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06食道や胃の静脈瘤の内視鏡による治療

2007年12月29日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤

食道静脈瘤の治療には、外科的治療と内科的治療があります。近年内視鏡による治療が発達し、外科的治療の数は減っています。しかし、内科的に治療できず外科的治療を選択する場合がないわけではありません。
当院では、内科的治療が主流となっています。その中でも内視鏡的治療がほとんどです。
スライドは、内視鏡的治療の主なものを並べたものです。

1-1の血管内注入法が胃カメラを通して針を静脈瘤内に硬化剤という薬を注入して、血管内に炎症を起こして血栓を作り静脈瘤が無くなってくると言う治療です。注入時に痛みを感じる方がいますが、胸のところのつまるような感じがある人が多いです。治療時間は20分前後です。この治療を週一回、もしくは、2週に一回行って、最終的に4回前後行うことでほぼ消失させることができるというものです、施設によってもやり方が違ったりするところがありますが、最終的には2-2のヒートプローブ(アルゴンプラズマ凝固法を使う施設が多くなってきている)による焼灼療法で地固めといって、小さい血管を消失させる治療を組み合わせて再発率を低下させています。

血管内注入法は、技術を習得するのに時間を要することから、最近はEVL(静脈瘤に輪ゴムをかけてしばって血流を停めて消失させる方法)が急速に普及しています。この治療は、薬液の注入法より血流の遮断される範囲が少ないため、静脈瘤の種類によっては不十分な治療となることがあり、再発しやすくなる欠点がありますが、簡便さと効果の出現が早いことから肝臓の予備能が低い場合にも十分治療が可能という利点があります。

CAというのは、瞬間接着剤を静脈瘤内に注入する方法で、胃静脈瘤に主に使用されます。血管内注入なのですが、血管内に入るとかたまり静脈瘤の血流を遮断するものです、固まった部分が後から、胃潰瘍になってでてくるのが特徴です。血管の中で固まるのが比較的早い場合や、うまく血管内に注入できない場合など難しいことがありこれも経験の積み重ねが要求される治療法です。

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