前回来た時は、夕食:メインダイニング「エレテギア」、朝食:和食「瀬戸内 双忘」という組み合わせでしたが、別棟の一軒家「鮨 双忘」で鮨会席をいただけることを知りました。❝カウンターで鮨❞が大好きな(というか憧れる)私たち夫婦、再訪の時は絶対「鮨 双忘」で食べようと決めていました。ついにその時が来ました。
(「鮨 双忘」は2015年4月にベラビスタに新規開店。銀座の名店「魚治はら田」監修。水盤のある「ザ・デッキ」の海に向かって左側にある「鮨 双忘」の建物。竹の生垣に一歩踏み込めば別世界です。)
今生ものを控えないといけない姪っ子と旦那は、私たちが前回食べた「瀬戸内 双忘」で和食のコース。1日目の夕食は別行動となりました。私たちが案内されたカウンターの席は海が一番よく見える端の角席。
(18時スタート。日没後のグラデュエーションの空と漆黒に染まっていく海を見ながら。「鮨 双忘」のカウンター席の中でも最高の2席ではないでしょうか。)
それでは大将の「おまかせ」のスタートです。
■しじみ(汁)
(CMでやっていそうな濃厚なしじみ汁。今日はお酒を飲みまくっても良さそうです。(笑))
鮨に合わせるお酒のペアリングは、ワインか日本酒か。ちょっと迷いましたが、気持ちの赴くままにワインのペアリング(3種)にしました。出すタイミングはお店にお任せします。1種類目は乾杯のシャンパン「ルイ・ロデレール」。
(なかなかたっぷり注いでくれました。(笑) グラスのシュワシュワの中に映る、ライトアップされた庭木と背景の空の色が何とも言えず美しい。これぞシャンパンの醍醐味か。)
■あさりと芹の白和え
(ほうれん草よりもシャキッとした食感の芹が大ぶりのあさりの食感とよく合います。白和えをそのまま酢味噌に変えても成立するコンビ。)
■げその塩麹焼
(げそと言ってもこの身付き。焼いてから切ったのか、吸盤部分は香ばしく、身は烏賊本体の軟らかさ。この一皿の時だけは日本酒を欲しくなりました。(笑))
■蕗の薹の焼き豆腐(葛粉で固めて)
(今が旬の蕗の薹。葛粉で豆腐状にして焼きを入れています。一品目の芹からこの蕗の薹、出てくる料理が季節の移ろいを演出します。)
ここで2種類目のワイン。「サン・ロマン・ラ・ペリエール」(ブルゴーニュ)。
(シャルドネ。すっきり辛口。)
■鮃の造り(からすみとともに)
(鮃は軽く昆布〆されているのか、熟成されているのか、旨味増し増し。自家製からすみの塩味がお造りとしての完成度を爆上げします。)
■鰆の藁焼き(昆布醤油で)
(大ぶりのサイコロステーキを一回り大きくしたような鰆のキューブ。藁焼きの香りと脂ののった鰆の相性が完璧です。昆布醤油をたっぷりつければワインとの絶妙のマリアージュ。)
■百合根の茶碗蒸し
(鮨に入る前の肴系の〆はさっぱりと茶碗蒸し。餡にされていることで出汁の味の余韻が広がります。)
粋なお手拭きが登場。江戸前の作法には不慣れですが、期待度MAXです。
(この山型、鮨を摘まんだ指を拭きやすい。なるほど。)
ワインは早くも3種類目。「ジュヴレ・シャンベルタン」(ブルゴーニュ)。
(ナポレオンが愛したワインだとか。鮨店が選ぶ赤ワイン。どんなマリアージュになるか、楽しみです。)
いよいよ鮨が始まります。コースを振り返ってみると、鮨は全て❝仕事❞がされていますので、醤油をつけていただく鮨は一品もありませんでした。
■鯛
(岩塩がぱらりとトッピングされています。優しい塩で鯛の旨味をばっちり引き出しています。ちなみに、鮨米の銘柄は訊きませんでしたが、酢は赤酢で、ネタの下に見えるシャリはほんのり赤く色付いています。)
■鮍(肝トッピング)
(肝がたっぷりとトッピングされているからか、あるいはこの瞬間に食べるのが味のピークだからか、鮍(かわはぎ)だけは大将から「手でお願いします(受け取ってください)。」と言われました。)
■細魚(さより)
(鮨の醍醐味のひとつ、見た目の美しさ。)
■ふぐの白子焼
(うまい! 白子のクリーミーさが赤ワインともよく合います。表面のちょっと焦げたところも香ばしくて食欲を掻き立てる香りです。)
■墨烏賊
(岩塩をぱらりと。粒々は炒りごまかな。最大の疑問は、墨烏賊だけは鮨台の一番端に置かれたこと。どんな意味があるのか、たまたまか。)
■ままかり
(ここは広島県ですが、ままかりと言えば岡山を代表する魚。まさに地魚です。程良い〆具合で、ままかり本来の美味しさを味わえます。)
■しらさ海老
(四国での水揚げが盛んだとか。車海老の❝親戚❞で、旬はまさに今。甘さとプリッとした食感が最高です。)
■鰤のから揚げ
(表面カリッと中はしっとり。ふぐのから揚げにも負けない美味しさでした。甘酢かと思うほどの優しい酢を感じる大根おろしがいい仕事をします。)
