平成26年2月14日(金),栗原農業士会(会長:白鳥一彦,会員24名)は,食と農をテーマに山形県へ先進事例視察研修会を開催しました。
本研修会は,農業経営の優良事例を学び,会員の資質向上を図るもので,今回は,山形県西村山郡河北町で,地元の野菜を使った総菜や弁当等を製造販売する「有限会社 デリカコンタ」を訪問し,代表取締役の今田とも子氏から起業のきっかけや経営状況,農業への思いを聞いてきました。
今田さんは義父の死亡を機に東京から夫ともに帰農。しかし,義父がやっていた農業はわからず,「どうやって生きていったらいいんだろう」から始めたのが農産加工。普通に売られている弁当や総菜,加工品は食材を消毒液につけ,仕上げも消毒する現状を見て,「こんなものを自分の孫達に食べさせたくない,こんな風に「食」を伝えてはならない,生産者が一生懸命生産した「素材」を殺してはならない。」そんな思いから,地元の野菜を使った総菜や弁当等の製造販売をはじめました。
「食は命を作ることを伝えたい」,「郷土の食材を大事にしたい」,「商品を見せるのではなく,作る生産者の思いを売りたい」,そのような思いを抱きながら経営し,それは息子夫婦にも伝わっています。
視察した農業士達は,「安全・安心っていったい何だろう。消費者にとっての安全・安心じゃなくて,作る側の方の安全・安心になっているんじゃないか。」との今田さんの言葉が忘れられない。まさにそのとおりだ。自分たちの作った生産物をもっと大事にしていかなければ」という思いを新たにできた非常に有意義な研修であったと振り返っていました。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 先進技術班兼地域農業班
TEL:0228-22-9437
FAX:0228-22-5795・6144