「植物知識」 牧野富太郎 講談社学術文庫
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前書き冒頭から、花は、率直に言えば生殖器である、という文に 驚かされる
花の特徴や産地(分布)などの他、万葉集や民話からの引用、氏独自の見解 もあったりで飽きさせない、文体も歯切れがいい 、ボタンから始まり身近な18種 がイラスト入りで載せられている
果実はリンゴ他3種類 でみかんは何と毛の中の汁を味わっている(P.88)
ばななは、皮を食している(P.94)、イチゴは茎を食している(P.99)と驚くことばかり
昭和24年(1949年)逓信省内の通信教育振興会から発行(本書に寄せて 伊藤洋)され(このとき著者は88歳というから驚く)、1981年に講談社学術文庫として出版、版を重ね2018年第51刷を購入(660円)
「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 大島真須美 文藝春秋
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浄瑠璃狂いの父に従って道頓堀の竹本座(門左衛門が作者で関わっている)に入り浸っている内に、当人も父母の間が険悪になるまでに道頓堀通いに父も思いあまって京都の知人に預けることにする。このとき父から貰った門左衛門の硯が縁で近松半二を名乗るようになる。道頓堀に舞い戻った半二はまた竹本座に関係するようになるがなかなか芽が出ない。
苦難の末「妹背山婦女庭訓 魂結び」で喝采を浴びるまでになるが、時代は歌舞伎になびくようになるのが哀しい。
大阪弁だろうか、弾むような話し言葉、江戸中期の芝居文化の様子の描写も面白い。
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