ってきますので、今回はほとんどテラスで過ごすことはありませんでした。)

ウエルカムフルーツの代わりのお菓子。

(「B&T」とは、「Bakery&Table Sweets 伊豆」のことで、宿泊者はもちろん、外の方も利用できる、併設のカフェ。)

冷蔵庫の中のものは無料(オールインクルーシブ)。

(コーヒーセットもあるし、ラウンジに行けばドリンクもそろっていますので、冷蔵庫の中のものを飲むことはありませんでした。缶なのでお持ち帰りに便利。(笑))

ベッドサイドの広々としたカウンターデスクの引き出しを開けると、本が入っていました。

(当ホテルが掲載されているのかと思ってパラパラッとめくって見ると、当ホテルはありませんが、同系列の「東府や Resort & Spa-Izu」と「赤倉観光ホテル」が載っていました。)

部屋の探索もひと段落。今回の宿泊プランは「ゆったり休日のブランチプラン【夕食+カフェブランチ&スイーツ】」。朝食ではなくチェックアウト後のブランチがセットになっているちょっと珍しいプラン。そのブランチの場所が「Bakery & Table Sweets 伊豆」で、ウエルカムドリンクのサービスもやっています。ということで、さっそく「Bakery & Table Sweets 伊豆」へ向かいますが、東棟の私たちの部屋のある廊下の突き当りが宿泊者専用の出入口となっています。

(カフェに続いているとは思えない廊下。)

ここが宿泊者専用出入口。

(普通の扉。(笑))

恐る恐る開けてみると、そこは別世界でした。(笑)

(扉を開けるといきなりこの景色で、ちょっと戸惑います。)

外のテラスには足湯のあるカウンター席もありますが、蒸し暑いので屋内の席を希望。窓際に案内されました。

(ウエルカムドリンクは季節のドリンク「梅ソーダ」を選びました。絶景です。)

この時点ではまだ風呂に入っていません。そろそろ汗を流してまったりモードに入りたいということで、大浴場へ行ってみることに。

(大浴場は西棟ですので、アクアブリッジを通って移動。)

当ホテルの特徴のひとつですが、大浴場は「深湯露天」という深さ125cmの深湯(立ち湯)のみ。普通のお風呂は部屋の半露天でどうぞ、という趣旨のようです。そして、深湯だけのためか、親子連れが来ないので静かに温泉に浸かることができるという、私たちにはありがたい仕様です。

(誰もいないので写メ。妻撮影。部屋の半露天風呂もそうですが、浴槽内には伊豆の青石(伊豆石)が敷き詰められています。個人的に宿の浴槽は伊豆石か総ヒノキが一番好きです。)

男湯の方も同じような作り。(男湯の方がちょっと狭いかな。) 深湯の湯舟からの絶景。

(男湯も私だけ。鳥の鳴き声だけが聞こえます。部屋の半露天よりも温度が低いみたいで私でも長湯できます。最高です。)

深湯を堪能した後は、「リゾートルーム」(ラウンジ)で湯上りの休憩。

(吹き抜けで開放感抜群。アルコール類も無料でサービスされています。)

サッポロ生のサーバーがありましたので、グラスセット。

(サッポロ生飲み放題。(笑))

妻を待つ間に軽く一杯。

(アテは桜えびせんべい。金目鯛せんべいもあったのでいただきました。)

そうこうしていると妻も来ました。妻はソフトドリンクで休憩。温泉で汗も流したところで、、、卓球です。(笑)

(ラウンジ前のスペースに置かれた卓球台。白というのがオシャレでそそられます。)

15分はやったでしょうか、「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」のような卓球室(個室)ではないので、このあたりでやめておきます。せっかく温泉で汗を流しましたが、再び汗をかいたので、部屋に戻って半露天風呂で温泉に浸かります。

夕食は18:30からレストラン「WAVE」で。

(「WAVE」は洋食レストランですが、2021年に和食レストラン「Coastline」もオープン。こちらはカウンター席のみとのことで、再訪の際には和食にしてみたいと思います。)

レストランもオーシャンビュー。横並びのカウンター席もあります。

(先程まで若いカップルが食事をしていました。)

私たちは海に向かって開いているボックスシートに案内されました。

(ゆったり向かい合う席です。)

本日の献立。

「ホテルふたり木もれ陽」のコースよりも品数は少ないですが、私たちにはちょうどいいくらい。)

