私の好きな逢坂もので、私立探偵岡坂神策シリーズの2作目、初出は20年前の1989年。
当時はバブル期の絶好調の時で、本書も神田界隈の地上げがバックにある。
題名にある女とは、その地上げに遭う古書店主の娘で腎臓移植を待ち望むみずえ、あるいは明央大学でスペイン文学を研究していて、レイプ事件の証言者になった理恵のことだろうか。
岡崎を取り巻く桂本弁護士、霜月刑事、花形理恵助教授、ギター教師の彩子等々独特なキャラクターの人物が面白い。
ひと言で言えば生体腎移植に絡むスキャンダルだが、著者のスペインの歴史に関する造詣が随所に出ていて、とても興味深い物語になっている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます