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第4回肝臓教室 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から

2013年10月23日 | 肝臓教室
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から
患者さん向けに行っている勉強会です。難しいところ実際の診療で自分の活用していることなどを解説しています。参考になれば幸いです。
5ページ 
2検査・診断
1はじめに 2.B型肝炎の診断
B型肝炎の診断や治療に使う検査について、ウイルスマーカーの意味を解説しています。これを使い分けて肝炎の状態を診断しながら診療を行います。
s抗原の測定法もどんどん進歩しているので、今の検査ではほとんど見逃されることがないです。でも、まだ、見逃される場合があります。それを補う目的にHBc抗
体測定が有用なことがあります。このガイドではs抗原で十分と書いていますが、肝臓の専門医では例外があるのは覚えておく必要があります。

3。HBV活動性の評価
HBVDNA量を測定することで把握して、陰性化するとs抗原をみて行くことになってきます。ウイルスの量を少なくすることが目標となります。
e抗原が陰性化してe抗体ができてくるこは、治ってくる過程で重要です。ただ、治りきっているわけではないところが注意点です。

4.抗ウイルス療法とウイルスマーカー
抗ウイルス療法をしてウイルス量が順調に下がることが多くなってきています。
薬が効かなくなる、耐性ウイルスがでてくると薬の調整が必要となる場合が有ります。そのタイミングも検査で検討します。
cccDNAとかについては、患者さんは覚えていなくていいと思うので飛ばします。
コア関連抗原量はDNAの陰性化の後低下してくるかを見ますが、いまはs抗原の量が測定されてマーカーとして使えるようになってきています。これが一番有用にな
りそうです。薬をやめるタイミングを計る意義も出てきています。

5.遺伝子型(genotype)とウイルス変異
日本ではgenotypeはCとBが多いです。9種類があるのですが、地域によって特徴が有ります。
プレコアとかコアプロモーターとかは患者さんはパスしてOKです。

6.その他の検査
組織学的な検査は、肝生検ですが、治療方針を決めていく上で重要となることがあります。線維化が強い場合は肝がんのチェックを頻回にする必要があります。危険因
子について書かれています。

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4.一般臨床検査成績
C型慢性肝炎のALTはそんなに上がらないことも多い。ZTTが高くて見つかる患者さんもいる。線維化が強い場合は肝がんのチェックが定期的に行う必要がある。

5.C型肝炎ウイルスマーカー
HCV抗体について、第2世代、第3世代になりほぼ診断がつくようになってきた。治った場合でも陽性になるので注意です。
抗体というと治す物を指すことが多いのですが、この抗体は治す抗体ではありません。

HCVRNA この測定もどんどん進歩しています。 HCVコア抗原も測定されることがあります

HCV遺伝子型genotype、血清型セロタイプ
genotypeは保険適応じゃないためにセロタイプを測ります。検査費用が高いと言うことも保健が通らない原因かな。
ISDRとかアミノ酸変異、IL28Bなどもありますが、これは、お金がかかる場合が多いのであまり知らなくていいと思います。ちゃんとはかれるようになってか
ら測るで十分でしょう。無料で測ってくれる場合は、測ってもらうことも意義がありますが、治療の反応性が一番重要なので、あまり今は意義が無いかなと思います。
今後治療方針を確定していくのに意義が出てくるなら保険を使って測定できるようになると思われます。

6.診断
6ヶ月以上の炎症があれば慢性肝炎と診断、肝生検でも診断が可能です。新犬山分類などをつかったりしています。
換算式で血液データなどを入力して推測するやりかたもありますが、肝硬変の初期であれば慢性肝炎と考えて治療するのとあまり差がないので実際は私たちはあまり
使っていないです。

次回は
第5回11月19日火 かでる2・7 750会議室(7階)
 テキスト10ページからと28ページの中くらいからです。
 内容は、B型肝炎の経過、C型肝炎の自然経過から

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