著者はフランス人で「ル・モンド」特派員を務め、30年間も日本に滞在している。
17世紀から20世紀の間、権力から疎外・あるいは利用されてきた「えた」(皮革・なめし・皮剥・藍染め・竹細工・茶道具・職人など)、「非人」(売春婦・乞食・占い師や零落者・傀儡・鐘つき・声聞師・猿飼・墓堀人など)等、士農工商身分の周辺に位置づけられた人々の生活史。明治になると、新平民に位置づけられ、また新たな差別の歴史。後半部は博徒、やくざ、テキヤの歴史に割かれ、これがまた詳細にわたっていて驚く。
底辺に位置づけられた民の歴史は、痛ましい。そしてこの書のような視点からの歴史書は珍しく、それも著者が外国人というのにも驚かされた。
4,300円と高価だが、それ以上の価値があると思う。とてもいい本に巡りあった。
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立場を逆にして考えてみると、堪りません。