鮨に赤ワイン、意外でしたが合います。おそらく終盤戦に入っていると想定して、日本酒にはいかず、ハイボールを注文。
(お隣さんが飲んでいて美味しそうだったので。(笑) 1918年、広島県廿日市市桜尾での創業にルーツを有する蒸留所「SAKURAO DISTILLERY」のウイスキーのハイボール。ハイボールも地産地消ですね。爽やかな味わいでした。)
■鰺(生姜とねぎを合わせた薬味のトッピング)
(トッピングされていた物が何か分からず食べましたが、その美味しさが気になって、食べた後で大将に「鰺にトッピングされていたものは何ですか?」と訊きました。)
■赤貝
(醤油の本場の地域ですから、煮切りも濃すぎず薄すぎず絶妙な塩梅。赤貝も柔らかくて、何か仕事が施されているのかもしれません。)
■かますの炙り(玉ねぎ醤油で)
(かますの漢字は「魳」。読めません。(笑) 玉ねぎ、醤油、どちらも瀬戸内の名産なり。先程のさよりは生で、かますは炙りで。少し似た魚を違った仕事で。)
■鯛の味噌汁
(鯛のアラがしっかり入っています。味噌は広島伝統の白味噌ベースだと思います。塩味よりも旨味・甘味が際立ちます。おかわりしたいです。(笑))
■穴子ときゅうりの巻物
(細巻きの登場に、無限に続いてほしかった鮨コースも最終盤の予感。それにしても海苔がうまい! 香り、食感、味わい、こんなに美味しい海苔を食べたのはいつぶりか。)
■玉子焼き
(甘いです。表面がパリッとしていて、もはやクリームブリュレです。)
鮨台、醤油さし、がりの皿、湯呑み。全て菊紋(のような柄)で統一されています。
(鮨を引き立てる、渋い落ち着いた色使い。どこの焼物だろう。)
■お米のアイスクリーム
(硬く炊いた米粒が入っています。絶妙の硬さで、大将曰く、この硬さに炊くのは難しいそうです。)
これにて「鮨 双忘」での鮨会席は終了。最高の席、最高の食材と技、美味しいお酒とホスピタリティ、全てが相まって至福のひと時でした。ここで鮨を食べるために再々訪しそうです。(笑)
(名残惜しいですが、「鮨 双忘」を後にしました。)
感動で火照った心身をクールダウンするのにちょうどいい距離。水盤前からラウンジに戻ります。
(夜の「ザ・デッキ」。水盤を挟んでレベルゼロのソファースペースの中央にはファイヤープレイス。ラウンジから飲み物も運んでくれます。)
夜のラウンジでみなさん思い思いのまったりタイムを過ごしています。
(アルコール類は有料です。)
「瀬戸内 双忘」の姪っ子夫婦も夕食が終わったようです。連絡を取り合って合流、4人で夜のアクティビティ「スターテラス」へ。
(「ザ・デッキ」の向かって右側、「エレテギア」方面に歩いて行くと、プールがあり、その近くがアクティビティの場所です。)
プール越しの「エレテギア」はディナータイム中。
(プール、このあたりは水深2m。)
寒さと夜空いっぱいの星々に「スターテラス」の写メを撮り忘れましたが、エレベーターホールにあった天体望遠鏡がここにセットされ、担当の方が木星を捉えています。覗かせてもらうと、かなり小さいですが縞模様の木星が明るく光っていました。テーブルにはiPadが置かれていて、それを夜空に向けると、実際に見えている星々を画面上で線で結び星座の絵として浮かび上がらせてくれます。優れモノの無料アプリだそうで、びっくり。
木星がくっきり見えるくらい、夜も快晴ですが、とにかく寒いです。20分くらいいたでしょうか、天体望遠鏡と星座アプリで天体観測を満喫しましたので、ラウンジに戻ります。そして、本日の〆として楽しみにしていた「尾道ラーメン」を4杯注文。
(無料のサービスですが、本格的な尾道ラーメンです。スープは魚貝系でしょうか、麺はストレートのやや細め、揚げ玉、メンマ、チャーシュー入り。ひょっとしてチャーシューは鶏かも。iPhoneのナイトモードで写メは明るく写っていますが、ラウンジはかなり照明が落とされていて、実はクリアには見えていない中で食べています。(笑))
尾道ラーメン、最高でした。ごちそうさまでした!
それぞれ部屋に戻って、一日の最後に大浴場で温まってさっぱりします。夜のおやつとして、「鮨 双忘」のカウンターのお隣さんが配っていた「はっさく大福」をいただきました。
(お隣さん曰く、「はっさく大福は、この因島の『はっさく屋』が一番うまい。」と大将に力説していました。(笑))
こうして盛りだくさんな1日目が終わりました。明日もイベントがいっぱい、楽しみです。
・・・・・「ベラビスタ スパ&アリーナ尾道」(再訪)2泊旅行④〔2日目~ランチとプチ観光、部屋替わり編〕へ続く。
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