肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

第5回 肝臓教室 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から

2013年12月02日 | 肝臓教室
札幌駅前地下歩行空間でのテイッシュ配りのあとかでる2・7へ移動して肝臓教室を行いました。
ちょっと送れてしまって申し訳ありませんでした。

今回は
B型肝炎の部分で10ページから
3.経過
1.はじめに B型肝炎ウイルスキャリア(HBVキャリア)の経過は、血液検査のデータから、3つの病気にわけることが可能と書かれています。これも時代によって少しずつかわる部分がありますが、表1で大まかに免疫の寛容期、排除期、監視期となっています。こう言うのを見て先生の方では時期を判断してるってことですね。大事なのは患者さん毎にデータの動きは違うことがあることなんですよね。

2.HBVキャリアの病気
1免疫寛容期 ウイルスは活発に増えているけど人の方が免疫反応を起こして排除しようとしていない時期
2免疫排除期 ウイルスを排除しようと感染した細胞を攻撃して肝炎を起こしている時期
 e抗原が陰性となってe抗体が陽性となっても再活性化がおこることもあるので経過を診るのが大事。この時期に肝炎を起こすのはウイルスの変異がおこっていることがあり、肝硬変や肝がんへ進行しやすいといわれている。

3免疫監視期 非活動性キャリアで人の免疫の方が優位になっていてウイルスの増殖が抑えられて減って行く時期
 この後にs抗原が陰性化したりする。発癌率は低いとされているがゼロではないため経過を診る必要がある。肝細胞の中にcccDNAがなくなるまでは排除されたとは言えないのが面倒なところ。

B型肝炎にかかって治った後でも免疫抑制がかかる治療をすると肝炎が再発することがあるので注意が必要

3.HBVキャリアの自然経過
テキストの図1にあるように多くは肝炎をおこして非活動性キャリアにいこうして回復期へ、慢性肝炎になっていくのは10%強で多くはない。
予後の悪い例が書かれているが、治療をしてウイルス量を抑えていくことが重要となっていくと思われる。

4.治療
1.B型慢性肝炎の治療方針
ウイルスの増殖を抑えて、肝炎を沈静化することである。これにより生命予後とQOLが改善。テキストにいろんな目標が書かれているが、ウイルスを抑えて、肝炎の
改善を維持することが大切。
患者毎のいろいろな状況を把握して治療計画を立てていく。
B型肝炎ウイルスへの免疫反応が少ないと抗ウイルス療法は効果が少ないとされ注意が必要とされている。 ここまで13ページで

C型肝炎の部分は28ページから
2自然経過
1.C型急性肝炎
A型やB型肝炎より軽いが70%が持続感染に移行する。
2.C型慢性肝炎
多くの人は正常化近くまでおちつく、このため健診で見つからない場合も多い。半数は再上昇するとされている。
ALTが持続正常化している人でも進行している場合があることに注意が必要。なるべく早くウイルスを排除するのが望ましいと思うが、いまは、基準としてもうけられている。以前は治療しない方がいいとされていた。
進展を促進する因子などについて書かれているが、早めにウイルスを減らす治療を、それができないばあいは少しでも炎症を抑える治療が望ましい。
3.肝外合併症
肝臓以外に症状が出ることがあり、甲状腺や皮膚、免疫系の病気などがある。自己免疫性肝炎を合併することも有る。

4治療
1.C型慢性肝炎治療の基本的な考え方
原則としてはウイルスを排除すること
治療を急いだ方がいい場合として高齢の方や血小板の低い方ALTの上昇がある人。少量長期投与についても記載されるようになった、うちでは標準量で治療が難しい人はこれを行っています。
2.抗ウイルス治療の適応
インターフェロンの副作用からしない方がいい人はある程度絞られる。それ以外はした方がいいと考えて行う。
もちろん、仕事や生活のことを配慮して相談することが大事。
血小板が15万未満については肝炎の進展を推測して治療を考えるのがいいと思われる。
表1にインターフェロンの種類と特徴が書かれています。
PNALT(持続的にALTが正常値である症例)についてもいまは治療をする方がいいとされるようになってきた。
ここまで30ページ
 
ポチッとして頂けたら幸いですにほんブログ村 病気ブログ 肝臓・胆嚢・すい臓の病気へにほんブログ村 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。