1 「戦争は女の顔をしていない」 スヴェトラーナ・アレクシェーヴィッチ 三浦みどり 訳 岩波現代文庫
第二次世界大戦の時(1921年6月-1949年5月)、ソ連はナチスヒトラーと壮絶な戦いを展開した。
100万人を超える女性が従軍し、軍務は多岐にわたり衛生指導員・狙撃兵・機関銃射手・高射砲隊長・工兵など様々、そして驚くことに年齢(本来は18歳)を偽ってまでも徴兵司令部まで出向き、前線での業務を希望していることである。スターリンの愛国心教育が行き届いていたのだろうか、信じられない思いだ。本書に出てくる女性は15ー30歳で、その体験談は読み進むのがためらわれる程のものだった。
著者は、戦後は戦争体験をひた隠しにしていた(白眼視されていたため)500人以上の女性にインタビューを繰り返し、1997年にロシアで刊行された。今でも祖国(ベラルーシ)では刊行されていないという。
著者は2015年ノーベル文学賞を受賞している。
以下、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)からの引用
アドルフ・ヒトラーは、ソ連との戦争を「イデオロギーの戦争」「絶滅戦争」と位置づけ、西部戦線とは別の戦争であると認識していた[5]。
1941年6月22日3時15分、ドイツ軍は作戦名「バルバロッサ」の下にソ連を奇襲攻撃した。ヨーロッパにおけるドイツ占領地からは反共主義者の志願者や、武装親衛隊によって徴発された人々がドイツ軍に加わった。
開戦当初、ソ連軍が大敗を喫したこともあり歴史的に反ソ感情が強かったバルト地方や、過酷な共産党の政策からウクライナの住民は、ドイツ軍を当初「共産主義ロシアの圧制からの解放軍」と歓迎し、ドイツ軍に志願したり共産主義者を引き渡すなど自ら進んでドイツ軍の支配に協力する住民も現れた。また反共主義者はロシア国民解放軍やロシア解放軍として共産主義者と戦った。しかし、スラブ人を劣等民族と認識していたヒトラーは、彼らの独立を認める考えはなく、こうした動きをほとんど利用しようとしなかった。親衛隊や東部占領地域省(ドイツ語版)はドイツ系民族を占領地に移住させて植民地にしようと計画し、一部実行された。
独ソ戦の犠牲者(戦死、戦病死)は、ソ連兵が1470万人、ドイツ兵が390万人である。民間人の死者をいれるとソ連は2000〜3000万人が死亡し、ドイツは約600〜1000万人である。ソ連の軍人・民間人の死傷者の総計は第二次世界大戦における全ての交戦国の中で最も多いばかりか、人類史上全ての戦争・紛争の中で最大の死者数を計上した。両国の捕虜・民間人に対する扱いも苛酷を極め、占領地の住民や捕虜は強制労働に従事させられるなど極めて厳しい扱いを受けた。ドイツが戦争初期に捕らえたソ連兵の捕虜500万人はほとんど死亡している(第二次世界大戦におけるドイツによる外国人強制労働(英語版))。またドイツ兵捕虜300万人の多くはそのままソ連によって強制労働に従事させられ、およそ100万人が死亡した(ソビエト連邦におけるドイツ人強制労働(英語版)
2 「句による評伝 小林一茶」 金子兜太 岩波現代文庫
一茶(1763-1827)が生涯で詠んだ2万句から、同じ俳人でもある著者金子兜太氏が年次順に90句を選んで口語訳を付けて、当時の一茶の立場や気持ちをわかりやすく解説している。
これを読むと、波乱に満ちた一茶65歳の生涯が、90句で俯瞰できるようになっている。
10月に訪れた柏原の一茶の終焉となった土蔵と案内 ↓
3 東京貧困女子。 中村淳彦 東洋経済新報社 本書は帯にもあるとおり、東洋経済オンラインで人気の「貧困にあえぐ女性達」を書籍化したもの
著者は20年以上もAV女優や風俗業界の取材を続けてきたが、2006~07年あたりから「もしかして日本はおかしくなってきているのではないか?」とうっすらと違和感を抱くようになったという。AV女優が「出演料が安すぎて、とても普通の生活が出来ない」という層が現れた、という(P8-9)。2000年代半ばから身体を売りたい女性が急増したために価格が急降下したのだという。
介護という福祉事業でも同じことが起こっているという。現場介護職の実質的な平均賃金は300万円を切っているという(P10)。
本書の内容をいちいち取り上げるのも出来ないので、取り敢えず目次の一部にとどめておく。全て著者と友人の女性で面談した内容が載せられている
第1章 人生にピリオドを打ちたい
現れたのは国立大学医学部の現役女子大生
パパのことは「恋人にばれなければいい」
入学式の前に「風俗嬢」になった
親の借金を返すために風俗で働く 等など
第2章 親には一生会いたくない
内定を蹴ってAV嬢に
奨学金制度が学生を追い詰める 等など
第3章 明日一緒に死のう。死ぬから
第4章 第4章 あと1年半しか仕事が無い
23歳で社会人になってから、ずっと「派遣」
休日のたびに風俗店に出勤 等など
第5章 45歳、仕事に応募する資格さえありません
第6章 子どもの未来が消えていく
終 章 絶望の淵
私見だが、1999年小泉政権の労働者派遣法改正によって、非正規枠が拡がりますます格差が拡大し、弱い女性にしわ寄せが行き本書のような事態に遭遇するめになったような気がする。このような政策は変えて欲しい。
4 貧困を救えない国日本 阿部 彩 鈴木大介 PHP新書
本書は、貧困等が専門の学者阿部彩氏(首都大学東京)と文筆業で「最貧困女子」などの著作がある鈴木大介氏の対談をまとめたもの。
