登米市におけるこれまでの就農相談体制は,就農希望者が相談の内容によって複数の機関を訪問することになっていた他,支援機関も1人の就農相談にかなりの時間を要するなど,相談側,支援側両者からワンストップでの相談体制が求められていました。
そこで,就農希望者の相談から認定に至るまでの一連の流れについて体制を整備し,毎月1回,就農支援機関が一堂に会して相談を受け付ける,定例就農相談会を8月から開始しました。
相談会は,関係機関から一方的に質問やアドバイスを行うのではなく,「相談者が自分の聞きたいこと,疑問に思っていることを解決できる場」,「相談者が,この場があってよかったと思えるように,どのようにしたらよりよい道が開けるのか,その道筋づくりのきっかけの場」とすることを関係機関一同が共通認識として確認し始まりました。
相手の立場になって話を引き出す進め方に,相談者も「話を聞いてもらった」「相談にのってもらえた」といった満足感が顔に表れていました。
また,相談の最後には,関係機関からのアドバイスを整理し,「今さしあたってしなければいけないこと」を示すことにより,相談者にとっては当面解決すべき課題が明らかになり,関係機関にとっても相談結果を共有できるなど,双方にとって有意義な会となりました
残念ながら,就農を断念せざるを得ない場合や事業を活用できない場合,これまでは関係機関から一方的に,「就農は難しいよ,無理だよ」とアドバイスをしてきましたが,その場合は,相談者も納得がいったような,いかないような形で悶々とし,中々前に進まないといった場面が往々にしてありました。
相談者自身が就農するにあたっての課題が様々あることに気がつく方が,たとえ就農を断念するにあたっても納得するのではないかと今回の相談会を通じて新たに感じたところでありました。
これからも,様々なパターンの就農相談が出てくると思われますが,各相談者にとってよりよい道が開かれるよう,今後も関係機関が一丸となってアドバイスをしていきます。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 地域農業班
〒987-0511
宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電 話:0220-22-8603 FAX:0220-22-7522