前菜2品とスープ、メイン料理ですので、飲み物はワインのペアリング3種にしました。まず1種目は「キュヴェ・マガリ」:ロゼ(フランス)。

(フルーティーというか、個性的な香りがするロゼ。とても美味しいです。)

■マーブル仕立てのサーモン(ミントとパセリのフレーバーソース)

(海苔で巻かれています。和を感じる料理です。)

早いタイミングですが、ここでパンが出てきます。

(先程行った「Bakery & Table Sweets 伊豆」のパン。さすがパン自慢のホテルだけあって3種類ともとても美味しいですが、中でも一番手前のクルミパンが絶品。)

次の料理に合わせるワイン2種目は「ラドゥセット レ・ドゥ・トゥール」:白(フランス)。

(鮎料理との相性が抜群というワイン。少しシュワッとする気がします。)

■鮎のコンフィバート包み焼き(ソースサルサヴェルデ)

(ソースは2種類。鮎が清流を泳ぐようなイメージでお皿に描かれた緑のソースは春菊ベース。丸く置かれたソースは鮎の内臓を使ったもの。鮎は頭も尻尾も美味しくいただけます。)

■冷たいコーンクリームスープ

(カップの底にコンソメのジュレが敷かれていて、混ぜながらいただきます。スープは温かいカボチャのポタージュも選ぶことができます。)

メイン料理に合わせるワイン3種類目は、私は魚料理を選びましたので、「ラサス・アルバリーニョ」:白(スペイン)。

(当ホテルのレストラン担当のみなさんもイチオシのワインとのこと。人気のワインでこれが最後の1本だとか。すっきり辛口で白身魚ととても合います。)

■本日の伊豆の鮮魚ロースト

(妻は肉料理を選んで、途中でシェアしました。魚は3種類。「オゴダイ(ヒメダイ)」、「オナガダイ(ハマダイ)」、「アカムツ(ノドグロ)」。エビは殻ごと食べることができます。名前を教えてもらいましたが失念しました。多分ソフトシェルシュリンプだと思います。)

妻は肉料理を選びましたので、3種類目のワインは「シャトー・デュ・ムーラン」:赤(フランス)。

(重くはないですが、料理のソースの味に負けない、しっかりした赤。)

■黒毛和牛フィレ肉のステーキ(新ゴボウとマルサラ酒のソース)

(ソースは、熱川のダイダイ風味の醤油ソースも選ぶことができます。)

魚料理と肉料理をシェアしましたが、どちらも美味しい。コースはデザートを残すのみ。3品+スープというシンプルさですが、1皿のボリュームがあるので、お腹いっぱいです。

■ブランマンジェ

(私のチョイス。)

■クレームブリュレ

(妻のチョイス。)

デザートもしっかりとボリュームがあります。コーヒーと小菓子で終了です。

(先程のデザートで❝別腹❞もオーバーフロー。(笑) 小菓子は部屋でいただくように包んでもらいました。)

ごちそうさまでした。料理のクオリティはもちろん、サーブしていただいたホテルの方の食材やワインの豊富な知識とホスピタリティが素晴らしくて、大満足の夕食となりました。

窓の外には(ほぼ)満月が見えていました。ホテルの所々に、満月の日に現れる「ムーンロード」を描いた絵が飾られていました。

(これは部屋の玄関に飾られていた絵。)

そして、レストランから部屋への帰り道、アクアブリッジから「ムーンロード」を見ることができました。

(美しい。まさか「ムーンロード」を見ることができるとは、望外の喜びです。)

部屋に帰ってお腹がこなれてきたところで温泉に浸かります。

(温泉に浸かっていると、バチッバチッという音が外から聞こえます。集虫灯に飛び込んで虫が焼かれる音でしょうか。日中はウグイスなど鳥のさえずりが一番の音でしたが、夜は静寂の中で時折聞こえるバチッです。(笑))

部屋のテラスからもムーンロードが見えました。

(夜の絶景。)

まだ1日目ですが、「伊豆ホテル リゾート&スパ」、いいホテルです。夫婦ですっかりファンになりました。鰻の「すみの坊」に続き、再訪決定です。(笑)

 

・・・・・熱川温泉「伊豆ホテル リゾート&スパ」一泊旅行③[完]〔ホテル2日目編〕へ続く。