問題が多岐にわたっていて、読後感をとても書けない…ので、省略 m(_ _)m
第二次世界大戦の時(1921年6月-1949年5月)、ソ連はナチスヒトラーと壮絶な戦いを展開した。
100万人を超える女性が従軍し、軍務は多岐にわたり衛生指導員・狙撃兵・機関銃射手・高射砲隊長・工兵など様々、そして驚くことに年齢(本来は18歳)を偽ってまでも徴兵司令部まで出向き、前線での業務を希望していることである。スターリンの愛国心教育が行き届いていたのだろうか、信じられない思いだ。本書に出てくる女性は15ー30歳で、その体験談は読み進むのがためらわれる程のものだった。
著者は、戦後は戦争体験をひた隠しにしていた(白眼視されていたため)500人以上の女性にインタビューを繰り返し、1997年にロシアで刊行された。今でも祖国(ベラルーシ)では刊行されていないという。
著者は2015年ノーベル文学賞を受賞している。
以下、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)からの引用
アドルフ・ヒトラーは、ソ連との戦争を「イデオロギーの戦争」「絶滅戦争」と位置づけ、西部戦線とは別の戦争であると認識していた[5]。
1941年6月22日3時15分、ドイツ軍は作戦名「バルバロッサ」の下にソ連を奇襲攻撃した。ヨーロッパにおけるドイツ占領地からは反共主義者の志願者や、武装親衛隊によって徴発された人々がドイツ軍に加わった。
開戦当初、ソ連軍が大敗を喫したこともあり歴史的に反ソ感情が強かったバルト地方や、過酷な共産党の政策からウクライナの住民は、ドイツ軍を当初「共産主義ロシアの圧制からの解放軍」と歓迎し、ドイツ軍に志願したり共産主義者を引き渡すなど自ら進んでドイツ軍の支配に協力する住民も現れた。また反共主義者はロシア国民解放軍やロシア解放軍として共産主義者と戦った。しかし、スラブ人を劣等民族と認識していたヒトラーは、彼らの独立を認める考えはなく、こうした動きをほとんど利用しようとしなかった。親衛隊や東部占領地域省(ドイツ語版)はドイツ系民族を占領地に移住させて植民地にしようと計画し、一部実行された。
独ソ戦の犠牲者(戦死、戦病死)は、ソ連兵が1470万人、ドイツ兵が390万人である。民間人の死者をいれるとソ連は2000〜3000万人が死亡し、ドイツは約600〜1000万人である。ソ連の軍人・民間人の死傷者の総計は第二次世界大戦における全ての交戦国の中で最も多いばかりか、人類史上全ての戦争・紛争の中で最大の死者数を計上した。両国の捕虜・民間人に対する扱いも苛酷を極め、占領地の住民や捕虜は強制労働に従事させられるなど極めて厳しい扱いを受けた。ドイツが戦争初期に捕らえたソ連兵の捕虜500万人はほとんど死亡している(第二次世界大戦におけるドイツによる外国人強制労働(英語版))。またドイツ兵捕虜300万人の多くはそのままソ連によって強制労働に従事させられ、およそ100万人が死亡した(ソビエト連邦におけるドイツ人強制労働(英語版)
2 「句による評伝 小林一茶」 金子兜太 岩波現代文庫
一茶(1763-1827)が生涯で詠んだ2万句から、同じ俳人でもある著者金子兜太氏が年次順に90句を選んで口語訳を付けて、当時の一茶の立場や気持ちをわかりやすく解説している。
これを読むと、波乱に満ちた一茶65歳の生涯が、90句で俯瞰できるようになっている。
10月に訪れた柏原の一茶の終焉となった土蔵と案内 ↓
3 東京貧困女子。 中村淳彦 東洋経済新報社 本書は帯にもあるとおり、東洋経済オンラインで人気の「貧困にあえぐ女性達」を書籍化したもの
著者は20年以上もAV女優や風俗業界の取材を続けてきたが、2006~07年あたりから「もしかして日本はおかしくなってきているのではないか?」とうっすらと違和感を抱くようになったという。AV女優が「出演料が安すぎて、とても普通の生活が出来ない」という層が現れた、という(P8-9)。2000年代半ばから身体を売りたい女性が急増したために価格が急降下したのだという。
介護という福祉事業でも同じことが起こっているという。現場介護職の実質的な平均賃金は300万円を切っているという(P10)。
本書の内容をいちいち取り上げるのも出来ないので、取り敢えず目次の一部にとどめておく。全て著者と友人の女性で面談した内容が載せられている
第1章 人生にピリオドを打ちたい
現れたのは国立大学医学部の現役女子大生
パパのことは「恋人にばれなければいい」
入学式の前に「風俗嬢」になった
親の借金を返すために風俗で働く 等など
第2章 親には一生会いたくない
内定を蹴ってAV嬢に
奨学金制度が学生を追い詰める 等など
第3章 明日一緒に死のう。死ぬから
第4章 第4章 あと1年半しか仕事が無い
23歳で社会人になってから、ずっと「派遣」
休日のたびに風俗店に出勤 等など
第5章 45歳、仕事に応募する資格さえありません
第6章 子どもの未来が消えていく
終 章 絶望の淵
私見だが、1999年小泉政権の労働者派遣法改正によって、非正規枠が拡がりますます格差が拡大し、弱い女性にしわ寄せが行き本書のような事態に遭遇するめになったような気がする。このような政策は変えて欲しい。
4 貧困を救えない国日本 阿部 彩 鈴木大介 PHP新書
本書は、貧困等が専門の学者阿部彩氏(首都大学東京)と文筆業で「最貧困女子」などの著作がある鈴木大介氏の対談をまとめたもの。
問題が多岐にわたっていて、読後感をとても書けない…ので、省略 m(_ _)m