1月21日にJA名取岩沼美田園支店研修室において,普及センター主催の水稲直播技術研修会を開催しました。今年度は,現場の要望を受けて水稲直播栽培技術の普及に重点的に取り組み,調査ほの設置や現地検討会を実施し,情報の共有に努めてきました。今回の研修会はその締めくくりとして開催したものです。
始めに,東北農業研究センター 大谷上席研究員より,名取市耕谷地区で現地実証をしている「プラウ耕と水稲乾田直播を核とした輪作体系」について講演を行いました。従来のロータリー代かき体系から,プラウ耕鎮圧体系に転換することで,畑作機械で水稲作業を実施できることで,コスト低減が可能になることに加え,水稲だけでなく麦や大豆も高収量を実現するというものです。
さらに,普及センターからは直播水稲の生育経過について説明し,作業体系の違いや資材費の内容及び,コスト削減や作業分散の重要性について説明をしました。
最後に水稲直播栽培に取り組む生産者や研究者などをパネラーに,「水稲直播栽培のツボ」と題して討議を行いました。討議の中では,乾田直播は播種時期に幅を持たせることが可能であるため,作業分散に有効であると改めて確認し,稲作に直播栽培を導入し軽労化を図ることは,園芸品目を取り組む上で重要との発言があるなど,地域の実情を踏まえた活発な討議となりました。
普及センターでは,今後も水稲直播に関する技術指導を継続し,土地利用型経営体における経営安定化を目指して様々なニーズに対応していきます。
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター 先進技術班
TEL 0223-34-1141
FAX 0223-34-1143