mitumine 夢幻庵日記

夢うつつで過ごしている日々、趣味の絵・旅行・写真・ハイキング・読書などを写真を交えて気ままに記しています。

桐野夏生著 「ナニカアル」 新潮文庫 を読んだ

2013-03-03 05:12:18 | 読書


「放浪記」等を著した林芙美子の回想記とも小説ともつかないものが、彼女の死(1951年47歳)後40年経って出てきた。
後添えとなった芙美子の姪房江が、画家である夫緑敏の遺言(描いた絵は全部燃す)で、絵を整理中に見つけたもの。

昭和17年、陸軍の要請で(徴用?)シンガポールやインドネシアに従軍したとき芙美子が記したものだ。
新聞記者で不倫相手である謙太郎への熱い想いと別れの修羅場(これは迫真)、帰国後生まれた晋(謙太郎の間の子供、実名は泰という-1959年事故死)を養子として育てた。

勿論これは虚実ない交ぜになった小説だが、芙美子の自伝かと思わせるほど良くできている。読売文学賞などを受賞している。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2月の纏め | トップ | 成毛 眞著 「面白い本」 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事