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肝がんや静脈瘤があっても治療してインターフェロンできる人がいる

2010年05月24日 | インターフェロンの少量長期や高齢者治療

C型肝炎ウイルスによる肝硬変で脳症や腹水、食道静脈瘤や肝がんがあった患者さんの治療でインターフェロンまで可能になった患者さんがいました。
肝性脳症や腹水がある場合は、インターフェロンはできないし、肝がんの治療もできない、食道静脈瘤は赤くなってきていて出血破裂をする可能性があるから何とかならないかということで、受診しました。食道静脈瘤に対しては内視鏡的静脈瘤硬化療法をしなくてはいけない状態だったので、硬化剤を注入する硬化療法をして、部分的脾動脈塞栓術をしたところ、脳症がでなくなって、血小板も3.5万から14万まで増えてくれたので、肝がんの治療ができることになり、腹腔鏡下マイクロ波凝固療法とRFAを追加して、その後肝がんの再発がない状態で、脳症や腹水も出なくなった状態が続いたので、少量インターフェロン療法をすることができました。
いつも、うまくいくとは限らないところはありますが、部分的脾動脈塞栓術が非常に効果的であった患者さんでした。
上のスライドは、部分的脾動脈塞栓術の前後のCTでの脾臓の血流低下と血管造影の血流の低下を示したものです。下のスライドは脳症の指標の一つのアンモニア値の推移と治療の経過を示したものです。静脈瘤の硬化療法がEISと書いているところ、部分的脾動脈塞栓術はPSE、肝がん治療はLMCT、RFAと書いているところです。治療開始から7ヶ月でここまでいろんな治療ができるようになった方だったので、とても勇気づけられる患者さんでした。
 

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