当地域においても新規就農者が増加しており,若手農業者による農村地域の活性化が期待されているなか,若者らしい新鮮な発想に共感を集めて資金調達を行う「クラウドファンディング」手法が注目されています。そこで実際にクラウドファンディングによってプロジェクトを成立させた若手農業者の取り組みを学び,農業経営における自己実現に向けた意識の醸成を図るとともに,地域で活動する若手農業者同士の交流を深めるため,「『クラウドファンディングで夢を叶えよう』研修会」2月14日大崎市で開催しました。
まずはじめに,「秋保ヴィレッジガーデン」の施工を手がけ,秋保で花きの少量多品目栽培を行っている「はゆな花壇」の丹野優奈氏より,ガーデンに秋保地域の形を模したジオラマ式庭園を施工する費用としてクラウドファンディングを活用した体験について講演をいただきました。地域のためにこの事業を行いたいという思いから挑戦を決意し,目的達成のために取り組む過程で資金以外にも様々な支援が得られ,苦労もたくさん経験したことから,「強い思いがあるなら取り組んで損は無い,成功への強い気持ちが大切」「成功するには事前の根回しは必須」「ビジョンやプロセス作りは入念に行う」「丁寧な情報発信が重要」などのアドバイスをいただきました。
次に,「ウラバタケcafe」の小玉仁志氏より,鳴子で温泉熱を使ったドライフードづくりにクラウドファンディングを活用した経験について講演をいただきました。あえてネット販売では無く,実際に鳴子に足を運んでもらう仕組み作りを目的とし,リターンは鳴子に行かないと受け取れないものを設定したこと,誰にとってどのようなことがあるのかをわかりやすく説明できるように工夫したこと,クレジット決済の手続きが煩雑で出資までたどり着けない支援者がいたこと,24時間体制で質問への対応を行ったことがあるが,この手法によって資金とともにファンも獲得できたこと,メディアからの注目が増加する等の効果があったことなど体験に基づいた具体的なアドバイスを聞くことが出来ました。
また,講演終了後は,講師と参加者が昼食を取りながら,自己紹介やそれぞれの営農状況などについて情報交換を行りました。参加者は初対面の方が多かったものの,近況や就農のきっかけなどの話題で会話が弾み,交流を深めることが出来ました。
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