「放浪記」等を著した林芙美子の回想記とも小説ともつかないものが、彼女の死(1951年47歳)後40年経って出てきた。
後添えとなった芙美子の姪房江が、画家である夫緑敏の遺言(描いた絵は全部燃す)で、絵を整理中に見つけたもの。
昭和17年、陸軍の要請で(徴用?)シンガポールやインドネシアに従軍したとき芙美子が記したものだ。
新聞記者で不倫相手である謙太郎への熱い想いと別れの修羅場(これは迫真)、帰国後生まれた晋(謙太郎の間の子供、実名は泰という-1959年事故死)を養子として育てた。
勿論これは虚実ない交ぜになった小説だが、芙美子の自伝かと思わせるほど良くできている。読売文学賞などを受賞している。
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